84.入学式と邂逅3
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
今回は受付です。
レストとフォスターは注目されていた。
レストとフォスターが人一倍人の目を引くのは確かだが、それを差し引いても目を引いていた。
オルアとフィオルの存在である。というより、契約獣という存在が、と言った方が正しいであろう。
そもそも、学院に所属している生徒ですら契約獣を従えている者は極稀なのである。学院を卒業してすら従えることが出来るかどうかなのだ。その様な中で、所属前に従えている者はほぼ存在しないのである。推して知るべし、と言うところである。
そんなあからさまな周りの様子にレストとフォスターは気付いていた。鬱陶しいぐらいなのだから仕方ないのだ。溜息を吐きたい位の二人なのである。
「目立っているな、俺たち」
「そうですね…」
「……流石に鬱陶しいな」
「そうですね~…」
そう言って二人はそれぞれの契約獣を見遣る。
因みにフィオルは安定のレストの頭の上という位置でオルアはフォスターの肩の上に居る。
レストが上向きになったためフィオルの足が浮く。だが、此処は動かないとばかりに頭にしがみ付きぷらりと揺れている。
「珍しい…か」
「そうでしょうね。契約獣にはあまり会ったこと無いですからね。そうそう契約をする魔獣は存在しないのでしょうね」
「だからといってこれは鬱陶しいだろ」
「仕方ないですよ。暫くは辛抱ですね。慣れれば此処まで注目されることもなくなるでしょうから」
「数ヶ月は辛抱、か」
「えぇ」
レストとフォスターは鬱陶しい視線に耐えつつそんな会話をしつつ受付に向って進んでいくのであった。
受付に近付くにつれて人の数も増えていく。そして視線もまた増えていくのであった。
そんな視線たちに辟易する頃に入学式の受付のテントの前に出ることになりレストとフォスターはほっとしたのだった。不躾過ぎる視線とは時に人を此処まで疲労させるのかとレストとフォスターは思ったのだった。
ある意味注目されることには慣れているのだ、特にレストは。だが、そんなレストですら疲れを感じさせるのだ。今までは大人が注目をしていた、と言うところが大きいだろう。大人はそこまで不躾に見遣ってくることは無いのだ。そのことがありありと分かった瞬間であった。
「ふふ、ようこそエトルア学術学院へ」
受付をしている女子学生が可笑しそうにレストたちに声を掛けてきた。
「…楽しそうですね」
「えぇ。面白そうな子達が入ってくるなら楽しいじゃない?」
「新顔ですし?」
「そうね」
女子学生は悪びれた風も無く応える。
「それに好みの子が入ってきてくれて嬉しいしね」
そう言ってレストの隣にいるフォスターに目を移すのだった。
「成程。確かに」
「レスト…」
納得したようにうんうん、と頷くレストにフォスターが呆れたようにレストの名を溜息と供に呟いたのだった。
「確り仕事しなきゃね。名前を教えてください」
「俺はレスト・ファガー」
「私はフォスター・フィスです」
そう応えると女学生はレストとフォスターの胸に新入生であるという証の造花を飾ったのだった。この造花は受付完了の証でもあった。その様な魔法回路が施された一品である。
「私は中等部3年のルリア・イーガスよ。式場は此処を真っ直ぐ行った講堂よ。良い学生生活をね」
そう言ってルリアはレストとフォスターを送り出すのだった。
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