205.三百人の大根役者 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
バスが帝国ホテルの地下駐車場から飛び出した時、車体全体が揺れた。
比喩ではない、本当に揺れた。タイヤが継ぎ目を踏み越え、車体が上に跳ね、そして重く落ちた。天井の照明ストリップが二度震えた。後続の五台が密着して続き、六台のバスはまるで銃口を尻に突きつけられた鉄の棺桶の連なりのように、帝都の朝がまだ完全に目覚めていない道路を必死に逃げた。
私は一台目の前半部に立ち、左手で座席を支え、右手に端末を持ち、他の五台に向けて人数と負傷者の確認を指示し始めた。
「A班、全員報告」
「B班、報告」
「C班、重傷から先に報告。擦り傷は後でいい」
「ロイ、そっちは総数だけじゃなく、稼働可能人数を出して」
各車からの声が端末の向こうで次々と炸裂した。息を切らす声、泣き声、まだ罵り続けている声。背景音はエンジン音か呻き声で、時折「頭を下げろ」「横にしてあげて」「そこは触るな」といった人間の言葉が混じる。混乱は実に層が厚く、連邦学生会主催の集団災害のように聞こえた。
良い知らせは、二年生全員がバスに乗っていることだ。
今この六台に押し込まれて、泣いたり、わめいたり、小声で崩れかけている連中も、全員うちの学年だ。帝国ホテルに誰も残されていない。今日これまでの中で、最もまともな朗報だった。
悪い知らせは、何人かの傷が、根性だけでは乗り越えられないものだということだ。
腹部に貫通傷が一人。内臓まで完全に抜けてはいないが、出血が多い。高熱光線に掠られた者が二人、重度の熱傷。もう一人は押し合いで脚を折られ、今は後部車両で顔を白くして痛みに耐えている。早急に処置しなければ、今日の修学旅行は本当に追悼式になる。
「A班、三十七名。全員乗車」
「B班、三十九名。重傷二名、中度熱傷一名」
「C班、確認完了。欠員なし。ただし精神状態が芳しくない者が四名」
「D班……」
各車からの報告を聞きながら、私は心の中で数字を一つずつ打ち込んでいった。隣では真紀が座席間の通路に半跪みになり、前の席の腕を切られた学生に応急止血固定を施していた。動作は安定していた。連邦学生会長の傍ら、野戦医療と制裁術も修めているのではないかと疑うほどに。
ヘートヴィヒは最前列の窓側に座り、まだ完全には衝撃から戻り切れていない様子だった。
彼女の銀河帝国軍礼服はまだ整っていた。袖口に少し埃と他人の血がついているだけで。その顔は相変わらず美しく、記念写真帳や歴史の肖像に収まるのに似合いすぎるほどだが、今は揺れる逃走バスの中に座り、夢から乱暴に引きずり出されたように青白い。
無理もない。
台上で平和を語り終えた次の瞬間、自分の側の人間に撃たれかけたのだから。
帝国とは、現実認識を速習させる教育環境として実に優秀だ。
最後の確認を終え、端末を下ろし、ようやく半息ついたところで、真紀の声が横から不意に切り込んできた。
「どう説明するつもりか、ちゃんと考えておいた方がいいわよ」
音量は特に上げていなかった。
なのに何故か、車内の全員がわかったようだった。ジェス、ハーヴィー、アカリ、D、後ろの席でさっきの衝撃からようやく息を整え始めた同学たちまで、揃って視線を私に貼り付けた。
その目線は実に一致していた。
要するに、星野シモ、今すぐまともなことを言え、という意味だ。
私は椅子の背に寄りかかり、足元の黒いスーツケースを見下ろした。
本当のことは言えない。
少なくとも、全部は言えない。
逃走バスの中で立ち上がって、二年生全員に向かって笑顔で手を振りながら、こう言うわけにはいかない。
「みなさん、おはようございます。私は銀河連邦特戦秘密計画の実験体です。今後ともよろしくお願いします」
それは告白ではなく、負傷者ごと全員を驚かせる高効率の手段だ。
だから、少しはましなバージョンを選ぶしかない。
私は咳払いをし、顔を上げ、学生会の定例会議で経費報告をする時のような誠実な表情を作った。
「情報部門でアルバイトをしていて」
車内が半秒静まった。
それからジェスが先に笑い出した。
「そのセリフ、銃声よりも危険な婉曲表現に聞こえるんだけど」
「元々婉曲表現だから」私は顔色一つ変えずに続けた。「今回はたまたま巻き込まれた。曖昧な事前警告は受けていたから、いくつか準備はしておいた」
Dは反対側の座席に寄りかかり、さっきの戦斧をまだ手に提げていた。もっと物騒に見えないと不満なのかというように。
「『いくつかの準備』の定義に、修学旅行のバスに帝国軍制服と近接戦闘武器を隠すことが含まれるわけね」
「今日新しいことを学んだわね」私は言った。
「今日学んだのは、あんたが副会長をやめて政府転覆に転職したら、成功率が低くないってことだ」
「褒めてくれてありがとう、でも今は忙しい」
ハーヴィーは打撲で青くなった肩を揉みながら、舌打ちした。
「情報部門のアルバイト、履歴書に書きたくない副業の言い方として完璧だな」
「学生時代の社会経験として理解してもらえると」
「どんな社会だ」
「人に銃を向ける種類の」
アカリは通路の端に座り、興奮と後怕の間を行ったり来たりしながら、災害映画の撮影現場でサインをもらったばかりのように目を輝かせていた。
「じゃあ、最初から何か起きるかもって思ってたの?」
「思っていたのではなく、疑っていた」私は言った。「その二つの差は、大抵どれだけ人が死ぬかの差よ」
真紀はこの波の突っ込みには加わらなかった。
腕を負傷した学生の固定帯を締め直してから立ち上がり、手の血を軽く拭い、私の前に歩いてきた。
彼女は私を見た。目線は平坦だ。
平坦すぎて、少し冷たいほどに。
「まだどれだけ話していないの」
この問いには答えなかった。
答えたくないのではなく、その瞬間、端末の向こうの別の車から「委員長が倒れた」「こっちで吐いた人がいる」「後ろの子、過呼吸になりそう」といった人間的な惨状が飛び込んできたからだ。仕方なく、真紀への借りをひとまず後回しにした。
「後で文句を言って」私は手を上げ、真紀に一時停止のジェスチャーをした。「先に全員生かしておく」
真紀は一秒間私を見た。
本来ならここで「問題の先送りが得意ね」くらいの嫌みを返してくるはずだった。
だが彼女はただ息を吸い、車内全体に向き直った。
「全員静かにして」声は大きくないが、場を制圧した。「今は副会長の指示に従って。文句は生き延びてから言いなさい」
私は横目で彼女を見た。
こいつ、場を仕切る時、本当に鬱陶しいほど頼りになる。
そこへ、別の車の公開周波数から聞き覚えのある、非常に鬱陶しい声が割り込んできた。
「私は反対する」
私は目を閉じた。
よし、面倒が来た。
端末の画面がB車内の映像に切り替わった。二階堂・フレイヤが通路の真ん中に立ち、片手で椅子の背を掴み、もう片方の手でカメラを指差していた。その顔には「世界が崩壊していようと、まず道理で勝つ」という確固たる意志が浮かんでいた。
この女性はある意味で大したものだ。
普通の人間は銃撃戦から逃げ出した直後、優先順位は「生存」「呼吸」「四肢確認」だ。二階堂の優先順位は、まず星野シモと言い争うことだ。
この根気を勉強に向けていたら、連邦にもう一人の首席が生まれていただろう。
「星野シモ、あなたはまだどれだけ隠しているの」二階堂は勢いよく言った。「私たちは今どこへ行くの、はっきり言いなさい」
「よく言ってくれた」私は誠実に頷いた。「ちょうど今から言おうとしていたところよ」
私は腰を屈め、スーツケースを向き直らせ、ロックを外した。
カチャ、という音。
大きくはないが、車内が静まった瞬間に、何か不吉な前奏のように響いた。
蓋が開くと、中には一着また一着の制服が整然と並んでいた。
深灰色に近い黒の布地、銀色のパイピング、ハイカラー、肩章、ベルト。目が見える人間なら誰でも、これが銀河連邦学生の修学旅行の装備リストには絶対に載らないものだとわかる。
「今から第二段階の計画を実行する」
私は顔を上げ、二年生全員に向かって、自分でも殴りたくなるほど親切な笑顔を向けた。
「開けて、着て」
車内が一秒間、死んだように静まった。
それから誰かが熱した鍋に水と油を同時に投げ込んだように、一気に炸裂した。
「うわ、帝国軍の制服だ」
「ちょっと、本当に?」
「頭おかしいんじゃないの」
「副会長、ついに叛国を決意したの?」
「学生会がいつかこうなると思ってた」
「黙れ、何がどうなってるんだ」
「星野シモ、何をするつもりなの」二階堂の声が別の車から公開周波数を通して飛んできた。まだ食い下がっている。
疑問の声が次々と湧き上がった。恐慌に陥る者、混乱する者、すでに人生を疑い始めた者。最も呆れたのは、後ろの席の男子生徒が帝国の制服を一着手に取ってひっくり返し、かなり研究熱心な口調で言ったことだ。
「仕立てが悪くないな」
「今それを気にする場面じゃないだろ」隣から即座に突っ込まれた。
「安心して」私は手を上げて静止のジェスチャーをし、その職業的な笑顔を保ちながら続けた。「みんなを帝国に寝返らせるつもりは全くない」
半拍置いて、全員が聞いていることを確認した。
「ただ、一時的に帝国人のように見せたいだけ」
言い終えてから、公開周波数上で二階堂がまだ続けようとしていたチャンネルをそのまま切った。
世界が少し静かになった。
やはり科学技術は文明進歩の要だ。
蘭は後ろの通路側に座り、この一件の最初から最後まで、繁雑な行政文書を処理しているかのように冷静だった。彼女は顔を上げ、私を見た。
「宇宙港が封鎖された」彼女は静かに言った。「本当に全員をここで殺すつもりの人間がいるみたいね」
「そうよ」私は頷いた。「だから当然、あっちの宇宙港には行かない」
私は手を上げ、窓の外を指した。
バスは今、外環道路に切り込んでいた。遠く、朝霧と鉄骨の構造の間に、民間宇宙港よりずっと低姿勢で、ずっと手強そうな施設の輪郭が見えてきた。
「こっちよ」
反応の速い何人かが、その場で顔色を変えた。
「ちょっと待って、頭おかしいの」後ろから誰かが堪えきれずに声を上げた。「あれ、帝国軍の宇宙軍港じゃないか」
「同学」私はその声の方向に向き直り、疑わしいほど穏やかな笑顔を向けた。「忘れてたの? 私たちにはこの方がいるじゃない」
私は手を伸ばし、ヘートヴィヒの肩を軽く叩いた。
彼女の体が微かに震えた。ようやく私の言葉で、さっきの混乱から現実に引き戻されたかのようだった。
私は彼女を見て、声を少し和らげた。
「殿下、後でお願いがあります。私たちは銀河帝国の士官学校生で、さっきの騒ぎの中であなたを守ってホテルから連れ出した、ということにします」
ヘートヴィヒは顔を上げ、私を見た。
その瞳にはまだ散り切っていない動揺があったが、それ以外に、別の何かも宿っていた。完全に安心したわけではなく、どちらかといえば、私が晩餐会の前から、演説の間、そして今に至るまで、どこまで退路を敷いてきたかをようやく読み解いたような顔だった。
彼女はゆっくりと頷いた。
「わかった」
Dは隣に座り、衝撃が顔面全体に書き込まれていた。
「やるな、星野」彼は私を睨んだ。「ここまで読んでたのか」
「読んでいたわけじゃない」私は肩をすくめた。「退路をたくさん用意して、永遠に使わないことを祈っていただけ」
「もうこれは退路じゃない、世界に向けた事前の遺書だ」
「ありがとう、最近文学的センスが上がってるわね」
私は腰を屈め、スーツケースから制服を一着ずつ取り出し、配り始めた。
「はい、みなさん、着替え開始。女子はコルセットを着けること。銀河帝国に女性兵士はいない、少なくとも表向きは。髪が本当にどうにもならなければウィッグをつけて。ウィッグは二層目にある。自分で取って、遠慮はいらない」
この一言で、車内はまた一度炸裂した。
「ちょっと待って、コルセットって何?」
「今日生き延びるために、帝国の制度設計がいかに腹立たしいかを一時的に体験するということよ」私は言った。
「なんで女子の方が面倒なの」
「帝国が面倒だから」
「ウィッグはつけたくない」
「じゃあバスを降りて、追手に自分の髪型が帝国軍規に合わない理由を説明する?」
「……ウィッグも悪くないかもと突然思えてきた」
男子数名がすでに上着を手探りで羽織り始め、後ろの席からは女子たちのコルセット、ウィッグ、サイズに対する集団的な抗議が聞こえてきた。車内は一時、戦術版の着替え室と化した。銃撃戦から逃げ出した直後でなければ、学生会が正気を失った後に主催した仮装パーティーのように見えなくもない。
真紀のサイズに合う制服を取り出していた時、真紀が急に私を呼んだ。
「星野」
私は顔を上げた。
彼女は私の前に立っていた。さっきほど冷たくはないが、それより厄介だった。
なぜなら今の彼女が私を見る目は、真剣だったから。
「あなたのことが、どんどんわからなくなってきた」彼女は言った。
この言葉は重くない。
なのに何故か、さっきの「どう説明するつもりか考えておいた方がいい」より、ずっと応えた。
私は手に帝国制服を持ったまま、二秒間黙り、最後に低く返した。
「先に言わなくて、ごめん」
私はその制服を差し出した。
「でも本当に仕方がなかった。一人増えるごとに、リスクが一つ増える」
真紀はすぐには受け取らなかった。
ただ私を見ていた。この言葉の中に、どれだけ本心があって、どれだけが星野シモ式の習慣的な保留なのかを測るように。
最終的に、彼女は服を受け取った。
「まあいい」彼女は言った。「この借りは記録しておく」
「学生会の会計制度って本当に怖いわ」
「まだ冗談を言う余裕があるの」
「冗談を言わなければ、もっと悪役っぽくなる」
真紀は笑わず、その制服を抱えて車の後ろへと歩いていった。
途中で何かを思い出したように半歩止まり、こちらを振り向かずに一言落とした。
「副会長」
「ん?」
「これが終わったら、自分で残りを話しなさい」
私は彼女の後ろ姿を見つめ、静かに息を吐いた。
「わかった、会長」
それから俯いて、連邦軍の規律担当者を心臓発作に追い込むのに十分な帝国制服の束を、二年生全員に一着ずつ配り続けた。
窓の外では、帝国軍宇宙軍港の輪郭がどんどん近づいていた。
車内では、六台のバスに詰め込まれた連邦二年生が、銃撃戦から生き延びたばかりの自分たちを、別の帝国の物語に登場するべき姿へと作り直し始めていた。
そう思うと、私は心の中でひとりでに笑えてきた。
世界はやはり、壊れている時の方が、創意工夫に富んでいる。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




