211.贅沢の極み 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
私たちがエウロパに到着する前に、自分たちから高価な宇宙の棺桶に突っ込んでしまうのを避けるため、最終的に全艦が大人しくハーヴィーの専門的意見を尊重することになった。
文明的な言い方をしているが、要するにこういうことだ——機関長が首を縦に振らないなら、強がりはやめておけ。何しろ皇族特造艦において、最も怒らせてはいけない人間は三種類いる。主砲を撃てる人間、行き先を決められる人間、そして船全体に息をさせ続けられる人間だ。ハーヴィーはちょうど三番目に属する。この種の人間が恐ろしいのは、普段は油まみれでスパナで鋼板を叩くように話すくせに、機嫌を損ねると突然、船の未来が哲学的な意味合いを帯び始めることだ。
だから私たちは、最低限の航行モードである高定加速度巡航を採用した。
人間の言葉で言えば——遅く、安定して、無駄に燃やすな、ということだ。
このモードでは、四基のヘリウム・水素駆動炉の消耗は最小限に抑えられ、アスガルドは太陽風セイルを展開し、嫌味なほど優雅な低燃費姿勢で前進し始めた。外部監視カメラの映像が切り替わった時、私は自分が今見ているのが、先ほど帝国の戦闘巡洋艦を蒸発させた神話級の怪物ではなく、バカンスに向かう豪華な遊弋艦ではないかと一瞬疑ったほどだ。
黒曜石のような艦体が、木星の外縁の薄暗い光の中でゆっくりと薄翼のようなセイルを展開する。その構造が艦体の両側に広がる様子は、冷酷で儀仗的な巨大な鳥が羽を広げるかのようだった。以前は、アスガルドの気質は王座や陵墓、あるいは宝石を纏った処刑台に似ていると思っていた。だがその瞬間、私はこの船にもう一つの顔があることに気づいた。危険でないわけではない。危険を贅沢さの中に包み込み、省エネでさえ貴族的な誇示のようにやってのけるのだ。
一方で、このような低燃費巡航は、高速航行目標を専門に捉える帝国軍の早期警戒レーダーを避けることができる。
もう一方で——神に誓って言うが——私たち学生は本当に少しリラックスする必要があった。
特に私が。
私は副艦長席に寄りかかり、メイン投影でゆっくりと伸びていく航路を見つめながら、最近起きたすべての出来事が、私の精神年齢をその場で十歳以上老けさせるのに十分だと感じていた。普通の学生の修学旅行といえば、バスに乗り、写真を撮り、教師に出席をとられ、夜にこっそりお菓子を食べるくらいだろう。私たちの修学旅行は、帝国の皇族特造艦を奪い、主砲で追手を蒸発させ、第三皇女を部屋に送り、そして反応炉の用水について悩み始めることだ。
このままいけば、卒業アルバムの私の写真の横には直接こう注釈がつくのではないかと疑う——十八歳、中年。
「副艦長、その顔、たった三分で一生分の住宅ローンを返し終えた人みたいよ」ジェスが私の横を通り過ぎる時、容赦なくコメントを投げ落とした。
私はまぶたを上げるのも面倒で、ただ一言返した。「黙りなさい。これ以上騒ぐなら機関室に送って、ハーヴィーにスパナで心理カウンセリングしてもらうわよ」
ジェスは即座に首をすくめた。
よろしい。どうやらこの船では、ハーヴィーの抑止力は副艦長の職権すら上回っているらしい。当然だろう。副艦長は恨みを覚えることしかできないが、機関長は本当に電力を止めることができるのだから。
アスガルドが低燃費巡航のリズムにしっかりと乗った直後、真紀が別の命令を下した。
「全員」真紀が艦長席の前に立ち、声は高くないが、艦橋の誰もが無意識に背筋を伸ばした。「連邦の制服に着替えなさい」
その瞬間、艦橋が半秒静まり返った。
誰かが意味を理解できなかったからではない。全員が理解したからだ。
これまで帝国の黒制服を着ていたのは、潜入のため、攪乱のため、そしてアスガルドが私たちの手に落ちたばかりの時、帝国の体制の隙間をなんとか潜り抜けるためだった。だが今は違う。帝都側が船を奪われたと知った以上、帝国全土が私たちを最も華麗な指名手配リストのトップに掲げているはずだ。このまま帝国制服を着て走り回っても、皮肉に見えるだけで、もはや何の戦術的価値もない。
要するに、芝居は終わったのだ。
自分が何者であるかを認める時が来た。
だから、艦橋の空気は突然、卒業式のようなものに変わった。
ただ、他人の卒業式が制服を脱ぎ、笑って写真を撮り、未来へ向かって走り出す準備をするものだとすれば、私たちの卒業式は、逃亡の途中で帝国の黒い軍服を脱ぎ捨て、再び連邦の制服に袖を通し、ついでに自分がこれから直面するものがエウロパの氷層、帝国の耳目、そして帰り道に横たわるホーエンツォレルンという名の死人の骨であることを確認するものだった。
非常に青春だ。
警察に通報したくなるほど青春だ。
私は自分に割り当てられた臨時の船室に戻り、帝国の黒制服を脱いで掛けた。あの制服の仕立ては確かに美しく、清潔な黒で、硬質で無駄がなく、着る者に学生らしからぬ冷酷さを与えてくれた。数日前まではこれに頼って人を騙し、威圧し、強引に場を持たせていたのに、今静かに掛けられているそれを見ると、ふと、演じ終えて外された仮面のように見えた。
そして、再び連邦の制服を身につけた感覚は奇妙だった。
馴染み深いのに、少し見知らぬ感じがする。
まるで自分自身から長く離れすぎていて、戻ってきた時に一瞬確認しなければならないような。「ああ、これが本来私が着るべき色だったわ」と。
私が再び艦橋に戻った時、ロイはうつむいて袖口を整えていた。連邦の制服を着た彼は、帝国の黒を着ていた時よりもさらに学生会の財務担当本人らしく見え、軍人らしさが減った分、「本気で単位と命をここで失いたくない」という誠実さが増していた。蘭が傍らで彼の肩のラインを直してやっている。その動作は、数え切れないほど繰り返してきた小さな日常のようだった。
「やっぱりこっちの方がしっくりくるわね」蘭が言った。
「俺のこと? それとも制服?」ロイが笑いながら尋ねる。
「両方」蘭は極めて平穏に返したが、その平穏さは周囲の人間が思わず咳払いをして視線を逸らしたくなるようなものだった。
私は黙って目を逸らした。
修学旅行、奪艦、逃亡、それに加えて艦橋で戦術的意義が皆無なのに傍観者の血圧を確実に上げるカップルのイチャつき——この作品のジャンルタグは、おそらくもう完全に手遅れだ。
もう一方では、ジェスが連邦の制服ジャケットを肩に掛けながら、ため息をついていた。
「認めざるを得ないわね、帝国の黒制服の方がウエストラインを綺麗に見せてくれるって」ジェスは真剣に言った。
「なら、それを着て指名手配書の宣伝ポスターに載ればいいわ」私は言った。
「副艦長、相変わらずロマンチックな物言いね」
「ありがとう。今日は情緒的価値の提供はお休みよ」
「昨日は提供してたの?」
私はジェスを一瞥した。
ジェスは私を見た。
ジェスは突然自分の言葉がどの地雷を踏んだか悟ったようで、即座に口を縫い合わせるジェスチャーをし、さらに自ら一歩横へ退いた。その表情は、主砲に向かって懺悔を終えたばかりのように敬虔だった。
よし。人類は結局のところ学習する生き物だ。
真紀は誰よりも早く連邦の制服に着替えていた。
正直なところ、真紀がその服を着ている姿は、私の記憶にあるどの学生会の定例集会よりも「艦長」らしく見えた。おそらく彼女が先ほど、砲撃、旋回、探知回避、全員の着替えという、普通の学生ならその場で脳がオーバーヒートしそうな一連の命令を下したばかりだからだろう。同じ連邦の制服を着ていても、彼女には「校則に足が生えて歩き出したらこんな姿になるだろう」という圧迫感があった。
彼女は艦長席の前に立って全員を見渡し、頷いた。全員がようやく異常な偽装から脱皮したことを確認したかのように。
そして、艦橋の扉が再び開いた。
ヘートヴィヒが戻ってきた。
その瞬間、自分の背筋が〇・数秒強張ったのをはっきりと感じた。
恐怖からではない。
人の体は時として、口よりもずっと正直だからだ。口では何事もないふりができ、目ではプロを装えても、神経の末端だけは当事者が現れた時、容赦なく先に真実を受け取ってしまう。
ヘートヴィヒは連邦の制服には着替えていなかった。当然だ。彼女は依然として帝国の第三皇女であり、礼儀と血統を纏った細刃のように、清潔で、抑制的で、泰然とした高貴さを漂わせていた。だが、先ほど部屋に戻る前と比べると、彼女の気配は明らかに収束していた。あの一瞬見せた裂け目を、再び幾重にも胸の奥底にしまい込み、全艦に向き合える冷静さだけを表面に残しているように。
本当に大したものだ。
そして、腹立たしいほど大したものだ。
誰かがやっとあなたの前で少しだけ気を緩めたのに、次に会った時にはまた自分で鍵をかけている。その感覚は、少しだけ火に触れたと思ったら、次の瞬間には相手が炉の扉を閉め、見間違いではなかったかと淡々と尋ねてくるようなものだ。
ヘートヴィヒは主座に上がり、余計な挨拶もなく、第一声から本題に入った。
「エウロパに到着する前に、一つ処理しておくべきことがあるわ」
彼女が手を上げると、ユグドラシルが即座に応答し、数本の淡い金色の権限フレームが主座の周囲に展開した。何らかの王権の儀式が実用主義のバージョンに圧縮されたかのようだった。
「アスガルドの皇族級操作権限の一部を、九島真紀と星野シモに割り当てる」
艦橋は呼吸の音すら鮮明に聞こえるほど静まり返った。
ジェスのあの口でさえ本当に閉じていた。この光景は艦内保護記録に載せてもいいくらい希少だ。
ユグドラシルの平穏な声が同期して響いた。
「確認しました。新規授権対象:九島真紀、星野シモ。権限レベル:次級指揮権、戦術調度権、緊急システム呼び出し権」
淡い金色の光が私の目の前に広がり、温度の低い薄霧のように、音もなく端末へと落ちてきた。その瞬間、私はこれが単なる機能の解放ではないことをはっきりと意識した。
これは一つの承認だ。
私たちがただこの船を奪っただけの人間ではないことの承認。
一緒にこの船を帰還させることができる人間だということの。
真紀は顔を上げ、ヘートヴィヒを見た。
「本気?」真紀が尋ねた。
「今更そんなことを聞くなんて、遅すぎると思わない?」ヘートヴィヒは淡々と言った。
真紀の口角がごく軽く動いた。その表情を日常語に翻訳するなら、おそらく「いいわ、受け取る」といったところだ。
それからヘートヴィヒは私の方を向いた。
ほんの一瞥だけ。
他の人にはただの正常な視線確認にしか見えなかっただろう。だが私にとって、その一瞥に残されたものは多すぎた。部屋の中での言い残したこと、さっき無理やり押し込められた裂け目、そしてある種の沈黙に近い信頼。すべてが視線の最も深いところに隠され、一糸たりとも外に漏らそうとしないのに、見た者には見なかったふりを許さない。
私は咳払いをして、視線を逸らした。
よし、星野シモ。あなたは今、副艦長、戦術長、そして皇族級の次級権限を手に入れた。おめでとう。おまけに不整脈までついてきたわね。
アスガルドは本当にアフターサービスが万全だ。
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