第40話 やっぱりガルガはしつこかった
「あ、あん……っ。トウマ様、そこは、始祖のコアが……とろけてしまいますわ……っ」
世界樹の別荘のプライベートサロン。 ベッドの上では、昨日まで『世界の悪意』として恐れられていた毒の始祖アバドン――改め、黒髪ロリータ王女のアバちゃんが、尻尾のようにドレスの裾を揺らしながら悶えていた。
彼女の体内に残るわずかな「世界の呪毒」を、俺の指先から放つ【神毒】で優しく、かつ徹底的に『調教』してやっているのだ。
「トウマ様、その子ばかり贔屓するのはずるいですわ! 私だって、昨日のお留守番のご褒美、まだ満足にいただいておりませんもの!」
セレフィナちゃんがぷんぷんと頬を膨らませて詰め寄ってくる。
「ちょっと、始祖だか何だか知らないけど、トウマくんの特等席を独占するんじゃないわよ!」
エレノアもツインテールを逆立てて怒っている。
「みんなも後で順番に『調教』してやるから、少し落ち着いて。」
俺は彼女たちをあやしながら、イザベラさんが運んでくれたハーブティーを口にした。
世界の悪意の端末をリフォームし、別荘の『永久魔力炉』の出力は従来の数百倍にまで跳ね上がっている。
だが、俺たちがこうして甘美な日常を満喫している裏で、どこまでも愚かなゴミ虫どもが、最後の悪あがきを始めようとしていた。
同時刻。王都の辺境に佇む、薄暗い酒場の片隅。
「クソがッ……! なぜだ、なぜあの呪具を使ってすら、トウマの野郎を殺せない……!」
元Sランクギルド『聖なる光』のギルマス・ガルガは、ボロボロの衣服に身を包み、血走った目で机を叩いた。 先の決闘で禁忌の呪具を粉砕され、仲間もろとも泡を吹いて敗北したガルガだったが、執念深くもまだ諦めていなかったのだ。
「ガルガの旦那……もうおしまいだ。俺たちのギルドは完全に破産、違約金の支払期限は明日だ。このままじゃ全員、奴隷鉱山に送られちまう……!」
残された数少ないギルドメンバーが、絶望に震えながら告げる。
「……いや、まだ一発逆転の手がある。」
ガルガは不敵に、いや、狂気に満ちた歪んだ笑みを浮かべた。
「王都の最南端にある、未踏破の超難関『死のダンジョン』だ。あそこには、一国の国家予算に匹敵する古代の秘宝が眠っているという。……俺たちのSランクの意地を見せて、あのダンジョンを最速攻略する。そうすれば、借金など一瞬で帳消しだ!」
「し、しかし旦那! あそこは入った瞬間に致死性の猛毒トラップで全滅すると言われる、文字通りの死地ですよ!?」
「ハッ、今の俺たちには『帝国の暗部』から横流ししてもらった強力な対毒ポーションがある! トウマの地味な解毒魔法がなくても、あの程度のダンジョン、力押しで突破して見せるわ!」
焦燥に駆られたゴミ虫どもは、自ら破滅の泥沼へと飛び込む決意を固めた。」
「――というわけでトウマ様。元ギルドの残党どもが、慌てて『死のダンジョン』へと向かったようです。」
別荘のテラスで、ヴィオレが呆れたように報告してきた。
「死のダンジョン、か。あそこ、確か俺の別荘の地下ワインセラーの奥と空間が繋がってたはずだぞ。」
「えっ?」
ヴィオレが美しい目を丸くする。
そう。国宝級の『世界樹の別荘』は、世界の魔力の結節点に建っている。 わざわざ正面から罠だらけの迷宮に挑まなくても、我が家の地下室の壁を少し『リフォーム』すれば、一瞬で最深部の宝物庫の裏口へと繋がってしまうのだ。
「フィオナ、アバちゃん、ちょっと散歩に行くぞ。美味いワインのつまみになりそうな秘宝でも回収してくるか。」
「はい、トウマ様! どこまでも御供します!」
「トウマ様と一緒のデート、嬉しいですわ……っ!」
俺は愛しいハーレムメンバーを連れて地下へと向かう。
第40話を読んでいただき、ありがとうございました!
焦る元ギルマスのガルガ達が、トウマ様の圧倒的なチート環境の前にどれほど無様に散るのか、今から執筆が楽しみで仕方がありません(笑)。
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21:00の更新をお楽しみに!




