231.五つの欠員 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
生徒会室のドアが二度目に開いた時、私はまた何かの呪われた公文書が足を生やして、自分で命を取りに来たのだと思った。
違った。
最初に入ってきたのはランだった。
片手でドアを押さえ、もう一方の手で人を通す動作が、ここが生徒会室ではなく、彼女とロイが外で借りているある種の非合法な同居拠点であるかのように自然だった。ロイはその隣に続き、手には大きな袋を提げていた。袋の口は中の熱気で微かに膨らんでいて、置かれる前からもうスープの匂いがした。
そして最後尾に――
ジェスのやつが、肩を縮めてこそこそと滑り込んできた。
その姿は、何か後ろめたいことをしてきた直後に、部屋の空気をまず確認してから死んだふりをするかどうか決めようとしているかのようだった。
私は彼女を一瞥した。
彼女も私を一瞥した。
そして素早く視線を逸らした。
……ああ。
いいわ。
つまり彼女でさえ、今の私の機嫌が良くないと見て取れるということだ。
ロイは大きな袋をテーブルに置いた。プラスチック袋の底が机に当たってくぐもった音を立て、中の汁気のあるものが一緒に揺れた。
「これ、何?」
私は訊いた。
「慰労品」
ロイは非常に落ち着いた声で答えた。
落ち着きすぎて怪しい。
私は袋を引き寄せて開けた。中には湯気を立てたうどんが何杯か入っており、隣に別容器でおでんが分けてあった。大根、ちくわ、こんにゃく、はんぺんが薄い色の出汁に浸かっていて、湯気が上がった瞬間、私は危うくこの世界を五分間許してしまいそうになった。
「また外に出てたの?」
私はロイを見上げた。
彼の目が一瞬揺れた。
ほんの一瞬だ。
普通の人間なら見逃すかもしれない。
だが今の私の警戒心は、戦域から帰ってきたばかりの野良猫並みに高く、何を見ても怪しく思えた。
「通りかかっただけだ」
彼は言った。
私は彼を睨んだ。
通りかかっただけ、ね。
この手の言葉は、教官が「今日は軽いテストだ」と言う時、学校側が「手続きはそんなに時間がかかりません」と言う時、政治家が「ただの慰問です」と言う時と同じ種類のものだ。一文字一文字は分かるのに、合わさると全く信頼できない。
でも今は突っ込む気力がない。
おでんの匂いが本当に良かったから。
私は遠慮なく一杯を手前に引き寄せ、蓋を開け、竹串で大根を一切れ刺して口に入れた。熱い出汁で舌先が痺れ、大根は十分に煮込まれていて、噛んだ瞬間にほどけた。醤油と昆布の風味が舌の奥でゆっくり広がる。
私は二秒間黙った。
それから、非常に正直に結論を出した。
「……うん、悪くない」
ジェスがすぐに寄ってきた。
「でしょ、私が——」
私は手を上げて彼女の顔を押しやった。
「あんたを褒めてるんじゃない」
「ひどい」
彼女は傷ついた顔をした。
「私だってこの愛と熱量の物資補給に参加したのよ」
「あんたが参加したのは、つまみ食いと勝手に触ることでしょ」
「それも大事な後方支援よ」
「どこが大事なの?」
「士気の面で」
ランはうどんをヘートヴィヒと真紀に分けながら、無表情で割り込んだ。
「あと一言喋ったら、あなたの士気を今日このまま永久停止させることを検討するわ」
ジェスは即座に口を閉じた。
ロイは最後の一杯を私の手元に置き、おでんの一杯も真紀に渡した。私はうどんを二口食べ、心境がようやく「規則の原稿を書いた連中を公開処刑したい」から「せめて出汁で自分を慰められる」くらいには戻ったところで、手元のおでんを真紀の方へ少し押した。
「食べてみる?」
真紀は私を一瞥した。
短くて、淡い一瞥だった。
彼女の頭の中にはたくさんのことが動いているのに、それでも少しの余裕をこちらに向けてくれているような目だった。
彼女は受け取った。
だが、すぐには食べなかった。
碗を手元に置き、まだ順番が来ていない選択肢を一旦そこに置いておくように。
私の胸の中で、熱い食べ物でほんの少し緩んでいた何かが、また軽く引っ張られた。
やはり。
真紀は何でもないわけではない。
ただ「やるべきことを先にやる」モードの中にいて、他の感情を前に出すことを自分に許していないだけだ。
彼女は机の上の資料から視線を外し、入ってきた三人を見渡した。
「個人戦の手配を進めて」
彼女は言った。
「資料は赤いタグのついたファイルの中。スケジュールの整理を先に、対応窓口と交通手配は別々にリスト化、学内の協力申請書は別途一枚出して」
ロイはすぐに頷いた。
「分かった」
ランはすでに自然な動作で机に近づき、マークされた資料を抜き出して振り分け始めていた。
私はうつむいてはんぺんを噛みながら、こういう時はやはり正式な編制の人間がいてくれるとありがたいと思った。生徒会が生徒会と呼ばれるのは、会長が見栄えが良くて副会長が毒舌だからではない。こういう、大量の事案が同時に降ってきた時に、誰かが災難を表に変換できるからだ。
それから真紀はヘートヴィヒを見た。
「殿下、ご一緒に」
ヘートヴィヒは軽く頷いた。
「ええ」
彼女はさっき分けてもらったうどんをテーブルに戻し、自分の端末を手に取った。真紀も手元の端末を拾い上げ、二人は前後に並んでオフィス奥の小会議室へと向かった。
ドアが二人の後ろで閉まった。
バタン。
大きくはないが、とても明確な音だった。
私はそのドアを見つめた。口の中にはまだ熱い出汁があるのに、さっきまでの温かさが半分抜けたような気がした。
ランは先にドアを見て、それから私を見た。
彼女は資料の束を抱えたまま、眉をわずかにひそめ、少し慎重な表情を作っていた。
「星野」
「何?」
「あなたたち……喧嘩した?」
私はちくわを噛んだまま、半秒止まった。
この質問はとても的を射ている。
的を射すぎて、一時的にどう答えればいいのか分からなかった。
「してない……と思う」
自分でも確信を持てない言い方になった。
正直に言えば、最初は私もランと同じように思っていた。
あの酒に酔った取り違えの一件の後から、真紀はまたゆっくりと、あの硬い出荷時のデフォルト設定に戻っていた。話すべき時には話し、仕事をすべき時には仕事をし、私に対して冷たくするわけでもないが、何かが――正常すぎるのだ。正常すぎて、まるで彼女が一度うっかり外に出てしまったプライベートなモードを、また箱の中に仕舞い込み、二重に鍵をかけ直したかのようだった。
最初は、私に対して拗ねているのかと思っていた。
あの日の後、どう考えても何もなかったことにするのは難しいから。
でも今、真紀がヘートヴィヒと私の目の前で暗号化された情報をやり取りし、明らかに私には知らせようとしていないのを見ると、これは単純なすねとは違うように見えてきた。むしろ……
本当に何か、私に隠していることがある。
しかも、小さな話ではない。
口の中の大根が急に味を失った気がした。
「……私も実はよく分からない」
私は小声で言った。
ランの表情がさらに微妙になった。
彼女はたぶん、ただ探りを入れるつもりだっただけで、私がこんなにも曖昧な答えを返すとは思っていなかったのだろう。ロイは箸を割ろうとしていた手を止め、私を見てから、閉まっている小会議室のドアを見て、明らかに「自分はここにいるべきではないのかもしれない」モードに自動で入っていた。
そしてジェスは。
このやつは、空気に隙間を見つけると、血の匂いを嗅ぎつけた小型の捕食動物のように本能的に近づいてくる。
「分かった」
彼女は熱いスープのカップを両手で包み込み、何か邪教の審判会でも開くかのような目の輝きを見せた。
「絶対シモがさぼったんでしょ」
私はまぶたをピクッとさせた。
「今すぐ黙りなさい」
「夜のお世話が真紀を満足させられなかったから——」
彼女は声を潜めたが、潜め方が絶妙に、その場全員に聞こえるギリギリの音量だった。
「だから真紀が別の——うわあああああ痛い痛い痛い痛い痛い!」
私は一瞬で彼女を掴み、拳の骨を頭頂部に当て、躊躇なく回し始めた。
標準的なゲンコツぐりぐり。
老若男女に公平。
減らず口と旺盛な死に急ぎ欲に特効あり。
「痛い!痛い!シモ!副会長!星野大人!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
ジェスは丸まり、両手を振り回し、声は瞬時に八度上がった。
「お慈悲を!私の脳みそは元々多くないのに、これ以上削られたら制服の着方まで忘れちゃう!この口は確かに軽いけど、死罪には値しないわ!せめてうどんを食べ終わってから処刑して——痛い痛い痛い!本当に割れそう!」
ロイは勢いよく顔を背け、肩が震え始めた。
ランは目を閉じ、このドタバタ劇にもう意見を述べる気力がないという顔をした。
机の端で資料を整理しているヘートヴィヒが残していった手書きのメモでさえ、ジェスよりよほど生徒会員らしい品格があるように見えた。
私は手を離さなかった。
今の私の機嫌は本当に良くないからだ。
「今、私は機嫌が非常に悪いの、ジェス」
私は顔を引き締め、一語一語を区切って言った。
「こういう時に、こういう下品な冗談を言わないで」
ジェスの抵抗が一気に小さくなった。
いつものふざけた顔が、少しずつ収まっていく。
痛いからだけではない。
少なくとも、それだけではない。
彼女はようやく理解したのだ。
私は彼女と一緒にふざけているのではない。
本当に参っているのだと。
彼女は首を縮め、視線を上に飛ばしてからすぐに下ろし、ちょうど夕食の席で肉を盗み食いしたところを捕まえられ、自分がタイミングを間違えたとようやく気づいた犬のような顔をした。
「……ごめん」
彼女はまず小声で言った。
それから、正直に二言目を続けた。
「あんたと真紀のことで冗談を言うべきじゃなかった。特に今みたいに、あんたが明らかに十分参ってる時に、横で余計なことを言うのは本当に空気が読めなかった。本当にごめん、星野。今の一言は撤回するし、もうこれで揶揄うことはしない」
私は彼女を見た。
こういう人間は普段、口に鍵がかかっていないのに、本当に頭を下げる時だけ、妙にちゃんとした謝り方をする。おでんの中に頭から突っ込んで三分間反省させてやろうとしても、かえって自分が心が狭いように見えてしまう。
私はうーんと声を出し、ようやく手を離した。
「次があったら、額で生徒会の印鑑を押させるから」
ジェスはすぐに両手で頭を抱え、半歩後退した。
「了解。今日から純真路線で行く」
「まず静かな路線を覚えなさい」
「難易度が高い……じゃなくて、黙る、今すぐ黙る」
ロイはついにこらえきれず、噴き出してから、すぐに咳払いで誤魔化した。ランは資料を彼の腕に押し付けた。
「まだ笑えるなら、体力が余ってる証拠ね。これ、あなたが処理して」
「はい、やります、やります」
生徒会室はようやく、かろうじて稼働中と呼べる状態に戻った。
ランは個人戦の名簿に照らして作業を割り振り始めた。
ロイはスケジュールと窓口の整理を担当した。
ジェスは私に持ち帰り袋と使い捨て食器の分類を命じられ、私から半歩以内に近づくことを禁じられた。口では何も言えなくなったものの、動きはそれなりに勤勉で、整理の途中でこっそり一番おいしそうなこんにゃくを私の碗に移していた。それが彼女なりの安上がりで実用的な和解の方法だ。
私は気づかないふりをした。
資料をめくりながら、それでも頭の片隅には、あの小会議室のドアがずっとひっかかっていた。
静かすぎる。
真紀とヘートヴィヒが中にいた時間は実はそれほど長くはないが、ドアの向こうで自分の届かない何かが交わされていると知ってしまうと、時間の感覚が嫌な方向に狂う。
こちら側は、うどん、おでん、個人戦の手配、生徒会の雑務。
あちら側は、暗号化カード、プライベート端末、ホーエンツォレルン要塞、そして「アスガルドには今回、別の用途がある」。
同じ生徒会室の中。
距離はドア一枚分。
なのにそのドアが、空気を二層に切り分けていた。
私はうつむいてうどんをもう一口食べた。
麺にコシがあり、スープも悪くない。
本来ならこういう時、熱いスープで少し落ち着けるはずだ。
残念ながら、無理だった。
何かを気にし始めると、歯の隙間に刺さった小骨みたいに、触れない時はまだいいが、一度意識すると存在感が爆発する。
ランは向かいで表を整理しながら、また私を一瞥した。
さっきほど直接的ではなく、私がもう人間と会話できる状態に戻ったかどうかを確認するような目だった。
私は「まだ生きてる」という表情を返した。
彼女は理解して、それ以上聞かなかった。
それが私がランを好きな理由の一つだ。
彼女は話を最後まで追い詰めるタイプではない。総務を長くやっていると、多くの場合、人が話さないのは話したくないからではなく、今は話せない、話す気になれない、あるいは話しても意味がない、そのどれかだと分かるのだろう。
ジェスにはそういう高度な社会性が全くない。
二分と経たないうちに、袋の方でまた非常に軽い、泥棒めいた動作が始まった。
見ると、彼女は二本目の魚板を自分の碗に横流ししようとしていた。
「ジェス」
「業務上の消耗品よ!」
「それは証拠物件の横領」
「副会長、なんでそんな重い罪名を基層労働者にかけるの!」
「あなたにはそれが相応しいから」
彼女はぐっと詰まり、不満そうに魚板を戻した。
ロイは打ちながら笑った。
「生徒会、今日わりと雰囲気いいな」
「やられてる側があなたじゃないからよ」
私は言った。
「それもそうだ」
彼は非常に誠実に頷いた。
ちょうどその時、小会議室の方からようやく音が聞こえた。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




