72.散歩と邂逅12
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皆さんありがとうございます。
今回はネタあかしです。
とりあえずレストはフォスターが最後に精霊たちに目撃された場所に急いで向かったのであった。何か痕跡があるかもしれないからである。とは言っても未だ良い考えが浮かばない。精霊たちをして消えたと言わしめるとは…。現状どの様にしてフォスターの形跡を探すかが問題である。
(姿が消える?それはどの様な術を使ったのか…。考え得るのは幻覚系だが、それなら精霊たちが分からないはずはない。幻覚系は精霊には効かないからな)
レストは考える。これは視点を変えるべきか…、と。そこでハッとレストは思いつく。精霊もまた見る、ということを。どの様になっているのか精霊もまた人と同様にして物を見ているのである。幻覚系は肉体に作用するものであるのでそもそも肉体が無い精霊たちには効かないのだ。だが、精霊たちも見るときは視覚を以って見ているのだ。
そもそも、物を見るという行為は光りがあってこそ成される行為なのだ。光りを受けた物体の反射によって視覚化されているのである。輪郭や色を反射によって認識しているのだ。故に物を見ることは物が光りを受けることが前提にあるのである。
視覚云々はあるが、世界でもある特殊な存在の精霊たちや精霊に近しい者たちは目を凝らせば術が掛かっていても見破ることは出来るのだが、そこに見る対象が存在してこそである。今、探しているフォスターはここには居ないだろう。
(そうか!穏形術だ…家の家人たちの半精霊たちも使ってる。でも彼らは半精霊であることと元暗殺者だから出来ることであるとも言える。もしかして彼らと同じ、なのか…?)
穏形術は自らの姿を他者から隠す術である。だが、これは弊害もあるのだ。他者から見えなくなるが穏形術を行使している者もまた一切物を見ることが出来なくなる。光の無い全くの暗闇の中を歩いていることと同様となるのだ。故に物体の認知に気配や直感、など感覚だけが頼りとなる。その様なことは良く訓練した者、若しくは精霊などのように世界に繋がる者しか出来ない技なのである。
(そうなると…)
レストはフェシェイドに訊ねる。
「フェシェイド、フォスターの気配は残っているか?」
(駄目だな。この辺りは人が多すぎる。他の気配が混ざったりしているし、何よりフォスターの気配が散ってしまっている。風はすぐ流れていくからな。気配を辿るなら地の者に訊いた方が早い。何より地に着いている者なら地に訊いた方が良いのさ)
「成程、そうだよな。地の精霊、少し訪ねたい。フォスター・フィス、『水の仔』に祝福されし者の気配は感じられるか?」
(けはい まだあるよ~)
(ぼくたちとおなじかんじが いっしょにあるかも?)
(ひととちがう かんじ)
(わたしたちに にてる?)
「多分その気配で合ってると思う。その気配を追えるか?」
(まだ きえてないから だいじょぶ♪)
(あんないする?)
「あぁ、よろしく」
早速、地の精霊たちが動き出す。
しかし、レストはハッとした。此処は菓子屋の前であった。そして、真剣にショーウインドウを見ていたように見えるだろう。暫く其処に居たことに気付いたのである。
お詫びの意味も兼ねてファガー家の方に届けてもらうことにしてチョコのセットを注文したのであった。
気を取り直し地の精霊たちに案内をしてもらった。下位精霊たちがこっちこっちと誘導していく。地の精霊はあまり動く精霊ではないので地の精霊たちが情報を伝達しつつ別の地の精霊たちが次々とこっちだよ~と手を振って誘導しているのである。普段であればとても微笑ましい図であるが、今レストにはその様な心の余裕は無い。少しでも早くフォスターを見つけることを考え誘導に従いひた走るのであった。
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