15. プロトタイプ 4
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
ミラは俺を見て、その表情にようやく少しだけ「授業中の顔」が混じった。
「反応は悪くない」彼女は言う。「昨日よりはましだ」
……お見舞いに来て、即応テストまでついてくるのか。
聯邦の「心配の仕方」は、本当に期待を裏切らない。
手の中の薬莢を見下ろして、一度握る。
「本当に心配してるなら」俺は言う。「もう少し普通の人間らしい方法もあると思いますけど」
「例えば?」
「座って、優しく聞いてくれる。『シモ、今日は少し楽になった?』って」
ミラは二秒、俺を見た。
それから、きっぱり言った。
「しない」
「やっぱり」
「それに、あんたにはそういうものは要らない」
その一言は、それまでのどの言葉より軽かった。
軽すぎて、聞き間違えたかと思うくらい。
顔を上げて彼女を見る。
でも彼女はすでに視線を外して、窓の外のひたすら安定してダサい灰色の空を見ていた。
「今日の午後は戦術判読じゃなかったか」彼女は問う。
「そう聞いてます」
「なら、授業中にぼーっとするな」淡々と言う。「体が一度壊れたなら、頭だけでも残しておけ」
俺は少し笑った。声にまだ力がない。
「そういう励まし方、聯邦の徴兵ポスターに使えますよ」
ミラは机の端から体を離して、ドアに向かって歩き出した。
「もう一つ」
「はい?」
彼女はドアの前で止まり、半分だけ顔をこちらに向けた。
「今、営内でかなりの人間があんたを見ている」
「昨日事故を起こしたから?」
「事故を起こした後、今日まだ立っているから」彼女は言う。「この二つは、全然違う」
それだけ言って、ドアを開け、鮮やかに出て行った。
残されたのは、手のひらの薬莢と、確実にまずいであろう電解質ドリンクだけだ。
俺はその場に立って、閉まったドアを見ていた。二秒ほどして、小さく笑い声が漏れた。
「……毒舌が過ぎる」
それから、手のひらの薬莢を見下ろした。
冷たい。軽い。でも妙な重みがある。
ここでは、誰かが「生きているか確認しに来る」ことが、必ずしも気にかけているとは言えない。でも「まだ続けられるか見に来る」なら——
それは少なくとも、廃棄リストに入れていないということだ。
---
午後の戦術判読教室は、高級な墓穴みたいな形をしていた。
半円形の階段式座席、照明は低く落とされ、正面には巨大な戦術投影スクリーンが一面に広がっている。窓はなく、風もなく、カールが人を壁に叩き込む物理的な圧迫もなく、ミラのシミュレーターカプセルが肺を刻み込もうとする金属の暴風もない。
でも踏み込んだ最初の一秒、本能的に居心地が悪くなった。
静かすぎる。
全員の死に方が、すでにグラフの中に計算されているような静けさだ。
担当教官は、まだ正式に顔を合わせたことのない男だった。四十代、細く、背が高く、軍装は一分の隙もない。その目は、生きた人間より地図を見慣れているような目だ。肩章の記号はまだ全部頭に入っていないが、最初の一言の口調だけで判断するなら、「相手に自分の無知を自覚させること」を主な教育手段にしているタイプだと分かった。
「戦場判読とは、敵が何をするかを予測することではない」彼は投影スクリーンの前に立ちながら言う。「どこにいる人間が最初に死ぬかを、先に見ることだ」
……いい。
この授業は好きだ。
少なくとも、正直だ。
二列目の右寄りの席に座り、端末を開く。後頭部のパッチはまだ貼ってある。今朝の薬害が夢ではなかったことを、静かに思い出させてくれる。頭はまだ少し重いが、朝よりはずっとクリアだ。あの異常な鮮明感が引いた後には、奇妙な静けさが残っていた。
何かが、平らになったみたいな感覚。
痛みはまだある。疲れもまだある。でも、雑音が減った。
教官が手を上げると、スクリーンが点灯した。
最初のケースは、廃棄された工業都市地区への小隊突入の記録映像だ。三次元戦術マップが素早く展開し、灰色の建物の骨格、崩れた配管、封鎖された路地、熱源点と信号の死角が全部浮かび上がる。街全体が、皮を剥がれた機械の死体みたいだ。
「標準問題だ」教官は言う。「侵入点は三つ、撤退ルートは二本。敵の火力情報は不完全。最も危険な場所はどこか、誰か言え」
前列の訓練生がすぐに答えた。西側の高架残骸エリア、制高点が露出しているからと。
別の一人が中央の配管群を挙げた。熱源の反射が乱れすぎていて、伏兵を隠しやすいと。
どちらも外れではない。
教官は正解とも不正解とも言わず、ただ全員を一度見渡した。
「他には?」
俺は口を開くつもりがなかった。
本当に。
今朝、聯邦の配薬システムに一度やられたばかりで、今日の午後は目立たず、静かに、「かろうじて修理された普通の訓練生」として過ごすつもりだった。
でも、なぜかあのマップが開いた瞬間、頭の中の何かが勝手に動き始めた。
理論を当てはめているわけじゃない。
公式を使っているわけでもない。
もっと面倒くさい何かだ。
三つの侵入点を見て、撤退ルートを見て、灰黄色の境界線で示された死角を見て、最初に頭に浮かんだのは「どこが危険か」ではなかった。
——この小隊、密度が高すぎる。
画面を見つめながら、机の上で指を一度叩く。
教官がちょうどこちらを見た。
「星野一等兵、答えがあるか」
クラス全員の視線が一斉に向いてくる。
……ああ、そうか。
今日も静かに過ごせる日じゃないらしい。
顔を上げて、スクリーンを見る。
「どこが危険かという問題じゃないと思います」俺は言う。
教官の目が動かない。
「続けろ」
手を伸ばして、狭い路地と中央配管の交差点を示す。
「もし俺が敵なら、制高点を先に押さえたりしない。主力を熱源が一番乱れている場所にも置かない。それじゃあ答えが見えすぎる」少し間を置く。「入れてから、閉める」
教室が静まり返った。
自分の声が、妙に落ち着いていることに気づく。
「この小隊の編成は密度が高すぎて、進入リズムも整いすぎている。最初の二組が中央交差点に入った瞬間、後ろの人間は本能的に前に詰めようとする。そのとき、重火力は要らない。ここから——」
もう一点を指す。崩れた整備橋の下側に近い場所だ。
「——側面を封じれば、前は退けない、後ろは入れない、その間の区間がそのまま、肉挽き機になる」
二秒の沈黙。
教官は何も言わず、手を上げて俺が指した場所を拡大し、敵の実際の待伏せ位置を呼び出した。
赤いマーカーが、そこに灯っていた。
……ああ。
当たった。
教室の中で、小さく息を飲む音がした。
俺はむしろ少し、うんざりした。
正解したからじゃない。
あの一瞬、俺は「推論した」んじゃないからだ。
「見えた」のだ。
きれいなスカートを見て、まず合わせる靴を考える人間がいるみたいに。
俺はあのマップを見て、最初に「ここで人が詰まったら、どう死ぬか」が浮かんだ。
少女らしくない。
健全でもない。
教官がようやくこちらを向いた。
「理由を言え」
半秒黙ってから、答える。
「人は、前にいる人間の後ろについていこうとするからです」俺は言う。「特に、見えない場所では。隊形が崩れると、全員が『自分が安全だと思う方向』に本能で動く。一人倒れれば、後ろの人間はもう前進じゃなくて、パニックで動いているだけになる」
言い終えて、教室の空気が少し冷えた気がした。
教官は俺を見つめた。その目に、初めてはっきりした変化が出た。
驚きではない。
どちらかといえば——普通に見えた書類の中に、あるべきではない何かが挟まっているのを発見したときの目だ。
「よろしい」彼は言った。「座れ」
その二文字が彼の口から出ると、重みが違う。
席に戻ると、隣の二人の視線がもう以前とは違っていた。
嫌悪でもない。感嘆でもない。
どちらかといえば——
「こいつ、どうやって見抜いた?」
正直に言えば、俺も知りたい。
その後のケースは、一つ一つがどんどん「汚く」なっていった。
市街戦、艦内突入、撤退ルートの遮断、小隊残存時の指揮系統崩壊。どの図を見ても、どのシミュレーションを見ても、俺は自分が思っていた以上に速く「読めて」しまう。
速すぎて、少し苛立つくらいだ。
「わあ、才能があるな」という種類の速さじゃない。
何かが、そもそも学ぶ必要がなくて、画面が出た瞬間に骨の中から勝手に這い出してくる、そういう速さだ。
どこで慌てる。どこで乱れる。どこで人が本能的に振り返る。どこで誰かを救おうとして一歩余計に踏み込み、最もくだらない場所で死ぬ。
教官はいつの間にか、順番通りに指名するのをやめていた。
図を出して、三秒止めて、そのまま俺を見る。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




