37.侍従探しと忠告
「え~と、オレはアイントです。よろしく」
最初に頭を掻きながら戸惑いつつ応えたのは今グループのリーダーを務めるアイント。
「僕はヒーリエと申します。宜しくお願いします」
次に行儀良く頭を下げて挨拶したのは前領主によって無意味に処罰された下級貴族の家の出身であるヒーリエ。
「おれはファイ、よろしく」
言葉少なに挨拶をしたのはレストと同年齢のファイ。少々無口な性質なようで表情もあまり動かない。無表情とまでは行っていないが。
「僕はミラート、よろしく王様!」
元気に挨拶したのはミラート。雀斑があり愛嬌たっぷりに屈託無く笑う笑顔は元気そのものである。
「私はエディスと言います。よろしくお願いします」
真面目に挨拶したのはエディス。目元がきりっとして涼しげな真面目な女の子である。
その後は幼年組みが続く。
「えと、えと、わたしエリスです。よろしくです」
落ち着き無く挨拶したのはエリス。突発的なことに弱いらしい。
「ぼく、えるどです。よろしくおねがいします」
礼儀正しく頭を下げたのはエルド。ヒーリエに良く懐いている子だ。
「わたし、ユエルだよ~。よろしく~」
ほんわりと緩い空気を生み出して纏っているユエル。緩く挨拶した。
「おれミルト。よろしく!」
幼年に思えないような挨拶をするのはミルト。歯を剥き出してにやりと笑う。ちょっと今から将来が色々心配になる子である。
「おれハルト」
ペコリと挨拶してさっとミルトの影に隠れるハルト。ちょっと人見知り気味らしい。
「あたし、ミラよ。よろしくね」
怖いもの知らずな物言いのミラ。ちょっとこまっしゃくれている。
「ぼくはライトルートです。よろしくおねがいします」
にこりと笑って挨拶するライトルート。チラッとレストを見てこれで良い?と言うように確認する。レストが頷いてやればパッと満面の笑み。これには皆微笑みを零し、陛下は内心とても悶えたとか。
「ぼくはえるーっていうの。よろしくなの。おうさま」
陛下の足元にチョロチョロっとやってきて二パッと笑って挨拶するのは幼年組みの中でも年少のエルー。ついつい抱き上げて頭を撫でる陛下にまたまたニパーっと笑顔を浮かべるエルーであった。
「わたしはルミエといいます。おうさま。よろしくです」
最後はルミエが挨拶をする。ルミエも陛下の足元まで出てきて真面目に挨拶をする。その頭を陛下が撫でるとニッコリと嬉しそうに笑った。
こうして一通り子供たちの挨拶が終わると陛下は一言呟いたらしい。
「何ここ。楽園?」
この言葉を聞いた唯一のエルーは意味が分からず可愛く首を傾げていた。
陛下の目には見目麗しいとはまだ言えないが、予備軍の可愛らしい子供たちと『祝福持ち』の子供たちに憑いている精霊たちが見えているのである。この状況ときたら陛下にとっては楽園である。また、レストの影響が色濃く出ているシェスカは陛下にとってとても心地の良い土地であるのも一つの要因であった。故に先の楽園発言に繋がったのだ。誰もそんなこと半精霊以外の者は分からないのだが・・・。
「あっ!和んでる場合じゃないんだった」
「「「?」」」
陛下が慌てだしたので一斉に視線が集中した。そして陛下が言葉に出したのはとんでもない事実だった。
「レスト、君、誰かに命を狙われているみたい。この事を知らせに私は来たんだ」
「「「!?」」」
皆が一斉に息を呑む。幼年組みは心配そうにレストと陛下の顔を交互に見ていた。
「『風の噂』ですか?」
レストが聞くと
「そうとも言えるし、違うとも言えるよ。だからフェシェイドは何も言ってないでしょう?」
「少なくとも警告はされていませんね」
「うん、でも何かがおかしいんだよ。普段通りの様で違和感が残る場所が所々あって、この国に向かってる。あとはやっぱり『風の噂』でレストに対する悪意を聞いた風霊が居たらしいよ。何処の国かは分からないけど、貴族がその様なことを言っていたらしいし、その後から違和感の元がこの国に近付いてきているって言う事は多分レストが狙われているんだと思うんだよね。違和感の元は暗殺者だろうって言うのが私の見解だよ。ただ、不思議なんだよね。『祝福持ち』でもああも綺麗に不自然さを消せることって無いはずなんだよ――」
最後の言葉は誰にとも無く語られて消える。
「だから、私はレストに忠告に来たんだよ。気をつけて」
レストは分かったと言うように一つ力強く頷いた。
お気に入り登録していただいている方有難うございます。
何時も読んで頂いている方も有難うございます。
今後もよろしくお願いします。




