223.サウナと岩盤浴でととのう! 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
大浴場から真紀に連れ出された後、背後の笑い声は熱い霧に一層飲み込まれたように遠ざかった。
お湯が石の縁を打つ音も、ジェスの生来静けさとは無縁な声もまだ聞こえてはいた。だが、一つのアーチと短い木の廊下を隔てただけで、それらの音はすべて背景へと退いた。修学旅行の夜の喧騒を背後に残し、私と真紀は一足先に、より乾燥して息苦しく、そして頭が熱くなりやすい別の場所へと足を踏み入れたのだ。
サウナ室のドアを押し開けると、熱気は真正面からぶつかってくるわけではなかった。
それは塊となって全身を包み込んできた。
温泉の、湿気を帯びて皮膚からゆっくりと染み込んでくる熱とは違い、サウナ室の熱は沈黙の包囲攻撃に似ている。空気には乾燥した木の香りが漂い、熱度は壁、ベンチ、天井の間にこもり、照明の光さえも一段階柔らかく焼きなまされているようだった。壁面は濃い色の板張りで段状に組み上げられ、隅にはサウナストーブが鎮座している。その表面は赤黒い光を放ち、ひどく忍耐強いが絶対に侮ってはいけない小型火山のようだった。
外の、大げさなほど贅沢な浴場エリアに比べると、ここはむしろ簡素だった。
庭園も、築山も、見るからに寝転びたくなるような低いテーブルと茶器もない。
ただ、熱があるだけ。
そして、一度距離が縮まれば、余計に相手を近く感じてしまう空間があるだけだ。
「ここは拷問室みたいだな」
私は上段のベンチに座り、背中を壁に預けて、まずは極めて客観的な評価を口にした。
真紀は私の隣に座り、淡々と言った。
「あんた、さっき全部の施設を体験したいって言ってたじゃない」
「体験とは言ったが、拷問を受けたいとは言ってない」
「なら、今のうちに高温環境に慣れておきなさい」
「どうして?」
「次にまたジェスにミストサウナに引きずり込まれて、泣いて助けを求めることにならないようにね」
私は彼女に顔を向けた。
「私がいつ泣いて助けを求めた?」
真紀も私に顔を向けた。表情は全く変わっていない。
「まだよ」
「……嫌な答えだな」
彼女はごく軽く笑った。
その声はサウナ室の中ではひどく薄く、熱い空気に炙られた後に残った、ごく短い弛緩のようだった。彼女を見つめていると、ここは確かに大浴場よりも危険だとふと思った。空間が狭いからでも、熱すぎるからでもない。ただ、丁度いいほどに静かだからだ。会議や戦闘、集団の喧騒から人を引き剥がすのに丁度よく、洗い場でのあの触れてはいけないはずの接触と、彼女のあの一言を思い出させるのに丁度いい。
――これ以上近づいたら、事故じゃ済まない。
真紀も思い出したのだろう。
今の彼女は姿勢を正して座っているが、手はいつものように自然に広げられているのではなく、膝の上に置かれている。何か不必要な衝動を、品位を保ちながら懸命に克制しているかのように。この女は普段、艦橋で全員を完全に押さえつけているくせに、こういう場所に入ると、本来ならうまく隠しているはずの性質の一部まで一緒に持ち込んでしまうらしい。
私は彼女の方へ少しにじり寄った。
ほんの少しだ。
だが、こういう場所では、ほんの少しでも十分すぎる。
「シモ」
彼女が私の名前を呼んだ。声は熱気に燻されて普段より低い。
「ん?」
「あんた、わざとでしょ」
「どの部分が?」
「全部よ」
私は危うく声を出して笑いそうになった。
よろしい。生徒会長はようやく、問題が特定の動作にあるのではなく、私という人間そのものにあることを認めたらしい。
「じゃあ、どうする?」私は首を傾けて彼女を見た。「私を追い出すか?」
真紀は二秒間、私を見つめた。
それから彼女は手を伸ばし、熱気で額に張り付いた私の濡れ髪を払いのけた。
動作はとても自然だった。
これまでに何度もやってきて、考える必要すらないほど自然に。
だが、自然すぎるからこそ、余計に致命的だった。
「まずはちゃんと座りなさい」
彼女は言った。
「そうじゃないと、後であんたが倒れた時、私が引きずり出さなきゃならなくなる」
「ムードがないな」
「ムードは救急処置の代わりにはならないわ」
「真紀」
「何?」
「お前は時々、恋愛禁止って書かれた医療用の説明書みたいに見えるよ」
彼女は今度はすぐに言い返さなかった。
ただ手の甲で私の頬を軽く触れた。私が熱さのあまりうわ言を言い始めたのではないかと確認するように。
結局、何もしていないのに何もなかったことにはし難いこの静寂の中へ、外から空気を読まない乱雑な足音が響いてきた。
一人ではない。
数人だ。
しかも、顔を見なくてもトラブルが接近していると分かる、あの聞き慣れた声を伴って。
「やっほー!」
ジェス。
私はその場で目を閉じた。
*
ドアが引き開けられ、最初に飛び込んできたのは予想通りジェスだった。彼女はタオルで適当に髪を拭きながら、入るなり熱波に当てられて半歩後ずさった。だが次の瞬間には負けじと胸を張り、火口が熱いと分かっているのにどうしても覗き込みたがる問題動物のような顔をした。
「わーお」
彼女は目を細め、私を見て、それから真紀を見て、非常に悪意のある笑みを浮かべた。
「やっぱり抜け駆けしてた」
「ジェス」
真紀はただ一声、彼女の名前を呼んだ。
「はいはい、分かってますよ。座って、余計なこと言わないで、設備を壊さないで、サウナ室でパフォーマンスしない、でしょ」
ジェスは真紀の真似をしながら下段のベンチに座った。口では素直なことを言っているが、顔は相変わらず「今は一時的に協力してあげてるだけ」という憎たらしい表情だ。
続いて入ってきた蘭は、まず熱さに眉をひそめた。
「ここ、思ってたより熱いわね」
彼女は座り、タオルを膝の上に畳んだ。口調は相変わらず冷静だが、額にはすぐに熱気による薄い汗が滲み出た。そのせいで彼女は普段より少し柔らかく見え、総務モードからようやく蒸し出された普通の人間のように見えた。
アカリは環境テストにでも来たかのようだった。
彼女は入室するなりサウナストーブを一瞥し、壁の温度計を確認してからようやく座り、平坦な声で言った。
「うん、ここなら人を蒸し焼きにするのに丁度いいね」
「兵器の実験室みたいな言い方をするな」
私はたまらず突っ込んだ。
「本質的には同じだよ」
「どこが同じなんだ?」
「どっちも高温密閉空間だから」
よろしい。
いかにもアカリらしい。
フレイヤは最後に入ってきた。ドアのそばに立った時はまだ「私はあなたたちとそんなに親しくありません」という警戒心を顔に貼り付けていたが、ドアを閉めて座り、熱気が包み込んでくると、風紀委員長のその硬度も明らかに蒸されて柔らかくなり始めた。
彼女はまだ端正さを保とうとしている。
本当に努力している。
だが、サウナ室の中で端正さを保とうと努力すればするほど、熱でシワになりかけた公式文書のように見えてしまうのだ。
ジェスも当然それを見逃さず、すぐにちょっかいを出し始めた。
「フレイヤ、あんたもう茹で上がりそうよ」
「黙りなさい」
「心配してあげてるのに」
「あなたの心配は、通常他人の死亡率を上げるだけです」
真紀は先ほどまで私の隣に座っていたが、この時にはすっかり司会者モードに戻り、冷ややかに全場を見渡した。
「全員、きちんと座りなさい。入ったなら少しは静かにすること」
ジェスが即座に手を挙げた。
「会長、私から非常に重要な提案があります」
「あんたの提案が重要だった試しはないわ」
「いえ、今回は本当に重要なんです」彼女は目を輝かせて、サウナストーブの横にある木杓と水桶を指差した。「サウナの真髄は、魂にあります」
私の眉がピクリと跳ねた。
「お前、何か馬鹿なことをやらかす気じゃないだろうな?」
「違います」ジェスは厳かな顔で立ち上がった。「私は皆様の体験品質を向上させようとしているのです」
そして、彼女は木杓を手に取り、水をすくい、そのまま石にかけた。
ジュッ――
熱湯が焼け焦げた石の表面を打ち、一瞬にしてさらに濃く、猛烈な蒸気が炸裂した。サウナ室全体の温度がその場で一段階引き上げられたように、空気すら重くなり、顔に直接のしかかってきた。
「ジェス」
真紀の声はすでに温度を下げ始めていた。
だが、ジェスの耳には全く届いていない。
彼女は新しいおもちゃを見つけたように、恐ろしいほど目を輝かせていた。
「わあ、これ最高! 本当に最高! 蒸気室って呼ばれるわけだ――」
言いながら、彼女はもう一杓かけた。
ジュッ――
「ジェス、いい加減にしなさい!」
蘭が真っ先に耐えきれなくなり、手で顔を覆って背中を板壁に押し付けた。アカリも珍しく眉をひそめ、「これはただの高温密閉空間だ」という学術的な観察から、「この女は本当に人を殺す気だ」という実務的な評価へと正式に移行したようだった。
フレイヤはさらに直接的だった。
「何をしているんですか! 全員を茹で殺す気ですか!」
「違うわ、温度をより完璧な状態にしてるの!」
「これは完璧ではなく、謀殺です!」
私はまだ持ちこたえようとしていたが、三杓目がかけられた後、サウナ室の熱気はすでに暴政に近いレベルまで濃縮されていた。喉が渇き、目の前の空気さえ揺らぎ始めている。
「ジェス……」
私は歯を食いしばって口を開いた。
「これ以上かけたら、お前を熱波用の石の代わりにしてやる」
「えー、そんなケチなこと言わないでよ! これこそ醍醐味――」
真紀がついに立ち上がった。
大声は出さない。
怒りすら見せない。
彼女はただ私の隣から立ち上がり、歩み寄ると、ジェスの手から柄杓を無造作に奪い取った。
一切の無言。
一切の無駄もなく。
「せっかくチャンスをあげたのに、無駄にしたのはあんたよ」と言わんばかりの、静かな圧迫感を漂わせて。
ジェスはその場で身を縮めた。
「……会長、私はただサービス品質を向上させようと」
「あんたのサービス品質のせいで、副会長が干物になりかけてるわよ」
壁に寄りかかっていた私は、その一言を聞いて危うく吹き出しそうになった。
素晴らしい。
彼女はこんな状況でも、私の身の安全に対する注釈を挟む余裕があるらしい。
フレイヤはこの時すでに顔全体を熱で赤く染め上げながらも、風紀委員長としての体面を保とうと必死だった。今にも爆発しそうなのに、爆発の正規手順を遵守しようとこだわる規律爆弾のようだ。
「提案します」彼女は息を荒げながらも、口調は硬かった。「今後、ジェスが一切の加熱設備に触れることを禁止すべきです」
「同議」
蘭が即座に手を挙げた。
「賛成」
私も続く。
アカリが一言だけ補足した。
「強く賛成」
ジェスは左右を見回し、最後に真紀へ視線を向けた。
「会長、会長は?」
真紀はその木杓を手にしたまま、彼女を一瞥した。
「あんた自身を設備管理の要注意リストに入れるか検討中よ」
今度こそ私まで笑ってしまった。
サウナ室の、全員をまとめて茹で殺しかけたあの災厄のような熱気は、真紀の鎮圧によってようやく耐えられる範囲に戻った。だが、ジェスのこの暴力的な加湿のせいで、私たち六人は基本的にほぼ蒸し上がりかけていた。
蘭が最初に立ち上がった。
「私、もう無理。これ以上いたら走馬灯が見えそう」
アカリが頷く。
「私も限界」
フレイヤは尊厳を保ちながら壁を支えにして立ち上がり、まだ強がろうとした。
「この程度の……」
だが、言葉は半分で止まった。
これ以上喋れば、ただの痩せ我慢にしか見えないと気づいたのだろう。
私は背中を板壁から離し、長く息を吐いた。穏やかだが極めて断固とした処刑方法から、たった今引き上げられたような気分だった。
「それで」私は目を上げて真紀を見た。「ここの体験はこれで終わりか?」
真紀は木杓を元の場所に戻し、さっきの蒸気虐殺がただの施設の通常運用であったかのように平坦な口調で言った。
「そうね」
だがジェスがまた即座に復活した。
「じゃあ、この後は何が残ってるの?」
私と真紀、蘭、アカリ、フレイヤはほぼ同時に彼女を見た。
そして、私が一足先に結論を出した。
「残るは岩盤浴だ」
その三文字を聞いた瞬間、ジェスの目がまた輝いた。
私の心には、非常に不吉な予感しか浮かばなかった。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




