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機械仕掛けのドラグーン ~遺伝子操作の最高傑作は、機械の体で復讐する~  作者: 纏笛


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第21話 第二章 血が滴るショッピングモール(4/5)

ミキとアカリの殺し屋稼業を手伝うことになったエヴァン。


Dr.竜宮からの提供で、エヴァンはロボットの体を手に入れる。


一方のミキとアカリはショッピングモールで暗殺を遂行しようとするが……


登場人物

エヴァン・アトラス:主人公 通称『As エース』 

Dr.竜宮:科学庁のお荷物

ミキ・竜宮:エヴァンのクラスメイト

アカリ・竜胆:エヴァンのクラスメイト

ヴエロ:剣聖

 アカリは2階ほどの高さのエスカレーターの脇を一気に飛び降りた。


「アカリ、そのまま、右奥の服屋に入りな」


 アカリは頷くと、指示通りに服屋に入る。


「奥!」


 アカリは店の奥に一気に駆け込むと裏手に回った。そのまま走り続けると非常口がある。そこから出ると、モールの外に出た。剣聖ヴエロは楽しそうに追いかけてくる。


「飛び降りな!」


 アカリは外の非常階段を一気に飛び降りた。地上までは2階分の高さがあるが、地面につく直前で掌につけた装置からガスを放って、衝撃を中和しながら飛び降りるとまた走り出す。

 

 剣聖ヴエロはそれを見ると追うのをやめた。


「追いかけっこがしたいわけじゃない」


 アカリが飛び降りた直後、風貌が女から男に変わった。そして周りの人混みとまぎれるように歩くと、途中の交差点で一台の車が、アカリの前でドアを開ける。アカリはそれにすぐさま飛び乗った。


「遅いよ。パーク」


 車内は無人だが、運転席から声がする。


「最速ですよ。私より早く来れる新世代AIはいません」


アカリはため息をつくと、後ろで寝転がりながら、車内にあった救急キットを開け始める。そしてその中にあった、細長いシールを傷口に貼る。シールは張ったところからジェル状に広がった。


「危なかった……」


 アカリが集中を解こうとしたその時、何かがぶつかって揺れた。 


「何?」


「後方から攻撃を受けています」  


 アカリがゆっくりと後ろを見ると、後ろの車のボンネット上に剣聖ヴエロが乗って、剣を構えていた。


「運良く拾ってもらったよ。さあ2回戦行こう」


「パーク。スピードを上げて!」


「ダメです。前方に車が」


 アカリは、剣を取ると立ち上がってドアを開ける。そして車の上に飛び乗ると、剣聖ヴエロと向かいあった。


「嬉しいねぇ。すぐ会えた」


「ミキ、使うよ。出し惜しみで勝てる相手じゃない」


 ミキは唇をかむ。アカリは再度剣を鞘につがえると、鞘に巻き付いているヒモを解いた。


「ほう?」


 紐を解かれた剣は、鞘も含めて全体が紫に光っている。アカリはそのまま居合の構えをとると剣に呼びかける。


「ムラサメ。力を貸して」 


 アカリは剣聖の乗る車に向かって、居合切りで剣を振り上げた。


 切り上げたところから、白く光る縦の斬撃がヴエロに向かってぶ。ヴエロは飛び上がって別の車両に着地した。


 斬撃が当たった車は真っ二つになって爆発する。


「面白いよ。それ……。僕も本気を出さなきゃね」


 剣聖ヴエロの目が充血し始める。


「何、あれ……」


 ミキは目を疑った。


「なんかまずそう……。アカリ! 警戒しな」


 アカリは再度剣を鞘に戻して構える。ヴエロはニヤッと微笑んだ。


「遅いね」


 剣聖ヴエロの周りに赤い影の残像が見え始める。


 そのままアカリに向かって剣をつく動作をすると、赤い影が分身のように広がって、同じように剣をつく。

 

 すると、鋭い直線の斬撃が何本もまるでレーザーのようにアカリに襲いかかる。


 アカリは避けられずに車の上で磔になる。急所は外したが、手足の至る所に斬撃が突き刺さった。


「エンジンオーバー、緊急停止します」


 ピークがその場で止まる。合わせて警察車両達もその場で止まった。ミキは焦る。


「いやだ………。アカリ! 起きて! 逃げなきゃ!」


 アカリの車は囲まれ始めていた。アカリは痛みで立ち上がれない。


 警察が車に隠れて銃を構える。


「抵抗はやめろ!」


 言いながら警官の一人が周りの警官に指示を出して確保の準備を進めていた。


 その時、竜宮が冷静に言う。


「今だ」


 アカリに飛びかかろうとしている警官の横に、丸い玉が転がった。


「何だ?」


 ふと見ると、近くのいろんな場所に丸い玉が転がっている。次の瞬間その丸い玉が全て爆発して、あたりに一気に煙が充満した。


「また煙か……」


 ヴエロは呆れた。その充満した煙のなかを一瞬、人影がすごいスピードで通り過ぎる。煙が徐々に晴れて、視界が開けると、アカリは車の上から忽然と消えていた。

 

 アカリは気がつくと、ビルの屋上にいた。あたりはとうに日が暮れている。横には、ガーディアンによく似たロボットが、自分を見つめている。


 すぐさま起きあがろうとすると、中からエヴァンの声がした。


「動かない方がいい……。一応救急キットはある分全て使ったけど。傷が多いみたいだ。落ち着いたら、家に戻ろう」


 アカリはエヴァンだとわかって、ふうっと一息つく。


「どうなったの? ヴエロは?」


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