217.黒猫盗賊団 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
帝国軍視角
AU-1206哨戒ステーションの当直室には、辺境部隊特有の倦怠感が漂っていた。
平和ではない。
長い間、本当に大きな事件が起きなかった結果として、全員が低効率な安逸を身につけるしかなくなった状態だ。壁の戦術時計が刻み続け、通信席の光カーソルが一格一格跳動し、当直士官たちはそれぞれの位置に座って、重要そうに見えるが実際には九割が繰り返し確認と繰り返し承認の作業をこなしていた。帝国の辺境管理とはそういうものだ。規模は巨大で、制度は厳格で、文書が敵より先に届き、責任が命令より早く落ちてくる。
その通報が入るまでは。
当直通信士官が最後の音声を再生し終えた後、当直室全体が丸三秒、静まり返った。
最初に口を開いたのは、巡回勤務主任だった。
「海賊だ」
その中佐は手の電子ペンを卓上に一叩きし、口調は断定的で、すでに件全体に印鑑を押したかのようだった。
「民間船を拿捕し、エンジンを無力化し、強制接舷し、財物を奪い、名前を残して示威した。これが海賊でなければ、慈善団体とでも言うのか」
「反対します」
反対側に座っていた情報分析官が即座に眉をひそめた。
「海賊はあんな格好をしない」
「どんな格好だ」
「オペラ座から飛び出してきた怪盗王子のような格好です」
情報分析官は報告書のページを前へ押し出し、顔には現実に侮辱された後の不快感が滲んでいた。
「それに、海賊は通常、被害者に完全な団名を伝達するよう要求しません。まして通報記録に『にゃ』が附記されることもない」
当直室の若い士官数名の口元が、その場でひきつった。
しかし誰も笑わなかった。
勤務主任の顔色がすでに半分暗くなっており、情報分析官は「今ここで誰かが笑い出したら、その人間に辺境安全分類規則を三十部書き直させる」という危険な状態にあることが明らかだったからだ。
通信長卓の向こう側で、灰色の制服を着た作戦参謀が静かに顔を上げた。
「テロリストの可能性も否定できません」
その一言に、周囲の何人かが視線を向けた。
その参謀は眼鏡を押し上げ、口調は非常に真剣で、教範に書き込まれるに足る厳粛な事件を論証しているようだった。
「目的は財物そのものではなく、恐慌の創出です。これは明らかです。相手は船を撃沈せず、死傷者を拡大せず、衝突規模の制御さえ意図的に行っている。むしろ制御された暴力を利用して政治的影響を生み出そうとしているように見える。特にこの団名――黒猫盗賊団。過剰に意図的で、過剰に記号的で、明らかに普通の辺境の強盗の手口ではない」
勤務主任が冷笑した。
「テロリストが行動中に猫の鳴き声を出すか?」
参謀は少し沈黙した。
「……一種の心理戦かもしれません」
今度は隣で記録を担当していた文官も、頭を少し下げた。
現実から逃げたいわけではない。ただ今の自分の顔の表情を誰かに見られたくなかっただけだ。帝国の公務システムの優れたところは、巡回体系全体を侮辱するに足る通報記録を処理している最中でも、記録員は手を安定させ、文字を正確に、書式を標準通りに保ち、主観的な感情を報告欄に混入させてはならないことだ。
当直室の別の角で、地方治安連絡担当の少佐が資料をめくり、ようやく一言挟んだ。
「地方武装だと思います」
「根拠は」勤務主任が不機嫌そうに視線を向けた。
「動きが綺麗すぎるからです」
少佐は整理したばかりの事件タイムラインをメインスクリーンに投影した。
「相手はまず指向性麻痺光束でエンジンを停止させ、次に強制接舷し、重装の先鋒が護衛の陣形を崩し、後方の人員が非致死性兵器で圧制し、最後に財物の奪取と身元の残留を完了させた。この一連のプロセスは、組織立ちすぎていて、効率が良すぎる。普通の海賊が身につけられるものではない」
少佐は一拍置き、もう一言付け加えた。
「正規の訓練を受けた人間が、意図的に海賊を演じているように見えます」
この一言が落ちると、当直室の空気が微かに凝った。
単純な海賊より厄介だ。
単純な狂人より厄介だ。
もし本当に地方武装、あるいは軍事訓練を受けた非正規部隊なら、事態の性質は治安事件から軍事的浸透の方向へ滑り始める。しかし問題は、相手がやっていることが、どう見ても本格的な軍事浸透には見えないことだ。
どこの浸透部隊が怪盗の衣装を着るのか。
どこの武装分子が自らを黒猫盗賊団と名乗るのか。
どこの精鋭行動メンバーが、最後に「にゃ」と言うのか。
そして四つ目の声が、ついに出てきた。
当直室の最も隅の角、徹夜で目が空ろになっている若い大尉が、資料板を抱えたまま、無表情に口を開いた。
「わたしは、ただの頭のおかしい辺境の変人たちだと思います」
当直室全体が一瞬、静まり返った。
何人かがいっせいにその大尉を見た。
その大尉自身も、自分の言葉が慎重ではないと分かっているらしかったが、明らかにこの通報書類に折磨され続けた結果として、公式的な物言いへの忍耐を使い果たしていた。
「皆さん、見てください」彼は手を上げ、口調は絶望に近いほど平板だった。「相手は人を殺さず、船を爆破せず、人質を取らず、政治的声明を残さず、哨戒ステーションを攻撃せず、兵器を奪わず、生命維持システムを切断しない。ただ乗り込んで、金を奪って、名前を残して、被害者に通報させた。海賊の進化形にも見えないし、テロリストにも見えない。どちらかというと、誰かが専門的にわたしたちを侮辱しに来たように見えます」
この言葉が落ちた後、誰も即座に反論しなかった。
なぜなら、正確すぎたからだ。
正確すぎて、体裁が悪かった。
正確すぎて、AU-1206哨戒ステーションの当直士官全員が、ある非常に不名誉な可能性と短時間向き合わざるを得なくなった。相手の目的は、もしかしたら奪うことだけではなく、帝国の巡回体系という鈍くて重い巨大な獣に石を投げて、どこへ向かって飛びかかるかを見ているのかもしれない、という可能性と。
勤務主任の顔色が、ついに完全に暗くなった。
「もう十分だ」
彼が口を開くと、全員が黙った。
「海賊だろうと、テロリストだろうと、地方武装だろうと、頭のおかしい辺境の変人だろうと」電子ペンで報告書の最上部を叩いた。「一つだけ確かなことがある」
顔を上げ、当直室全体を見渡した。
「相手はすでに帝国の巡回区域内で動いた。しかも、最初の一件で成功した」
この言葉は前の分類論争のどれよりも重かった。
分類はゆっくり議論できる。
しかし責任はすでに落ちてきた。
記録担当の文官が恐る恐る訊いた。
「では、事件の性質は……まず何として登録しますか」
勤務主任は二秒間、黙った。
明らかに、正式記録に「黒猫盗賊団」という五文字を打ち込みたくなかった。特にその後ろに劇団の異名のような恥ずかしい尾っぽが続いているのだから。しかし書かないわけにもいかない。同類の事案が再び発生した時、統一した識別子がなければ、哨戒ステーション全体の後続の検索、串案、追跡がすべて混乱する。
最終的に、彼は鉄を飲み込むように、重く口を開いた。
「まず……辺境高機動武装掠奪事案として登録する」
情報分析官が眉をひそめた。
「中立的すぎます」
「では彼女が書けばいい」
情報分析官は即座に黙った。
勤務主任はさらに一言付け加えた。
「副標記として注記する。自称『黒猫盗賊団』」
当直室に、また一瞬の微妙な静寂が訪れた。
全員が心の中で同じことを思っていた。帝国の辺境治安史において、今日はかなり不名誉な一ページが記録されたのかもしれない、と。
あの若い大尉が資料板を見下ろし、やはり堪えきれず、小声で一言訊いた。
「あの……『にゃ』も附記しますか」
勤務主任はその大尉を見た。
その目には怒りはなく、文明と職業的責任に同時に裏切られた後の疲労だけがあった。
「書け」
彼は一字一句、言った。
「一文字も省くな」
当直室に、もう誰も口を開かなかった。
全員が分かっていた。この瞬間から、彼女たちが認めようと認めまいと、冗談のように聞こえ、侮辱のように見え、しかし実際には巡回の顔面をすでに食い破ることに成功したあの名前が、AU-1206の勤務システムに正式に記録された。
そして、さらに厄介なのは――
誰も知らないことだ。黒猫盗賊団が、また現れるかどうかを。
そして誰も知らない。
彼女たちが来たのが、ただ船を一艘奪うためだったのか。
それとも、辺境の夜番全部を、一緒に終わらせるつもりなのかを。
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