91.紹介2
和み回終了です。
「フェシェイド…俺聞いていないぞ…」
どんよりと顔色を青白くしたレストが自らの加護精霊であるフェシェイドに声を掛けた。
(すまん、レスト。オレもよく分からん。そもそも希少種は希少種なだけじゃないのか?とりあえずフィオルは大丈夫だ)
「そんな大事だとは思わなかったから俺の方は何もしていないんだが」
(いや、オレが対応したからレストは悪くない。だが、そんなに反対もされなかったんだが)
「…」
(…)
二人の言葉が途切れた時レイの声が飛び込んできた。
「ん。馴染むのが早いな」
レイの声が弾んでいる。余程嬉しかったらしい。それ程レイに動物たちが慣れるのは時間が掛かることが窺えるのであった。
フィオルもレイが害の無い人物だと分かったらしい。ぎこちないながらも尻尾を振り始めていた。それ故に余裕が出来たらしく、レストたちの会話も耳にしていたらしい。しきりにレストたちに対して鳴いていた。
「くぅくぅ、わふん!」
フィオルの弾んだ声にレストとフェシェイドは頷き合ったのだった。
「あぁ、なるほどね」
(まぁ、魔獣だから有りなのだろうな…)
どうも、フィオルは自分の加護精霊に頼んで確りと根回しをしていたらしい。未だ仔犬であるのに末恐ろしいほどの手腕であった。何とも主に対する忠誠心は唯々高い。褒めてっ!!と云う様にフィオルは鳴いたのだった。
その様なフィオルを見てレイもフィオルが求めるものが分かったらしく、そっとレストにフィオルを返したのであった。
ブンブンと尻尾を振り回してレイに甘える赤い仔犬。周りは和んだ。
一通り和み終えたところで、フォスターがオルアを紹介した。
「この仔が私の契約獣で水竜のオルアです」
「キュアッ!」
フォスターの紹介に合わせてオルアもよろしく、と云う様に腕を上げて挨拶をした。まるっとした仔竜が挨拶する様はやはり和む。だが、そこはエドとレイだった。食いついたのはそこではない。
「初めて見たよ“竜”なんて」
「そうだな。案外“龍”よりも希少かもしれない」
「“竜”は自然発生はしないからな~」
「フォスター、オルアを少し貸してくれ」
「オルアが良ければ…」
「キュア、キュキュ~♪」
「良いみたいです」
オルア自らレイとエドの方へ小さな翼でパタパタと飛んで行く。そしてレイの腕にぽすん、と収まったのだった。そして、何故か自らを抱く腕にポンポンと手を軽く叩き付けていた。
それを見たエドは思わず手を口に当てるが、甲斐も無く確りと吹き出したのだった。レイは、と云うと少しショックを受けているらしい。表情には出てはいないが雰囲気でそれが伝わってくるのだ。どうもオルアはレイに同情して慰めていたらしい。多分にそれがレイに伝わった様である。
「何だろうな。言いようの無い感情が胸に去来するんだが…」
「ぶふっぶぶぶぶっ」
エドは笑いが収まらないらしく口を抑えている手から堪えられない笑いが漏れている。漏れ聞こえる笑いが消えて暫くは息を整えていた。また笑わないように気を付けながら…。
漸く笑いを収めたエドが再びオルアに目を向ける。オルアは大人しくレイの腕の中で待っていた。レイに観察されながら。だが、リラックスしていることが窺える。
「やっぱり動物系とは違うんだなぁ~。精霊に近いからかな?」
「そうだろうな」
「じゃなきゃ、やっぱりフィオルみたいになるよな」
その様に二人がオルアを観察している間もオルアも大人しくしていた。そんな二人とオルアをレストとフォスターはのんびりと眺めていたのだった。長くなりそうである。そろそろ移動が出来るくらいに講堂が空いてきた。あと少ししたら声を掛けるか、とレストとフォスターは目線を交わしたのだった。
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