表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/95

59.奇跡の鍛冶師10

 レストはセイルと一緒に暫くミルシェとアースルトの様子を見ていた。なかなかミルシェとアースルト二人の遣り取りは見ている方を飽きさせないのだ。そんな二人から目を離せないのであった。

 一通りアースルトに苦言を呈していたミルシェであったが、とりあえず満足したらしい。二人の遣り取りはミルシェの「慎重にやるように」の言葉を最後に終わった。流石のアースルトもばつが悪そうに眉を下げつつ笑っている。ちょっと心配な笑い方である。何故ならそれは失敗するかもしれないという部分が多分に読み取れる笑い方であったからである。ミルシェもその笑みに諦めにも似た笑みを浮かべるのであった。それがアースルトらしいのだから仕方ないという思いがあるのであろう。

 レストは溜息を吐いているミルシェをふと見た。そういえばミルシェもアースルトが造った刀を所有している筈である。だが、それらしい物を見たことはなかったのだ。


(気になる・・・。多分俺と同じで形状変化をするタイプだろうな・・・。だから見たことないのかもなぁ)


 レストはぼんやりと考える。そして、聞いてみることにした。


「なぁ、ミルシェ。ミルシェの武器はどんなものなんだ?」


 そんなレストの質問に対してミルシェはクスリと笑んだ。


「どんな物だと思います?」


 少し悪戯じみた笑みを浮かべてレストに疑問を返してきた。


「俺と同じ刀剣だとは思うんだけどな・・・。実際見たことないからなぁ。肌身離さず持っているだろうから今は小刀とは思うんだけど」

「ふふ。その通りですよ。私が持っているのは形状が3パターンあるものです。2パターンは今レスト様がおっしゃったとおりですよ。普段の形状はレスト様も目にしていると思いますよ?」

「普段?」

「ええ。元形状は刀ですが、普段は大きさも形も違いますね」


 そのミルシェの言葉にミルシェの隣から笑い声が聞こえた。アースルトである。込上げる笑いを耐えながらヒントをレストに与える。


「っくく、あの時は驚いたんだ。と言うかっ、っは、笑えた。くふっ。第二形状は持ち運びや敵の目を欺くために隠し持てる形態って言うのは分かるけど、まさかメイド姿で違和感無い形状で、って選んだ形だったからさっ。ぷふっ」


 その時のことを思い出したのかアースルトは噛み殺しきれぬ笑いを漏らしながら途切れ途切れに話した。

 普段・・メイドとして持っていて不自然ではない物・・・。普段のミルシェが持っているものを考える。確かにあれをほぼ何時も持っていた・・・。そうか・・・あれは装備品であったのか・・・、とレストは思う。普通に使っていたことも確認している。実際目の前で掃除をしていた。確かに。


「あー、もしかして、あれのことか?箒・・・というかモップ?」


 とレストが言った瞬間、堪えきれなくなったアースルトが爆笑した。そしてミルシェは良い笑顔で


「その通りです。レスト様」


 と言ったのだった。

 ちょっとばかし思いつかない形状であった。まぁ、良い擬態かもしれない。思いつかないということがそれを証明している。


 因みにミルシェの武器も失敗作?であるらしい。正確には失敗ではなく、中途半端な半精霊のミルシェを心配した風の高位精霊が宿ったらしいとのこと。

 この風の精霊は“小さき子”である下位精霊のミルシェを心配する兄貴分の精霊でありちょっとばかり過保護なようだ。ミルシェは普通の下位精霊たちの用に拙い自我しか持ち合わせていないわけでは無いのでその心配は無用な心配だと言っているのだが聞き入れないらしい。まぁ、良い関係を築けているらしいのでそこら辺の心配は無いだろう。ミルシェもグレるということはないであろう。それこそ自我が確立しているのだし。


 そんなこんなでレストはレスト唯一の武器を手に入れたのであった。

 アースルトに礼を言い、ミルシェと供に屋敷に戻るのであった。


今回で『奇跡の鍛冶師』は終了です。

意見、感想などあったらお願いします。

リクエストはいつでも受け付けていますのでお気軽にどうぞ。


お気に入り登録していただいている方有難うございます。

何時も読んで頂いている方も有難うございます。

今後もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ