74.散歩と邂逅14
今回の回はもふもふとの邂逅です。最後にちらっとだけですが…。
お楽しみください
「寝穢い…」
がっくりと肩を落とすレスト。揺さぶり続けること10分。未だにフォスターは起きないのであった。
「仕方ない」
レストは最終手段に出た。フォスターとレストの周りに風の膜である『風の障壁』を張り、内と外を遮断する。『風の障壁』のおかげで空気の音伝達を妨げ『風の障壁』の中の音を『風の障壁』の外へと漏らさない。弊害といえば外側の音を内側も拾うことが出来ないことである。しかし、レストには関係ないことである。何時でもレストに異変を伝えてくれる精霊たちが其処彼処にいるのであるからして。
「これで遠慮なく出来るな」
レストはすうっと大きく息を吸い込むと思い切りフォスターの名を呼びその頭を遠慮なく叩いたのだった。パシンッと小気味良い音がする。同時に
「痛いっ」
と言ってフォスターが飛び起きた。何が起きたのか、何処に居るのかときょろきょろとしてレストが眼に入って動きを止めた。レストが何処か疲れたようにくたびれている顔をしてフォスターを見返していた。そしてやっとかといった風にフォスターに声を掛けたのであった。
「おはようフォスター、お前見かけによらず寝穢いのな」
フォスターは自分の寝起きの悪さがレストに迷惑を掛けたのが分かり申し訳なさそうに誤るのだった。
「申し訳ありませんでした。祖父にも散々警戒心が無いと言われていたのですがこれだけは直らなかったんです」
困ったように言い添えてくるのだった。
がりがり
「まぁ、何とも無くて良かったよ」
「えぇ。お菓子屋の前でどうも拉致されたらしいのですが、其処から記憶は無いのですけど」
「気絶させられたんだろけど…その分じゃ、その後眠りに移行したんだな」
呆れたレストの顔を見て
「すみませんでした」
居た堪れずにもう一度謝罪をしたフォスターであった。
がりがり
「「・・・・・・・」」
レストとフォスターの二人は同時にフォスターが背にしている木のコンテナに目を向ける。其処から音がしている様だ。コンテナの一部であるその場所は『風の障壁』の内側に辛うじて入っている範囲であった。
「一体何でしょうか?」
「何か生き物が入っているのか?」
そう二人が話している間に音を出している主がコンテナを無事破ることに成功したようだ。
バリィッ
と木の板が破れる音がして音の主がコンテナに開けた穴から顔を出したのだった。そして音の主は元気良く二人に向かって鳴いたのだった。
「わうっ」
声の主は俺はやったぜ!!という得意げな貌で鳴いている紅い毛並みを持つ仔犬に見えるものであった。
お気に入り登録していただいている方有難うございます。
何時も読んで頂いている方も有難うございます。
今後もよろしくお願いします。




