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臨界の星穹  作者: Mr.佐藤焫焵
臨界の星穹:月面都市コペルニクス
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201.張り詰めた糸 3

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

その後の旅程は、理論上は修学旅行だった。実際には、大勢の未来の準軍人が、冷房の効きすぎた教育施設から別の冷房の効きすぎた教育施設へと、秩序立って移送されているようなものだ。


まずは月面都市歴史館。ガイドが非常に標準的で、非常に落ち着いた、そして学年全体を催眠術にかけるのにもってこいの口調で解説を始めた。コペルニクス月面都市の建設の歴史、初期の月面開拓、遮光シールドシステム、酸素循環、重力シミュレーション、そして人類がいかにして鋼鉄と行政手続きを用いて、月面に人が働き、喧嘩し、恋をし、果ては晩餐会まで開けるような場所を無理やり作り上げたかについて。


私は歩きながら、展示ケースの中に大切に保管されている開拓時代の道具を眺めた。実に奇妙だ。人類が初期に月を開拓したとき、頼りにしたのは勇気と技術と資源だった。その後、月面を本当に都市として住めるようにした後は、規則と階級、そしてさらなる資源が頼りになった。結局のところ、文明の進化というのは、時として「生き延びるため」という目的をより分厚いマニュアルに書き換えただけのものなのだ。


「何を考えているの?」真紀が私のそばに歩み寄り、声を潜めて尋ねた。


「人類は、生存闘争を偉業として包装するのが本当に上手いな、と考えていた」


真紀は私をちらりと見た。


「今日のあなたの感想、朝からずっと可愛げがないわね」


「普段の私は可愛げがあるか?」


「ないわ」真紀は即答した。「だから言ったのよ、朝からずっと、って」


私は横を向いて彼女を見た。九島真紀は顔色一つ変えない。今の言葉がツッコミではなく、何かの地質観測記録であるかのように。こういう時、私はいつも思う。真紀は将来軍人にならなくても、尋問官として大成するだろうと。彼女は淡々とした表情と的確な事実だけで、相手を自白したくなるような気分に追い込むことができる。


歴史館の次は、展望回廊だ。そこは非常に見晴らしが良く、月面都市の広大な外環建築群や、遠くの暗闇に沈む工事施設が見渡せる。生徒たちは三々五々に散らばり、真面目に見学する者、写真を撮る者、風景を見ているふりをして道中で買ったお菓子を盗み食いする者がいた。風紀委員会が二人を捕まえ、生徒会がそれを宥める。すべてが整然としており、あまりにも順調すぎて、行程がうまくいきすぎているのではないかと疑いたくなるほどだった。


……まあ、いい。昼間が順調なら、順調なままにさせておけばいい。少なくとも晩餐会が始まるまでは、全員に数時間だけ普通の学生でいる資格がある。


昼食後、学校側は教育的意義が高く、かつ目から魂が抜け出てしまいそうな見学スポットをいくつか用意していた。エネルギー制御展示エリア、月面交通の中枢、そして連邦と帝国の近代宇宙航路史を専門に紹介する常設ホール。ハーヴィーは楽しそうに見学していたが、Dは三つ目の展示エリアで視点の焦点が合わなくなり、ジェスは「展示壁に寄りかからないでください」と二度注意された後、その場に座り込んで隠居したいというオーラを全身から放ち始めた。


ロイは道を覚える担当。蘭は時間を管理する担当。アカリは、全く聞いていないように見せかけて、実はすべての出入り口と監視カメラの角度を記憶する担当。真紀は、自分たちだけでは無事に見学コースを回りきれそうにない私たちを、できるだけ隊列にとどめておく担当だった。


そしてヘートヴィヒは――ヘートヴィヒは道中ずっと静かだった。癇癪を起こして黙り込んでいるわけではなく、元々群衆から半歩距離を置くのが彼女の習慣なのだ。ただ、あんな事を知ってしまった後でヘートヴィヒを見ると、彼女の肩には鞄ではなく、一つの要塞、一つの家名、そして帝国の半分があまり認めたがらない権力バランスが重くのしかかっているように見えて仕方がない。


この感覚は、非常に鬱陶しい。特に、本人はいかにも案内図の前に大人しく立ち、眉をひそめながらガイドの説明が遅いと不満に思っているだけの女子生徒にしか見えないのだから、なおさら鬱陶しい。


夕方になり、ようやく行程は終わりを迎えた。生徒たちは宿泊先に戻って身なりを整え、夜の連邦軍事学院と帝国軍事学院の合同晩餐会に備える。


この行事は、表面上は交流と呼ばれている。実際には、まだ正式な給料をもらっていない二つの未来の軍人集団を同じホールに並べ、礼儀作法から互いに張り合い始めるかどうかを観察するようなものだ。


ジェスは晩餐会の予定を聞いた途端、一気に元気を取り戻した。


「相手校の生徒会とダンスを踊るのが伝統らしいわよ」


そう言うジェスの表情は、すでに脳内でダンスフロアを戦場に見立て、誰が真っ先に戦死すべきかまで決めているかのように悪どかった。


「伝統、ね」私は復唱した。


「そう、伝統」ジェスはウィンクをした。「友好的な交流、文化的な触れ合い、両校の親睦を深めつつ、ついでにどっちが先に相手の足を踏み潰すかを見物するのよ」


「お前のそれ、最後の一言が本音だろ」とロイが言った。


「理にかなっていると思うね」ハーヴィーが意外にも頷いた。「身体の協調性も戦術能力の一部だから」


「ハーヴィー、お願いだからたまには人生を戦術分析から出して、息継ぎさせてあげて」蘭が極めて冷静に言った。


「出してるさ」ハーヴィーは言った。「ただ、出してみた結果、やっぱり戦術分析の方が分かりやすいって思っただけだ」


Dが横でアカリに小声で尋ねた。「ダンスって、射撃の順位で順番決められないのかな」


「無理」アカリは即答した。「それにDはデカすぎるから、ターンしたときに誰かを吹っ飛ばすかもしれない」


「……うぅ」


私は危うく吹き出しそうになった。そして、ごく自然にヘートヴィヒをちらりと見た。


ヘートヴィヒもちょうどジェスの「相手校の生徒会とダンスを踊るのが伝統」という言葉を聞いており、表情が微妙に一度冷たくなっていた。驚きではない。単なる不機嫌だ。「こういう下らない伝統が遅かれ早かれ自分に回ってくることは知っているが、それでも軽蔑の意は示しておきたい」という類の不機嫌さ。


私はすぐに理解した。


「私と真紀で処理しよう」


全員が同時に私を見た。私はもう一度、九島真紀を見た。


「ヘートヴィヒに行かせるわけにはいかないだろう」


真紀はほとんど間を置かずに同調した。


「異議なし」


ヘートヴィヒが眉をひそめる。


「誰があなたたちに代わってほしいなんて――」


「必要だ」私は極めて誠実に彼女の言葉を遮った。「お前の今の顔は、一曲目が終わる前に、ついでに相手の生徒会代表の肩の関節を外してしまいそうな顔をしている」


真紀が淡々と追撃する。


「それに、あなたは人に触られるのが好きじゃないでしょう」


ヘートヴィヒは沈黙した。


ジェスは私を見て、真紀を見て、最後に非常に問題のある笑みを浮かべた。


「おや――なるほどね」


「お前のその『なるほど』は、聞いていて酷く汚らわしい」


「失礼ね」ジェスは即座に抗議した。「私はただ、あんたと真紀って、同級生愛に溢れてるなって思っただけよ」


「同級生愛って言葉がジェスの口から出ると、自動的に信憑性が三割減になるから」と蘭が言った。


真紀はジェスを相手にもせず、手元のバインダーに旅程表をしまい込み、日直の割り振りを相談するような平坦な口調で言った。


「まずは身なりを整えなさい。晩餐会の前にもう一度集合よ」


これが真紀だ。全員の思考が妙な方向へ滑り始めたとき、彼女は極めて非ロマンチックに、すべての事柄を進行上の手順へと引き戻す。ある意味、この集団が時間通りにご飯を食べられるのは、彼女の存在によるところが大きい。


私もそれ以上は言わなかった。どうせ守るべき人間のことは、今夜は初めから放置するつもりなどなかったのだから。


---


夕方以降、私はまず元の宿泊先に戻り、荷物を簡単にまとめ、チェックアウトを済ませた。作業の手は止めず、頭の中ではずっとシミュレーションを繰り返していた。


晩餐会ホールの入り口。勝手口。従業員の動線。二階のボックス席エリア。会場全体を見渡せる位置。ヘートヴィヒに最速で接近でき、なおかつ最速で彼女を引きずって撤退できる位置。


こういう時、私は自分がもう少し学生らしくあるべきだといつも思う。少なくとも理論上、修学旅行の夕方に、女子生徒が服を畳みながら頭の中で晩餐会の撤退ルートを計画するべきではない。残念ながら、理論というものは大抵、教科書の中か、比較的死ぬのが遅い人間の上でしか成立しない。


最後の荷物を鞄に詰め込み、ジッパーを引く。


「……よし」


そして、部屋を出た。


私が帝国ホテルに到着する頃には、生徒たちもほぼ続々と入場し始めていた。夜の帝国ホテルは、昼間よりもさらに念入りに磨き上げられた嘘のように見えた。暖かな照明、柔らかな絨毯、金属もガラスも、まるで一度も人の命の汚れなどついたことがないかのように磨き上げられている。昨日私がここで給仕の制服を着て、シャンパンを運び、グラスを補充し、ついでに一人の女爵を始末したことなど、誰が想像できるだろうか。今日、同じこの建物が、文明、交流、伝統、そして青春を装って、両校の生徒を迎え入れようとしているのだ。


実に大したものだ。


「星野」


遠くない場所から、真紀の声が聞こえた。振り返ると、九島真紀はすでに晩餐会用の正装制服に着替えており、明かりの下で、まるで「標準士官候補生儀範」の教科書から抜け出してきたかのように、全身が清潔で隙がなかった。ヘートヴィヒ、ジェス、ハーヴィー、ロイ、蘭、アカリ、Dも近くにおり、それぞれそれなりに身なりを整えている。


この会場にある危険の半分は、見た目以上に服の着こなしが上手いということを、私だけが知っている。


「そろそろ始まるわよ」真紀が言った。


「見ればわかる」


私はロビー、階段、給仕の動線、そして普通の置物に見えて実際には監視カメラを隠すのに最適な二箇所から視線を戻し、真紀に向かって小さく頷いた。


そして、ヘートヴィヒを見る。今回は遠く離れていない。宇宙港の人混みを隔ててもいない。


ヘートヴィヒは、そこにいた。私たちと似た制服を着て、晩餐会が始まる前の明かりの下に立っている。表面上、彼女は今夜の連邦軍事学院の生徒代表の一人に過ぎない。だが私は知っている。彼女が実際には、この晩餐会ホールの誰よりも価値があり、そして誰よりも危険な存在であることを。


皇女。鍵。ホーエンツォレルン。エリザベート・フォン・ホーエンローエ。未来のある日、帝国の国境火力の構造全体をひっくり返すかもしれない、その導火線。


これらすべてのものが、一人の若い少女の肩の上に、静かに乗っている。そして彼女自身は、おそらくまだこの晩餐会が面倒だと不満に思っているのだ。


私はふと、少し笑いたくなった。この世界は、爆薬を隠す場所を選ぶのが本当に上手い。


「何よ」


ヘートヴィヒが私の視線に気づき、冷ややかに尋ねた。


「なんでもない」私は言った。「ただ、今夜はお前、あまりうろちょろしない方がいいと思っただけだ」


ヘートヴィヒが眉をひそめる。


「私のこと、何だと思ってるの」


「高価値のワレモノ」


彼女は私を睨みつけた。


「……星野、あなたって本当に人を怒らせる天才ね」


「ありがとう」私は言った。「私も特技だと思ってる」


横でジェスがすでに盗み笑いを始めている。真紀はごく軽くため息をついた。晩餐会開始の三分前に、私が最も怒らせてはいけない相手に向かってこんな口を叩くのも、完全に想定内だと言わんばかりだ。


だが、ヘートヴィヒは本気で背を向けて立ち去ったりはしなかった。


よし。それならまだ救いようがある。


ロビーの反対側で、晩餐会開場の合図が鳴り響いた。柔らかく、格式高く、白目を剥きたくなるほどに体裁がいい。


私は肩の力を少し抜き、もう一度背筋を伸ばした。


「行こう」


表面上は、両校交流の合同晩餐会に参加するため。実際には、昨日ボックス席で大声で密謀していた連中が、今日は青春と平和を装っている場所へ赴き、今夜果たしてダンスが先か、それとも事件が先かを見届けるためだ。


正直なところ、私はどちらも御免被りたい。


残念ながら、この世界は私の希望など一度も聞いてくれたことがないのだが。


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