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24.挨拶=一大イベント?9

 レストを取り囲む様にしている一角は神々しさに包まれていた。精霊王たちは例外なく神々しい美貌であるし、レストたち親子もまた美々しい。陛下は水の精霊王と同等の神々しいご尊顔である。また、陛下の後ろに控えている少年も優しげな面立ちの凛々しさのある垂れ目がちな美形顔である。レストより少々年嵩であろう少年である。この国は精霊の国とも言えるほど精霊たちの影響があるので他の国より美形率が高いのだが、その中でも生え抜きの美形たちなのだ。それはそれは目に痛いほどの神々しさを感じるのも無理も無い話しであろう。が、それも彼らが口を開かなかったら、という話であるのだが。口を開けば残念な美形たちなのである・・・。

「レスト~会いたかったわ~☆」

「久しぶりのレストだ~♪」

「「画策し甲斐があったわ~♪♪」」

 水の精霊王と風の精霊王がレストに飛びついた。前者が水の精霊王、後者が風の精霊王である。水の精霊王は陛下の母君、国母なので国の者は大抵知っている。残念な中身の方も然り、である。だが、風の精霊王や火の精霊王、地の精霊王が身体を纏って顕現することは初めてなのである。ぶっちゃけ、皆期待していた。水の精霊王がアレなだけに期待していたのだ。やはり幻想であったが。何にせよ、風の精霊王についての認識は更新されたのだった。水の精霊王都同類である、と。だが、その期待に応えてくれる精霊王たちもいた。

「レスト、元気そうで何より。久しぶりに会えて嬉しいぞ」

「レスト、息災であったか?」

 前者が火の精霊王、後者が地の精霊王である。二人の精霊王はまともに挨拶を交わしている。だが、レストはそんな二人に応えられないでいた。何せ水の精霊王都風の精霊王が引っ付き撫で繰り回しているからだ。そんな状態を見て火の精霊王と地の精霊王は溜息を吐く。そこにレストの加護精霊のフェシェイドとエアリードの加護精霊のファルシューファが精霊王たちを止めに入った。中間管理職、もとい、高位精霊としての面目躍如であった。

「俺も皆に会えて嬉しい」

 レストはやっとにっこりと笑って応えられた。そして、陛下の後ろに控えている少年が気になった。何故この場にその様に居るのか、と疑問に思ったのだ。その視線に気が付いた陛下が少年を前に出して紹介した。

「ドラー公爵家の嫡男のクウェル・ドラーだ。」

「初めまして、僕はドラー公爵家のクウェル・ドラーです。宜しく。多分僕と君は同じ存在なんだよ。僕は『精霊の寵児』と言われています。」

 少年、クウェルはニッコリと笑って自己紹介をした。そしてレストに礼を言ってきた。

「僕は精霊が視えないんだ。だから、ありがとう。君が来てくれたから、精霊王様たちが顕現してくれたんだ。こんな機会がないと僕は一生精霊王様たちとは対面できなかったから」

 少し寂しそうにクウェルは言った。

「お礼もちゃんと言えないのは嫌だったから」

 そう言うと、クウェルは精霊王たちと向き合って礼を取り、感謝の言葉を述べた。

「精霊王様たち何時も僕のことを気に掛けて下さってありがとう御座います。これからも宜しくお願いいたします」

 風の精霊王は感極まったように目を潤ませクウェルに飛びつき、水の精霊王は風の精霊王と同じように抱きしめた。火の精霊王は優しく微笑み、地の精霊王も微笑んで「了解した」と応えた。

 レストは自分と同じ存在である目の前の『精霊の寵児』を見て少し考える。同じ立場ではあるが、存在意義は少々異なるのだろうな、と思うのであった。さしずめ、目の前の彼は愛でる対象であり、癒し担当。レストは精霊たちと行動を共にして同じように楽しむ担当、の様に考えた。その様に考えているレストを見て頷いている陛下がいる。大方はレストの考えで当たっているようであった。


 未だに精霊たちは謁見の間にて視える状態で在る。幻想的な光の雫が舞い散ったり、様々な色の光の軌跡が飛び交ったり、謁見の間に居る人間たちを面白そうに観察したり、手を出したりと様々である。

 そんな中、多くの精霊たちに取り囲まれて引っ付かれている人物が居た。宰相殿である。実はこの宰相殿も『祝福持ち』の一人である。四属性全てに祝福を受けている。加護は下位の精霊であるのだが。しかし珍しいタイプで全ての属性の精霊たちが加護をしている。大抵は一属性の精霊が加護をしているのみである。レストが良い例である。まぁ、しかし、この宰相殿はクウェルと同様のタイプの『祝福持ち』で精霊を視る事も声を聞くことも出来ない。『祝福持ち』は大抵『祝眼』や『祝耳』を伴って生まれるのだが例外もいるのだ。それがクウェルや宰相殿なのである。その宰相殿は自分の状態に呆然としていた。この様になっているとは予想だにしていなかったからである。そして、他の謁見の間にいる者たちもその様な状態の宰相殿を見て哀れみに満ちた目を向けるのであった。何故ならば精霊たちが一番多くくっ付いている場所が宰相殿の胃の辺りだったからである。それが意味する事は即ち・・・。精霊たちが一所懸命胃の不具合を抑えていることに他ならないからだ。精霊たちが治療しているのである。だが、それが追いついていっていないことになる。何せ宰相殿は胃薬が手放せないからだ。精霊たちの声が聞こえていたのならば

(いたいのいたいのとんでいけ~)

(だいじょぶ?だいじょぶ?)

(がんばるから――!)

 と必死な声が聞こえたであろう。聞こえたなら一層哀れみが増すのだが・・・。


 そんなこんなで精霊たちの精霊たちによる精霊たちのための宴はまだ終わらないのだった。

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何時も読んで頂いている方も有難うございます。

今後もよろしくお願いします。

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