23. 規律と規準 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
〇四四七に目が覚めた。
自然に起きたわけじゃない。宿舎の放送が、実に文明的な方法で私を棺桶から掘り起こした。
「下院新入生に告ぐ。〇五〇〇朝の整列まで残り十三分。着装、整備、ベッドの復元および個人識別確認を完了せよ。遅刻は集団の時間に対する軽蔑とみなす」
ベッドに横になったまま、上段の板を見つめる。頭に浮かんだのは一つだけ。
連邦は、起床コールにまで人格批判を仕込んでくる。
隣でがさごそと音がして、ジェスがすでに上段から降りていた。髪はやる気満々に乱れているのに、目だけは深夜の闇市取引を終えたばかりみたいに冴えている。
訓練ジャケットを羽織りながら、昨日の灰色の紙包みの塩飴を私の枕元に放ってきた。
「食べて」
起き上がって、その飴を二秒ほど見つめる。
「動物園の機嫌の悪い小型肉食獣に餌をやってる感じね」
ジェスは袖をまくり上げる。
「あんたが後で走ってる途中に倒れたら、風紀が最初に私に『室友としての義務を怠ったか』って聞いてくる。自己防衛よ」
「感動的」
「黙って食べなさい」
包みを剥いて口に放り込む。塩気と甘さが同時に弾けて、小さな海水の欠片で頬を叩かれたみたい。悪くない。少なくともこの学院は、味覚で生き延びる権利まではまだ禁止していない。
〇五〇〇朝の整列、〇五二〇体力測定、〇六一〇負荷適応、〇七〇〇朝礼・整備、〇七四〇朝食。昨日は笑い話みたいだった時間割が、今日走ってみると遺書に近い。
装備課の教室に座った頃には、朝のランニングと折返しと負荷で、私という人間は軍用プロテインシェイク一杯分に攪拌されていた。精神状態は「まだ生きている」と「法的にはまだ生きているかもしれない」の中間。
装備課は下院装具教学区にある。
そこには独特の匂いが漂っている——機械油、冷却液、洗浄剤、金属粉、それに焦げたプラスチックの残り香。ある種の人間はこれを「工業の匂い」と呼ぶのだろうが、私には「ものが必死に壊れ、直す側もあまり人間らしく生きていない場所」の匂いだ。
教室の前方には訓練用の個人装備一式が掛けられている。胸甲、アームシールド接続部、脊椎フレーム、センサーリング、外骨格固定ポイント。一人の人間を解体して、機能順に並べ直したみたいな光景。
教壇に立つ装備教官は、肩幅がドア枠より自信に満ちた中年男で、顔色は鉄板、声はサンドペーパーでスピーカーを擦ったような音だ。
「軍人とガラクタの違いは、装備の整備記録がちゃんと書いてあるかどうかだけのこともある」
実に結構。
今日の第一声から、人の心を奮い立たせてくれる。
基礎訓練装具が一人一式配られた。私の番になって、支給された固定背架と胸部荷重モジュールを見下ろしながら、鎖骨のために三秒ほど黙祷を捧げた。
案の定、着けた瞬間に分かった。
肩ストラップが高すぎる。胸の接続部が食い込みすぎる。背骨の支点が一節ずれている。二歩歩くと、冷たい鉄棒二本で肩甲骨を挟まれているみたいで、「この世界は標準体型のために設計されており、お前はそれに該当しない」と丁寧に教えてくれる。
手を上げる。
教官が見てくる。目には「俺の人生を無駄にするなよ」という予防的な嫌悪感が満ちていた。
「報告。装具のサイズが合いません」
歩み寄ってきた教官は、私の背架を見て、私本人を見た。
「標準配備だ」
「その標準と私、個人的な恨みでもあるみたいです」
周りの何人かが、一瞬呼吸を止めた。
教官は私を見る。「軍歴の中で数多くの厄介を見てきたが、お前は今日その一つになるつもりか」という重さの目で。
「新入生。装備は個人の好みに合わせて設計されていない」
「好みじゃないです」
肩を動かすと、接続部がすかさず噛み返してくる。
「これをあと三十分着けていたら、右肩が先に連邦への忠誠を失います」
後ろで誰かが、笑いをこらえるように小さく咳をした。
教官は笑わない。
「課後に整備区で再適合を受けろ。今は現配備で基礎動作を完了させろ」
彼を見る。
彼も、私を見る。
実に結構。
連邦軍校の装備哲学は明快だ。
——まず苦しませてから、申請書を提出してもいいと許可する。
基礎動作が半分進んだ頃には、肩と背中に火が走っていた。腕を上げるたび、身体を回すたび、膝を曲げるたび、その背架が公平に一噛みしてくる。良い躾を受けた鋼鉄の動物みたいに。
授業が終わるなり、取り繕う気力もなく、胸の固定バックルを一穴外した。
ジェスが横から近づいてきて、一瞥する。
「それ、本当にひどいわね」
「ありがとう。医療事故の同意書みたいに温かい言葉」
彼女は私の後ろに回り、支点に手を当てて、すぐに口笛を吹いた。
「こんなにずれてる? サイズが合わないんじゃなくて、他人の骨格寸法をそのまま押しつけてる」
「今日学んだことの一つは、ここは『押しつけ』に信仰を持ってるってこと」
ジェスが声を落とす。
「今から正規の報修窓口に並んだら、午後の授業が終わっても順番が来ないかもしれない。来ても、たぶん『とりあえず我慢して』で終わる」
振り向く。
「また民間サービス?」
「違う」
口の端を上げる。
「申請書より頼りになる人間を知ってるだけ」
十分後、私たちは装具整備区の外に立っていた。
教学区が「人を部品に仕上げる場所」なら、整備区は「部品が部品であることを認める場所」だ。剥がされた護甲、裏返しになった外殻、半裸の機構フレーム、隅に積まれた「生かすか殺すかを決めてもらうのを待っている」廃棄部品。壁には大きな文字が並んでいる。
無許可の装具改修禁止。
無登録の部品転用禁止。
無許可での第二作業槽への立入禁止。
実に結構。
一行ごとに言っている。
——何かが壊れたなら、合法的な壊れ方を選べ。
正規の報修窓口にはすでに長い列ができていた。胸甲のバックルが壊れた者、脚部安定器が異音を立てる者、センサーグローブを左右逆に支給された者まで。私は連邦の工業規格に対して、新種の敬意を覚えた。
ジェスは列には向かわず、側面の半開きの作業通路へ私を連れていった。
中に男が一人、しゃがんでいた。
くすんだ金色の乱れ髪、ゴーグルを首に掛け、灰色の作業服の裾はかなり使い込まれていて、工具ウエストポーチはいつでも中から小型の戦闘車両が半台出てきそうなほど膨らんでいる。腕甲の外殻をこじ開けていて、指の動きは安定していて、口には固定ピンをくわえていた。修理工と工兵と公共危険予備軍を合体させたような見た目だ。
ジェスがドア枠を二回叩いた。
「ハーヴィー」
顔を上げない。
「手ェ離せねえ」
声は低く、乾いていた。使い古した砥石みたいな質感。
「忙しいのは知ってる」
ジェスが言う。
「仕事を持ってきた」
ようやく顔を上げた。
ジェスを見て、私に移り、半秒止まり、私の背中の装具に滑る。古くて精度の高い検査機みたいな目の動き。
「新入りか?」
「特編よ」
ジェスが一言添えた。この荷物、少々危険です、壊さないでください、というトーンで。
ハーヴィーが立ち上がる。私より少し背が高いが、圧をかけてくる種類の高さじゃない。彼の一番目立つ特徴は体格ではなく、長いあいだ「ものが故障している状態」と付き合ってきた人間だけが持つ、ある種の安定感だ。世界がどれだけひどくても、まずどのネジが外せるかを見る。
「背中向けろ」
立ったまま動かない。
彼が私を見る。
「並んで雑談しに来たわけじゃねえだろ?」
ゆっくり向きを変えて、接続部を見せる。ハーヴィーは支架を二回触り、押して、横のロック爪を一回叩いた。動きが板についていて、学院で勉強している学生というより、この場所の部品が自然に育てた人間みたいだ。
「誰が支給した?」
「教官」
「目ェ腐ってんのか」
「今日もらった二番目の専門的な評価ね」
ハーヴィーの口元が、ほんの一瞬動いた。笑いかけて、表情を使うのが勿体ないと思って引っ込めた感じ。
「全部のサイズが違うわけじゃねえ。デフォルトの支点が一段高い設定になってる。お前は骨格が小さくて肩幅が狭いから、それで噛まれる」
内側のバックルを一つ外し、中のパッドを引き抜いて、作業台の端から薄いスペーサーを一枚取って押し込む。
「正規の整備だと、まず申請書を出して、承認を待って、再測定して、再配置して、また来て着け直すことになる。痛みで死ぬ前に、完全な手続きの温度を体験させてくれる」
指が素早く分解と組み立てを繰り返すのを見る。
「普段からこうやって文明を密輸してるの?」
「文明の補修だ」
そう言って、短く告げる。
「立て」
立つ。
後ろから背架を押し戻し、肩甲骨と脊椎中段に手のひらを当てて、ロック位置を二か所調整し、下の固定ベルトを引き締める。さっきまで骨を噛んでいた装具が、急に素直になった。
完全に快適ではない。連邦が作るものに快適さはない。
でも少なくとも「拷問具」から「着用可能」に格下げされた。
肩を動かしてみる。
噛まない。
ほう。
この人、使える。
非常に使える。
ハーヴィーが半歩下がって、動作テストを見ている。
「今は使える。高角度の急引きはするな。この装備はそもそもお前の体型向けじゃない。二日ほど持たせてから、合う内張りを探せるか見てみる」
ジェスが横で口笛を吹いた。
「今日は機嫌がいいのね」
「課上でこいつが装具に潰されるのを見るのが面倒なだけだ」
ハーヴィーがスパナを作業台に投げる。硬い金属音が響いた。
「潰れたら修理が要る。装具より手間がかかる」
実に結構。
この人の喋り方は、連邦式だ。
でも連邦より正直だ。
口を開きかけたとき、通路の外から聞き覚えのある、胃の辺りが反応する声が飛び込んできた。
「未登録の作業槽を使用中か?」
振り向く。
十文字・レオンがドア口に立っていた。
後ろに黒いアームバンドが二人、顔つきが揃っていて、今日の業務内容は「どの新入生がまた規則を生存の参考程度にしか考えていないか確認する」と書いてあるみたいだ。
ジェスが小さく「あー」と言った。声は落ち着いていた。
「報いが来るのは、いつも時間通りね」
ハーヴィーはドア口を一瞥して、表情を変えず、手元の余った部品を布の下に一枚かぶせた。
十文字の視線が私たちを順に掃き、最後に私で止まった。
「また、お前か」
うなずく。
「ええ、世界が狭いとしか言いようがないわね」
眉間の筋が、明らかに一段締まった。
「無許可で整備側槽に侵入。装具調整を正規手続きなしに実施。作業台の部品を無登録使用」
一項目読み上げるごとに、声が私のための正式な厄介事を準備していく音になる。
「星野霜、入校二日目で、校則を参考意見として扱う研究を始めたのか?」
見返す。
一瞬だけ、本当に言い返したくなった。
——じゃあ何? お前たちが骨を噛む廃鉄を支給して、私はまずお礼状を書くべきだったの? それとも遺言?
でも先に口を開いたのはハーヴィーだった。
「改造はしてねえ」
作業台に寄りかかり、声は限りなく平らだ。
「明らかにおかしいものを、使える状態に戻しただけだ」
十文字が彼を見る。
「ハーヴィー・ノックス、それは認可された回答ではない」
「でも有効な回答だ」
横目でハーヴィーを見る。
ほう。
ものを修理するだけじゃなく、一言で自分も面倒の中に送り込める人だ。
十文字が二歩中に入り、視線が私の背架に落ちる。
「元の状態に戻し、正式な手続きを踏め」
ほぼ即座に返す。
「嫌です」
通路全体が、一瞬静まった。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




