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臨界の星穹  作者: Mr.佐藤焫焵
士官学校編
61/62

15. プロトタイプ  4

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

ミラは俺を見て、その表情にようやく少しだけ「授業中の顔」が混じった。


「反応は悪くない」彼女は言う。「昨日よりはましだ」


……お見舞いに来て、即応テストまでついてくるのか。


聯邦の「心配の仕方」は、本当に期待を裏切らない。


手の中の薬莢を見下ろして、一度握る。


「本当に心配してるなら」俺は言う。「もう少し普通の人間らしい方法もあると思いますけど」


「例えば?」


「座って、優しく聞いてくれる。『シモ、今日は少し楽になった?』って」


ミラは二秒、俺を見た。


それから、きっぱり言った。


「しない」


「やっぱり」


「それに、あんたにはそういうものは要らない」


その一言は、それまでのどの言葉より軽かった。


軽すぎて、聞き間違えたかと思うくらい。


顔を上げて彼女を見る。


でも彼女はすでに視線を外して、窓の外のひたすら安定してダサい灰色の空を見ていた。


「今日の午後は戦術判読じゃなかったか」彼女は問う。


「そう聞いてます」


「なら、授業中にぼーっとするな」淡々と言う。「体が一度壊れたなら、頭だけでも残しておけ」


俺は少し笑った。声にまだ力がない。


「そういう励まし方、聯邦の徴兵ポスターに使えますよ」


ミラは机の端から体を離して、ドアに向かって歩き出した。


「もう一つ」


「はい?」


彼女はドアの前で止まり、半分だけ顔をこちらに向けた。


「今、営内でかなりの人間があんたを見ている」


「昨日事故を起こしたから?」


「事故を起こした後、今日まだ立っているから」彼女は言う。「この二つは、全然違う」


それだけ言って、ドアを開け、鮮やかに出て行った。


残されたのは、手のひらの薬莢と、確実にまずいであろう電解質ドリンクだけだ。


俺はその場に立って、閉まったドアを見ていた。二秒ほどして、小さく笑い声が漏れた。


「……毒舌が過ぎる」


それから、手のひらの薬莢を見下ろした。


冷たい。軽い。でも妙な重みがある。


ここでは、誰かが「生きているか確認しに来る」ことが、必ずしも気にかけているとは言えない。でも「まだ続けられるか見に来る」なら——


それは少なくとも、廃棄リストに入れていないということだ。


---


午後の戦術判読教室は、高級な墓穴みたいな形をしていた。


半円形の階段式座席、照明は低く落とされ、正面には巨大な戦術投影スクリーンが一面に広がっている。窓はなく、風もなく、カールが人を壁に叩き込む物理的な圧迫もなく、ミラのシミュレーターカプセルが肺を刻み込もうとする金属の暴風もない。


でも踏み込んだ最初の一秒、本能的に居心地が悪くなった。


静かすぎる。


全員の死に方が、すでにグラフの中に計算されているような静けさだ。


担当教官は、まだ正式に顔を合わせたことのない男だった。四十代、細く、背が高く、軍装は一分の隙もない。その目は、生きた人間より地図を見慣れているような目だ。肩章の記号はまだ全部頭に入っていないが、最初の一言の口調だけで判断するなら、「相手に自分の無知を自覚させること」を主な教育手段にしているタイプだと分かった。


「戦場判読とは、敵が何をするかを予測することではない」彼は投影スクリーンの前に立ちながら言う。「どこにいる人間が最初に死ぬかを、先に見ることだ」


……いい。


この授業は好きだ。


少なくとも、正直だ。


二列目の右寄りの席に座り、端末を開く。後頭部のパッチはまだ貼ってある。今朝の薬害が夢ではなかったことを、静かに思い出させてくれる。頭はまだ少し重いが、朝よりはずっとクリアだ。あの異常な鮮明感が引いた後には、奇妙な静けさが残っていた。


何かが、平らになったみたいな感覚。


痛みはまだある。疲れもまだある。でも、雑音が減った。


教官が手を上げると、スクリーンが点灯した。


最初のケースは、廃棄された工業都市地区への小隊突入の記録映像だ。三次元戦術マップが素早く展開し、灰色の建物の骨格、崩れた配管、封鎖された路地、熱源点と信号の死角が全部浮かび上がる。街全体が、皮を剥がれた機械の死体みたいだ。


「標準問題だ」教官は言う。「侵入点は三つ、撤退ルートは二本。敵の火力情報は不完全。最も危険な場所はどこか、誰か言え」


前列の訓練生がすぐに答えた。西側の高架残骸エリア、制高点が露出しているからと。


別の一人が中央の配管群を挙げた。熱源の反射が乱れすぎていて、伏兵を隠しやすいと。


どちらも外れではない。


教官は正解とも不正解とも言わず、ただ全員を一度見渡した。


「他には?」


俺は口を開くつもりがなかった。


本当に。


今朝、聯邦の配薬システムに一度やられたばかりで、今日の午後は目立たず、静かに、「かろうじて修理された普通の訓練生」として過ごすつもりだった。


でも、なぜかあのマップが開いた瞬間、頭の中の何かが勝手に動き始めた。


理論を当てはめているわけじゃない。


公式を使っているわけでもない。


もっと面倒くさい何かだ。


三つの侵入点を見て、撤退ルートを見て、灰黄色の境界線で示された死角を見て、最初に頭に浮かんだのは「どこが危険か」ではなかった。


——この小隊、密度が高すぎる。


画面を見つめながら、机の上で指を一度叩く。


教官がちょうどこちらを見た。


「星野一等兵、答えがあるか」


クラス全員の視線が一斉に向いてくる。


……ああ、そうか。


今日も静かに過ごせる日じゃないらしい。


顔を上げて、スクリーンを見る。


「どこが危険かという問題じゃないと思います」俺は言う。


教官の目が動かない。


「続けろ」


手を伸ばして、狭い路地と中央配管の交差点を示す。


「もし俺が敵なら、制高点を先に押さえたりしない。主力を熱源が一番乱れている場所にも置かない。それじゃあ答えが見えすぎる」少し間を置く。「入れてから、閉める」


教室が静まり返った。


自分の声が、妙に落ち着いていることに気づく。


「この小隊の編成は密度が高すぎて、進入リズムも整いすぎている。最初の二組が中央交差点に入った瞬間、後ろの人間は本能的に前に詰めようとする。そのとき、重火力は要らない。ここから——」


もう一点を指す。崩れた整備橋の下側に近い場所だ。


「——側面を封じれば、前は退けない、後ろは入れない、その間の区間がそのまま、肉挽き機になる」


二秒の沈黙。


教官は何も言わず、手を上げて俺が指した場所を拡大し、敵の実際の待伏せ位置を呼び出した。


赤いマーカーが、そこに灯っていた。


……ああ。


当たった。


教室の中で、小さく息を飲む音がした。


俺はむしろ少し、うんざりした。


正解したからじゃない。


あの一瞬、俺は「推論した」んじゃないからだ。


「見えた」のだ。


きれいなスカートを見て、まず合わせる靴を考える人間がいるみたいに。


俺はあのマップを見て、最初に「ここで人が詰まったら、どう死ぬか」が浮かんだ。


少女らしくない。


健全でもない。


教官がようやくこちらを向いた。


「理由を言え」


半秒黙ってから、答える。


「人は、前にいる人間の後ろについていこうとするからです」俺は言う。「特に、見えない場所では。隊形が崩れると、全員が『自分が安全だと思う方向』に本能で動く。一人倒れれば、後ろの人間はもう前進じゃなくて、パニックで動いているだけになる」


言い終えて、教室の空気が少し冷えた気がした。


教官は俺を見つめた。その目に、初めてはっきりした変化が出た。


驚きではない。


どちらかといえば——普通に見えた書類の中に、あるべきではない何かが挟まっているのを発見したときの目だ。


「よろしい」彼は言った。「座れ」


その二文字が彼の口から出ると、重みが違う。


席に戻ると、隣の二人の視線がもう以前とは違っていた。


嫌悪でもない。感嘆でもない。


どちらかといえば——


「こいつ、どうやって見抜いた?」


正直に言えば、俺も知りたい。


その後のケースは、一つ一つがどんどん「汚く」なっていった。


市街戦、艦内突入、撤退ルートの遮断、小隊残存時の指揮系統崩壊。どの図を見ても、どのシミュレーションを見ても、俺は自分が思っていた以上に速く「読めて」しまう。


速すぎて、少し苛立つくらいだ。


「わあ、才能があるな」という種類の速さじゃない。


何かが、そもそも学ぶ必要がなくて、画面が出た瞬間に骨の中から勝手に這い出してくる、そういう速さだ。


どこで慌てる。どこで乱れる。どこで人が本能的に振り返る。どこで誰かを救おうとして一歩余計に踏み込み、最もくだらない場所で死ぬ。


教官はいつの間にか、順番通りに指名するのをやめていた。


図を出して、三秒止めて、そのまま俺を見る。

「とても面白い」★四つか五つを押してね!


「普通かなぁ?」★三つを押してね!


「あまりかな?」★一つか二つを押してね!

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