195.急遽の追加公演 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
三人でここに立って来賓を接待するよう校側が決めたのは、建物の耐震強度を試す意図があったのではないかと、私は誠実に思った。
最初の車が止まったとき、外からちょうど拍手が響いた。
本当によく時間を選ぶ。
まるでこの世界では、権力の登場にも BGM が必要らしい。
ドアが開いた。
降りてきたのは国防委員長、カランド・ローゼンだった。
私はほぼ反射的に背筋を伸ばした。尊敬からではなく、本能だ。この種の人間には奇妙な気場がある。今日は学生証を忘れてきたわけでもないのに、彼にちらりと見られただけで、どこかの書類に署名し忘れていないか確認したくなる。
「ああ、星野さんじゃないですか」
カランド・ローゼンの声は、相変わらず公の場で磨き上げられた丸みのある質感だった。親しみやすく、しかし危険で、高級な菓子箱に添えられた細い針のようだった。
私は宣伝映像に使えそうなほど標準的な接待用の笑顔を作った。
「委員長閣下、ご来校を歓迎いたします――」
しかし彼は握手すらしなかった。
カランド・ローゼンはこちらに「あなたが誰かはわかっている」という笑みを一つ投げてから、視線を私の上を越えて、真紀へ直接落とした。
実に鮮やかだった。
私が冒頭の字幕で、真紀が本文であるかのように。
「お父上と総裁によろしくお伝えください」
真紀はわずかに頭を下げた。姿勢も角度も声量も、非の打ちどころがない。
「お伝えします、委員長閣下」
カランド・ローゼンが頷き、一秒も余分に立ち止まることなく、案内担当とともに中へ入った。
それだけだった。
私はその場に立ち、国防委員長が暖房室のガラスドアの向こうに消えるのを見送りながら、最初に浮かんだ感想は傷ついたことではなく――
ああ、やはり。
これが九島真紀の世界だ。
彼女がここに立っているのは学生会の幹部だからだと思っていた。
でも一部の人間の目には、彼女は同時に九島家の娘であり、九島グループの権力網の一つの節点であり、将来の取引と協力関係を継続するための挨拶窓口でもある。
真紀を横目で見た。
「あなたの人生、本当に大変ね」
真紀の表情は変わらなかった。
「今は感想を言う時間じゃない」
「感想じゃない。社会構造に黙祷してる」
「自分の口に黙祷した方が実用的よ」
言い返そうとしたところで、二台目の車がすでに滑り込んできた。
今回は眉をひそめる準備を先にしておいた。
降りてきたのは、私がとても好きではないが、不幸なことに顔見知りである人物――
レオ・ヴィスラン大佐だった。
いや、本人の言い方に従えば、今は「文官体系」と呼ばなければならないらしい。
この肩書きの更新に私は何の感慨も持っていない。主に、この人物は名刺をどう印刷しようと、嫌われ方が一貫しているからだ。
彼は車を降り、私を見て、案の定、殴りたくなるほど馴れ馴れしい表情を浮かべた。
「星野シモ、どうだい?」レオ・ヴィスラン大佐――まあ、当面はこう呼ぶ方が口になじむ――は、私たちの間に何年もの革命的な友情があり、今にも一緒にアフタヌーンティーに行けそうな様子で近づいてきた。「なかなか多彩な学園生活を楽しんでるじゃないか」
礼儀正しく、標準的で、周囲の人間が私の育ちがいいと勘違いするほど十分な笑顔を向けた。
「まあ、ヴィスラン大佐、お越しいただき光栄です」
そして手を伸ばして、握手した。
ついでに、誠実に力を込めた。
彼の笑顔が零コンマ三秒ほど固まった。
少ないが、十分に楽しかった。
「……星野さん」彼は相変わらず見識の広い体裁を保ちながら言った。「背が伸びたら、握力も有望になったね」
「お褒めいただきありがとうございます」さらに愛想よく笑った。「大佐にお会いするたびに言葉だけでお気持ちを伝えるわけにもいきませんから」
真紀が隣で静かに息を吸った。
驚きではない。
「星野シモがまた始まった」という標準的な前奏だ。
ヘートヴィヒは私たちを一瞥し、表情はまったく動かなかった。この程度の民間の諍いは、帝国が判定に乗り出すには至らないとでも言うように。
笑顔を維持しながら、ヴィスランを斜め後方へ二歩ほど誘導した。
動作は小さく、外から見れば接待担当が来賓の入場動線を丁寧に調整しているように見えるだろう。
ヴィスラン本人の手首の感覚からすれば、不機嫌な中型猛禽に死角へ引きずり込まれたような感覚だったかもしれないが。
「何しに来たの?」声を落として聞いた。「シュタイナー博士は来なかった?」
ヴィスランの眉が、疲れたように動いた。
「博士はお忙しいんだ。星野さん、先に手を離してもらえる?」
「軍人じゃないんですか、大佐殿?」
「文官体系だ」
目を細めた。
「嘘でしょ。ケンタウルス座区の指揮官じゃなかったの?」
「文官に転じた」
「……」
二秒ほど彼を見つめた。
この世にはたくさんの嘘がある。
その一種が、官僚が「ただ気にかけに来た」と言うことだ。
「で、本当に何しに来たの?」
レオ・ヴィスラン大佐は私を見て、表情がひどく自然だった。
「気にかけに来た」
その場で白眼を剥いた。幅は校内の不敬記録に残るくらいだったかもしれない。
「大佐」私は言った。「本格的な校内いじめを体験してみたい?」
それでも彼は笑えた。
「背が伸びたら凶暴にもなったね、星野。昔は小さくて、本当に可愛かったのに」
私の理性がその一言に踏みつけられた感覚がした。
だから非常に冷静に、横へ手を伸ばし、清掃車からモップを一本抜き取った。
そう、モップだ。
文明社会において、槍に最も近く、始末書を書かれる可能性が最も低い武器の一つだ。
片手でモップを持ち、彼に向けた。
「遺言はそれだけ?」
この一幕があまりにも自然に発生したため、真紀はこのときようやく声を上げた。
「シモ」
一言だけ。
しかし意味は非常に完全で、翻訳すれば大体こうなる。
もう一歩でも前に出たら、あなた自身を先に報告書に入れる。
ヴィスランは賢明にも両手を上げた。
「降参だ」彼は言った。「今日は偉い人が大勢いる。私は引き立て役だ」
「違う」
モップを持ったまま、目を細めて彼を見た。
「上官を連れて、品定めに来た」
その一言が出た瞬間、ヴィスランの顔から行政宣伝映像のような表情が一瞬だけ消えた。
短かった。
でも私は見た。
やはり予想通りだった。
だからモップをもう一寸前に向けた。
「ヴィスラン大佐、私は火の輪くぐりも猿芝居もしませんよ」
「安心して」彼は少し観念したように、しかし暴れかけの猫をなだめるように笑った。「ちょっと見るだけだ」
まったく安心できなかった。
この種の人間の「ちょっと見るだけ」は、「例行的な状況確認です」とほぼ同義で、翻訳すれば大体こうなる。
今日この場にいる価値のあるサンプルは全員、頭の中に記録しておく。
自分がサンプルとして記録されることが、私は非常に嫌いだ。
ヴィスラン大佐の脛をモップで叩いて、連邦軍に校内の民情を再教育してやろうかと考え始めたとき、真紀の声が後ろから平坦に流れてきた。
「シモ、貴賓の動線は私怨を処理する場所じゃない」
振り返った。
真紀は相変わらず真っ直ぐ立っていて、表情に感情はなく、ただ「今はあなたを処理しない、なぜなら本来の仕事があるから」という理性的な冷静さが、はっきりと顔に出ていた。
ため息をついて、モップを戻した。
「私的な予定表を確認してくる」私は言った。
「何の私的な予定表?」真紀が聞いた。
モップを清掃車の横に立て直し、顔色一つ変えなかった。
「猿芝居の」
今度はヘートヴィヒも視線を半秒だけ外した。
本当に笑い出さないよう回避したのだと思う。もっとも彼女の場合、笑いが表れるとしても、まつ毛がわずかに揺れる程度で、世界の終わりが零コンマ五秒延期されるだけだろうが。
ヴィスランを送り出すと、校門の方にまた新しい車列が入ってきた。
外のブラスバンドはまだ鳴り続け、チアリーダーも懸命に雰囲気を押し上げていた。
しかし、この接待動線は本当に楽しくない部分に入り始めていた。
今度降りてきたのは、銀河連邦軍統合作戦本部長――
アリスター・ペンドルトン元帥だった。
正直に言えば、彼が降りてきた瞬間、この老人は歴史の教科書に油彩画として収められるに値する風格だと思った。
改良式軍礼服、ちょうどいい重量感で羽織られた存在感、手にはただの飾りではないとわかるパイプ。普通の老人が持つ気質ではない。こういう人間には奇妙な矛盾がある――暖炉の前に座って帝国の興亡を語っていそうに見えて、実際に口を開けば将軍三人と議員五人をまとめて出直しさせられそうな人物だ。
彼の半歩後ろに続く人物は、統合作戦本部次長――
蓮見圭介中将だった。
この人物はまったく別の種類の危険だ。
どんな状況にも対応でき、どんな言葉も受け、どんな失敗も失敗に見えなくさせる、完璧な社交的微笑みを顔に貼っていた。こういう人間は、面と向かって刺してくる人間より始末が悪い。何をどれだけ聞いて、誰のために何を記録したかが、まったく読めないからだ。
真紀が一歩前に出て、隙のない接待の礼節で挨拶した。
ヘートヴィヒはもう一方の側で、動線全体を自然に正してしまうような冷静な存在感を維持した。
私は中央に立ち、自分が学生ではなく、高級な棋局の傍らに立たされた動く案内板のような気分になった。
ペンドルトン元帥の視線が私たち三人に落ちたとき、まず半秒止まった。
それから、手にパイプを持ち、まるで暖房室全体が皆に一時的に貸し出されているだけの旧式海軍砲台のような気場を持つその老人が、まず私を見た。
「これが君たちの学校が接待に出す若い戦力かね?」
接待用の笑顔を向けた。
「もし閣下がご手配に疑問をお持ちでしたら、本校の行政部門は――」
「いや」ペンドルトン元帥はゆっくりと遮った。目には、何かに少し面白がられたような光があった。「連邦の未来にまだ望みがあるか確認しているだけだ」
……この老人の挨拶の仕方は、パイプと同じくらい侵略的だ。
蓮見圭介中将が隣で、水も漏らさない笑みを浮かべた。
「元帥の仰りたいのは、こんなに溌溂とした若者を見て安心した、ということです」
私は心の中で「安心した」という四文字に一秒だけ黙祷した。
今それは、毒舌を補修するために使われていたからだ。
「過分なお言葉です」真紀は滑らかに受け取り、場面全体を軌道に戻した。「どうぞご案内いたします」
蓮見圭介中将が真紀を見て、その微笑みがわずかに深まった。
「九島家のご令嬢、評判通りですね」
私の視野の端で、真紀の肩線がほんの半分だけ締まったのが見えた。
非常に細かい。
でも、見えた。
真紀の最も厄介なところは、背後の姓と家柄を一目で見透かされても、その不快感を礼節の中に押し込んで、なかったことのように見せてしまうことだ。
「中将、過分なお言葉です」彼女は言った。
ヘートヴィヒがここで静かに一言添えた。
「外場の流れは進んでいます。開幕の挨拶前に座席についてご要望があれば、今お伝えいただくのが最も効率的です」
この一言は見事だった。
表面上は礼儀正しい確認だが、実際には言っていることは一つ。
雑談はここまで、本題に注意を戻してください。
ペンドルトン元帥がヘートヴィヒを見て、パイプを指の間で半回転させた。
「面白い」
その「面白い」が、この三人組に対するものなのか、開幕式の背後にある全体の勢力構造への評価なのか、私にはわからなかった。
でも、どちらであれ確信できることが一つある。
今日の暖房室は退屈しない。
しかし本当の大詰めは、まだ後にあった。
ペンドルトン元帥と蓮見圭介中将が案内されて中に入ると、外の広場の歓声がまた一段と高くなった。その場にいる全員が同時に、空気が自然と直立するだけの何かを見たような歓声だった。
振り向いた。
校門に、超長のリムジンがゆっくりと滑り込んでいた。
その長さは、もう「車」ではない。
地位に対する、移動式の主張だ。
車が止まった。
ドアが開いた。
最初に目に入ったのは、極めて丁寧に手入れされた靴だった。次に、改良式の伝統礼装。裁断は丁寧で、生地は落ち着いており、余分な誇示がない。むしろ誇示しないことで、より重みが増していた。最後にその顔――年を重ねても、衰えの気配が微塵もない。眉と目は清明で、鋭いほどだった。長年丁寧に手入れされた老いた刀のようで、普段は鞘に収まっているが、一度抜けば誰もまだ切れることを疑わない。
この老人の全体的な威圧感を校内の理解可能な単位に換算しようとする前に、隣に立つ真紀が、先に低く呼んだ。
「おじいさま」
その瞬間、周囲の空気がふっと静まった。
外が本当に静かになったわけではない。
儀仗隊はまだいて、チアリーダーもいて、放送もあり、旗は風の中でまだ翻っていた。
でも、この接待動線の空気だけが、確かに質を変えた。
来た人物は――
九島征玄。
九島重工。
九島グループ。
総裁。
ふと、奇妙な実感が湧いた。
さっきカランド・ローゼンが真紀に「お父上と総裁によろしくお伝えください」と言ったとき、それはまだ高級な社交の言葉だった。
今、その挨拶を送られた当の人物が、直接車から降りてきた。
前の一秒にある山の高さを話していたら、次の一秒にその山が自分で校門を歩いて入ってきた、そういう感覚だ。
真紀の背筋が、さっきよりさらに伸びた。
強張りではない。
何か非常に深い場所から来る、本能的な収束だ。
私が知っている九島真紀は、多くの場面で非常に安定している。
しかしこの瞬間の彼女は、学生会でも、接待担当でも、私が慣れ親しんだ低温で帳簿をつけ、私に苛立てられると一瞬だけ普通の女子高生の笑顔を見せてくれる人間でもなかった。
彼女は九島家の孫娘だった。
九島征玄が車を降り、視線はまず真紀に落ちた。
その一目は長くなかったが、重かった。
後継者を見るようでもあり、
まだ評価の途中にある答案用紙を見るようでもあった。
真紀のために今日の空気温度を二度上げてあげたいと思ったが、残念ながら私にはその機能がない。
私にできることは、大抵、事態をより複雑にすることだけだ。
だから私は素直に立ち、珍しいことに、すぐには余計なことを言わなかった。
おそらくこれが、友情のために私が出せる最上級の貢献だ。
ヘートヴィヒは反対側に立ち、表情は相変わらず静かだったが、九島征玄を見る目が、さっきペンドルトン元帥を見たときよりも、もう少し注意深いように見えた。
無理もない。
帝国の尺度を背負う人間が、大型の軍工業集団の意思を左右できる老人と向き合えば、もう少し見るのは当然だ。これはもう単純な「貴賓接待」ではない。大きな構造同士が互いの顔を認識しているのだ。
私は中央に立って、今日のこの接待動線の含金量は危険なほど高いと思った。
今ここを上から見下ろしている人がいたとすれば、これは学校の開幕式ではなく、
文明規模の厄介ごとが順番に受付を済ませている光景に見えるだろう。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




