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67.散歩と邂逅7

やっと出会うべき人に出会いました~!

 ――――走る

 ――――――――走る

 ――――――――――――走る


 少年はわき目も振らず走っていく。

 少年の回りにあるのは高く詰まれた木箱のコンテナとそのコンテナの一時収納場所である倉庫だ。

 その倉庫とコンテナを縫うように走っていく。

 その少年の後ろから追う様に足音が聞こえてくる。

 ――いや、追う様にではない。正しく少年は追われていたのだ。




 時は少々遡る。

 レストは倉庫街、または商会街と呼ばれる地区に来ていた。この地区は王都の北西に位置する場所にある。王城の西側にある。

 倉庫街、商会街と呼ばれていることから分かる様にこの地区には商会が構えるオフィスが入っているビルが軒を連ねている場所である。そして商会が所有している倉庫も軒を連ねている。西門から真っ直ぐ伸びる道の北側に倉庫、南側に商会のビルという位置になっている。

 レストが噴水広場から斜めに伸びる西門通りの入り口、倉庫街の入り口である所に入った途端に嫌な予感がしたのだ。何故ならばそこに見知った姿を見かけたからである。


「あれ…?フェイ兄?」


 フェイ兄とはレストも度々世話になっている火神官の息子である正式名フェイルド・オルコーである。フェイルドにも色々世話になっている。主に情報面で。

 何かと物騒なことに巻き込まれる(というか突っ込んで行っていると言うのが真実だが)レストに注意を促しているのだ。もう、巻き込まれること事態は仕方ないと諦めている節がある。幾ら言い聞かせても本人にその気がなければどうにもならない良い例である。それ故せめて事前に注意事項を含んだ注意を促しているのだ。

 そのレストに口を酸っぱくしてまで言い含めてくる相手は火神官の息子である。そしてその息子は火神官見習いであった。火神殿所属である神官の本分は精霊が関連している事件を取り扱うことである。特に物騒な方面の事件を、である。

 そしてフェイルドを見て前回会った時にした遣り取りを思い出した。


(そういえば、フェイ兄が散歩みまわりも程々に、とか言ってたっけ…。もしかして今回の件に関係有り、か?)


 うーんとレストが唸っているとフェイルドが視界から消えた。何か倉庫街こっちにあるなぁ、とレストは思い、躊躇なく足を勧めたのだった。


 商会の方は人目が多くまた警備の隙も無い。こちらの方はレストは余り心配はしていない。時たま知り合いの商会主に会いに行くことはしばしばではあるのだが。先方もアポ無しでもレストには会ってくれる者が多い。レストがたまたま助けたりした人物も多いのである。それ程レストは事件と遭遇する率が高いと言うことでもあるのだが。そして、やはり商会であるだけあり様々な情報通なのだ。相手方も喜々として情報を提供してくれる。

 まぁ、レストと商会の繋がり事情のことは置いておく。一先ず倉庫側である。

 レストは倉庫の散歩は人に見つからないところからすることにしている。倉庫は人が出入りを頻繁にしている時はそうでも無いがやはり人がほとんど居ない時に歩いていると目立つのだ。故に人の目が行かない所から偵察することにしているのだ。

 人目につかないところ、そこはである。

 倉庫やコンテナの上を散歩するのである。

 今回も漏れなく実行したわけである。そうすると人が駆ける音がしたのだ。複数人の靴音。その音の元にレストが向かったところ事件に出くわしたのだ。

 数人の男が少女・・を追いかけていたのであった。不思議なことに少女の足音は聞こえない。だが、男たちは的確に少女を追っていた。どうも少女も追いかけている内の男の一人も『祝福持ち』であるらしい。少女の足元を注意して見ると足を覆うように水の膜に覆われている。この膜によって足音を消しているらしい。そして、追いかけている男は風の精霊の加護を受けているのであろう。的確に少女を追っているところを見ると空気の動き等からの一確認をしているようだ。

 だが、少女と彼らの距離はまだ縮まっていない。レストはこの機を逃さず少女の前に飛び降りる。少女も吃驚して立ち止まり警戒をしている。レストは少女にフェシェイドを通して敵ではないことを伝えて「こっちだ」と言うと走り出したのだった。この時レストは自らと少女に気配立ちを施すことを忘れない。

 少女は一瞬躊躇したが、どの道罠であろうとこれ以上に悪くなどならないだろうと考えレストの後を追って走り出したのだった。


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