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臨界の星穹  作者: Mr.佐藤焫焵
臨界の星穹:月面都市コペルニクス
538/583

187.夜間巡邏  2

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

東側連絡通路を抜けた時、心の中のあの細い白い線はまだそこにあった。


結論ではない。

まだそこまでは至っていない。

せいぜい、ある予感の下書きのようなものだ。試験用紙の隅に答えを薄く書いておいたような、まだ丸をつける勇気はないけれど、自分の中ではおそらく合っているとわかっているような感覚ね。


前方は二階の空き教室エリアだわ。


東側のガラスが多すぎる連絡通路とは違い、この区間の嫌さはより素朴で、より古典的ね。長い廊下、整然と並んだ教室、ドアにはそれぞれ細い小窓がついている。昼間に見れば教師が巡視するのに便利なだけだけれど、真夜中に見ると、礼儀正しい目が一列に並んでいるように見える――口を開かず、瞬きもせず、ただお前が通り過ぎる時に影を少し切り取るだけの目が。


廊下の照明はすべて点いているわけではなかったわ。


一つ置きに点いていて、光の色は白っぽく、人情味がまったくない。両側の壁面とドア枠が明るい一区間と暗い一区間に交互に切り取られ、地面の光の帯まで誰かが定規で測って、わざとところどころ抜いたように見えたわ。もし私の隣に規律を骨に溶接した風紀委員長がいなければ、この場所はすでに、あまり健全でない想像力を育てるのに適した環境になっていただろうね。


「二階の空き教室エリア」

二階堂(にかいどう)・フレイヤが口を開いたわ。この種の廊下では彼女の声が特別に澄んで聞こえた。

「まず外側のドアの施錠を確認し、次に窓の掛け金を見ろ。先に教室内側の窓から照らすな」


私は眉を上げた。


「あんた、もしかして全校のドアにシリアルナンバーでもつけてるんじゃない?」


「一部の区域には、ある」


私は横を向いて彼女を見たわ。


「……今のは嫌みのつもりだったんだけど」


「わかっている」

二階堂は顔色一つ変えず前を歩いたわ。

「だが事実は嫌みによって無効にはならない」


この言葉は非常に二階堂らしかった。

腹立たしいほど完璧に。

そして腹立たしいことに、少しかっこいいのよ。


私は心の中で「彼女の話し方は掲示板が自ら口を生やしたみたいだわね」という評価をもう一度太字(ボールド)にし、手では彼女のペースに合わせて右側の教室のドアの施錠確認に移ったわ。


金属のドアノブは冷たかった。

冬の校舎というのはこういうものね。物体でさえ、熱意を装うのが面倒になっている。指が触れると、その冷たさが真っ直ぐ関節の中まで染み込んできて、今は深夜で、ここには誰もいなくて、どんなに普通のことでも時間が悪ければ普通に見えなくなるということを思い知らせてくれるのよ。


カチャ――。


とても小さな音だった。

私の手は止まらなかったけれど、視線はすでに音の方向をスキャンしていたわ。


私の側ではない。

二階堂の前方、少し左側、三番目の空き教室に近い場所。


音は非常に小さかったわ。

昼間なら誰も気にしない程度でしょうね。窓枠、ドアの掛け金、暖房管、プラスチックの板、あるいは冷気に収縮させられて存在を主張したくなった校舎のパーツの何かが出した音。要するに、説明のつく音だわ。


だけど、二階堂が止まったの。

ほんの半拍だけ。

本当に半拍よ。


東側連絡通路で一度見ていなければ、気づかなかったかもしれないわ。彼女は全身が固まったわけでも、大げさに振り返ったわけでもない。ただ次の一歩が着地する直前に、ほんのわずかだけ引いた。まるでブーツの底と地面の間に、目に見えない躊躇の薄い層が一瞬挟まったかのように。


それから彼女は懐中電灯を向けたわ。

光束が廊下のその薄い白い空気を切り開き、教室のドア板、細い小窓、ドアノブと枠を掠めて、最後に音がした場所でしっかりと止まった。


「教室内の材料が冷気で収縮した音だ」

と、彼女は言った。


速すぎたわ。

動作が速かったのではない。

説明が速すぎたのよ。


あの「カチャ」が鳴り終わるかどうかというタイミングで、彼女の心の中にはすでに答えが用意されていて、今すぐ外に出したくて仕方なかったかのように速かった。私を説得するためでもなく、マニュアルを完了させるためでもなく、どちらかといえば彼女自身が、あの一秒間の空白を容認できなくて、合理的な答えで即座に塞ぎ、そこから何かが生えてくる前に押し潰したかったかのように。


私はわざとゆっくりと自分の側のドアの確認を終え、すぐには何も言わなかったわ。


二階堂の懐中電灯はまだそこに向いていた。音が自分の存在についての書面説明を提出するのを待っているかのように。彼女の肩のラインは相変わらず真っ直ぐで、姿勢も崩れていない。だけど私は見たわ。彼女の右手の、懐中電灯を握っている虎口が、さっきより少し強く締まっているのを。


非常に細かい、亀裂が入る前に金属の表面に現れる、不自然な応力の線のように細かい。


「正常?」

私はついに口を開いた。


二階堂は振り返らなかったわ。


「正常だ」


「あんたのその『正常』、それに正常であることを命令しているように聞こえるんだけど」


「夜間の校舎の異音の大半は、温度差、材料の収縮、空気の流れによるものだ」


彼女は一秒黙ってから、光束を地面に戻したわ。


「大半」

と、私は繰り返した。


「ああ」


「じゃあ残りは?」


今度こそ彼女はようやく横を向いて私を見たわ。

光が彼女の顔の横を掠め、その顎のラインを鋭く削り出した。表情はまだ冷たかったわね。むしろさっきよりも少し冷たくなっていた。だけど、もしかしたら私の錯覚(さっかく)かもしれないけれど、まつ毛の下の影がわずかに深くなったように見えたのよ。まるで誰かが、あの美しく腹立たしい仮面の内側を、そっと軽く叩いたかのように。


「残りは未確認というだけだ」

二階堂は言った。


私は危うく笑い出しそうになったわ。

これはあまりにも彼女らしかった。


「わからない」とさえ言えない。彼女は「わからない」を「未確認」に包み直して、措辞が十分に冷静であれば未知は未知でなくなるかのように振る舞っているのだわ。


私はバインダーを腕に抱え、ゆっくりと彼女の横に歩み寄り、彼女が照らした方向を一通り視線で確認したわ。


空き教室。

施錠されている。

細い小窓の中は均一に暗い。

ドアの表示、掲示物、時間割、すべて静かに元の場所に貼られていたわ。昼間ここに座って居眠りをし、ノートを取り、小声で話していた生徒たちが、最初から存在しなかったかのように。


カチャ――。


また一声。

今度はさらに小さかったわ。

まるで中の何かが、非常に遠慮がちに少し動いたかのように。


私がまだ反応する前に、二階堂はすでに一歩前に出て、懐中電灯を再び向けていたのよ。動作はまだ安定していて、まだ正確。だけどその一歩の起こりが、あまりにも綺麗すぎたわ。巡回ではなく、警戒(クリアリング)のような綺麗さだった。彼女の肩と背中が非常に薄く張り詰めていた。ほとんど見えないほど薄く、だけどそれが「私は何かを防いでいる」という感覚を、かえってより明確にしていたわ。


「窓の掛け金だ」

と、彼女。


私は瞬きをしたわ。


「何が?」


「この教室の窓の掛け金が少し緩い」

彼女の話す速度が普段よりわずかに速かった。非常にわずかだったけれど、私には聞こえたわ。

「冷風が当たると枠が振動する」


「この教室の掛け金が緩いって、知ってたわけ?」


「先週の日番の記録に書いてあった」


……なるほどね。

さすが二階堂だわ。

校舎のどの窓が騒がしくなりやすいかまで記憶しているかもしれない風紀委員長ね。こういう人物設定が別の小説に出てきたら、作者は彼女に「学園秩序の白銀の守門人」のような大仰な二つ名を与えるでしょうけれど、私の目の前にいると、より実際的な感想を抱かせるわね。


この人の人生は、本当に疲れるでしょうね。

そして、彼女自身はおそらく疲れていると感じておらず、傍で見ている人間の方が先に息苦しくなるような疲れ。


私はそれ以上尋ねず、ただ横目で彼女を一瞥したわ。


二階堂はすでに元の状態に戻っていた。懐中電灯の光は再び地面に向けられ、肩のラインも彼女が習慣的に保っている真っ直ぐな角度に戻っている。さらにバインダーにも一筆書き足していたわ。字は安定していて、あの二度の異音など取るに足らないとでも言うかのようだった。


だけど私はもう、「取るに足らない」という綺麗事をあまり信じていなかったわ。

この場所に何かが本当にいると思っているからではない。二階堂が、理由もなく前触れもなく突然響く音に対して、反応が速すぎると感じ始めていたからよ。


彼女は単純に確認しているのではないわ。

奪い取っているのよ。

あの不確かな感覚が形になる前に、先に名前をつけ、先に分類し、先に「説明可能」という引き出しに押し込んでいるの。


私はふと、さっきの彼女のあの細かすぎる要求を思い出したわ。

窓に当てるな。風の音だと決めつけるな。二人同行で確認しろ。その場で記録しろ、後から補うな。


単純な細かさではなかった。

彼女はすべての物事に名前があり、理由があり、マニュアルがあって初めて、自分を安全な場所に置けるのだと、本当に必要としているのだわ。


私は彼女の横顔から視線を外し、うつむいて自分のバインダーに何かを書くフリをしたわ。実際には一文字も書かなかったけれど。

なぜなら、工学――じゃなくて、今の私の頭の中の方がずっとうるさかったからよ。


……面白い。

いや、違うわね。正確には――。

なるほど、そういうことか。


二階堂が怖がっているのは、おそらく暗闇そのものでも、校舎そのものでもない。

暗闇の中の、まだ名前をつけられていない何かが怖いのだわ。


だから彼女はこんなにも必死に、すべての一歩を規則にし、すべての言葉を定義にし、すべての音を合理性の中に押し込もうとしているのね。


その考えが心の中でしっかりと立ち上がった瞬間、私の口角が危うく勝手に動きそうになったわ。

私はすぐに押さえた。

今は笑う時ではない。悪知恵(プラン)を働かせる時でさえないわ。

今のところはせいぜい、私がようやく彼女のあの殻の縁に触れたということね。非常に薄く、だけど本当に。


「副会長」


私は即座に表情を引き締めたわ。


「何?」


「そっちの確認は終わったか?」


「終わったわよ」


「なら前に進め」


私は二階堂が向き直って次の空き教室へ向かう背中を見つめながら、廊下全体がさっきよりも少し面白くなったと感じたわ。


さらに前方は中央階段と器材エリアのあたり。

あの区間は空き教室の廊下よりもさらに感じが悪いわね。


東側連絡通路の嫌さがガラスが多すぎることにあり、一人の人間を無理やり二人に見せるとしたら。空き教室エリアの嫌さが音が空洞になりすぎることにあり、何かが少し響くだけで脳が補完したくなるとしたら。階段の曲がり角と器材エリア付近の嫌さはもっと単純だわ——視界が遮断されるのよ。


壁がそこにある。

曲がり角がそこにある。

通り過ぎる前に、向こう側が空なのか、モップなのか、清掃車なのか、あるいはただ視野の端に先に現れる黒い影の塊なのか、わからない。


そして私の隣にいるこの風紀委員長は、「通り過ぎてみないとわからない」という種類の空間に対して、表面上ほど平然としていないのだと、私はすでに気づいていたわ。


二階堂は前を歩き、足取りはまだ安定していた。少なくとも、安定しているように見えたわ。

懐中電灯の光束は依然として彼女のあの腹立たしい手順(マニュアル)に従っていた。先に地面、次に壁の角、次にドアの端、最後にゆっくりと光を前方の空間に送る。彼女は道を照らしているのではなく、廊下全体を確認可能で記録可能でアーカイブ可能な幾つかのブロックに分解し、制御不能の可能性を一つずつ回収しようとしているかのようだったわ。


私は彼女の半歩後ろについて歩きながら、その銀色の背中が青白い照明の下で前へ進むのを見ていたの。ふと、彼女は巡回しているのではなく、夜の悪魔祓いの儀式をしているのではないかという気がしたわ。ただし彼女が祓おうとしているのは幽霊ではなく、報告書にすぐ書けないすべてのものね。


階段口の前の照明は、さっきよりもまた一段暗かったわ。

器材エリアの方はさらにひどく、ドアの上に半死半生の壁灯が一つだけ残っていた。ついてはいるけれど、今にも辞表を出しそうな明るさだったわ。壁際には折り畳み式の警告標識、予備用の長い棒が二本、そして何に使うのかわからない一巻きのビニールシートが積んであったの。昼間なら雑物だけれど、深夜に見ると、学校が想像力に対して公然と挑戦しているように見えたわ。


二階堂が階段の曲がり角の前で止まった。


正確には、止まったのではないわ。

引いた、と言うべきでしょうね。


前に踏み出そうとしていたその一歩が、敷居の縁で極めて短く、極めて薄く、体の内側へと引き戻されたのよ。まるで誰かが彼女の足首に、彼女だけに見える糸を一本結んで、そっと引いたかのように、重心が半寸だけ後ろへ戻った。

今私がじっと見ていなければ、気づかなかったでしょうね。


「どうしたの?」

私はわざと平坦に尋ねたわ。


「前を照らせ」

二階堂は言った。

「器材エリアは死角が多い」


口調は普通だった。

さっきの一瞬など何もなかったかのように普通だったわ。


私は「ふうん」と言い、すぐには彼女の言う通りにせず、ただ自分の懐中電灯を少し低く向け、彼女があの角を先に処理(クリア)するのを見ていたの。


彼女は手を上げ、光をゆっくりと前方へ送ったわ。

光束が壁の角を越えようとしたその一秒前――


カラ――。


そこまで大きくない。

ビニールシートの端が冷風にめくれたような、あるいはモップの柄の立て掛けが不安定で壁に向かって少し擦れたような音。百パーセント説明できて、百パーセント怖くないはずの音だわ。


だが二階堂(にかいどう)・フレイヤの反応は、前の二回よりも明らかに大きかった。


彼女の呼吸が止まったわ。

本当に一瞬だけ。

錯覚と言えるほど短かった。


だけど私は彼女のすぐ隣に立っていて、その微かな空白を聞き取れる場所にいたのよ。それは普通の間でも、動作前の溜めでもない。脳がまだ追いつく前に、体が本能的に呼吸を半拍押さえたのだわ。


同時に、彼女の手の光も揺れた。

乱れてあちこちに飛んだのではなく、非常に小さく、非常に狭く、一寸だけ逸れたの。その逸れ方を他の人に見せれば「気にしすぎでしょ」と言われる程度でしょうね。だけど、お茶を飲むことすらマニュアルに従っているような二階堂のような人間に当てはめると、おかしい、過ぎている、そして――。


怖がっているように見えすぎたわ。


次の瞬間、彼女は自分を補正(クリア)したわ。

驚くほど速く。


光束が再び安定し、肩のラインが再び引き直され、呼吸すらさっきのあの不愉快なほど整った平坦さを取り戻した。もしたった今、私が確かにこの目で見ていなければ、あの一瞬は雪の夜の何らかの視覚的誤差だと思い込んでいただろうね。


「器材の布が動いた音だ」

二階堂は言ったわ。


前の二回よりもさらに速く、言葉と言葉の間にほとんど隙間がなかった。


「この区域は夜に通り抜ける風がある。壁際に積んだものが擦れる音が出やすい。異常ではない」


私はその場に立ち、危うく吹き出しそうになったのよ。

声を出した笑いじゃないわ。

口角が勝手に動きそうになる、あの笑い。


ここまで来ると、もう明白だったわね。

彼女は怖くないのではない。

ただ、恐怖(バグ)が発生するたびに、その瞬間にラベルを貼り、スタンプを押し、アーカイブし、ついでに二百字の合理的な説明を添付して、『たった今のあれ』をその場で消毒(消去)しているだけなのだわ。


私はゆっくりと二歩近づき、彼女の光に沿って器材エリアの方を見たわ。

案の定、あのビニールシートの端が一角だけ緩んでいて、どこかから入り込んだ冷風に軽くめくられていたのよ。端が時折隣の棒に擦れ、あの、人を煩わせるくせに人を混乱させる細い音を出していたわ。


合理的。

正常。

大したことはない――。


だけど今の私が気にしているのは、もうその音自体ではなかったのよ。


「あんた、さっき止まったわね」

私は言った。


二階堂は私を見なかったわ。


「止まっていない」


「止まったわよ」

私は穏やかに訂正した。

「半拍ね」


彼女はようやく横を向いて私を見たわ。

冷たい光が彼女のまつ毛の下を掠め、鼻先のあの外気に凍らされた淡い赤みはまだそこにあり、今の彼女の過剰に抑制された表情をかえって人間らしく見せていたわ。美しいことに変わりはなく、腹立たしいことにも変わりはない。ただ私は今、その腹立たしさの下にはまた別の何かが敷かれているとわかっていたのよ。


「副会長」

二階堂は言った。

「お前が慎重さを停止と誤読するなら、それはお前の問題だ」


「ふうん」

私は頷いた。

「じゃあ、さっき懐中電灯が揺れたのも、慎重さの一部かしら?」


彼女は黙ったわ。

たった一秒だけ。

一秒あれば十分だった。


なぜなら二階堂のような人間は、普段の沈黙にすらフォーマットがある。今のこの短い空白は、それ自体が答えだったのよ。


それから彼女は口を開いたわ。


「夜間の移動には、修正の余地を残しておくのが当然だ」


この言葉が出た瞬間、私は確信したわ。

七割でも八割でもない、確信(ロックオン)よ。


東側連絡通路では、ただ彼女がガラスに映る影を好まないと感じた。空き教室エリアでは、理由のない細かい音への反応が速すぎると感じ始めた。そして今、中央階段の曲がり角と器材エリアというこの、視界が遮断されて音が先に来やすいデッドコーナーで、私はついにその一瞬を直接目撃したわ――。


彼女は危険を防いでいるのではない。

危険かどうかわからないものを防いでいるのだわ。


つまり、二階堂は肝が小さいのではないの。

ただ、あの種のものが怖いのよ。


暗闇の中の、まだ名前をつけられていない何かが怖い。

曲がり角の向こうに先に来るのが音である状況が怖い。

ガラスの中に突然増える不確かな輪郭が怖い。

手順と記録と理性と規則(ルール)によってまだ平らにされていない、すべての空白が怖いのだわ。


そして彼女が普段、あんなにも真っ直ぐに、あんなにも正確に、あんなにも呼吸する校則のように生きているのは、単に他人を管理するためだけではない。

むしろ――。

まず自分自身を溶接してしまわなければ、そういう不確定要素(イレギュラー)が隙間から入り込んでくるからだわ。


私は彼女を見ていて、今夜の前半ずっと胃の底に絡みついていた苛立ちが、ほんの一部だけ形を変えたと感じたのよ。

消えたのではないわ。

少し面白くなったの。


「副会長」

二階堂の声がまた半度冷たくなったわ。


「そこにいつまで立っているつもりだ?」


私は瞬きをして、自分がかなり露骨に彼女を見ていたことに気づいたわ。

だから私は非常に協力的に視線を外し、ついでに器材エリアのドアの表示を照らし、さっきはただ雑物の状況を精査していただけだという顔を作ったのよ。


「ちょっと確認したかっただけよ」

私は言った。

「ここも、あんたの『夜間巡回マニュアル』に書いてある【誤判しやすい区域】に入るのかどうか、ね」


「入る」

彼女はすぐに答えたわ。


「やっぱり書いてたのね」


「必要だからだ」


「あんたの人生、本当に疲れるでしょうね」


二階堂は眉をひそめたわ。

その表情は非常に淡く、この言葉を返答可能な範囲に入れるかどうかを自分でもよくわかっていないようだった。最後に彼女はただ光束を前方に戻し、口調をあの歯の浮くほど整った平坦さに戻したわ。


「余計なことを言わずに、前に進め」


「御意(ぎょい)、風紀委員長殿」


私は後についていきながら、気分はさっきとまったく違っていたわ。

さっきは、ただ苛立っていた。

今は――わかったのよ。


彼女のあの一晩中の立哨も、あの過剰に細かいマニュアルも、お茶すらまともに飲ませない勤務の論理も、パーソナリティ障害の華麗な展示だけではないとわかったわ。その中の一部は、本当に自分自身を守るための防具(シェル)なのだわ。


なるほどね。

この生きた校則にも、隙がないわけではなかった。

殻がないわけでもなかった。

最初からあんなに硬かったわけでもなかったのよ。


ただ、殻をあまりにも完璧に作りすぎて、彼女自身もそれが本来の自分の姿だと信じ込みそうになっているだけ。

そして私は――。

おそらくこの瞬間から、その殻そのものに対して興味を持ち始めてしまっていたわ。


高尚な興味ではないわね。

どちらかといえば、非常に星野シモらしい、意地の悪さの一歩手前の静かな好奇心(プラン)だわ。


軽く叩いてみたら、どうなるかしら?


この考えが浮かんだ瞬間、私は心の中でまず「クソ」と毒突いたわ。

最悪ね。

どうやら今夜、本当に風紀に矯正される必要があるのは、最初から最後まで私の方だったらしいわ。

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