197.君のいない車窗 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
乗船券を改札口へ差し出した。
改札係の笑顔もまた、職業的な水準まで訓練されたものだった。
彼女は手を上げ、私の乗船券をリーダーに置いた――
そして、その笑顔がほんのわずかに強張った。
一コマだけ。
非常に短い。
普通の人間なら絶対に気づかないほど短かった。
でも私は気づいた。
その瞬間、彼女の目の前にある、客側には見えない内側のモニターが、非常に正直にこちら側へ小さな光を反射したからだ。
氏名: 星野 シモ(ほしの しも)
身分: 学生/軍籍保持
階級:中尉
備考:雪風号事件・保留籍
その一行が、モニターの上に静かに横たわっていた。
赤い枠もない、警告音もない、目立つ演出は何一つない。ただの一枠のデータだ。民間システムから直接読み出され、極めて平然と、この改札係に「この乗客はただの学生ではない」と告げているデータだった。
私は何も言わなかった。
改札係も何も言わなかった。
彼女はただ素早く、手際よく、その内側モニターを少しだけ自分の方へ引き寄せた――その動作は極めて軽く、控えめとさえ言えたが、意味は非常に明確だった。彼女は見た。そして、彼女が見たことを私が見たことも、彼女は知っている。
「星野さん」改札係は最後にその呼称を選び、礼儀正しい声に戻した。「良いご旅行を」
「ありがとうございます」
自分の声が、とても普通に聞こえた。
自分でも、これが「慣れきった普通」だと感じるくらい普通だった。
戸惑いも、怒りもなかった。ただ、一つのことをはっきりと再認識しただけだ――
校門が閉まれば、全員が空気を読んで触れないようにしていたあの線は、自動的に無効になる。
校内では、全校の教師も生徒も、私たち十一人が誰かを知っている。
でも、校内でそのことを日常の呼びかけに使う人間はいない。
それは誰も口に出さない、あの校舎の壁の内側にある暗黙の了解だ。
私たち自身も同じだ。
校内では、軍階で人を圧しつけたり、軍階を鼻にかけたりしない。話題にすることすら滅多にない。
あの暗黙の了解の中で生きることは、私たち自身が選んだことだからだ。
でも、その了解の有効範囲は、校内に限られる。
校門を一歩出れば――
民間の改札システムでさえ、それを暴き出す。
乗船券をしまい、改札口を通り抜け、振り返らなかった。
心の中に、小さく、淡く、そして非常に現実的な考えがよぎった。
――この道はもう始まっている。ただの学生のふりは、もうできない。
---
この船は、言葉を選ばずに言えば、宿泊設備付きの長距離バスだ。
定点巡回船――首都星デュナンを出発し、まず亜光速で巡航して近隣の惑星で乗客を拾い集め、それから一気に超光速へ切り替えて太陽系へ直行する。
戦艦のような硬い圧迫感はない。
豪華客船のような見栄を張った内装もない。
ただ、ごく正常で、商業的で、目立たず、どんな人間が乗っていてもおかしくない中距離の旅客輸送手段だった。
そしてこういう船こそ、「人にジロジロ見られては困る」乗客をこっそり運ぶのに最も適した器だった。
私はこれ以上なく地味な自分の荷物を片手に持ち、もう片方の手であのいまいましい黒い包みを小脇に抱えていた。
両手が、二つの人生に同時に掴まれているようだった――一つは自分で選んだもの、一つはそうではないもの。
客室廊下を前へ進んだ。
廊下の照明は白く、冷たかった。床は冷酷なほど整然と光を反射し、両側の客室のドアはすべて同じで、部屋番号だけが間違っていないことを確認してくれる。空気は完全に濾過された匂いだった――鼻を突くわけでも、いい匂いでも、嫌な匂いでもない。ただ、匂いがない。
この匂いのなさこそ、最も典型的な公務の空気だ。
自分の客室を見つけた。
乗船カードを差し込む。
ドアが静かに滑り開いた。
少なくとも一人部屋だった。
シングルキャビンは広くないが、十分だった。ベッド一つ、机一つ、折りたたみ椅子一脚、小さな洗面区画、そして電子シミュレーション式の舷窓――今は宇宙港の停泊区のリアルタイム映像が映っていて、客観的で、平坦で、情緒の欠片もない。
家具はすべて標準規格だった。
シーツ、布団カバー、机の表面、椅子の座面、どこにも前の住人の痕跡がなかった。
髪の毛も、忘れ物も、指紋も、匂いも――誰も泊まったことがないかのように清潔だった。
そしてこの清潔さは、ホテルレベルのサービスではない。
任務レベルのサービスだ。
荷物を壁際に置き、ドアを再施錠し、換気口、電子舷窓の縁、机の下、ベッドの下を順に確認した――ここが民間船だとわかっている。おそらく何もないともわかっている。でもこの動作はもう条件反射で、歯磨きと洗顔と同じだ。やり終えなければ座る気になれない。
問題ないことを確認してから、折りたたみ椅子を引き出して座った。
そして黒いケースを机に置いた。
……「ケース」と言うのは少し大げさかもしれない。控えめな公務用バッグに近い。表面は光を反射しにくい黒いプラスチックで、留め具は意図的なほどシンプルだ。おとなしそうで、中に何かが潜んでいるようには全く見えない。
問題はまさにそこで、私はこういう「何かを隠しているようには全く見えないもの」に対して、もう健全とは言えない心理的な影を抱いている。
包みを見た。
一秒。
二秒。
三秒。
気持ちは百パーセント、開けたくなかった。
怖いわけではない。
ただ、うんざりだった。
開けた瞬間に、今日残っているはずのわずかな自由が消えるとわかっているのに、拒否する自由も自分にはないとわかっている――そういう、うんざりだ。
ため息をつき、しぶしぶ手を伸ばして、留め具を「カチッ」と外した。
蓋を開ける。
最初に目に飛び込んできたのは、一枚の読み取りカードだった。
薄く、四角く、銀色に反射し、ロゴも識別も何も印字されていない。一目見ただけで「内容は紙面に載せられない」とわかる媒体だ。
二秒ほど見つめてから、脇に置いた。
読み取りカードの下に畳んであったのは、きちんと折られた衣類だった。
普通の服ではない。
それは――深い青色のVネック・細いストラップのイブニングドレスだった。
色は深く、落ち着いた青だ。派手ではないが、灯りの下で着る人間を確実に目立たせるよう計算されている。裁断は清潔で、ラインは鋭く、Vネックの角度は「失礼にならない」と「気を散らせる」の間の絶妙な位置を突いていた。細すぎるほどの肩紐が二本、ドレスの肩の線に静かに横たわっていた。
このドレスへの私の第一反応は、「わあ」でも「きれい」でも「試着してみたい」でもなかった。
第一反応は――
「これは、どんな場面で、誰に見せるためのもの?」
ドレスの隣には、銀色のクラッチバッグが添えられていた。金属の留め具、極小のサイズ。口紅一本、入場券一枚、そして他人に気づかれてはいけない小さな何かを一つ入れられるかどうか、という容量だった。
さらに下の層には、黒いポインテッドトゥのハイヒールが一足。ヒールは低くない。つま先の鋭さは、今日起こり得るすべての不測の事態に、あらかじめ句読点を打っておくためのもののようだった。
目を細めた。
そして――
靴の横に、ウィッグが一つあった。
銀色の長い髪。
手を伸ばしてそのウィッグをすくい上げ、照明に当てて見た。
色は冷たい側の銀で、質感は滑らかで、長さは腰のあたりまであった。私自身の髪色と完全に一致している――長さを除けば。まるで、自分の髪を自分らしくない長さまで伸ばしたような見た目だった。
つまり――
このウィッグは、私を別人にするためのものではない。
このウィッグは、私に「私であって、完全には私ではない」人間を演じさせるためのものだ。
ウィッグを戻した。
背筋のどこかから、冷たいものが這い上がってきた。
その冷たさは恐怖ではない。
苛立ち混じりの直感だ。任務が「あなたのままで、完全にはあなたではない」ことを要求するとき、それは大抵、相手が二つの身分の行動空間を同時に使わせようとしていることを意味する。
こういう任務は、決して小さくない。
さらに手を奥へ探った――
まだ何かある。
一番上の「合法的な用品」をすべて退けると、一番下に押し込まれていたのは、一挺のレーザーピストルだった。
おもちゃではない。
実用型だ。
装飾は一切ない。マガジン口、電源スロット、グリップの摩擦紋――すべてが「使う」ために設計されている。
そしてピストルの隣に、数枚の身分証があった。
手に取ってめくった。
名前は私の名前ではない。
写真は、私によく似ているが完全には私ではないよう修正されていた。
所属、部署、身分区分、発行機関――どれも合法とは言い難かった。
「偽造が粗い」という意味の非合法ではない。
「実際にどこかのシステムが発行したかもしれないが、そのシステム自身が発行したと認めたくない」という意味の非合法だった。
……よし。
身分証を戻し、ゆっくりと背筋を伸ばした。
目の前の一式を見つめる。
読み取りカード。ドレス。クラッチバッグ。ハイヒール。銀色のロングウィッグ。レーザーピストル。合法とは言い難い身分証。
長い間それを見つめてから、心の中で非常に正直に自分へ問いかけた。
私は今から、暗殺者に転職するのか、それともスパイに転職するのか。
――正直、どちらの答えであっても、告発状を書きたい。
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