73.散歩と邂逅13
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皆さんありがとうございます。
今回の回はやっと発見です。
地の精霊の誘導に従い走っていくレストの先に倉庫街が見えてきた。やはり例のフォスターを追っていた連中に見つかって連れて行かれたらしい。
倉庫街の入り口から何やら運び込まれている。運んでいる人物たちの格好は運搬人としておかしい所は無い。だが、その人物たちの雰囲気は堅気のそれではなかった。裏の人間が持つ仄暗い気配を感じるのである。
すぐさまレストはその様な人種の雰囲気を纏う。レストの今の格好は下層民の子供と言った態である。その格好に雰囲気や仕草を少しばかり荒んだものとすれば下っ端少年といわれてもおかしくない具合である。
倉庫街の入り口を通り抜けレストは荷台が停まり積荷を降ろしている倉庫に小走りに近付いていく。その倉庫が地の精霊たちが示した最後の場所だったのである。そして荷物を運び出す列になにくわぬ顔で並んだのであった。誰にも咎められずに潜り込めたようだ。誰も気にしていない様である。
レストと同年代の少年たちと同様に小さめの降ろされた箱を受け取り倉庫内に運び込んでいく。そこそこ重い荷物であった。そして運び込んだ荷物を指示された位置に運んでいく。運び終わったあと、また荷物を取りに行くふりをして人目の無い場所に身を滑り込ませた。
レストが身を滑り込ませた場所は大きな木のコンテナが四段に積まれている一角であった。積み上げられたコンテナを見上げる。大体9.2カティ(9.2m)ぐらいあるであろう。レストは少し考えてから一つ頷く仕草をすると
「よし、上ろう」
と呟いた。
(やっぱり高いところからの方が早いだろうし、今は大型の荷が搬入されているわけでもないから上は死角だしな)
一々全ての場所を確認するのは時間の無駄だとレストは考える。
「フェシェイド少し手伝ってくれ。上に上がりたい」
(分かった)
そうフェシェイドが応えた途端にレストは身体が軽くなるのを感じた。そして、レストは軽く地を蹴るとふわりと身体が上昇するのを感じて積み上げられたコンテナの上にトンと足を着けたのだった。
「うん、やっぱり上だな」
レストは満足げに呟いた。
「さてと、探しますか」
そう呟くと軽い足取りでコンテナの上を跳び移っていく。全く危なげない。慣れているのが伺える足取りであった。まぁ、言わずもがな、である。
「迷子は何処かな~」
この倉庫に居ることに精霊たちのおかげで確信を持っているので心に余裕が出てきたレストである。
ひょいひょいとコンテナを跳び回り、また次のコンテナの上に跳び移った。その時にチラリと青い色が眼に映り込んだ。レストはコンテナの端に寄って下を覗き込む。
「迷子発見」
っと、喜色を含んだ呟きを口にしたが、すぐに眉根を寄せたのだった。
フォスターは倒れこんでいた。横向きに倒れこんでいるため顔色なども分からない。暴行などを受けていないとも限らない。最悪の事態の場合もある。血が流れていないからと言って無事とは限らないのだ。血が流れない方法など幾らでもあるのだから。
レストは逸る気を落ち着けながら周りを確認し、音を立てないように飛び降りた。フォスターの側に片膝を付け、覗き込む。息は有り、穏やかな顔をしている。体の方にも異常が無い様だ。
レストは安心の余り気が抜けた、という所もあったのだが、フォスターは―――寝ていたのだった。
余りの暢気さだか豪胆さだかで呆れが先に来た。
「…心配して損した気がする。こういうところ見ると『祝福持ち』だって実感するな」
呆れの溜息を吐き、レストはフォスターを起こすべく揺さぶるのだった。
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