24. 電子戦 4
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
エヴリン・サド:一位。
当然だ。
白い制服側から歓声はない。上院の人間はそういうことをしない。
ただ当然のように受け入れる。太陽が昇るとき、まず自分たちの側から明るくなるのが当たり前だと思っているみたいに。
第二ラウンドが始まると、教官が妨害強度を上げた。画面が一気に乱れる。
熱源がドリフトし、IFFが誤標示され、局所通信が三秒遅延し、一部の友軍信号が短時間で二重に複製される。
「覚えておけ」
教官が言う。
「システムが最も危険なのは、完全に壊れたときじゃない。大部分は正しくて、ごく一部だけ間違っているときだ」
なるほど。これも実に連邦らしい。
全部腐っていれば、みんな逃げる。
怖いのは、局所的に腐っていて、局所的すぎてまだ正常に動いているやつだ。
操作しながら、左側から小さな声が聞こえた。
「七番チャンネル、あれは友軍じゃない」
冷たく、安定した声だ。
エヴリンだった。
私に言っているわけじゃない。隣の白い制服の同組学生に向けている。
相手は明らかに追いついていなくて、まだ友軍識別コードを確認していた。
「識別コードが一致してる」
その人が言う。
エヴリンは頭も動かさない。
「一致しすぎている。本物の友軍は局所干渉下でこんなにきれいな信号を出さない」
手の動きが、半拍止まった。
……ほう。
この人、面白い。
見ているところが同じだ。
自分の画面の該当レイヤーに切り替えて、七番チャンネルの青い友軍点を拡大する。
IFF識別コード正常、熱源正常、移動速度正常、通信パルスまで整然としている。広告みたいにきれいだ。
つまり、本物らしくない。
本物というのは、たいていどこか醜い。
呼吸が揺れ、歩幅が乱れ、通信リズムが環境に少し引きずられる。
きれいすぎる信号は、人間じゃないことが多い。「そこに人間がいる」と信じさせたい何かだ。
マークしようとしたところで、システムが表示を出した。
友軍識別信頼度:93%。通行権保留を推奨。
その「93%」を見つめる。
腹立たしい。
連邦は誤りを「高信頼度の判断」として包んで出すのが好きだ。そうしておけば、人が死んだ後で「なぜ推奨に従わなかったか」を最初に問える。
直接、そのチャンネルの権限を切って、ノードを封鎖した。
操作台が、赤く点滅した。
警告:高信頼度友軍チャンネルを無許可で遮断。
次の瞬間、教室全体が一瞬静まった。
教官が顔を上げる。
「誰が切った?」
主画面の上に手を止めたまま、取り繕う気もない。
「私」
隣でジェスが目を閉じた。心の中でたぶん、「よし、今日四回目」と数えている。
白い制服側から、小さな不賛成の鼻音が一つ。
そしてエヴリンが、ようやくこちらに向き直った。初めてまともに見てくる目に、驚きはない。あるのは、はっきりとした「自分が何をやっているか、分かってるんでしょうね」だ。
教官が降りてきて、私の操作台の横に立った。
「理由」
また来た。
今日、何人が「二文字で自分の人生を説明しろ」と言ってくるんだろう。
封鎖した友軍ノードを開いて指さす。
「きれいすぎる」
と言う。
「この妨害強度で、本物の友軍パルスはこんなに整わない。熱源の揺れもこんなにきれいにならない。教科書の答えを顔に貼り付けて、感動しろと言っているみたいな信号」
教官は黙っている。
代わりに、エヴリンが口を開いた。
「判断の方向は正しい。でも切るのが早すぎる」
声は大きくない。でも明確だ。
その冷たさは、気性が荒いからじゃない。頭が生まれつき低温で動いているだけだ。
振り向く。
「あなたも気づいてた」
「ええ」
「なんで切らなかったの?」
エヴリンは私を見て、「ナイフをスプーンとして使っている人間」を見るような目をした。
「二次検証なしに友軍権限を直接切断することは、システム外の個人の直感を主流程の前に置くことになる」
と言う。
「当たれば経験。外れれば事故」
少し笑う。
「じゃあどうするの、先に申請書を出す?」
ジェスが後ろで小さく息を吸った。
いい。この一言で空気が切れた。
エヴリンは怒らなかった。
これが厄介だ。
本当に面倒な人間は、こういう種類だ。刃物を突き刺しても、まず傷口の深さを確認してから、反撃する価値があるかどうかを決める。
彼女は自分の画面を操作して、総合スクリーンに投影した。
「私のやり方は、まずリズムの末尾のズレを比較する」
と言う。
「どれだけきれいに上書きされた信号でも、同期するとき、極細の遅延偏差が残る。あなたが直接切ったら、後ろの偽装構造まで一緒に崩れる。追跡の機会を一回無駄にすることになる」
ほう。
彼女の画面を見つめる。
確かに。主画面の後ろに、ほとんど誰も気づかないような小さなウィンドウが開いていて、リズムの末尾のズレを捕捉していた。あの青い点の同期は、疑いたくなるほどきれいで、彼女はそれを手がかりに、じわじわと「偽友軍」の欄へ押し込もうとしていた。
なるほど。この人は見えているだけじゃない。もっときれいな刃の使い方を知っている。
教官が私と彼女の中間に立って、両方の画面を数秒見比べた。それから主制御台を一叩きした。
七番チャンネルの青い点が、即座に赤く弾けた。
敵方上書きノード、確認。
教室の中で、低いざわめきが起きた。
白い制服の何人かが眉をひそめ、灰色の制服の何人かが心の中で罵倒した。
そして私の操作台の上の「無許可遮断」の警告は、相変わらず腹立たしく光り続けていた。
教官がようやく口を開く。
「星野霜、結果は正しい。手順が間違っている。エヴリン・サド、手順は正しい。効率がわずかに遅い」
一拍置いて、私たちを見る。
「どちらも、完全ではない」
奇遇だ。
私も、彼女について全く同じことを思っていた。
総合スクリーンを主画面に戻して、感情を抜いた声で告げる。
「次の第三ラウンド、お前たち二人を同じ組に入れる」
……
実に結構。
連邦は本当に、問題のあるものを一緒に縛り上げて、そこから教育的意義が生えてくることを期待するのが好きだ。
エヴリンは反対しなかった。
私もしなかった。
反対しても無駄だし、それより、こういう人間を隣に置いたとき、システムが先に壊れるか私が先に壊れるか、少し知りたくなっていた。
第三ラウンドのシミュレーションが始まった。
条件が上がる。敵味方の信号が重なり、内部ネットワークに偽ノードが挿入され、局所の光学映像に遅延が発生し、通信に三段階の繰り返しが混じる。要するに、戦場全体をデータのおかゆにして、その中から「どの米粒が毒か」を探させる。
エヴリンと二人用の操作台を共有する。
彼女の座り方まできれいで、椅子に「自分が重要だと思うな」と言っているみたいだ。
「私がリズムとノードを担当する」
こちらを見ずに言う。
「あなたは動線と不自然な行動を見て」
ほう。
この人、分担の指示まで手術室みたいだ。
反対側に座る。
「いつもこうやって人と組む?」
「説明を無駄にする価値のない人間がほとんど」
首を傾ける。
「私は?」
ようやく横目で見てくる。
「さっきの切り方は馬鹿だった」
と言う。
「でも、でたらめじゃなかった」
……上手い言い方だ。
一声笑う。
「ありがとう。あなたの褒め言葉、病理報告みたいに温かい」
シミュレーションが始まると、もう余分な言葉はなかった。
エヴリンの手は速い。速いのに静かだ。雑音の中で線を剥くみたいに、一層ずつきれいに切っていく。まず外側の熱源の偽像を取り除き、次に通信遅延の異常なグループを特定する。私は全体の動線を見ていた。どのノードが「人間らしすぎる」か、あるいは「人間らしくなさすぎる」かを。
十分後、先に口を開く。
「十一番ノード」
エヴリンは顔を上げない。
「理由」
「見られるのを待っているから」
彼女の指が一瞬止まり、すぐに十一番を拡大した。
補給艙の横に隠れた友軍点で、熱源は低く、移動はほとんどない。負傷して救援を待っている部隊に見える。非常に合理的だ。合理的すぎて、思わずため息が出そうなくらい。
エヴリンが二秒ほど見た。
「心拍のシミュレーションが均一すぎる」
振り向く。
彼女の目はまだ画面に向いていて、今の一言は技を見せたわけでも、ただ時刻を告げただけのようだった。
口の端が動く。
「あなたも気づいた」
「ええ」
「今回、あなたが切る? 私が切る?」
エヴリンがようやくこちらを見た。冷たい照明の下で、灰みがかった氷青の瞳が、薄くて、透明に近い。
「先に追跡する」
と言う。
「切ったら無駄になる」
いい。
その言葉は、好きだ。
そのまま掘り進んでいくと、偽ノードが一列に繋がって出てきた。敵方がシステムの中に隠した腸を、一本ごと引き抜くみたいに。総合スクリーンの評価点が一気に跳ね上がり、そのスピードが腹立たしいくらいだ。こういう点数は、たいてい「もっと機械に近くなれ」という要求を連れてくる。
最終ラウンドが終わると、全体一位が私たちの組の上に表示された。
二人組シミュレーション優先識別:一位。
教室が二秒ほど静まった。
灰色の制服側から、こちらを盗み見る目がいくつかある。
白い制服側は、高級な種類の沈黙を始めた。「取り乱しはしない、ただ非常に気に食わない」という沈黙だ。
教官は順位を見て、それから私たちを見た。
「結果は悪くない」
と言う。
「ただし一度言っておく。戦場で頼るのは再現可能な手順だ。たまたま二人が不快なほど感が鋭いことじゃない」
うなずく。
「分かりました」
エヴリンも言う。
「分かりました」
彼女のその「分かりました」は、アカリのより、本当に分かっている感じがした。
それがまた厄介だった。
授業後、全員が出ていく。
ジェスが出際に口の形だけで言った。
——あんた終わった。今度は白制服の天才まで引っかかってる。
実に教養のある白眼で返す。
操作台を閉じかけたところで、エヴリンが口を開いた。
「あなたは、システムを信じていないんじゃない」
止まって、見る。
教室の人間はほぼ捌けていた。冷房はまだ動いていて、観測教室には機器の低い唸りだけが残っている。規律のある金属の獣が、眠る前に歯を磨いている音みたいだ。
「そう?」
と言う。
「じゃあ私は何?」
エヴリンはデータラインを接続端子から引き抜いた。動作は相変わらず、無駄がない。
「戦場に叩かれていないシステムを信じていない」
と言う。
「違いは大きい」
見つめる。
この言葉は重くない。でも、切れ目が正確だ。
少し笑う。
「あなたも、ただシステムを信じているわけじゃない」
彼女が顔を上げる。
「じゃあ私は何?」
きれいすぎる操作台、きれいすぎる制服、そして人間をまず機能に分解してから「嫌いになる価値があるかどうか」を決めるみたいな瞳を見る。
「システムに整理できるものだけが、少し長く生き残る資格があると信じている」
エヴリンが二秒ほど静止した。
図星を突かれた気まずさじゃない。
この言葉を記憶する価値があるかどうか、評価しているみたいだ。
最後にこう言った。
「大部分の場合、そのとおり」
……なるほど。
この人は、冷たさに筋が通っている。
識別リングを台から取り上げて、出口へ向かう。彼女の隣を通り過ぎようとしたとき、もう一言が来た。
「次にノードを切るときは、先に言って」
足を止めて、振り返る。
「なんで?」
「あなたの切り方は早すぎる」
と言う。
「でも、方向はたいてい間違っていない」
これは、好意の申し出には聞こえない。
どちらかといえば、一本の刃が別の刃に言っているみたいだ。
——お前の角度は荒削りだ。でも、素材は悪くない。
軽くうなずく。
「あなたも、追跡するときは先に言って」
エヴリンが見てくる。
「なんで?」
「追跡の仕方がきれい」
と言う。
「でも、戦場はあなたの優雅さを待ってくれないことがある」
彼女は笑わなかった。
でも、目の奥でほんの薄い何かが一瞬動いたのは、確かだった。怒りでも喜びでもなく、冷蔵庫の中でちょうど手に馴染む工具を見つけたときの、あの感触に近い。
観測教室を出ると、廊下の冷たい光が床に伸びていた。まだ署名されていない判決書が一列に並んでいるみたいだ。
今日の成果は以下のとおり。
一、システム課を正式に受講し、電子戦の本質は「ボタンを押すこと」ではなく「誰が先に間違ったものを信じるか」だと確認。
二、エヴリン・サドと正式に知り合った。人間関係より操作台の方がきれいに整理されている、白い制服の天才。
三、システム課で四回目の衝突を完了。内容:高信頼度友軍チャンネルを無許可遮断、全体の前で上院の手術刀と互いの欠点を指摘し合い、最後にうっかり一位を取った。
四、エヴリンは規則の側に立っているんじゃない。「校正可能な精度」の側に立っている。単純に規則を守るより、ずっと手強い。
五、将来もし本当に隊を率いることになるなら、こういう人間は非常に役に立つ——ただし、全員を交換可能な部品として扱い始める前に、という条件付きで。
晩風が中央通路から吹き込んで、高い白い塔の冷たい匂いを運んでくる。
ジェスは、縫い目だ。
ハーヴィーは、補修パッチだ。
アカリは、照準器だ。
アイダは、教範だ。
そしてエヴリンは——
エヴリンは、戦場で一面のデータが乱れたとき、冷静にこう言える人間だ。
——怖くない。まだ計算できる部分がある。
そういう人間は、危険だ。
慰めに来ているわけじゃないからだ。
世界が歪み始めても、歪んだ部分を一コマずつ枠で囲んでいける人間が、少なくとも一人いることを保証しに来ている。
連邦は、そういう人間が大好きだ。
刃物が好きだ。
特に、自分が鋭いと知りながら、それでも箱の中に収まっていられる刃物が。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




