216.初犯 3
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
強襲揚陸艇エグソンIIは、あの金ぴかの私用ヨットをロックオンした後、その全体的な気質が「輸送機」から「認可済みの悪意」へと一段升格した。
もともとそれほど見た目が良いわけではない機体だ。
ラインは短く、腹部は厚く、装甲の外殻には一種の理不尽な工業的暴力感が漂っていた。何かに例えるなら、長く閉じ込められてようやく肉を見た猟犬に近い。今、その猟犬がついに目標に噛みついた。エンジン音まで、歯を研いでいるように聞こえた。
前方の豪華ヨットも、こちらに気づいたらしかった。
優雅に広げていた太陽帆が急速に畳まれ始め、二層甲板の周囲の光帯が一節ずつ消え、艦尾の噴射口の輝度が上がった。「本船は現在、制服を着ていない種類の見知らぬ人を一切歓迎しない」という貴族版の標準的な動作だった。
残念ながら。
今日、歓迎するかどうかを決めるのは彼女たちではない。
わたしはエグソンIIの前艙に座り、観測窓越しにあの肥えた羊が慌てて加速し始めるのを眺めながら、気持ちは非常に穏やかだった。人は尊厳を破壊するに足る怪盗王子服を一度着てしまえば、多くの感情が自動的に死ぬ。羞恥も、迷いも、自分の人生の選択に対する正常な反省も。残るのは、通常、任務だけだ。
「推進ノードをロック」わたしは言った。
「ロックしました」操艦席の学生が即座に報告した。
次の瞬間、エグソンIIの腹部武装が開き、一条の青い光束が一直線に射出された。
爆発系の武器ではない。
火球もなく、破片も飛ばず、見栄えのする視覚効果もない。その光束は、退屈なほど精確な一発の平手打ちに近く、相手のエンジンシステムにパシッと叩きつけた。豪華ヨットの尾部の推進光がひと閃きし、そのまま全部消えた。
静寂。
非常に短く、しかし十分に致命的な静寂。
「エンジン無力化」アカリの声が後方から届いた。今日の昼食のメニューを報告するような冷静さだった。「命中、精確」
「向こうが金持ちに見えると言ってほしかった」ジェスがわたしの横で低く言った。
わたしは前方を見たまま、ジェスを見なかった。
「集中して」
「集中してるわよ」彼女はこちらへ少し寄り、声に明らかな笑いが混じっていた。「全力で怪盗王子のお供をしてる」
こめかみが一度、ピクリと動いた。
今はジェスに構っている場合ではない。少なくとも今は。
なぜなら次の瞬間、エグソンIIが突っ込んでいったから。
硬対硬の衝突で相手を廃鉄にするのではなく、短く、凶暴で、相手の体裁を一切配慮しない強制接舷だった。突撃艇全体が斜めに切り込み、船側装甲が豪華ヨットの外壁を思い切り削り、金属の摩擦音は誰かが爪で窓ガラスを引っ掻くほど甲高かった。続いて数本の固定ケーブルが同時に射出され、鋼索が相手の外殻に食い込み、磁気ロックが瞬時に閉合し、エグソンIIをその豪華ヨットに死んでも離れないように固定した。
続いて、船首前端が開いた。
細長くて不吉な形の接舷チューブが猛然と弾き出され、形は巨大な昆蟲の口器のようで、遠慮なく相手の船体外板に突き刺さった。ドリル、切断リング、気密スリーブが一気に展開し、動作は慣れ切っているようで、この手順が文明社会に使われるのは初めてではないことを示していた。
心の中で、その気の毒な船主に一秒だけ黙祷を捧げた。
帝国領内で自家用遊覧、星を眺めながら風に乗って、それが突然、治安という二文字の意味を再定義しに来た強襲艇に正面から遭遇するとは。この遭遇は、旅程そのものよりも日記に書く価値があるだろう。
後で知ったのだが、この船の主はエッセン伯爵だった。
そして今頃、その伯爵は過分に高価な操艦室のどこかで、信じられない顔をして同じことを考えているはずだ――帝国領内で自家用遊覧して、なぜ強盗に遭うのか、と。
答えは簡単だ。
わたしたちが来たから。
「接舷完了」
「気密ハッチ切断」
「前艙ロック解除」
いくつかの報告がほぼ同時に響いた。
Dはすでに最前列に立っていた。黒い装甲、三つ穴の目出し帽、そしてどこかから外してきた厚い装甲板を一枚。全体的に乗艦隊長には見えず、理性的な社会から脱線を決めた重装破城機に近かった。後ろには全装備の学生が何名か続き、手には麻痺銃か近接制圧装備のどちらかを持っていた。一団の雰囲気は非常に明確だった――今日は道理を説きに来たのではないが、人を殺しに来たわけでもない。
艙門が開いた。
わたしが先頭で踏み出した。
豪華ヨットの内部は、やはり金持ちだった。
廊下は広く、照明は暖かく、壁面には貴族の審美の中だけで「控えめ」と称賛される金属光沢が施されていた。床には滑り止め機能付きの濃色軟材まで敷かれており、踏むと静かで、思わず罵りたくなった。こういう場所は強盗に入られても他の場所より格が高く見えてしまう。非常に不愉快だ。
向かいのボディガードが迎えに出てきていた。
動力装甲を着た護衛が数名、廊下の向こうに立ちはだかり、手には銃か短柄の戦斧。姿勢は正しく、反応も遅くなく、明らかに純粋な飾りではない。問題は、今日は運が悪かったことだ。こちらは人数が多く、しかも事前に人を殺してはいけないと宣言していた。つまり、全員の心理的な負荷が一層分少ない。
わたしは手を上げ、冷たく言った。
「各位、人を壊さないように」
向かいの護衛を見渡した。
「これはなかなか価値のある上客だから」
言い終わった瞬間、廊下全体が光った。
光束が交差して飛び交い、狭い空間に白熱した痕を刻んだ。護衛側が先に撃ち、こちらも即座に圧した。この距離では、半拍遅れた方が壁に叩き込まれる。問題は、Dが相手に「半拍」という贅沢品を与えるつもりが全くなかったことだ。
Dはその装甲板を正面に構えて直接突っ込んだ。
その瞬間、前方の床まで揺れたような気がした。
Dは「前進」しているのではなかった。
Dは理性的な社会から脱線した機関車頭に近かった。
最前列の護衛が銃口をようやく水平に向けたところで、Dはすでに全体重でぶつかっていた。厚い装甲板が慣性と純粋な理不尽な力を帯びて、相手を人ごと銃ごと吹き飛ばし、後ろの二名の護衛も巻き込まれて陣形が即座に崩れた。あの光景は「戦術的突破」という言葉を最も素朴な物理言語に翻訳したようだった。
「今!」
わたしの一声で、後ろの学生たちが一斉に補った。
数条の麻痺銃の射線が同時に打ち込まれ、青白い電弧が動力装甲の表面で炸裂した。ぶつかられてよろめいていた護衛たちは体勢を立て直す間もなく、先に体が固まり、一人ずつ倒れていった。姿勢はひどく正直だった。
ジェスがわたしの後ろから顔を出し、口笛を吹いた。
「なかなか効率的」
「前のやつが人間じゃないからよ」わたしはDを見て補った。「移動式の治安崩壊事件だから」
「聞こえてるぞ」Dは装甲板を脇に放り捨てながら振り返った。
「聞こえていてよかった」わたしは言った。「まだ前に突っ込めるということだから」
護衛の列が崩れると、艦内の抵抗意志が一段下がった。
わたしたちは主廊下を素早く押し進んだ。両側のハッチは一部が鍵をかけられ、一部が半開きで、中から慌ただしい足音や押し殺した悲鳴が時々聞こえた。誰も本当に飛び出して命がけで戦おうとはしなかった。これは当然だ。本当に金持ちな人間には一つの共通点がある――正面からの冒険への熱意は、財産の完全性への執着よりはるかに低い。
「状況は」歩きながら訊いた。
前方の偵察担当の学生がすぐに報告した。
「目標、操艦室に逃げ込みました。扉を鍵で閉めて、出てきません」
結構。
怖がっているということは、交渉の段階に入ったということだ。
わたしたちは操艦室の扉の前で止まった。
その扉は非常に美しく作られていた。縁取りは繊細な紋様で、素材は一目で高価だと分かる。さすが伯爵の船で、逃げ込む場所まで「わたしにはお金がたくさんあるので、あらゆる場所を丁寧に仕上げた」という雰囲気を漂わせていた。
わたしは手を上げ、扉を叩いた。
コン。コン。コン。
それから非常に礼儀正しく大声で叫んだ。
「開けてください、町内会から粗品のお届けです」
後ろの何人かがその場で詰まった。
振り返らなくても分かった。ジェスは今頃笑い死にしそうになっているだろう。
扉の向こうはしばらく静かだった。
あの伯爵が中で弁護士、執事、先祖代々の誇り、そして自分の生存欲と緊急の円卓会議を開いているのではないかと疑い始めるほどの沈黙だった。
ようやく、艙内から震える声が聞こえてきた。
「あなたたちは……何が目的ですか」
わたしは端的に答えた。
「お金です」
廊下が一瞬、静まり返った。
今日は哲学の授業をしに来たわけでも、帝国辺境の治安崩壊の社会構造的問題を議論しに来たわけでもない。当然、本題に直接入るべきだ。
扉の向こうも、この包み隠しのない誠実さに少し詰まったようだった。
その後の交渉は、当初の予想より順調に進んだ。
護衛が全員倒れているからかもしれないし、Dが扉の前に立っているだけで何らかの自走式災害警報のような存在感があるからかもしれないし、あるいはわたしの着ているこの荒唐無稽な王子服が、普通の犯罪者に見えなさすぎて相手がどれだけ正気かを判断できなくなったからかもしれない。いずれにせよ、わたしが三度目に「わたしたちが受け取るのは寄付であって、命ではない」と強調した後、扉はゆっくりと開いた。
エッセン伯爵本人は、わたしの想像よりさらに伯爵らしかった。
年齢はそれほど高くなく、衣料は上質で、髪も一糸乱れず整えられていた。今この瞬間、顔色が財政的悪夢から引きずり出されたばかりのように白くなっていても、立ち姿には礼儀に養われた硬直した体裁が残っていた。わたしを見た時、まず一瞬固まり、視線が仮面、マント、金縁と流れてわたしの手の武器に辿り着き、表情が明らかに「これは山賊なのか劇団なのか」という短い混乱に陥った。
これは良いことだ。
相手が混乱するほど、こちらが楽になる。
金銭の部分が片付いた後、最後に一つ非常に重要なことが残っていた。
名乗りだ。
これはわたしの趣味ではない。
皇女が特別に言いつけたことだ。
ヘートヴィヒはその時、非常に優雅に言った。意味はしかし非常に明確だった――演じるなら最後まで演じきれ。ただ奪うだけでなく、巡回システムが過労になり続けるような名前を残せ。一件報告が入るたびに、担当者の頭痛が一度再発するような名前を。
わたしは深く息を吸った。
正直に言えば、次に言わなければならないことを考えるだけで、その場で気密ハッチを見つけて自分を外に放り出したくなった。しかし今、わたしは怪盗王子服を着て、強奪された伯爵の前に立っており、後ろには三つ穴の目出し帽を被った学生が一列見ていた。副艦長の最大の悲劇とは、恥ずかしいと分かっていても、最後まで演じきらなければならないことだ。
わたしは軽く咳払いして、エッセン伯爵を見た。
「聞いてください」
わたしは自分の口調を、通緝令に書かれるに足る謎めいた犯罪組織のリーダーのように聞こえるよう努めた。強制的に学園祭の舞台劇に参加させられた不運な学生ではなく。
「もし誰かに訊かれたら、これは誰がやったのかと――」
わたしは一拍置いた。
非常に短い一拍だった。
しかしその短い瞬間に、わたしはヘートヴィヒの審美から人格まで全部一度罵り終えた。
それでも、言葉を続けた。
「わたしたちが……黒猫盗賊団だと伝えてください」
廊下が一拍、静まり返った。
次の瞬間。
「にゃ」
ジェスがわたしの後ろで、極めて抑制された、しかし人の尊厳を十分に砕ける声でその一言を補った。
わたしの顔が一瞬で熱くなった。
比喩ではない。
本当に熱かった。
仮面の下まで煙が出そうなほど熱かった。
わたしは猛然と振り返った。ジェスはそこに立ち、笑いを堪えて、肩が崩れ落ちそうなほど震えていた。後ろの三つ穴の目出し帽の学生たちは目元が布で半分隠れていたが、声を出すまいと必死に耐えているのは見れば分かった。
今日の乗艦作戦は、最終的にわたし個人の公開処刑に進化した。
「ジェス」わたしは歯を食いしばった。
ジェスは即座に両手を上げ、極めて無実という顔をした。
「チームワークを補充しただけよ」
「もう一言言ったら、ここからアスガルドまで泳いで帰らせる」
ジェスはついに声を出さなくなったが、その表情は明らかに「やった甲斐があった」と書いていた。
エッセン伯爵はわたしたちをぼんやりと見つめ、顔の表情は先ほどよりさらに複雑だった。単純な恐怖でも、ただの衝撃でもなく、高規格の荒唐無稽な事件を目の当たりにした後、理性が自己防衛のためにシャットダウンしようとしているような顔だった。
少し同情した。
ほんの少しだけ。
なぜなら、もし誰かがこんな格好でわたしの家に押し込んできて、金を奪い、黒猫盗賊団と名乗り、最後に後ろから「にゃ」と声がしたら、わたしも帝国の教育に何か問題があるのではないかと疑い始めるだろうから。
「覚えましたか」わたしは硬い顔で最後の一言を絞り出した。
エッセン伯爵はゆっくりと頷いた。
「……覚えました」
結構。
第一件目、完了。
後は帝国辺境の巡回艦隊が、この新しく稼働した治安の悪夢をどう受け取るか、見てみましょう。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




