70.散歩と邂逅10
今回はちょこっとですがちび竜が出てきます。
もっと出したいですね。
学園編になれば絶対…出せるはず。
さて、これは答えるべきか否か?
レストは考察する…。
暫くして答えは決まった。
何か、答えないと放してくれなさそうだなぁ…、ということで答えることにしたのだった。
「あれね。ようは幻影みたいなものだよ。光りを屈折させて別の壁部分をあの部分に投影してある」
「でも、感触もありましたよね?」
「え?そこまで確認したのか?」
「抜けた後気になったもので」
えへっ、っと笑うフォスター。なかなか余裕があった様だ。人は見かけによらない。花の様に可憐な容姿である所からは想像もつかない程フォスターは豪胆であるようだ。まぁ、男の子なのだ…、外見からでは分からないが…。
「感触は適当に地の精霊に再現してもらってるんだ。やっぱり感触が無いと誰かしら気付くからな」
「…それって複数の属性持ちしか――って、ん?レスト?」
「そうだけど?」
「レスト…レスト…――って、もしかして『精霊の寵児』の方?」
「あぁ――…多分そのレストで合ってる」
「成程、だからあんなにあっさりと高度な術掛けられるのですね」
まぁ、確かに自分が規格外なことは自覚しているレストである。でも、それ程でもないだろう。『祝福持ち』ならばどの道あれ位なら使うことが出来るようになる。確かに12歳で仕えるか否かは別であるが、レスト以外にも使える12歳があと二人は確実にいるのである。
その様二人が話している時にフェシェイドがレストの側に戻ってきた。追ってが近くに居ないか確認し終えたのであろう。だが、何時もと違っていることがあった。フェシェイドが摘み上げているものがある。レストがその事を問おうとした時に反応した者が居た。フォスターであった。
「オルア!」
「フォスターは知っているのか?」
レストはフェシェイドが摘み上げているそれ――水竜の幼生を見ながらフォスターに聞いた。因みに幼竜はフェシェイドから逃れようとジタバタしていたが、フォスターを目にした途端フォスターに向かって小さな手を伸ばしジタバタしている。キュァ~と情けない声を出している。
「えぇ、私の契約獣であり、私の加護精霊でもあります」
ジタバタしている幼竜を受け取りフォスターは説明する。幼竜は落ち着いたのかフォスターの腕の中で大人しくしている。
「契約獣で加護精霊?」
「珍しいことらしいですね。この水竜の仔がオルアといいまして、この仔の中に加護精霊であるオルアルトが居るんです」
「へぇ、そんなことがあるんだな」
(まぁ、かなり相性が良くないとこんなこと出来ないからな。初めての例じゃないか?)
永い時を過ごしてきたフェシェイドさえその様に感心して言う。
「水の精霊王様の計らいだとか」
レストはこの時確信した。薄々感じていたところはあったのだ。決定打は今の発言であった。
「そうなのか。さっきの奴等には気を付けろよ。水竜の幼生なんてまた珍しいものも一緒なんてますます危ない」
「大丈夫ですよ。今日は後は宿泊先に行くだけですから」
「ならいいけど。本当に気を付けろよ」
「そこまで子供ではありませんから」
「何処の宿屋に泊まるんだ?」
「神殿です」
「成程。それは安心」
「どういうことです?」
フォスターがぷくっとふくれる。
「気にしない気にしない」
「もういいです」
仕方ない、と言う風に溜息を吐くフォスター。気を取り直してレストに向き合う。
「本当に助けていただいてありがとうございました。レストさんも用事がおありでしょう?」
「ん、気にしなくて良いさ。夕飯を一緒に食べよう。家に招待するよ」
「有難いけど大丈夫ですか?ファガー家は侯爵家ですし」
「大丈夫だって、反対に歓迎される。遠慮するなよ」
「では、お言葉に甘えてお邪魔しますね」
「あぁ。後で迎えにいくよ。後俺のことはレストでいい」
「はい、レスト。では後ほど。失礼しますね」
「あぁ、後でな」
去っていくフォスターを見送りながらチラリとフェシェイドに目をやってレストはぼそりと呟いた。
「絶対王家の血が入ってるよな」
例の確信した件である。フェシェイドはそれに対して重々しく頷きレストに言葉を返したのだった。
(あぁ、三代くらい前にな…)
と。
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