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機械仕掛けのドラグーン ~遺伝子操作の最高傑作は、機械の体で復讐する~  作者: 纏笛


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第36話 第二章 赤い守り (4/6)

「遅いぜ。デューパス。多分二人に囲まれてる。両方とも人間超えてるぞ。とっとと武器と増援をよこしてくれ」


 デューパスはモニタールームでハイウェイの映像を見ながら冷静に眼鏡を直す。


「手配済みだ。ちゃんと受け取れよ」


 エランドが上を見ると、ドローンが空中に浮かんでいて、そこから武器が入ったパックが落ちてくる。それをエランドは飛び上がりながら受け取ると、中からヒート・セイバーを取り出した。


 エランドが持ち手にあるスイッチを押すと剣の刃が赤く光って一気に熱を帯びる。


「助かる……」


 エランドはそのまま襲いかかるフランをすれ違いざまに切りさく。機械で出来た鋼鉄の体を持つフランはその場に倒れ込んだ。


「何やってやがる」


 ビルの上で弓をつがえながら男は呆れた。そこで通信が入る。


「『エンジェル』聞こえるか? 私が出る。道を作ってくれ」


 エンジェルと呼ばれた男はニヤッと微笑むと『ラジャー』と返事をした。


 一方でエランドは矢が止まったことを怪しんでいた。


「どうした……。終わりか? 退けきったか?」


 デューパスが通信を挟む。


「やったようだな……。お手柄だ、もう取材用のドローンも飛んでいる。お前が敵を倒すシーンは良いプロモーションになる」


 エランドはデューパスのこう言うところを好きになれないと同時にある種感心もしていた。


「増援は来ないのか?」


「問題ない。もう到着する頃だ」


  エランドが後ろを向くと、サイレンの音がしてパトカーが寄ってくる。


「一旦ここは預けて俺は離脱するぞ。狙いは俺だろうし、ハイウェイ上での戦闘は被害が大きすぎる」


 しかし、パトカーがエランドの周りに来ようとしたあと一歩のところで、ビルから大きめの矢が四本、打たれた。


 さらに遅れてもう一本の矢がより高い軌道で放たれる。エランドは咄嗟に構えたが、矢はエランドではなく彼の周りを取り囲むようにハイウェイの道に突き刺さる。


「ショータイムの始まりだな」


 エンジェルがニヤッと微笑むと矢同士がパルスシールドを展開してくっつく。遅れたもう一本の矢は空中で静止すると、そこを中心にして巨大ドーム状にシールドが展開する。エランドはその枠に閉じ込められる格好になった。


「これは……」


 すると、エランドの補助AIが喋る。


「上空300メートルから接近する生体反応あり」


 その直後、エランドの目の前に人影が降り立った。


 エランドは衝撃で少し後ろに飛ばされたが、相手の様子を確認する。


「相手も増援か?」


 人影の周りの煙がはけると、中から紫のガーディアン・スーツが現れる。その光景を見ていたデューパスが呟く。


「ありえん……。あれは……」


 エランドが尋ねる。


「なんだよ……知り合いか?」


「お前もよく知ってるはずだ……」


 相手はエランドを見ると、ガーディアン・スーツのメットを脱いだ。すると中から金髪の女性が出てくる。エランドはその光景に目を疑った


「ガーディアン・ワン?」


  そこには、子供時代のエランドを助けた、ガーディアン・ワンことネフィラ・パルディスの姿があった。エランドにとって研修の映像や資料の写真でした見た事のない憧れの対象がそこにいる。ネフィラはエンジェルと同じく片目が赤く光っていた。


「あの時助けた子が大きくなったもんだ……」


 ネィラは言いながら再度メットをつけると、両手を伸ばして広げた。すると背中のユニットから剣が八本出てくる。それはネフィラの腕の先に勝手に移動して浮かんでいる。


「我らと共に来い」


 そういうと、ネフィラはグッと手を握った。すると空中の剣が八本ともエランドの元に襲いかかる。


エランドはギリギリの所で三本の剣をヒート・セイバーで切って弾く。


 しかし衝撃で後ろに吹っ飛ばされた。ネフィラは剣を再度体の近くにひきもどすと、その中の二本をエランド側に放つ。


そして並行して飛び上がりながら、剣の一本を手に取ると、一気にエランドに襲い掛かる。エランドは剣を避けながら、ネフィラの剣を受ける。


「なんであなたが? 死んだはずだ」


 ネフィラは言う。


「いずれお前も使い捨てにされる。そうなる前に我らの一部になれ。そうすれば命は取らない」


 エランドは話が通じないことに落ち込みながら、蹴って離れる。


「思ったより、嫌だな。憧れたやつが頭おかしくなるってのは」


 デューパスは困惑している様子で通信に返事がない。


 下がったエランドに対し、ネフィラは再度五本の剣を放つ。


 エランドはさばき切れずに、うちの一本が肩に刺さりそのまま後ろのハイウェイの壁に磔になった。


――うごけねえ。


ネフィラが腕を前に出すと、また、剣が全てエランドの方向を向く。そして、一斉にエランドめがけて飛んでいった。


――終わる……。


 そう思ってエランドは目をつぶったが、次の瞬間聞こえたのは、鈍い金属音だった。


 ゆっくりと目を開けると、目の前にはサングラスをかけたスーツの黒人が日本刀を持って立っていた。


「なんとか間に合ったね」


 無線でミキがアカリに喋りかける。


「あれが標的?」


 アカリはネフィラを睨む。


「そうだ……。データはないけど、分析データを見てる感じ、ガーディアンスーツと作りは大差ない。ただ、中のやつが違う……。体の半分くらいは機械だ」


ネフィラは新たに来たアカリに標的を変えようと腕を向ける。


「おいあんた……これを取ってくれるか?」


 エランドが話しかけたが、アカリは無視して居合の構えを取る。



「おい……」


 そのままアカリはネフィラに突っ込んでいく。ネフィラは剣の二本をアカリに向けてはなつ。だがもう一本は磔になっているエランドに向けてこっそりとはなった。


 エランドは腕で庇おうとするが、その剣は空中からのレーザーによって弾かれた。


「なんだ?」


 エランドが驚いていると、すぐ次のレーザーが打たれ、エランドに刺さっている剣が折れる。そのままエランドはその場に倒れ込んだ。


「保護対象は請け負った」


 とアカリのイヤホンに連絡がはいる。空中には反射板、かなり遠くのビルからロボに換装したエヴァンが、ドラグーンを構えていた。


この数日前、車椅子に乗ったエヴァンはアカリとミキの前にいた。


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