第32話 第二章 野生のイルザ (6/6)
「これはこれは……。同類でしたか……」
次にイルザが意識を取り戻した時は、ストレッチャーの上だった。周りにはアレックスが心配そうに見つめている。
「ボス! 目が覚めたんですね!」
「これは……。フォグバーンはどうなったの?」
アレックスは目を見張る。
「覚えていないんですか?」
「お守りが……。作動して……」
そうしてイルザが、手を見るとお守りが装着されたままだった。しかしその様子が違っている。まるで埋め込まれたみたいに手から離れない。そして腕全体に線が伸びてまるで体と同化したようになっていた。
「これは……?」
アレックスが言う。
「今ポルクさんもつれてきます。一応報告ですが、フォグバーンはスクラップになりました。一応襲撃作戦は成功になってます」
「誰がやったの? 応援?」
アレックスはゆっくりとイルザを見る。
「あなたですよボス」
そう言いながらアレックスはイルザにパッドを見せる。その動画には、片手に銀色の刃のような武器を装着しているイルザが、フォグバーンと戦っている様子が映っていた。
よく見るとイルザはその武器だけではなく、顔にも何やら機械の仮面のようなものを付けている。仮面は半分破れているためそれで何とか戦っているのがイルザだとわかるが、その目は普段と違い常軌を逸したように青く光っていた。
イルザが何より驚いたのは自分の動きだ。運動神経はかなり高いと自負もあったが、フォグバーンと下水道内を飛び回りながらやりあっている姿は人間と言うよりは野生動物のそれだった。
あまりの光景に、イルザはまた意識を失った。




