↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/57

第39話 門から可愛いお姫様が出てきた

「あ、あぁ……トウマ様、の魔力……。脳が、溶けてしまいそうです……っ」


 世界樹の別荘の大広間。 闘技場から連れ帰った『帝国の暗部』の元女刺客――黒髪のショートカットが凛々しいレイラは、今や床に膝をつき、俺のズボンの裾を掴んでうっとりと頬をすり寄せていた。


 闘技場で俺の【神毒・概念猛毒】によって『敵意』を丸ごと『絶対服従の愛』へと書き換えられた彼女は、別荘に到着した途端、完全に本能を爆発させている。


「トウマ様、その娘の身体検査は私が。……ふふ、おかしな暗器でも隠していないか、念入りに『解毒』して差し上げますわ。」


 妖艶な笑みを浮かべるエルフ王妃のイザベラさんが、レイラの顎をクイと持ち上げる。


「ちょっと、お母様まで参戦しないでよ! 闘技場から帰ってきたと思ったら、また新しい女の子を蕩けさせて連れてくるなんて……!」


 セレフィナちゃんが頬を膨らませる。


「やれやれ……。襲われたから、無害化して連れてきただけなんだがな。」


 俺はソファに深く腰掛け、ヴィオレが淹れてくれた紅茶を口にする。ガルガを完全に文字通り「泡を吹かせて」自滅させた今、元Sランクギルド『聖なる光』というゴミ虫どもは完全に歴史から消え去った。


 だが、レイラの記憶から読み取った『帝国の暗部』、そして世界の悪意の本体である『毒の始祖』の動きは無視できない。


「トウマ様、お戯れはそのくらいに。……『それ』が、来ます」

 

 膝の上で丸くなっていたダークエルフのフィオナが、急に耳をピンと立て、怯えたように俺の胸に顔を埋めた。


ドクン――。


 その瞬間、世界樹の別荘全体が激しく鳴動した。 窓の外を見ると、『魔界の門(ポータル)』が、内側からの異常な圧力によって激しく火花を散らしている。


『オオオオオオォォォォ……ッ!!!』


 空間を切り裂くような、悍(おぞ)ましい咆哮。 門(ポータル)の最奥、次元の裂け目から現れたのは、巨大な影。それは数千年前、世界を滅ぼしかけ、フィオナの一族が封印し続けてきたという『世界の悪意』の魂の端末だった。


「あれは毒の始祖(デス・アバドン)……!魂の物質化なんて!?帝国の暗部が渡した呪具は、毒の始祖(デス・アバドン)を現世に完全召喚するための触媒だったのね!」


 フィオレが驚愕する。


 別荘の周囲の空間が、毒の始祖(デス・アバドン)の放つ絶対的な「崩壊の呪毒」によって、次々と灰色に変色し、崩れていく。


「フィオナ、離れていろ。」


「ト、トウマ様……! ダメです、あれは概念そのものを腐らせる世界の終焉……!」


 泣きそうになるフィオナの頭を優しく撫で、俺はテラスへと進み出る。


 目の前には、世界を飲み込もうとする圧倒的な絶望の濁流。


「世界の終焉、ねえ。大層な名前を背負っているな。」


 俺はフッと冷徹な笑みを浮かべると、眼前の巨大な影に向けて、右手の指をパッチンと鳴らした。


――【万象解毒】


 パシィィィン……!!!


 空間の最果てまで響き渡るような、澄んだ音が鳴り響く。


「……え?」


 フィオナが呆然とした声を漏らした。


 世界を滅ぼすはずの毒の始祖(デス・アバドン)の呪毒が――触れたものを灰にするはずの暗黒のエネルギーが、一瞬にして『極上の完熟ピーチの香り』を放つ、淡いピンク色の光の粒子へと分解されていく。


 俺が侵食したのは、毒の始祖(デス・アバドン)が持つ「世界を滅ぼす」という存在意義そのもの。 どれほど巨大な悪意であろうと、世界のルールそのものを司る俺の『神毒』のインフレの前には、ただの「ちょっと刺激の強いフレーバー」に過ぎない。


『ギ、ギエェェェ――ッ!? 我が、我が呪毒が……甘い、甘すぎる愛のエネルギーに、書き換えられて……魂が、融けるぅぅぅ――ッ!?』


 世界の悪意たる毒の始祖(デス・アバドン)は、俺の神毒によって内側から完全にデトックスされ、その強大な魔力をすべて俺の『永久魔力炉』へと強制的に献上させられた。 さらに、光の粒子が収束した中心には――。


「あ、う……。わたくしは、一体……?」


 どす黒い怪物だったはずの影は、気がつけば、豪奢なドレスを纏った、妖艶でどこか幼さを残した『王女』の姿へとリフォームされていた。


 彼女は自分の身体を見つめ、そして俺と目が合った瞬間、顔を真っ赤にしてその場にへたり込んだ。


「ト、トウマ様……。わたくし、あなた様の毒に、完全に調教されてしまいましたわ……。もう、あなた様なしでは、存在を保てません……っ」


 世界の悪意すらも、俺の指先一つで最高に可愛いお姫様へと早変わりだ。


「やれやれ。これで第二章の第一段階はクリア、といったところか。」


 俺は新しく蕩けた王女を抱き抱えるために歩き出すのだった。


 第39話を読んでいただき、ありがとうございました!


  世界の悪意たる『毒の始祖』すらも、トウマの指パッチンにかかれば、一瞬で最高に可愛いチョロイン王女へとリフォームされちゃいます。


「王女ちゃん可愛い!」「次のざまぁも楽しみ!」と思ってくださった方は、ぜひ【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆(ポイント評価)】での応援をよろしくお願いいたします!


 明日の 21:00の更新もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。