231.五つの欠員 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
小会議室のドアが開いた。
先に出てきたのは真紀だった。
その顔にはいつも通り余計な表情がなく、足取りは入る前よりもさらに安定していた。手には自分のプライベート端末を持ち、もう一方の手は自然に制服のポケットに入っている。あのドアの向こうで何が終わったのかも、今この瞬間に彼女の計算が何層目に達しているのかも、見た目には全く分からない。
ヘートヴィヒが半歩遅れてついてきた。いつも通りの、ちょうどいい営業用の微笑みを保っている。それは嘘でも抑圧でもない。訓練によって本能に近いレベルまで磨き上げられた表情管理だ。彼女の立場から見れば、これは毎朝出かける前に結ぶ、一番無害に見える最初の防衛線のようなものだろう。
ランが顔を上げた。
ロイが手を止めた。
ジェスは一時的に、魚板の追加を求める交渉を忘れた。
真紀は机の上に再び整理されている資料を一瞥し、満足そうに軽く頷いてから、ロイを見た。
「個人戦のスケジュール、どこまで進んだ?」
「学内三試合、跨校の窓口二つ。跨区の交通手配だけ残ってる」
「跨区は私が連絡調整会議に出てから確認する」
「了解」
「ラン、総務班と学校の公式休暇の手続きをもう一度確認して。書類の漏れがないように」
「もうやってる」
「ジェス」
「はい!」
ジェスは即座に背筋を伸ばした。反射的な動作だった。
「個人戦の選手名簿、もう一度突き合わせて」
「何回?」
「名前が漏れなくなるまで」
「……了解」
真紀は軽く頷き、それ以上は言わず、端末を机に置き、さっき私が押してやったおでんの碗を自分の方へ半寸引き寄せた。
まだ食べない。
でもその半寸が、私の知っている九島真紀だ。
中断されたものでも、彼女は自分の視界の範囲に戻すことを覚えている。
私は彼女を見つめ、熱い食べ物で少し緩んでいた胸の中の何かが、また軽くひっかかるのを感じた。
聞かなかった。
聞いても無駄だと分かっているから。
九島真紀という人間は、話したくないことが目の前にあっても、二秒だけあなたを見て、それから非常に合理的で、非常に正しく、何も教えようとしていない公式回答を返してくる。彼女に正面からぶつかるのは、生徒会のテーブルに頭を打ちつけるのと同じくらい非効率で、しかも他の人間に聞こえてしまう。
だから私は視線を彼女から引き上げ、うつむいてうどんをもう一口食べながら、別のターゲットを観察することにした。
ヘートヴィヒはすでに机の端に歩み寄り、手にしていた端末をそっと置いていた。ランから新しい個人戦の名冊を受け取り、二ページめくってから、ページの端に小さな印をつけた。動作は優雅で、指先はきれいで、たった今暗号化された会談から出てきたばかりの痕跡など、どこにも見えない。
彼女は真紀より話しかけやすい。
心が柔らかいからではない。
彼女は話すことに慣れているからだ。
真紀は話したくない時、直接黙る。
ヘートヴィヒは話したくない時でも答える。ただ、答え方が鮮やかすぎて、拒絶されたのかどうか分からない。
こういう時、私が求めているのは答えではない。
隙間だ。
隙間さえあれば、そこから何かが漏れてくる。
だから私は待った。
ドラマチックなタイミングを待つのではなく、ただ、他の全員の注意が別のものに引っ張られる隙を待った。ロイとランが跨区の交通表を確認し合っている。ジェスは名簿を抱えて「なんでこんなに読みにくい姓の人が多いんだ」と小声で嘆いている。真紀はすでに二つの新しい書類に視線を奪われ、眉が微かにひそまっている。また何かの部署の酷い書式と格闘しているのが見て取れた。
私は碗を置き、立ち上がり、机の上でジェスが散らかした使い捨て箸を二膳まとめて、オフィス側面の小さなお茶コーナーへ向かった。
ヘートヴィヒの横を通り過ぎる時、私は声を落とし、彼女だけに聞こえる音量で口を開いた。
「殿下、少しよろしいですか?」
彼女は顔を上げた。
その瞬間、彼女の笑みは動かなかった。
本当に動かなかった。
一ミリたりとも。
ただ、その視線がとても軽く私の顔の上に半拍止まり、私が大体何をしようとしているかを素早く確認してから、名冊を置いた。まるで最初から私が声をかけるのを待っていたかのように、動作は自然だった。
「もちろん」
彼女は私についてお茶コーナーへ来た。
その場所は都合が良かった。
大きなテーブルに背を向け、窓に向かい、間には自動給湯機と資料ファイルの高い棚が挟まっている。他の人間の角度からは、副会長と書記が名簿の校正について細かいことを話し合っているようにしか見えない。せいぜい、私がまたジェスに文句を言っていると思われるくらいだ。
私は二膳の箸を回収ボックスに入れてから、振り返り、彼女を真っ直ぐ見た。
「さっき、二人で何を話していたんですか?」
遠回りはしなかった。
推測もしない。
「実はちょっと気になっただけです」という体裁の前置きもしない。
私はジェファーソン・スターリングではない。
彼女も、政治家の語法で丁寧に扱う必要のある相手ではない。
私は非常に直接的に聞いた。
ヘートヴィヒは私を見た。
彼女の笑みはやはり動かなかったが、その目の奥にある薄い何か——仮に光と呼ぼう——が微妙に位置を変えた。水面を誰かが指先で軽く触れたかのように、波紋は小さかったが、私には分かった。彼女が今、私を「一般的な副会長」の欄から一段上に移動させたことが。
「副会長……」
彼女は口を開いた。
それから、ごく軽く間を置いた。
「いえ、星野さん」
私は眉をひそめた。
この呼び方の切り替えは細かく、しかも狡猾だ。
「副会長」は公務的な距離。「星野さん」は親しみを装う距離。
だが彼女は本当に近づこうとしているわけではない。次の言葉を、友人同士の打ち明け話のように聞こえさせたいだけだ。
「月面都市で私が言ったことを覚えていますか?」
私は彼女を見つめ、喉の奥が少し乾いた。
「一日も忘れていません」
ヘートヴィヒは微笑んだ。
「それで十分です」
私は眉をひそめた。
「それで十分、ってどういう意味ですか」
「あなたはすでに、答えの一部を持っているということです」
「持っていません」
「持っています」
彼女はゆっくりと言った。
「ただ、自分がすでに持っていることを、まだ認めたくないだけで」
私の口角が引きつった。
この言い方は本当にずるい。
ずるいのは、すぐに反論できないからだ。
正直に言えば、さっき団体戦のルールを見ていた時から、「アスガルドには別の用途がある」と彼女に言われた瞬間まで、私の頭の中にはすでに大まかな形が出来上がっていた。ただその形が、私が受け入れたいものとは違いすぎて、ずっと直視することを自分に許していなかっただけだ。
そしてヘートヴィヒは今、非常に優雅に私に告げている。あなたが見ないふりをしているのを私は知っているよ、と。
「ヘートヴィヒ」
私は声を低くした。
「あなたは一体、何をしようとしているんですか?」
彼女は微笑みながら私を見つめた。
その笑みは非常に標準的だった。
標準的すぎて、私は初めて真剣に気づいた。この人は、何歳の頃から、誰に対しても、どんな瞬間にも、自動的にこの表情を出せるよう訓練されてきたのだろうと。
「私?」
彼女の語気は軽かった。
「私は何もしようとしていませんわ」
「嘘でしょ」
私は思わず口から出た。
彼女の笑みが半段深くなった。
「ほら、あなたはいつも、実はとても直接的でしょう。それはいいことです」
「話を逸らさないで」
「逸らしていません」
彼女は言った。
「答えているんです」
「答えていません」
「あなたが今、まだ聞き入れられない部分に答えているんです」
私は彼女を見つめた。
ヘートヴィヒは腰の前で手を軽く重ねた。動作は礼儀作法の教科書の挿絵のように優雅だ。だが彼女が言っていることは、全く礼儀作法的ではない。
「アスガルドがもし今回の旗艦に過ぎないなら、それはもったいなさすぎます」
私の心臓が一拍ずれた。
目立たないほどに。
でも自分には分かった。
「つまり——」
私は追おうとした。
ヘートヴィヒは手を軽く上げ、私を遮った。
「急いで聞き続けなくていいですよ」
彼女は言った。
「今私が話してあげたとしても、あなたはきっと最後まで聞き終わる気になれないでしょうから」
「私を甘く見ないで」
「甘く見ていません」
彼女の語気が突然少し柔らかくなった。
その柔らかさがひどく嫌だった。
嫌なのは、その瞬間に立ち去りたくなるからだ。だが立ち去れば、今日はもう彼女の口から半文字も引き出せないことも分かっている。
「ただ、一つのことをよく知っているだけです。本当に戦局を決める艦は、通常、最前線には立ちません。最前線に立つのは、見られるのに最も適した艦です」
私は彼女を見た。
「その言葉はどういう意味ですか?」
「字面通りの意味です」
「言葉遊びはやめて」
「星野さん」
彼女の声がさらに低く、しかしよりはっきりと聞こえた。
「ある言葉は、一度聞き入れてしまったら、もう聞かなかったふりができなくなります。本当に今、お茶コーナーの横で、他の人まで五歩もない場所で、私に最後まで言わせますか?」
私は口を閉じた。
くそ。
こういう人間は本当に厄介だ。
断り方まで、あなたが自分から聞き方が粗かったと思わせるように断ってくる。
「つまりあなたたちは——」
私は声を押さえ、角度を変えた。
「最初から私を除外していたんですか?」
ヘートヴィヒは私を見た。
すぐには答えなかった。
気まずい沈黙ではなく、私の心をもう半寸沈ませるために、彼女が計算して設けた空白だ。
それから彼女は少し笑った。
その笑みは、さっきの営業用の微笑みとは少し違った。
もっと淡く、もっと慎重だった。
「星野さん」
「ええ」
「あなたは除外されていません」
私の心の中で、半段だけ緩んだ。
半段だけだ。
なぜなら次の一言が、その半段をすぐに押し戻したからだ。
「むしろ、あなたが立っている位置は、今あなたが想像したいと思っているよりも、核心に近いかもしれません」
私は硬直した。
「どういう意味ですか?」
「つまり」
ヘートヴィヒは微笑んだ。
「真紀はあなたに話さないのではありません。ただ、あなたが自分のいる位置を、まだ早く知りすぎてほしくないだけなんです」
その言葉が落ちた時、お茶コーナーの空調がちょうど冷たい風を首の後ろに送ってきた。
私は動かなかった。
外から見れば、私はただの副会長で、手には空のカップを二つ持ち、書記と何か些細なことを話しているだけに見えるだろう。でも自分には分かっていた。さっきの言葉が極細の針のように、後頸を伝って滑り込み、普段は意識しない場所に、静かに刺さったことを。
きれいすぎる。
きれいすぎて、反論の余地がない。
「あなたを見下している」と言われれば、私は怒れる。
「聞かないで」と言われれば、神秘的に振る舞っていると怒れる。
でも彼女は言った——
真紀はあなたに話さないのではない。ただ、あなたが自分のいる位置を、まだ早く知りすぎてほしくないだけ。
これを人間の言葉に翻訳すれば、こうなる。
あなたは知らされていない部外者ではない。
ただ、まだ正式に引き込まれていないだけ。
「……それは私への慰めですか、それとも脅しですか?」
私はどうにかその一言を絞り出した。
ヘートヴィヒは首を傾けた。その様子には少女めいた無邪気さすら漂っていて、さっき投げてきた言葉とは全く釣り合いが取れていなかった。
「どちらの方が聞こえがいいですか?」
「どちらも良くありません」
「では、私は両方を少しずつやったのでしょうね」
「本当に厄介な人ですね」
「同じ評価を、多くの方からいただいています」
「全く驚きません」
彼女は低く笑い声を漏らした。
「すぐに分かりますよ、星野さん」
彼女は言った。
「もう少しだけ、我慢してください」
それから彼女は非常に自然に私に向かって軽く会釈し、動作は優雅で、追い詰められた痕跡など微塵もなく、振り返って机の方へ戻っていった。
私はお茶コーナーに立ち、その背中を見つめた。
その背中は真っ直ぐで、軽く、教養があった。
さっきまで心理戦を仕掛けていた人間には全く見えなかった。
私はうつむいた。
手には空のカップが二つ、まだ持ったまま。
私はそれをゆっくりと洗い桶に入れた。動作は自分が想像していたより軽かった。
散々聞いた。
何も引き出せなかった。
具体的なプランも、具体的な用途も、具体的な役割分担も、具体的なスケジュールも、何一つ得られなかった。表面上は、この会話から私は何も得ていない。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




