202.私の王子様は、女の子 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
誰かに戦術教範の中から無理やり掬い上げられ、綺麗に洗われ、磨き上げられ、本人の意思を無視して直接額縁の中に放り込まれたかのようだ。
……あんまりじゃないか。
自分が醜い方ではないことくらい、以前から知っている。毎日鏡を見るのは他の誰でもない私自身なのだ。その程度の自覚すらなければ、現代の反射技術に対してあまりに申し訳が立たない。だが、知っていることと、実際に「あなたは今日、会場で危険な青い装飾品を担当しなさい」とばかりにパッケージングされることとは、全くの別問題だ。
「絶対に似合わないって、これ」
私は小声で抗議した。
「すごく似合ってると思うけど」
不意にドアが開いた。
振り返るまでもなく、そのセリフの主がジェスであることは分かった。おまけに、ジェスがこういうことを言う時、その顔には百パーセント「他人の不幸は蜜の味」という笑みが浮かんでいるのだ。
「入ってくる前に、ノックくらいできないのか」私は言った。
「したよ、ノックしたってば」ジェスは中に入りながら、極めて無実そうに瞬きをした。「あんたがドレスと格闘するのに忙しくて、聞こえなかっただけでしょ」
「格闘なんかしていない」
「じゃあさっきの『絶対に似合わないって、これ』ってセリフは何? 布地と理性的対話でもしてたわけ?」
私は相手にするのをやめた。
ジェスは私の横に回り込み、鏡越しに私を頭の先からつま先まで観察し、そして勢いよく息を吸い込んだ。
「わあ」
「その『わあ』はさっきメインホールで一回やっただろ」
「あれとは別よ」ジェスは大真面目に言う。「さっきのはヘートヴィヒの巨大羞恥肖像画に対する敬意。今のこれは、あんた本人に対する衝撃の表現」
「ありがとう、いらない」
「あんたって本当に褒め言葉を受け取るのが下手よね、星野」
「お前の褒め言葉は、大抵罠の形をしているからだ」
ジェスがまだ何か言おうとした時、再びドアが開いた。
今度は、大袈裟な動作も、活発な足音も、言葉が先に飛んでくることもなかった。ただドアが静かに押し開かれ、誰かが入ってきた。
私は顔を上げた。
そして、短い間、何を言うべきか忘れてしまった。
九島真紀が、ドアのそばに立っていた。
白い銀河連邦軍の礼服は、規律そのもののように真っ直ぐだ。ハイネックはすっきりと収まり、肩のラインは鋭く、銀色の装飾が前立てと袖口に沿って冷静な境界線を引いている。深青色はごく控えめなアクセントとしてのみ残され、まるで学院の血統と軍事秩序を一緒に布地の中に織り込んだかのようだ。スラックスのラインは下まで一直線に伸び、靴の表面は清潔に輝き、軍帽が額に落とす影が、真紀の元々冷静な瞳を、今はさらに「この場を完全に掌握する装置」のように見せている。
もし星野シモがこれを着たら、おそらく仮装のようになるだろう。
だが九島真紀が着ると、全く仮装には見えない。
彼女は王子を演じているのではない。
彼女は極めて自然に、王子としてそこに存在していた。
「……」
私は真紀を見た。
真紀も私を見た。
そして、普段は感情を作戦記録表のように管理しているあの九島真紀が、極めて珍しく、半秒だけ動きを止めた。
ほんの半秒だ。
だが、私には見えた。
彼女の視線が、まず私の肩のラインに落ち、次にドレスが絞り込んだ腰に落ち、最後に顔へと戻ってくるのを。それは無礼な見方でも、単なる鑑賞でもない。どちらかといえば、ある種の確認に近かった。私が私であることの確認。この青いドレスが私自身をすり替えてしまっていないことの確認。この過剰に柔らかい装いの下に、星野シモという厄介で頑固な代物がまだ存在していることの確認。
よし。
この確認作業は、先ほど宇宙港で頭の先からつま先までスキャンされたのと同じシステムだろう。
「……よく似合ってるわ」
真紀が言った。
声は普段より少し低く、少し遅い。
このセリフ、ジェスが言ったなら事故として処理する。
だが九島真紀の口から出ると、非常に厄介だ。なぜなら彼女は適当なことを言わないからだ。こういう人間が口にしたことは、大抵の場合、真実なのだ。
私は突然、鏡に布を被せたい衝動に駆られた。
「お前、今日はやけに追い討ちが鋭いな」私は言った。
「追い討ちなんてかけていない」真紀は中に入り、帽子を脱いで傍らに置きながら、平坦な口調で言った。「事実を述べただけよ」
「九島、自分でわかってる?」ジェスが即座に割り込む。「今その格好で、そんな口調で喋ると、マジで『カッコいいのに無自覚な王子様』にしか見えないからね」
真紀は顔色一つ変えなかった。
「私は違うわ」
「いや、お前はそうだ」私は言った。
口に出してから、私自身が一瞬呆気に取られた。
ジェスが直接私を振り返る。その表情は、更衣室で戦略級のゴシップを掘り当てたかのように見事だった。
真紀も私を見る。
「……何?」
「お前はそうだ、と言ったんだ」私は自暴自棄になることにした。どうせ言ってしまったのだ、引っ込めた方が余計に恥ずかしい。「少なくとも、今はそう見える」
更衣室が二秒間静まり返った。
それからジェスが体をのけぞらせ、大袈裟な、しかし声は出さないように必死に抑えた息を吸い込んだ。
「ヤバい」ジェスが声を殺して言う。「星野が自分からこんなこと言うなんて。今夜は月の重力までイカれちゃったの?」
「黙れ」
「努力はするけど、今のマジで録音したかった」
真紀はジェスを無視し、ただ私を見ていた。
その瞳は普段から安定しているが、今は明かりの下でさらに安定しており、それがひどく苛立たしい。その安定の中には、冗談もなければ、得意気な様子もないからだ。彼女自身は、自分が今どれほど目を引くか、この服が自分をどれほど特別にしているかなど、微塵も感じていないかのようだ。彼女はただ、この白い軍礼服を着て、ごく自然に、自分の輪郭全体を「私が責任を負う」という方向へと一歩推し進めただけなのだ。
ここが最悪なところだ。
人をカッコいいと思わせるのは、服そのものではない。
服を着ている人間が、本当にその重みに見合う中身を持っているということだ。
「……あなたも、よく似合ってる」
真紀が最後に言った。
「ただ似合っているだけじゃないわ」
「補足はしなくていい」私は即座に制止した。
「なぜ?」
「これを着て外に出るよう、やっとの思いで自分を説得したところだからだ」
ジェスが腹を抱えて笑った。
「説得なんてしてたんだ。ずっと悪態つきながら入ってきたのかと思ってた」
「似たようなものだ」
「いいじゃない」ジェスが顔を上げ、心底楽しそうな被災者のように笑う。「あんたたち二人、今ちょうど皇女と王子様みたいよ。しかも、舞踏会の台本に絶対従いたくない皇女と王子様。超絵になるわ」
「宣伝ポスターでも撮りに行くみたいな言い方だな」私は言った。
「ううん」ジェスは真顔で首を振る。「ポスターより最悪よ。あんたたち、これから本当に晩餐会の会場に放り込まれるんだから」
……ご忠告どうも。
その現実を、危うく忘れるところだった。
私はもう一度鏡を見た。
鏡の中には、青と白が並んで立っている。
深青のドレスを着た私は、明かりの下に無理やり押し出された氷の塊のようだ。
白い軍礼服の真紀は、その横に立ち、氷のひび割れを防ぐ役目を担っている人間のようだ。
ジェスのさっきの言葉は非常に殴りたくなったが、方向性は間違っていない。絵面は確かに、過剰に凝った、過剰にわざとらしいペアポスターのようだ。問題は私がその当事者であり、客観的に鑑賞する余裕など全くないということだ。
その時、ドアの外から軽いノックの音が聞こえた。
三回。速くなく、重くもない。
ドアに一番近いジェスが、ついでに開ける。
ドアが開くと、外に立っていたのはヘートヴィヒだった。
ヘートヴィヒもおそらく身なりを整え直してきたのだろう、先ほどメインホールの入り口にいた時よりも少し落ち着きを取り戻していた。顔の赤みは引いたが、それでもある肖像画を今夜中にでも宇宙の外縁へ追放したいという思いは隠しきれていない。彼女はドアの前に立ち、まずジェスを一瞥し、それから彼女越しに中を覗き込んだ。
そして、ヘートヴィヒは一秒間、沈黙した。
ヘートヴィヒがこれほど動きを止めるのは珍しい。
言葉を失ったわけでも、驚愕したわけでもない。どちらかといえば、ある種の冷たく安定した感情を抱えて歩いてきたのに、ドアを開けた瞬間、感情の歩幅が不意に一段空回りした、という感じだ。
視線がまず私に落ち。次に真紀の白い軍礼服に落ち。最後にまた私の顔に戻ってきた。
「……あなたたち、本気でここまで大袈裟にするつもりだったのね」
ヘートヴィヒが言った。
「それはこっちのセリフだ」私は返す。「お前のあの絵、壁の半分くらいの高さがあったぞ」
ヘートヴィヒの眉間がピクリと跳ねた。
「その話は二度としないで」
「わかった」
「それに、あれは私の意図じゃないわ」
「その言葉は信じる」
ヘートヴィヒは本当に肖像画の話をしたくなかったのだろう、視線を私から外し、真紀のところで止めた。
「九島さん」ヘートヴィヒは、普段のあの清潔な冷たさを取り戻した口調で言った。「あなた、まるで連邦が会場全体を接収するために特派した人間みたいよ」
真紀は少し考えた。
「もし会場が制御不能になったら、本当に私が真っ先に接収するかもしれないわ」
「……腹が立つくらい頼もしいこと」
「ありがとう」真紀は言った。
ヘートヴィヒは、真紀がその言葉をそのまま受け取るとは思っていなかったらしく、一瞬言葉に詰まった。私は横で見ていて笑いそうになった。この二人は、ある部分で実はよく似ている。距離感を少しでも間違えれば、淡々と一刀両断にしてくるタイプの人間なのだ。
ジェスはそばに立ち、ヘートヴィヒを見て、私と真紀を見て、その目をますます怪しく光らせていた。野次馬というレベルではない。「私には色んなアイデアがあるけど、そのどれもがあまり健全じゃない」と顔に書いてある。
「お前、また何を考えてる」私は警告した。
「別に」ジェスは言う。「ただ、今日の晩餐会で本当にチケット代を取るべきなのは舞踏会じゃなくて、この更衣室だなって思っただけ」
「出て行け」
「マジよ」ジェスはまだ死を恐れない。「羞恥肖像画のご本人に、青い皇女に、白い王子様。この組み合わせ、あまりにも贅沢すぎない?」
「ジェス」真紀が淡々と彼女を呼んだ。
「はい、黙ります」
ジェスはそう言ったが、笑みは全く引っ込めていなかった。
私は手を上げてこめかみを揉んだ。今夜はまだ正式に入場すらしていないのに、すでに精神力の半分を消耗した気分だ。帝国の晩餐会というのは本当に効率的な場所だ。人を痛めつけるのにも事前準備を怠らない。
ヘートヴィヒはドアのそばに立ち、しばらく私を見ていた。
「シモ」
「ん?」
「さっき、その服が似合わないって言ってたわね」
私は眉をひそめた。
「ジェスはそんなことまで実況中継していたのか」
「違うわ」ヘートヴィヒは極めて平坦に言った。「あなたの顔に書いてある」
……こいつ、本当に鬱陶しい。
私が言い返そうとした時、ヘートヴィヒは一足先に視線を鏡の中の私へと落とし、半秒間止まって、そしてごく軽く一言付け足した。
「でも、着こなせてはいるわ」
更衣室が不意に静まり返った。
ジェスが黙る。
真紀もすぐには口を開かない。
私はヘートヴィヒを見つめ、一瞬どう返せばいいのかわからなくなった。
ジェスのようにおどけた褒め方でも、真紀のような事実陳述型の肯定でもないからだ。ヘートヴィヒのこの言葉は、むしろ判定に近い。彼女がどこか非常に厳格で高い場所に立ち、見定めた上で、渋々頷いて認めたような。「まあいい。本人はいかにも不機嫌そうだけど、服に着られてはいない。むしろ服を支配できている」と。
いかにもヘートヴィヒらしい評価だ。そして、反論しがたい。
私は視線を逸らした。
「……サンキュ」
「お礼には及ばないわ」ヘートヴィヒは言う。「どうせ後で表に出て恥をかくのは、あなた一人じゃないんだから」
今度は、私は本当に笑った。
ごく短く、鼻から息を漏らすように。
よし。
これで公平だ。
彼女のあの巨大な肖像画、私のこの青いキャミソールドレス、そして真紀のこの理不尽なほどカッコいい白い連邦軍礼服。どうやら今夜は、誰もがそれぞれ自分だけの公開処刑を用意されているらしい。ただ形式が違うだけだ。
真紀が私の背後に回った。
「少し後ろを向いて」
「何だ」
「肩紐が少し歪んでる」
私は硬直した。
ジェスが即座に無音で息を吸い込む。
ヘートヴィヒも明らかにこちらを見た。
「口頭で指導してくれないか」私は言った。
「いいわよ」真紀は私の背後に立ち、残酷なほど冷静な口調で言った。「でも、あなた一人じゃ直せないはずよ」
……まったく理にかなっている。
私はこういう、理にかなった真実が一番嫌いだ。
仕方なく、私はゆっくりと振り返り、鏡に背を向けた。
真紀が手を上げ、私の細い肩紐を内側へと少しだけ直す。動作は極めて軽く、そして正確だった。
指先が布地と肌越しに擦れた瞬間、私は無意識のうちに全身を強張らせた。
痛いからでも、不快だからでもない。純粋に、近すぎるからだ。
彼女の襟元から、あの極めて清潔で冷たい匂いが嗅ぎ取れるほど近い。そして、私は突然、はっきりと意識してしまった。今、九島真紀が白い連邦軍礼服を着て、私の背後に立ち、私のドレスの肩紐を直しているのだということを。
この光景をジェスに見出しにされたら、私は明日には転校したくなるだろう。
「直ったわ」真紀が言った。
私は即座に一歩前に出て、再び鏡を見た。
よし、肩紐は直った。
良くないのは、ジェスの表情がすでに何らかの取り返しのつかない方向へ発展し始めていることだ。
「一言でも口に出してみろ」私は先手を打った。
「何も言うつもりないわよ」ジェスは両手を上げて降参のポーズをとる。「ただ、この晩餐会、マジでチケット代の元が取れるかもって思っただけ」
「お前、一体どっちの味方だ」
「絵になる方の味方」
「なら、今夜は忙しくなるわね」ヘートヴィヒが冷ややかに付け足した。
ジェスは言葉に詰まり、吹き出しそうになっていた。
鏡に映る面々を見ていると、ふと、この状況が過剰なまでに荒唐無稽に思えてきた。
自分が鍵であることを知っていながら、展示されることを嫌悪する皇女。
白い連邦軍礼服を着るだけで、自然と王子のようにカッコよくなってしまう真紀。
単なる野次馬のくせに、一番この一件を全校に言いふらしそうなジェス。
そして、青いドレスを着て明かりの下に立ち、今夜この姿でメインホールへ足を踏み入れなければならない現実を必死に受け入れようとしている私。
おそらく、世界のどこかが本当に壊れてしまったのだろう。
そうでなければ、こんな組み合わせが、帝国ホテルの更衣室で大真面目に成立するはずがない。
ドアの外で、晩餐会前の集合ベルが再び鳴り響いた。
時間だ。
真紀が再び軍帽を被り、手袋のボタンを留めると、その輪郭は一瞬にして、あの「厄介事はすべて彼女に投げたくなる」ほど頼もしい状態へと戻った。ヘートヴィヒも、ドアに寄りかかっていた姿勢を正した。顔にあったあの窘迫感はすでに収まり、普段のあの少し不機嫌で、しかし体裁の良い冷たさだけが残っている。
私は俯き、クラッチバッグを手に取った。
そして、鏡の中の自分を見た。
青。長い髪。冷ややかな顔。極めて不本意。
だが、確かにこれを着て外に出ることはできる。
……まあいい。
腹を括ろう。
「行こう」私は言った。
ジェスが真っ先に我に返る。
「宴に赴く?」
「死地に赴く」私は言った。
真紀がこちらに視線を向ける。
「そこまで大袈裟じゃないわ」
「お前は今、王子様みたいな格好をしてるから、当然余裕があるんだろうさ」
真紀は少し間を置いた。
「じゃあ、あなたは?」
私は鏡の中の、深青のドレスに包まれた自分を見て、ため息をついた。
「私はさしずめ、無理やりステージに引きずり上げられた皇女といったところか」
ジェスがその場で腹を抱えて笑った。
ヘートヴィヒも軽く顔を背け、笑いをこらえているようだ。
真紀は私を見て、それから、極めて薄く微笑んだ。
その笑みは、錯覚かと思うほど短かった。
だが、私には見えた。
「なら問題ないわ」真紀は言った。「姫様の隣には、王子様がいるんだから」
あーあ……まったく。
今のセリフは反則だ。
晩餐会が待っている。
あの肖像画はまだあそこに掛かっている。
ダンスフロア、照明、帝国の生徒たち、連邦の生徒たち。そして、今夜を大人しく過ごすつもりがない連中も、すべて外にいる。
そして私たち数人は、ついに一緒にそこへ歩み出そうとしていた。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




