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臨界の星穹  作者: Mr.佐藤焫焵
臨界の星穹:月面都市コペルニクス
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206.迫真の演技 2

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

第二管制門の前の帝国軍警備員たちはすでにこちらを見ていた。


ブーツの底が地面を叩く音が、車体越しでも聞こえてくる。トン、トン、と。急いではいないが、安定している。ああいう歩き方をするのは二種類の人間だけだ。一つは全く死を恐れない人間、もう一つは他人が自分の前で死ぬことに慣れている人間。


帝国軍は通常、その両方を兼ね備えている。


第一検問所の少佐は、少なくとも人間らしい生存本能を少しは持ち合わせており、検問所でヘートヴィヒを怒らせれば自分の末路がろくなことにならないと理解していた。だが、第二のここは違う。ここの人間は銃を持っているだけでなく、プロセスを持っており、しかも明らかにそのプロセスを信じ切っている。


不運なことに、プロセスというものは、通常、銃よりも厄介だ。


六台の無人バスは管制線の前で順次減速した。A車が最前列に停まり、B車がそれに続き、後ろの四台は帝国士官学校の護送隊を必死に演じようとする共犯者リストのように連なっている。外の武器プラットフォームは第一検問所よりも多く、監視塔も低い。私が上に立つ歩哨の顎のラインまではっきり見えるほど低い。この設計は監視のためだけではない。ここで本当に火を噴けば、お前たちは尊厳ある死に方すらできないぞ、と入ってくる全員に警告しているのだ。


よろしい。帝国の美意識がだんだんわかってきた。


前列のコントロールパネルに停車指示がポップアップし、車体がゆっくりとブレーキをかけた。車内が一瞬にして完全に静まり返った。さっきまで小声で帝国語の応答を暗唱していた者も、今は暗唱をやめた。コルセットやウィッグを直していた者も、動きを止めた。B車から公開周波数を通して聞こえていた痛みの呻き声すら、急に一段引き絞られ、喉を押さえつけたような鈍い音に変わった。


全員がわかっているのだ。もしここで本当に一人一人顔の確認が始まれば、私たちがこれまで演じてきた芝居は、水に浸かった紙のように、あっという間にドロドロに溶けてしまうことを。


私は通路の中央に立ち、掌をあの黒いスーツケースに置いたまま、心の中ですでに判定ラインを引いていた。


相手が「ドアを開けて検査する」と一言でも余分に言えば、私は動く。


もう少し待つとか、ヘートヴィヒがもう少し圧力をかけられるか様子を見るとか、二階堂の帝国語の泣き女技術で関門全体を泣き崩せるか期待するとか、そんなことはしない。


動くのだ。


なぜなら、一度車のドアが開けば、この六台の車に乗る三百人の連邦二年生は、包帯をどれほど綺麗に巻いていようと、ウィッグをどれほど自然に被っていようと、結局は見せてはならないものを露呈してしまうからだ。視線、訛り、立ち姿、呼吸のリズム、さらには「学生が正規軍を見た時に無意識に避けようとする」小さな動作まで、すべてが破綻のきっかけになる。


だから、この関門は通れるなら通る。通れないなら、引き裂く。


車のドアの外から叩く音が聞こえた。第一検問所よりも重く、苛立っていた。注意喚起ではない、命令だ。


ヘートヴィヒは私より一足早く、前方のサイドウィンドウを下げた。


外には一人の中佐が立っていた。肩章は清潔で、眼差しも清潔だった。油で拭き上げたばかりの手術刀のように清潔だ。こういう人間が一番面倒だ。なぜなら彼は場の空気に気圧されるタイプではなく、血を見れば見るほど「名簿は?」と聞いてくるタイプだからだ。


よろしい。帝国で最も標準的なタイプだ。


中佐はまず敬礼し、それから口を開いた。帝国語の発音は正確で、人を苛立たせることすら非常に公式だった。


「Eure Hoheit, bitte verzeihen Sie. Wir haben soeben die Meldung über den Angriff auf den Außenbereich erhalten, doch laut Vorschrift müssen wir vor dem Einfahren in den inneren Liegeplatzbereich dennoch die Identität des Begleitpersonals und die Formation der Fahrzeugkolonne überprüfen.」 (殿下、お許しください。外周での襲撃の報告は先ほど受けましたが、規定により、内部泊位区へ進入する前に、随行人員の身元と車列の編成を確認しなければなりません)


私は心の中で、来た、と呟いた。


ヘートヴィヒはすぐには怒り出さず、ただ相手を見据え、極めて平坦に冷たく言った。


「Ich habe die Lage bereits am ersten Posten geschildert. Das Hotel wurde angegriffen, und unter den eskortierenden Studenten gibt es schwere Verluste. Ich verlange die direkte Einfahrt in den Kernbereich des Militärhafens, damit die Verlegung und medizinische Aufnahme prioritär erfolgen können.」 (状況はすでに第一検問所で説明したわ。ホテルが襲撃され、護送の学生に少なくない死傷者が出ている。優先して移送と医療収容を行うため、軍港のコアエリアへの直接進入を要求する)


中佐は顔色一つ変えない。


「Ich verstehe das, Eure Hoheit. Doch dies ist der innere Militärhafen und kein Kontrollpunkt im Außenbereich. Sobald die Überprüfung abgeschlossen ist, erfolgt die sofortige Freigabe.」 (理解しております、殿下。しかしここは内部軍港であり、外周の検問所とは異なります。確認が済み次第、直ちに通行を許可いたします)


極めて丁寧。


そして極めてしつこい。


こういう人間が本当に厄介なのだ。彼は皇女に真っ向から逆らっているわけではない。協力的だが職務は放棄できないという、忠実なネジの役割を一生懸命に包装しているのだ。ネジの最も恐ろしいところはそこにある。彼が言うことはすべて理にかなっているように聞こえるため、その場で悪役に仕立て上げるのが非常に難しい。


残念ながら、理にかなっているということが、通常最も邪魔になる。


ヘートヴィヒの顎のラインがごく軽く引き締まった。


「Ich brauche jetzt keine Überprüfung, ich brauche den Durchgang.」 (私は今、確認など求めていない。通路を要求しているのよ)


「Eure Hoheit, bitte haben Sie Verständnis.」(殿下、どうかご理解ください)中佐は依然として直立不動のままだ。「Wenn es sich nur um die Bestätigung der Eskortformation und der Identität der Studenten handelt, wird es nicht allzu lange dauern.」(護送編成と学生の身元確認のみであれば、それほど時間はかかりません)


私は危うく吹き出しそうになった。


それほど時間はかかりません。


この言葉、棺桶の蓋に刻むのにもちょうど良さそうだ。


後方のB車が非常に協力的に、抑えきれない呻き声と泣き声を響かせた。中では医療パックを呼ぶ声、寝るなと叫ぶ声、そしてひときわ技術点の高い泣き声が混じっていた。見なくても二階堂だとわかる泣きっぷりだ。


素晴らしい。彼女は今日、本当に正面からの用途を発揮している。


中佐の視線が後ろへ一瞥され、眉が微かにひそめられたが、それでも彼は譲らなかった。


「Eure Hoheit, laut Vorschrift muss ich zumindest die Art der Fahrzeugkolonne und die Namensliste der eskortierenden Studenten überprüfen. Wenn sich die Verwundeten in einem kritischen Zustand befinden, kann das medizinische Team zuerst an Bord gehen.」 (殿下、規定により、少なくとも車列の属性と護送学生の名簿は確認しなければなりません。負傷者が危険な状態であれば、医療チームを先に乗車させることも可能です)


私はスーツケースの取っ手を握る指に少し力を込めた。


医療チームの乗車、却下。


名簿の照合、却下。


護送学生の確認、さらに却下。


彼は今、一言一言で境界線の縁を踏み荒らし、私がどこまで耐えられるかをわざと試しているかのようだ。


真紀が私の右斜め前半歩の位置に立ち、私を見ずに、私にしか聞こえない声量で低く言った。


「手に力が入ってるわよ」


「今すぐその場で帝国軍官の編成を改善してやりたい気分だから」


「もう少し待って」


「わかってる」


わかっている。


私も本当に、もう少しだけ待っているのだ。


ヘートヴィヒがもう一段階圧力をかけるのを。


中佐が自ら、制度の中で生きたいのか、プロセスの上で死にたいのかを決断するのを。


ヘートヴィヒの声が、この時さらに低くなった。


その低さは、譲歩ではなく、危険だった。


「Oberstleutnant, ich wurde gerade erst vom Ort des Angriffs evakuiert und werde jetzt keinerlei Durchsuchung von Fahrzeug zu Fahrzeug dulden. Wenn die Sicherheit im inneren Hafenbereich weiterhin nicht garantiert werden kann, verlange die direkte Einfahrt auf eine kontrollierbare militärische Plattform sowie die Nutzung der medizinischen Einrichtungen und der abgeriegelten Sektionen an Bord eines der anliegenden Schiffe.」 (中佐、私は襲撃現場から退避してきたばかり。今、車両ごとのいかなる検査も受け入れるつもりはない。港区内部の安全が依然として保証できないというのなら、制御可能な軍事プラットフォームへの直接進入、および停泊艦の艦内医療施設と封鎖区画の使用を要求する)


この一文が鍵だ。


私を中に入れろ、ではない。


私が艦に乗る、だ。


私は心の中で彼女に頷いた。


ついに共犯らしくなってきた。


中佐も明らかに意味を理解し、その表情に初めて本当の意味での停止が訪れた。


「Eure Hoheit, wollen Sie damit sagen, dass die Fahrzeugkolonne direkt in den Schiffsrumpf am Liegeplatz einfahren soll?」 (殿下、車列を直接泊位の艦体内へ進入させる、ということでしょうか)


「Richtig.」(その通りよ)ヘートヴィヒは言った。「Das neu gebaute Schiff am inneren Liegeplatz Nummer drei verfügt über ausreichend Platz, Sicherheit und medizinische Kapazitäten. Die Bereiche an der Oberfläche sind offen, und da wir gerade erst einen Angriff erlebt haben, habe ich nicht vor, die Verwundeten noch einmal einer solchen Gefahr auszusetzen.」 (第三内泊位の新造艦なら、艦内空間、セキュリティ、医療条件のすべてが十分に備わっている。地上エリアは開放されており、襲撃を経験したばかりの負傷者を、再びそのような危険に晒すつもりはない)


完璧だ。


理由は十分に帝国らしく、言葉遣いは十分に皇族らしく、そして相手を十分に苦しめるものだった。


なぜならこれはもはや「通してください」ではなく、「私の現場処置に協力しろ」という要求だからだ。中佐が同意すれば、私たちは直接艦内へ入る。同意しなければ、彼は皇女と負傷者の移送を遅らせた責任を正面から負わなければならない。


こういう汚い問題は、とても好ましい。


残念ながら、中佐はそれでもすぐには譲らなかった。


この男は本当にしつこい。


彼は深く息を吸い込んだ。理性と軍規と将来の出世の間を行ったり来たり天秤にかけ、最終的に最も嫌われる道を選んだようだ。


「Wenn wir direkt in den Schiffskörper einfahren, entspricht das einer weitaus höheren Sicherheitsstufe, Eure Hoheit.」 (直接艦体内に進入するとなれば、セキュリティレベルはさらに高くなります、殿下)


「Ich muss zumindest die Identität der eskortierenden Studenten überprüfen, um das Risiko einer Einschleusung von außen auszuschließen. Bitte öffnen Sie die Fahrzeugtüren, damit unsere Seite die grundlegendste Überprüfung durchführen kann.」 (外部からの潜入リスクを排除するため、少なくとも護送学生の身元は確認せねばなりません。我々が最低限の確認を行えるよう、車のドアを開けてください)


車内の空気が、その瞬間直接凍りついた。


車のドアを開けてください。


その一言だ。


よし、境界線を越えた。


私はほとんど銃を抜きかけていた。


誇張ではない。その言葉が落ちたのと同時に、私の肩と手首はクイックドローの準備状態に入っていた。頭の中では手順さえ組み上がっていた。まず中佐を撃ち、次に右上の武器プラットフォーム、三番目に柵のセンサー。真紀が左側の火力を補い、私がスーツケースを開け、Dが最後列から飛び出し、B車が柵に突っ込み、六台の車が一斉に突撃する。


距離は十分近い。


泊位区も十分近い。


ハッチは視界内にある。


賭けられる。


それに、私もそろそろ我慢の限界だった。


ほんのコンマ数秒の間、真紀も私が本当に動く気だと明らかに察していた。彼女は私を止めなかった。ただ踵をごく軽く動かし、私に追従しやすい角度へと立ち位置を切り替えた。


これこそが、九島真紀の最も恐ろしいところだ。


彼女はまず文句を言い、借りを記録し、人生を疑う。


だが本当に手を下すとなれば、立ち位置を合わせるのに半拍の遅れすら見せない。


私は心の中で少しだけ申し訳なく思った。


ほんの少しだけ。


そしてその感情も、中佐の顔を見てすぐに薄れた。


だがその時、ヘートヴィヒが先に声を出した。


彼女は音量を上げなかった。


しかしその声は、背筋が痺れるほど冷たかった。


「Sie verlangen von mir, die Türen zu öffnen.」(私にドアを開けろと言うのね)


中佐が動きを止めた。


ヘートヴィヒは彼を見据え、その眼差しがついに完全に変わった。昨夜の、肖像画が大きすぎると文句を言っていた生徒会書記でもなく、先ほど車内で「そうするしかない」と頷いた若い皇女でもない。何か本当に帝国の高位者に属するものが、彼の融通の利かない忠誠心によって、ついに無理やり引きずり出されたのだ。


「Ich wurde gerade erst aus einem bewaffneten Angriff herausgeholt.」 (私は武装襲撃から連れ出されたばかり)


「Diese Studenten haben mich eskortiert, wobei einige von ihnen vor Ort schwer verletzt wurden und andere ihre Kameraden verloren haben. Sie stehen nun hier an der zweiten Kontrolllinie und verlangen von mir, die Fahrzeugtüren zu öffnen, damit Sie jede einzelne Person, die sich für mich vor die Kugeln geworfen hat, mustern können – nur um zu überprüfen, ob sie und er auch wie imperiale Studenten aussehen.」 (この学生たちは私を護送し、その場で重傷を負った者もいれば、仲間を失った者もいる。あなたは今、第二管制線の前に立ち、私に車のドアを開けろと要求している。私をかばって銃弾の前に身を投げ出した一人一人を検分し、彼らが帝国学生らしく見えるかどうかを確認するためにね)


中佐の顔色が変わった。


恐怖ではない。この出来事が別の言葉で報告書に書かれた時、自分がどれほど見苦しい立場に置かれるかを、ついに悟ったのだ。


ヘートヴィヒは止まらなかった。


「Sehr schön.」(いいわ)彼女は言った。「Das können Sie gleich jetzt tun.」(今すぐそうしなさい)


彼女はわずかに顎を上げた。


「Aber von diesem Moment an werde ich nicht mehr akzeptieren, dass Sie die Verlegung unter dem Vorwand von ‚Verfahren‘ verzögern. Ich werde direkt protokollieren, dass der Oberstleutnant der zweiten inneren Kontrolllinie nach dem Angriff auf die kaiserliche Prinzessin eine sofortige Evakuierung in das Schiff verweigert und das Öffnen der Türen verlangt hat, um die Verwundeten sowie das eskortierende Personal vorzuführen – nur um seiner persönlichen Auslegung der Vorschriften Genüge zu tun.」 (だがこの瞬間から、「手続き」を理由にした移送の遅延は一切受け入れない。皇女が襲撃を受けた後、第二内管制線の中佐が、艦内への即時避難手配を拒否し、個人の規定解釈を満たすためだけに、ドアを開けて負傷者と護送学生の身元を提示するよう要求したと、直接記録に残させてもらう)


彼女の口調は残酷なまでに冷たかった。


「Wenn Sie darauf bestehen, dann nennen Sie mir Ihren Namen, Ihren Dienstgrad und Ihre Einheit persönlich.」 (それでも固執するというのなら、あなたの名前、階級、所属を、その口で直接私に名乗りなさい)


検問所全体が静まり返った。


一瞬の静寂ではない。空気さえも先に動くことを恐れるような静寂だ。


中佐の喉仏がごく軽く動くのが見えた。


彼はまだ負けていない。


だが、もう時間の問題だ。


私は心の中でヘートヴィヒに密かにエールを送った。もう一踏みだ、殿下。もう一踏み強く踏み込めば、彼はへし折れる。


そして彼女は本当に踏み込んだ。


「Außerdem,」(それに、)ヘートヴィヒは淡々と最後の一刀を突き立てた。


「Wenn das von Ihnen erwähnte ‚Einschleusungsrisiko‘ tatsächlich besteht, bedeutet das, dass es bereits jemandem gelungen ist, nach dem Angriff auf mich verdächtige Personen bis direkt vor die innere Kontrolllinie zu bringen. In diesem Fall ist das, was Sie jetzt am dringendsten tun sollten, nicht hier zu stehen und von mir das Öffnen der Türen zu verlangen, sondern auf die Knie zu gehen und zu erklären, warum Ihre Verteidigungslinie unzuverlässiger ist als diese Gruppe von Studenten hinter mir.」 (あなたが先ほど口にした『潜入リスク』が本当に存在するなら、それは私が襲撃された後、不審者を内管制線の前まで送り届けることに成功した人間がすでにいるということを意味する。だとしたら、あなたが今一番すべきことは、ここに立って私にドアを開けろと要求することではない。ひざまずいて、なぜあなたの防衛線が私の後ろにいるこの学生たちよりも頼りにならないのかを説明することよ)


見事だ。


あまりにも見事だ。


私は危うく彼女に拍手を送りそうになった。


中佐はついに沈黙した。


それはまだ考えている沈黙ではない。これ以上前に進めば、自分が報告書の中で最も醜い存在になることを悟り、本能的に後退した沈黙だ。


彼の傍らにいる二人の将校も明らかに強張っていた。その表情はよく知っている。「長官、今すぐ手を引かないと、我々小隊全員が道連れになりますよ」という顔だ。


二秒が過ぎた。一秒だったかもしれない。


中佐は半歩退いた。


本当に、半歩だけだ。


だが半歩で十分だ。


制度が一度後退すれば、その後ろも一緒に後退するからだ。


彼は再び直立不動となり、声は先ほどよりも明らかに硬く、乾いていた。


「... Passieren lassen.」(……通せ)


傍らの兵士は一瞬聞き取れなかったようだった。


「Sir ...」(中佐……)


中佐はほとんど歯を食いしばりながら命令を補足した。


「Lassen Sie die Fahrzeugkolonne direkt in den Ladebereich des Schiffskörpers am inneren Liegeplatz Nummer drei einfahren. Benachrichtigen Sie die Besatzung, dass die Dritte Kaiserliche Prinzessin und das Begleitpersonal in die abgeriegelten Bereiche und medizinischen Stationen an Bord verlegt werden. Sofort.」 (車列を直接第三内泊位の艦体積載区へ進入させろ。艦側に通知、第三皇女殿下および護送人員を艦内の封鎖区画および医療ステーションへ移送する。直ちにだ)


よろしい。


人間はやはり、間違った文書に書き込まれることを恐れる生き物だ。


前方の内部ゲートが上がり始め、両側のバリケードが下がり、泊位区へ繋がる短いスロープの照明が一つずつ点灯していった。遠くにあるあの新造艦の腹部の貨物ハッチが半開きになっており、自分がこれから連邦の二年生たちに胃袋の中へ侵入されるとは知る由もない鋼鉄の獣のようだった。


車内の全員が同時に安堵の息を吐き出したが、あからさまに吐き出すことはできなかった。そのため、その息は胸腔に引っかかり、非常に奇妙な静けさへと変わった。


私はここでようやく、クイックドローの位置からゆっくりと手を戻した。


危なかった。


本当に、あと少しだった。


真紀が顔を向け、私を一瞥した。


「あなた、さっき本当に銃を抜くところだったわね」


「ええ」


「見てわかったわ」


「知ってる」


「彼女の方が早くて助かったわね」


私は前列のヘートヴィヒを見つめた。


彼女はまだ真っ直ぐに座っていたが、肩のラインがようやくほんの少しだけ緩んでいた。命令が本当に発せられて初めて、先ほどのすべてが演習でも外交辞令でもなく、三百名の連邦学生を帝国軍艦に送り込むための、彼女自身の最初の手書きのサインだったと認めることを自分に許したかのようだった。


私は小声で一言言った。


「見事でした、殿下」


ヘートヴィヒは振り返らず、ただごく軽く笑った。


「今の私、本当に共犯ね」


「おめでとうございます。実務の授業が正式に始まりましたよ」


「あなたのそのおめでとうの言い方、やっぱり悪役みたいね」真紀が淡々と言った。


「会長、昨日も同じこと言ってたわよ」


「今日はさらに確信したわ」


A車が再び動き出した。


前列のコントロールパネルが艦側からの通行許可指令を受信し、無人車は短いスロープへ向かって滑らかに進んでいった。B車がピタリと後に続き、後続の四台も順次ついてきた。車列全体が、ようやく隙間に潜り込んだ蛇のように、一節一節、あの新造艦の開いた腹部へと滑り込んでいく。


ハッチに近づくほど、圧迫感は増していく。


貨物ハッチ内部の照明は白みを帯び、鉄骨と昇降プラットフォームが密に交差し、床の誘導灯が進入ラインに沿って奥へと伸びている。こういう場所は、一度ドアが閉まれば別世界だ。外は軍港であり、帝国であり、プロセスであり、誰もがまだ文明的であるふりをできるルールだ。中は空間、鋼鉄、区画、通路、そしてこれから徹底的に引き裂かれることになるあの皮だけが残る。


B車が私たちの右後方から迫ってきた。窓越しに、幾重もの包帯と無秩序な血色の影がぼんやりと見える。よし、あの光景はまだ十分に説得力がある。二階堂という人間は普段は煩わしいが、いざ機能ポジションに入れば本当に恥をかかせない。


後続のC、D、E、F車もすべてついてきた。


落伍者なし。


土壇場で崩れる者もなし。


突然熱血ヒーロー気取りになって飛び降り、帝国軍に真実を語ろうとする者もなし。


素晴らしい。連邦の二年生は、集団的な生存本能において、少なくとも教育資源に見合うだけのものはあるようだ。


A車の前輪が貨物ハッチのスロープに入った時、私はついにあの馴染みのある感覚が戻ってきたのをはっきりと感じた。


安心ではない。


リズムだ。


ハッチに入った瞬間から、私たちはもはや尋問される対象ではなく、間もなく牙を剥く侵入者となる。その瞬間から、事態は外交事故から艦内奪取へと切り替わる。これこそが私の馴染みのある言語だ。車の中に立って中佐とプロセスゲームをするより、私は後者の部分の方が得意だ。


車体がハッチに入ると、鋼鉄の反響音が即座に外の世界を一層薄く切り取った。


B車が入った。


C車が入った。


D車が入った。


E車が入った。


F車も入った。


六台の車、一台も欠けていない。


私は振り返り、後ろの窓から外を一瞥した。


第二管制線の方では、まだ見ている者がおり、まだ忙しく動いている者がおり、第三皇女のために生存学生と負傷兵の部隊を入れてやっただけだと思っている者がいる。数分後、自分たちが何を入れてしまったのかを知る者は誰もいない。


よろしい。


時として、人間は生きていく上で、自らのプロセス教育に対して少しばかり授業料を払うべきなのだ。


最後の車が完全に入り終えると、貨物ハッチの外側の重厚な扉が閉まり始めた。


金属が噛み合う音が、一節一節内側へと収束していく。まるで何かの巨獣がゆっくりと口を閉じるように。


第一層。


第二層。


第三層。


最後に、ハッチは完全に閉鎖された。


外の帝国軍港は、一枚の鋼鉄によって完全に反対側へと隔てられた。


私はその閉ざされたハッチを見つめ、ゆっくりと息を吐き出し、そして笑った。


「よし」


私はスーツケースから手を上げた。


「さあ、ここからは私たちの番よ」

「とても面白い」★四つか五つを押してね!


「普通かなぁ?」★三つを押してね!


「あまりかな?」★一つか二つを押してね!

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