214.心肺停止 3
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
三十秒前まで、医療室は局所的に崩壊しかけた違法建築のような有様だった。
白い床単が床に落ち、病床が半分はみ出し、カーテンが引っ張られて斜めに垂れ、一方の点滴スタンドはまだ揺れており、自分がどこにいるのか把握できていないようだった。蘭は笑いすぎて立てなくなり、後ろの共犯者たちは半分が死んだふり、半分が急に忙しくなったふりをしており、ジェスは医療班に押さえつけられてベッドに戻され、頭は乱れ、襟口は曲がり、肩はわたしに二発もらっていたが、それでもあの欠けた笑みはまだ完全に死んでいなかった。
わたしはベッドの傍に立ち、呼吸がまだ少し乱れていた。点滴を抜いた手の甲の血痕も、まだ拭いていない。
正直、構図から見れば、ここは医療室というより事故現場と呼ぶほうが正確だった。
そこで、ドアが開いた。
「バン」と蹴破られるのでも、スライドドアが詰まって情けない音を立てるのでもなかった。
標準的な、頭皮が緊張する自動ドアの開く音だった。
ピッ。
ドアが音もなく両側へ滑った。
真紀が入ってきた。
その瞬間、わたしはある事実を理解した。
声を上げる必要も、怒りを顔に出す必要もない人間がいる。ただ現場に現れるだけで、空気が自動的に二度下がり、生き物は全員、自分が今まで何をしていたかを本能で反省し始める。
真紀はドア口に止まり、すぐには何も言わなかった。
ただ、見た。
まず床の白い床単を。
次に傾いた病床を。
笑いがまだ収まりきっていない蘭を。
医療班に肩を押さえられながら「今回の出来は悪くなかった」という顔をしているジェスを。
最後に、真紀の視線がわたしに止まった。
嫌な予感がした。
戦場で「砲口がこちらを向いた」という種類の予感ではなく、もっと面倒な種類の予感だ――生きているのに、目の前のこの状況から逃げるために、もう一度外に出て真空に吊られてくることを自主的に申し出たくなるような。
医療室は非常に素早く静かになった。
さっきまで笑い崩れていた蘭が、今や肩すら動かせなくなった。後ろの共犯者たちはより直接的で、表情が瞬時に「切り離し未遂」から「ただの通行人」の上位互換へと進化した。医療班でさえ、本能的に主導権をより上位の、より恐ろしい管理システムに返還するように、微妙に半歩後ろへ下がった。
真紀は手に持っていた端末を閉じた。
音は小さかった。
だが、法槌のように響いた。
「結構」真紀は言った。
たった二文字。
こめかみが即座に痛くなった。
真紀の話し方の習慣として、「結構」で始まる時、後ろに本当に喜ばしいものが続くことはまずない。
案の定だった。
九島は二歩前へ進み、病床とわたしの間の、全場を見渡せる位置に立った。口調は穏やかで、ほとんど残酷なほどだった。
「わたしが今見ているのは、低圧低体温と酸欠リスクから回収されたばかりの患者が、自ら点滴を抜き、離床し、感情的に行動している状態」真紀の視線がわたしを掃いた。「自主呼吸を取り戻したばかりで、理論上は絶対安静が必要な患者が、白い床単で遺体を模倣し、医療室の悪ふざけを企画した状態」視線がジェスへ移った。「作戦班の一員が」蘭が微かに震えた。「医療区内で偽装死亡の雰囲気作りを手伝い、患者が感情的な崩壊の瀬戸際にいた状況でも計画を止めなかった状態」
蘭が小さく口を開いた。
「途中でわたし、実は止めようと――」
「黙って」真紀は言った。
声は重くなかった。
だが、非常に正確だった。
蘭は即座に黙った。半秒以内に。まるで発声システムを切られたようだった。
わたしは笑いそうになった。
不謹慎だからではなく、展開が完璧すぎたからだ。蘭を半秒以内に沈黙させられる人間は、この艦にたぶん五人もいない。そして真紀は明らかに、二度繰り返す必要のないその一人だ。
問題は、わたしも長くは笑っていられなかったことだ。
次の瞬間、真紀が再びこちらを向いたから。
「それから、重症観察から離脱したばかりの患者が、二次損傷を引き起こしかねない力で別の患者を繰り返し打撃した状態も確認している」
わたしはすぐに口を開いた。
「それには理由がある」
「知っている」真紀は言った。「理由は、あなたが激怒したから」
「違う、わたしの言いたいのは、あいつが先に――」
「それも知っている」真紀は頷いた。淡々と、わたしの失敗した報告書を補完するように。「あなたの外傷反応を誘発し、床単の下に隠れて趣味の悪い驚かし声を上げ、その後あなたに個性的な方法で返礼された」
ジェスがベッドの上でそっと口を開いた。
「あの『わあっ』は実は設計的に――」
真紀は頭を向けなかった。
「ジェス、もう一言言ったら、明日の昼まで医療班にあなたをベッドに固定させる」
ジェスは即座に黙った。
蘭よりも早かった。
わたしは突然、これが公平だと感じた。
この世界には、彼女たちを制御できる人間が必要だ。
真紀の視線が改めて全場を流れ、すべての荒唐無稽を、決して削除されないファイルに記録していくようだった。
「医療カーテンが脱輪。病床が偏移。モニター配線が二組脱落。緊急備品車が十五センチずれた。床面汚染が基準線を超過。医療班三名が通常巡回を中断し、劇団の経費申請ができそうなこの集団騒動の処理に当たらされた」
後ろの共犯者たちは少しずつ頭を下げていった。
わたしも下げたかった。
ただ、今この場で一番背筋が伸びている人間の一人がわたしで、今更頭を下げると余計に犯人っぽくなる。
真紀は一拍置いた。
その沈黙は非常に危険だった。
前半は事実の列挙に過ぎず、本当に致命的な部分はまだ来ていないということを意味していたから。
案の定、真紀は続けた。
「わたしは本来、あなたたちが目を覚ました後に、まず任務結果の確認を行い、続いてミサイルの命中効果と、エウロパ通信圧制区の最新状況を簡単に説明するつもりだった」真紀の指が端末の縁を一度叩いた。「しかし今、作戦成果の話をする前に、より確認が必要なことがあると判断した」
真紀は目を上げた。
「あなたたちは集団で基本的な判断能力を失ったのか」
この一言が出た瞬間、医療室は消毒液が蒸発する音すら聞こえそうなほど静まり返った。
蘭は懸命に顔を横へ向けた。
後ろの一人は半歩下がった。その一言が制服に飛び散るのを避けるかのように。
わたしはその場に立ち、反論が非常に難しいことに気づいた。
客観的に見れば、真紀の言う通りだからだ。
だが問題は、主観的には、まだジェスをもう一発殴りたいということだ。
ジェスは自分の生存環境が急速に悪化していることを察したのか、ようやく珍しく大人しくベッドの隅に縮こまり、顔を半分だけ出していた。白い床単の一角がまだ肩にかかっており、画として非常に荒唐無稽で、床頭に一枚の看板を立てたくなった。「本患者は死の淵から回収され、現在積極的に第二のチャンスを模索中」と。
真紀は端末を再び開いた。
「では簡報を始める」
わたしは心の中で沈んだ。
この言葉遣いが出たら、事態はたいてい人道的な結末を迎えない。
「第一」真紀は言った。「ジェス、あなたは死をテーマにした即興の悪ふざけを企画した。対象は、相棒が呼吸を失うリスクを体験したばかりで、本人もまた深刻な生理的ストレスの回復期にある作戦成員。この行為は幼稚であり、非効率であり、そして愚かだ」
ジェスが小さく咳払いした。
「最後の評価は削除しても――」
「できない」真紀は言った。「本件において最も正確な部分だから」
わたしは笑いをこらえるのに本当に苦労した。
だめだ。
今笑ったら、次は確実にわたしの番が来る。
「第二」真紀は続ける。「蘭、あなたと他数名のメンバーは、偽装の実施と雰囲気の醸成を手伝い、事態が明らかに冗談の境界を越えた後も即座に手を引かなかった。これはあなたの判断ミスだけでなく、リスクの拡大に対して優れた協調性を発揮したことを意味している」
蘭が小声で呟いた。
「その評価、全然褒め言葉に聞こえないんだけど」
「褒めてないから」
綺麗で、無駄がない。
骨まで断つ切れ味だ。
わたしは今、なぜ真紀が最前線で銃を構えるタイプではないのに、大勢の人間を自動的に規則に従わせることができるのか、理解し始めていた。この人間は、他人の愚かさを箇条書きに分解し、本人の前で公開朗読することに長けているのだ。ある意味、これは処罰よりも恐ろしい。処罰は一時的に痛むだけだが、真紀にこうして指摘されると、一生恥を引きずることになる。
「第三」真紀の視線が、ついにわたしで止まった。しかも、特別に長く。「星野シモ」
頭皮が粟立った。
フルネームで呼ばれる時、ろくなことはない。
「あなたの感情は完全に理解できる」真紀の口調は依然として穏やかだった。「しかし、理解は許可を意味しない。完全に回復していない状態で自ら点滴を抜き、ベッドを離れ、患者を追い回して殴打した。もし先ほどあなたが足を踏み外していたら、あるいはジェスが衝突によって二次損傷を負っていたら、医療班の今日の業務量は直接倍増していたわ」
わたしは口を開きかけた。
「でも――」
「知っている」真紀は言った。「あなたは怒っていたから」
「わたしは、怒っていたんじゃない」自分の声が少し硬くなっているのを感じた。「怖かった」
その言葉が出た瞬間、現場がふいに一瞬静まり返った。
蘭が動かなくなった。
後ろの共犯者たちも動かなくなった。
医療班でさえ、急に視線を逸らし、何か迂闊に口を挟んではいけない言葉だと悟ったようだった。
わたし自身も少し呆然とした。
この言葉は、言うつもりで用意していたものではない。少なくとも、こんなに真っ直ぐに、こんなに誤魔化しなく、自分に逃げ道を残さない形で言うつもりはなかった。
だが、一度口に出せば、もう引っ込められない。
しかも、口に出した瞬間、かえって奇妙な安堵感があった。さっきから胸を塞いでいた石を、ようやく自分で蹴り飛ばしたような。完全に退かせたわけではないが、少なくとも、ただ重くのしかかっているだけではなくなった。
真紀はわたしを見た。
ほんの一秒だけ、間があった。
それから真紀は言った。
「知っている」
この三文字は、さっきまでのどの「知っている」とも違った。
前の「知っている」はすべて封じる言葉だった。遮断するため、「説明しなくていい、もう分かってる」と言うための言葉だった。しかし、今回は違う。今回はその中に命令も、訂正も、冷たさすらなかった。とても淡いが、的確だった。針のように、何も突き破らないが、最も触れられたくない場所に触れるような。
わたしは急に、何を返せばいいのか分からなくなった。
本当に厄介だ。
真紀という人間は、こちらが最後まで怒り狂おうとしている時に、突然小さな理解の欠片を投げ渡してきて、これ以上爆発し続けるのがひどく理不尽なことに思えるように仕向ける才能があるのだ。
もちろん、だからといって真紀が優しくなったわけではない。
次の瞬間、真紀は口調を公務モードに引き戻した。
「だからこそ、あなたはベッドに戻るべきだった。殴るという方法で、自分の感情反応が依然として旺盛であることを証明するのではなく」
わたしの口角が引きつった。
隣で蘭が、あろうことか非常に不謹慎なくぐもった笑い声を漏らし、直後に思い切り口を閉ざした。蘭が激しい生存闘争を繰り広げているのが目に見えて分かった。わたしのさっきの殴りっぷりが確かに気勢が良かったと思う一方で、真紀の目の前で笑い出せば、自ら刑期延長を申請するのと同じだとよく分かっているのだ。
このタイミングで、ジェスがまたしても命知らずに片手を挙げた。
「異議あり」
わたしは即座に睨みつけた。
こいつは本当に死にたいのか。
真紀はジェスを見た。
「言え」
ジェスは枕に背中を預け、意外にも少し真剣な顔をしていた。
「フロストのさっきのは、単なる暴力じゃない」ジェスが言う。「厳密に言えば、外傷後ストレス反応と感情確認が並行した状態での――」
わたしは手近な包帯のロールを掴んで投げた。
「黙れ!」
包帯はジェスの額に直撃した。
痛くはないが、音はした。
医療室の空気が、また崩れかけた。蘭は口を死に物狂いで押さえ、肩が狂ったように震え始めていた。後ろの数人は一致して「今日来たのは本当に失敗だった」という表情になった。
真紀は目を閉じた。
そう、目を閉じたのだ。
ごく短く、ごく軽く。
しかしその動作の破壊力は、机を直接叩くよりも大きかった。
なぜならそれは、真紀が今この瞬間、わたしたち全員を医療室から放り出す方が効率的かどうかを頭の中で計算している可能性を示唆していたからだ。
真紀が再び目を開けた時、口調は平静を超えてほとんど凍りついていた。
「結構。各位の精神状態が非常に活発なことが確認できたので、処理結果を直接発表する」
誰も口を挟まなかった。
誰かが静かに唾を飲み込む音さえした。
「ジェス、三日間の離床活動範囲を医療区画内に制限。さらに医療班の書面による同意があるまで、床単、カーテン、応急カバー、および遮蔽機能を持つあらゆる布製品への接触を禁ずる」
蘭の肩が猛然と揺れた。
この処分はあまりにも的確で、荒唐無稽なほどだった。
ジェスは口を開いて抗議しようとした。
「これは少し的が絞られすぎ――」
「そう」真紀は言った。「あなたがそれに値するから」
わたしはジェスの方を向いた。
よし。
天道は存在した。
「蘭、およびその他の参加者」真紀は続ける。「本日から一週間、医療区画外周の当直勤務。物資の搬送、消毒の補充、ベッドの整備、および衛材の棚卸しを含む。あなたたちがこれほど現場の雰囲気作りに熱心であるなら、医療運営の内側についてより深く理解することにも異存はないはずよ」
後ろの共犯者たちの顔から、一瞬にして人生の色彩が失われた。
蘭は顔を上げ、信じられないという表情をした。
「待って、衛材の棚卸しって、反省文よりえげつないんだけど」
「その通り」真紀は言った。「反省文だと、あなたたちはおそらく互いに写し合うから」
わたしは本当に吹き出しそうになった。
だめだ、だめだ、我慢しろ。
今笑ったら、わたしの分は間違いなくもっと重くなる。
そして、真紀はわたしを見た。
来た。
分かっていた。
「星野シモ」
わたしは少し背筋を伸ばした。
なぜか、銃口を向けられた時よりも自覚的だった。
「あなたの処理は比較的シンプルよ」真紀が言った。
その言葉で安心できるとは到底思えなかった。
「第一、直ちにベッドに戻ること。第二、点滴を繋ぎ直すこと。第三、医療班が数値の安定を確認するまで、再び針を抜く、ベッドを離れる、人を殴る、物を投げる、またはいかなる形であれ医療室内部の暴力事件に関与することを禁ずる」
わたしはたまらず口を開いた。
「医療室内部の暴力事件って何だよ、名称が正式すぎるだろ」
「実際に発生したのだから」真紀は端末を裏返し、本当に記録する準備をしているようだった。「ご希望なら、『患者同士の乱闘および共犯者幇助事件』に変更してもいいけれど」
「……前のやつでいい」
真紀は頷いた。
「賢明な選択ね」
そう言って、真紀はようやく端末をしまった。
わたしは、説教もそろそろ終わりだろうと思っていた。
だが、違った。
真紀は現場全体を見渡し、先ほどよりもさらに淡く、低い声で言った。
「最後に、一つ補足しておくわ」
全員が同時に身構えた。
真紀は言った。
「あなたたち二人が生きて帰ってこられたこと、本当に簡単なことじゃなかった」
この一言が出た瞬間、空気がふいに一変した。
暖かくなったわけではない。
真紀は、その場を一瞬で温泉のように温められるタイプの人間ではない。
硬い金属のようだった空気に、突然極めて細い亀裂が入ったような感じだ。誰かが大声で泣き出すわけでもなく、感情的に煽るわけでもなく、表情すら大して変わっていない。だが、あまりにも抑制されているからこそ、かえってはっきりと伝わってきた。
真紀はわたしを見て、それからジェスを見た。
「だから、次に互いがどれほど相手を気にかけているか確認し合いたい時は、医療班の業務量を増やさない方法を選びなさい」
蘭がついにこらえきれず、プッと吹き出した。
ジェスも顔をそむけ、だらしなく笑った。
わたしの耳の裏が、一瞬で熱くなった。
「誰が気にかけてるって!」わたしは即座に反論した。
「なるほど」真紀は表情を変えずに頷いた。「では、後の報告書からは『星野シモがジェスの死亡誤認により感情のコントロールを失った』というくだりを削除して、『星野シモは単に、失敗したユーモアに対して拳で応じる傾向がある』と修正しておくわ」
「適当なこと書くな!」
「適当に書いているわけじゃない。バージョン管理よ」
蘭は今度こそ本当に腹を抱えて笑い出した。
後ろの共犯者たちも肩を震わせてうつむき、必死に笑いを殺している。医療班の人間でさえ、一人が黙って顔を横に向けた。おそらく口角が動いているのを見られたくなかったのだろう。
わたしはその場に立ち尽くし、今日もし体が虚弱でなかったら、本当に怒りのあまりもう一度気絶していただろうと思った。
そしてジェスの奴は、あろうことか布団の中からこっそり手を伸ばし、わたしの袖口を軽く引っ掛けた。
とても軽く。
誰かに見られるのを恐れるように、そして、わたしに本当に無視されるのを恐れるように。
わたしは下を向いてジェスを睨んだ。
ジェスは何も言わず、ただその目を細めて笑った。
くそ。
よりによって、こんな時に。
よりによって、真紀が事の顛末を会議の議題のように分解して処刑し終えた直後に、ジェスはまだこんな、和解を求めているような、それでいて図に乗っているような表情を作れるのだ。さっきまで綺麗に燃えていた怒りが一気に乱れ、どこへぶつければいいのか分からない火の玉になってしまった。
真紀は明らかに、この光景もすべて視界に収めていた。
だが真紀は何も言わず、ただドアの方へ一歩下がった。
「以上よ」真紀が言う。「五分後には、医療室が正常な状態に戻っていること。星野はベッドへ。ジェスは黙る。蘭とその他の共犯者は残って片付けを手伝うこと。もしわたしが戻ってきた時に、あるべきでない場所に白い床単が一欠片でも落ちていたら――」
真紀は言葉を切った。
「全員まとめて、衛材の完全なバーコード棚卸しに回すわ」
蘭の顔色が青ざめた。
「えげつなすぎでしょ」
「これは通達。相談ではないわ」
真紀はそう言い残し、背を向けて立ち去った。
自動ドアが真紀の後ろで静かに閉まる。
そのドアが完全に閉まりきって初めて、医療室全体が何らかの集団石化から解かれたかのようになった。蘭が真っ先にお腹を抱えてしゃがみ込んで笑い出し、後ろの共犯者たちもそれに続いて崩れ落ち、さっきまで必死に堪えていた表情が一斉に決壊した。医療班は文句を言いながら現場の片付けを始め、ついでにわたしをベッドの方へ押しやった。
そしてわたしは、極めて生徒会らしい公開処刑からまだ完全に立ち直れないまま、その場に立ち尽くしていた。
ジェスはベッドに仰向けになり、わたしを見つめ、またしても口角を上げようとしていた。
わたしは即座に警告した。
「笑ったら、本当に埋めるからな」
ジェスは一生懸命に我慢した。
「……わかった」
だが、二秒しか持たなかった。
「でもさ……」
「なんだよ」
「シモ、さっきバージョン管理に記録されたよね」
わたしはもう一つ別の包帯のロールを掴み上げた。
医療室全体が、再び爆笑に包まれた。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




