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拝啓、終末の僕らへ  作者: 仁乃 戀
第三章
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ぼっち脱却大作戦?

 「こんなに美味しいご飯は人生で初めてだ。 …………なんでこんなにいいホテルに泊まれるのに、場所は長野なんだろうなぁ…………」


 食事ってこういうときみんなで集まって食べるんじゃないのかと思っていたが、食事も自由と言っていた意味がようやくわかった。

 ここでの食事はバイキング形式なのだ。

 それも食べ物の種類はもはや異常と言ってもいいほどに多い。

 それゆえ、何をどのくらい食べるかがそれぞれ違ってくるから一度に集めることをしないのだろう。


 こんなに豪華なホテルに泊まる必要があったのかと、喜びを通り越して疑いにかかってしまう。

 そんな僕の呟きに、一緒に食べていた充はすぐに反応する。

 

 「本当だよな。 こんなにいいホテルに泊まれるんだったら、海外に連れて行くことも出来るだろうにな」

 「流石イケメンリア充だ。 きっとわかってくれるって信じてたよ」

 「優も充分リア充だと思うんだけどな~」


 意外と、こいつとはうまくやっていけるかもしれない。


 「あんたら、気付けばすっごく仲良くなってるよね……」

 「ほんと……」


 そんな僕らを見て玲と明梨は苦笑を見せる。

 ……何故か僕に送る視線は少し冷たいような気がするが、スルーしておこう。


 「ところで、あの話は?」


 思い出したかのように玲が切り出す。


 「うん。 …………やっぱり……ダメだったよ!」

 「おい、なんでそんなに嬉しそうなんだ?」


 何の話をしてるのかすぐに気付いた僕は間髪入れずにツッコむ。

 しかし、予想はしていたからそれほど驚かないが、面倒なことになったなぁ……。

 この流れだと十中八九僕がやる羽目になるんだけど、あまり乗り気になれない……。


 「あの……俺がやる必要ってあります……?」

 「うん。 友達作りのきっかけになるでしょ? 名付けて、ぼっち脱却大作戦!」

 「えぇ…………」


 想像の斜め上。

 いや、下か?

 とにかく、思いもしない返答に言葉が詰まる。

 とりあえずぼっちだと思っているのは否定できないが、そうやって言われると多少は傷つくんだってば……。

 複雑な気持ちを抱えたまま明梨を見ると、ちょっとだけ俯いて苦笑いをしていた。

 別にそんなに気にすることもないだろうに……。


 「あ、あはは。 なんか、無理矢理やらせてるみたいになっちゃったね」

 「いや、このまま澤谷先生に任せても多分あの人は面白がって俺を出させるだろうしなぁ……」


 それに、友達がいなくてもいいなんて考えは、今となってはもう何処かに行ってしまったような気がする。

 充と仲良くなったからか?


 「まぁ、恥ずかしいのは変わらないけど、別に出ても良いかもな。 一人でやれって言ってるわけじゃないし」


 そう言って僕は玲と充を見る。


 「お、なんかやる気になった? 私たちと勝負でもする?」

 「私たちって言っても、そもそも僕と玲も勝負してるんだよなぁ……」

 「まぁ、極力こういうのは避けたいんだけどな……?」


 たかがカラオケ。

 それに、今日のことはきっとすぐ忘れるだろうし。

 それでまた僕のボッチ生活が少し色付くって言うんなら、嫌とは思わない。

 ……あ、既にボッチは脱却してるじゃないかっていうクレームは受け付けてません。


 僕と玲と充だけで盛り上がってると思ったのかはわからないが、さっきから目を丸くしていた明梨まで何故だか乗り気になっているようで、


 「え、なんか楽しそう。 私も混ぜてよ」

 「いや、そしたら俺が出る意味はーー」

 「あります。 それで優が出なかったら友達作るきっかけっていう趣旨がなくなっちゃうじゃん?」

 「あくまで俺が出る場合の話であってーー」

 「聞こえませ~ん。 良いでしょ! みんなでやろ!」


 そうして、結局僕ら4人はカラオケ大会に全員参加することになった。

 ちょっとだけ必死になって頬をほんのりと赤らめていた明梨が可愛くて仕方がなかったから、これ以上僕が反論できなくて折れたっていうのはここだけの話。

いつも読んでくださりありがとうございます!

面白いと思っていただけたら、是非ブックマークや評価をしたり、感想を送ってくださるとすごく嬉しいです!

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