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35.侍従探しと再会

 レストはここ数日、例の件についての準備をしていた。

例の件とはシェスカの友人たちに会いに行くという件の事だ。

その件を実現する為にまず、レストとエアリードの予定の調整をした。それぞれの側近に調整を手伝ってもらって、だが。

 それぞれの予定をまず照らし合わせ、どの日にするかを決めた。次に父であるカルスタールに許可を得た。会いに行く日が決まったら諸々の予定の調整である。レストもエアリードもそれぞれ勉学を課されている。歴史や法学、礼儀作法等々と様々である。それらが日時毎に決まっている。勉学のために来訪してもらっている師に打診した。その様にして少しずつ調整していったのだ。そして現在に至ったのだった。土産の菓子も準備万端である。

 さて、準備は整った。出発である!

「エア行こうか」

「はい、兄上」

「フェンド、フルーレ。お二人を頼みましたよ」

「お任せください」

「承知しております。ルシルード様」

 見送りにその場に来ていたルシルードが御付の二人に声を掛け、それに二人が答えた。

「それでは、レスト様、エアリード様気を付けいってらっしゃいませ」

「あぁ、解ってるよ。行ってくるよ」

「ありがとう。ルシルード。行ってきます」

 レストとエアリードとが挨拶を返すと、足元の魔法陣が輝く。徐々に輝きが増して一際輝くと4人の姿はその場から消え去った。


 4人は輝きが増した瞬間シェスカのタザス邸の転移部屋に移動していた。

 4人は転移部屋から出るとタザス邸の管理をしている執事が迎えに出た。連絡がされていたからだ。4人は執事に先導されエントランスホールに出て再び見送られてタザス邸からシェスカの神殿へと向かったのだった。


 レストは約1か月ぶりのシェスカの街を歩いていた。レストは感心して歩いていた。レストがシェスカを離れてただの1か月しか経っていない。だが、シェスカの雰囲気は様変わりしていた。陰鬱とした重苦しい雰囲気はもう無い。

 初めて見る街の様な雰囲気にレストは物珍しげに見回す。そこかしこで笑顔が溢れている。孤児たちも減ったようだ。

 もともと、孤児たちに親が居なかったわけではない。天涯孤独の存在ではなく、口減らしが目的で捨てられた者も数多く存在していた。日々の生活すら困る程だったのだ。それ程、貴族の腐敗や税の徴収は酷かったのだ。その日々から開放された。

 さらにカルスタールが行った腐敗貴族の粛清やまだ残っていたまともな官僚や小貴族を見つけ出し内情調査、監査等により膿を洗い出していったのだ。汚職と不正を暴き立て、次々と逮捕状を取っていったのだ。また、それらに関わった商人なども逮捕され、1ヶ月もすればほぼ改革が成っていた。驚くべき手腕であった。

 そんな背景がある今である。それは違ったものに見えるだろう。

 前は盗賊くずれで構成されていた警邏隊はまともな正規の手続きにおいて採用された者たちとなった。そのため、倦厭されていた警邏隊は今では信頼の置ける街の守護者となったのだ。街の人々も彼らを見かけると会釈や声などを気軽に掛けているし、何かあった時は彼らに頼るようになった。気軽くなりすぎてたまに警邏隊の出る幕ではないことに引っ張り出されることもあるが、それは御愛嬌だろう・・・。

 街の様子を観察しながら歩いていると神殿に着いた。なかなか大きい神殿である。

 シェスカの神殿は地神殿で分神殿としてはかなり大きい。本神殿直属の分神殿である。それ故、神官も高位神官がかなり居る。そんな地でレストは自身を『精霊の寵児』と感付かれなかったのだから『精霊の寵児』たるや恐るべし。まぁ、神官たちに加護を与えている精霊たちは知っていたのでレストの所にちょくちょく顔を出していた模様・・・。結構チャッカリしている精霊たちである。精霊たち曰く「土地精霊たちが良くて私たちが駄目とか無い!!」とのことだが。

 レストとエアリードは何時に無く緊張していた。心臓が飛び出そうなほどドキドキと脈打っている。レストは懐かしさと再会に胸躍らせて、エアリードは兄の友人に会うという事に緊張して、との差はあるが。

 神殿の入り口の太い柱の間を抜け神殿に入っていく。フェンドが近くの神官に面会室の場所を尋ねた。今日、神殿にレストが訪ねていくことを伝えてあった。それに、レストは神殿内では有名人である。また、精霊たちがレストの来訪でざわついている。神官はすぐに例の客人だと分かったらしい。面会室への案内を買って出てくれた。

 一つの扉の前で神官は足を止めた。そして、挨拶をし、離れていった。

 レストは扉を開けた。そこには懐かしい面々の顔ぶれがあった。彼らは別れたときのボロボロの服ではなく、子供用の見習い用の神官服を着ていたが見間違えるはずは無い。彼らの顔を見ると帰って来たという気がした。

 懐かしい仲間たちがポカンとした顔でレストの方を見ていた。そして、ハッと気付いたように一番年長の男子が立ち上がりレストに近付いてくるとレストと二人して再会を喜んで抱き合ったのだった。


こうしてレストは懐かしい孤児仲間たちとの再会を果たしたのだった。


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