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80.散歩と邂逅20

今回は行動に出ます。

あっさり・・・

「さて、派手にやることが必須だよな」


 レストがわくわく、うきうきした口調で言い切る。いい笑顔である。言っていることは物騒だが。

だが、そこは悪乗りをする者がいるだけで誰もつっこみなどしない。あえて便乗するのみである。


(それは我がやろう)

「それは良いですね。すっごく派手に演出できます!!」

「それぐらいやらないとあいつ等出してこないだろうしな」

(幼き子を確保せねばならぬからの。幼き子を出してもらわんと意味が無い)


 一挙両得と行こうと話をバンバン進める二人と一匹。ガルムの仔は大人しく話が纏まるのを待っている。仕返しの期待感が半端無いのか目は爛々と輝いているのが印象的である。


(うむ、そなた等我の上に乗ると良い。特等席であろう?)

「良いんですか!?」

(うむ!)


 嬉しげなフォスターに満足気に頷く龍種。


「話は決まったけど乗るにしてもどうする?」

(そうだの…。この檻は折角だし吹き飛ばしたいしの)

「その方が派手だよなぁ」

「上の頭の部分だけ先に切り取ってしまえば良いのでは?」


 レストと龍種が派手な演出に必要な分析をしているところにフォスターが合いの手を入れる。ますます悪乗りが加速する二人と一匹。


「そうだよな!」

(その手であるな!)

(他の大きな者たちはどうするか?」

「取り合えず檻は壊さないようにしよう」

(恐慌状態になるやもしれぬしな。彼ら同士でぶつかってもらっても意味がないからの)

「でも、目覚めてもらいましょうか」

「うん?」

「その方が恐怖でしょう?」

「そうだな!」

(おお!彼らに声をあげてもらうということか!確かにそれはよいの!)


 盛り上がる二人と一匹。留まるところを知らぬ風である。

 早速作業に取り掛かる。檻の天井を龍種の頭が通るくらいの穴を開ける。龍種の頭がその穴から出たところで二人が龍種の頭に乗った。

 そして勢い良く龍種が身体を起こしたのであった。

 その衝撃は凄まじかった。

 檻を勢い良く壊す音は爆発音の様な音を発した。因みに龍種は風龍であるので、その際衝撃波も追加しておいたのだ。その衝撃波のお陰で他の木のコンテナも吹き飛んで悪人たちにぶち当たったりした。


 地響きが響き渡る。


 怒号と悲鳴が飛び交う。


 そして、塵で塞がれたそこには大きな大きな影が映し出されていた。

 やがて聞こえてくる希少種たちの鳴き声。それは恐慌を来たし叫び声と化している。眠っているはずの彼らが目覚めていることに気付き悪人たちは更に慌てる。

 悪人の親玉である者は流石に頭を勤めるだけあり冷静であった。彼は控えている魔術師に指示を与える。この状態を打開するための力を解き放つために。だが、彼は知らない。この状態を起こした者たちはそれをこそ望んでいたことに。その為にこの状況を起こした事を。


 力が解き放たれる。

 それは小さな幼子の形をしていた。

 美しい造形。

 それは精霊かみに近しい姿。

 その瞳は微睡みの中にあったが、魔術師の仕草で一変。

 意思の無い人形のように無機質な色に早変わる。


 だが、その幼子は直ぐに目を閉じた。閉じさせられたのだ。その身体は龍種の頭に居る小さな影の片方の腕に抱えられていた。


 レストたちはあっさりと目的を果たしたのだった。


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