186.規律の化身 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
ヘートヴィヒと山田君を見送った後、私は当直室に入った。
暖房はまだついていたが、さっきの「暖かすぎると人体の感覚が鈍る」という一言で洗礼を受けたせいで、空間全体が温風ごと罪を帯びているように感じられたわ。机の上には案の定、薄い冊子が置かれており、表紙には非常に端正な字でこう書かれていた――。
《夜間巡回マニュアル》
私はその文字を二秒ほど見つめた。
「……本当に、警備ロボットの導入を検討しないのかしら」
私は愚痴をこぼしながら、そのマニュアルを開いた。
二十二時〇〇分 正門閉鎖。
二十二時一〇分 当直室内設備の確認。
二十二時三〇分 外周の第一回目視巡回。
二十三時〇〇分 主要校舎エリアの消灯および施錠確認。
二十三時三〇分 第一回正式巡回用備品の整備。
〇時〇〇分 第一回巡回開始。
最初は、当直を軍校の夜間演習のように書いていると嘲笑してやろうと思っていた。だけど読み進めるうちに、このマニュアルの恐ろしいところは、その厳格さにあるのではなく、それが実際に極めて有用である点だと気づいたわ。
「マジ……?」
次のページをめくり、付属の図を見た時、私は危うく吹き出しそうになった。
「この学校の外周って、何ブロック分もあるでしょ」
広げられたキャンパスマップには、地方自治体でさえ描けないかもしれないほど完全な都市開発計画が、びっしりと描き込まれていた。
全校区の総面積は二百二十五平方キロメートル。二つのプール、寮エリア、グラウンド、艦橋シミュレーター施設を含み、さらには学生がいつでも艦艇の操作を練習できるよう、二つの宇宙港まで模造されている。それに加えて、射撃場、工場、整備棟、そして普段使わなければ存在すら忘れてしまうような付属施設の数々。
私は自分の膝のためにあらかじめ黙祷を捧げようとしたけれど、地図の上に赤ペンで非常に実務的に小さな円が描かれ、その横に二文字が注記されているのを見つけたわ。
【主要校舎エリア】
巡回するのは主要校舎エリアだけ。
私は神様がまだ慈悲深いと感じたわ。
少なくとも、今夜私の膝を奪うつもりはないらしい。
コン、コン。
ノックの音はとても軽く、礼儀正しいと言えるほどだった。
私は顔を上げた。
銀色の長い髪、殺気を漂わせた二階堂・フレイヤが当直室の外に立っていたわ。左手には記録板を持ち、右手には黒い手袋をはめている。校舎の外灯が彼女の輪郭を冷たく照らし出し、髪の毛の一本一本までが刃のように鋭く見えた。黙っている時の彼女は、実はかなり美しい――ただし、彼女がたった今、日番の二人を雪の中で立たせていたことを忘れられればの話だけれど。
よし。
神様はそこまで慈悲深くなかったようね。
私はマニュアルを閉じ、顎をしゃくった。
「入りなさいよ。外の方が人体を覚醒させるんじゃないの?」
二階堂は中に入り、それに伴って冷たい空気の塊を室内に引き入れた。彼女はまず私を一瞥し、次に机の上のマニュアルを見て、表情には余計な波一つ立てなかったわ。
「読んだか?」
「あんたのおかげでね」
私はその冊子を軽く叩いた。
「手が込んでるわ。次は小テストでも付けたらどう? そうすれば当直が終わった後、ついでに感想文まで提出できる」
二階堂はその皮肉をまったく意に介さなかった。
「必要なら、用意するが」
私は半秒黙った。
……この人は本当に、他人の冗談をそのまま実施計画に組み込むのに向いているわね。
「結構よ」
私は言った。
「人間としての自由を少しは残しておきたいから」
彼女はバインダーを机の上に置き、姿勢は相変わらず直立不動だった。
「自由は、散漫とイコールではない」
「私も散漫が自由とイコールだとは言っていないわ」
「だが、お前はよくその二つを混同している」
私は彼女を睨んだ。
彼女も私を見たわ。
当直室の暖房が私たちの間で音を立てて吹き出していたけれど、その熱は奇妙なことに、ある場所にはどうしても入り込まなかった。例えば彼女の口調。例えば私のこめかみ。
時々、私は二階堂に感心する。
彼女は、机を叩きたくなるほど人を怒らせるタイプの相手ではない。どちらかといえば、普通の会話を薄くスライスし、それを一枚一枚非常に几帳面に目の前に並べ、相手に「ああ、私は今見下されているんだな」と自覚させるタイプ。
椅子を引き寄せて座る。
「よし、じゃあ風紀委員長、ストーブが人体の感覚を鈍らせるという管理リスクについて、先に説明してもらえないかしら?」
「管理リスクではない、勤務上のリスクだ」
二階堂は極めて迅速に答えた。
「暖かい環境から直接低温の区域に出ると、知覚に短時間のズレが生じる。夜番で一番恐ろしいのは、反応が半テンポ遅れることだ」
「だからヘートヴィヒと山田君を外で凍えさせていたわけ?」
「外部の温度に早めに順応させていただけだ」
……何かのカルト教団みたいね。
私は手を上げて眉間を揉んだ。
「二階堂、あんたもし風紀委員長を辞めて、規律サマーキャンプでも開いたら、結構成功すると思うわよ」
彼女は私の皮肉に気づかなかったのか、あるいは気づいていても相手にする価値がないと思ったのか、ただ傍らから別の表を引き出し、私の前に押しやったわ。
「これが今夜の巡回記録のフォーマットだ」
うつむいてそれを見、私は危うく吹き出しそうになった。
フォーマットの項目が異常に細かい。
時間、地点、照明状況、施錠確認、異常音の有無、積雪によるスリップの危険性、窓枠とセンサーの状態、訪問者の残留物の有無、備考。
備考欄に至っては、さらに半分に分割されていた。
「備考まで報告書みたいに書かせるつもり?」
「事後の記憶の誤差を防ぐためだ」
「私たちはただの夜番よ。校史館のために戦地記録を残してるわけじゃないわ」
「ただの夜番だからこそ、気が緩みやすいのだ」
その言葉を言う時、彼女の視線は私の顔に落ちていた。非常に平坦で、非常に安定している。それは挑発ではなく、敵意とさえ呼べないものだった。どちらかといえば、ある種の冷ややかな信頼に近い――私が監視されていなければ、手順を個人的な散歩コースに変えてしまうだろうと、彼女は完全に信じているのだ。
一番腹立たしいのは、彼女の推測が間違っていないことね。
椅子の背もたれに寄りかかり、長く息を吐き出した。
「わかったわ。じゃあお伺いするけれど、風紀委員長、今夜は他に何か追加の訓示はあるかしら?」
二階堂は本当に考えているようだった。
数秒後、彼女は口を開いた。
「ある」
私は自分の呼吸にむせそうになったわ。
「第一に、勤務中は私物の飲み物を記録板のそばに置くことを推奨しない。紙を濡らす恐れがある。第二に、懐中電灯でガラスを直接照らさないこと。二重映りが発生する。第三に、廊下の曲がり角では前を見る前に地面を確認すること。冬は滑りやすい。第四に――」
「ストップ」
私は手を上げて制止した。
「もう十分よ。これ以上聞かされたら、あんたが夜番を私個人の品性矯正プログラムだと思ってるんじゃないかと疑い始めるわ」
彼女は私を見て、なんとわずかに眉をひそめたわ。
「私にそのような個人的な動機はない」
私はその言葉に言葉を詰まらせた。
それが重いからではない。直球すぎるからだ。
峰打ちで額を叩かれたようなもの。血は出ないけれど、その素っ気なさに無性に腹が立つ。
私は目を細めた。
「つまり、私がさっき標的にされていると感じたなら、それは私の自意識過剰だってこと?」
「正常な注意事項を標的と受け取るなら、問題は注意事項にはない」
……よし、素晴らしいわね。
私は今、なぜ人が、大真面目な人間を前にすると、突然非常に幼稚で、低次元で、しかし異常に強烈な悪意を抱くのかを正式に理解したわ。
彼女が正しすぎるから。
まるで校則が自ら足を生やし、私の前で呼吸しているかのようだ。
だけどさらに忌々しいことに、この校則は顔立ちが良い。
二階堂の銀色の長い髪は今日、とてもきっちりと束ねられており、額の前に数筋の後れ毛が落ちているだけだった。窓の外から差し込む冷たい光に照らされると、彼女全体が雪を帯びた刃の縁のように見えたわ。
彼女の顎のラインはもともとシャープだけれど、表情が冷たくなると、さらに近づきがたく見える。だけど外が寒すぎるせいで、彼女の鼻先と耳の根元はごく薄い赤に染まっており、その鋭さに無理やり生きた人間の証明を少しだけ付け加えていた。
二秒ほど見つめて、ようやく自分が長く見すぎていることに気づいたわ。
私は即座にうつむき、マニュアルをめくった。
時間が経つのが遅かった。
一般的な「当直は少し退屈だ」という遅さではなく、誰かがこっそり時間のバルブをきつく締め、一分ごとに少しずつしか滴り落ちないようにしたかのような、人を苛立たせる遅さね。当直室では暖房が吹き出しているけれど、窓の外の雪はずっと止まず、警備室全体が相容れない二つの気候の間に挟まれているようだったわ。そして二階堂本人は、第三のさらに理不尽な天災そのものだった。
校門を閉めるまでの数時間を耐え忍ぶ間、二階堂が実際に行った動作は三つしかなかったわ。
一つ目は、零下五度の外で、バインダーを持ち、微動だにせず立つこと。
比喩ではないのよ。
本当に、微動だにしなかった。
校門のそばに立つ彼女の姿は、もはや「勤務」ではなく、寒風の中に立てられた規律の標本のようだったわ。銀色の長い髪は整然と束ねられ、肩のラインは真っ直ぐで、視線は平坦。呼吸すら自ら統制しているかのようだった。雪が落ち、彼女の肩に積もり、髪に積もっても、二階堂は手を上げて払うことすら面倒だというように、自分が寒さを認めない限り、低温は無効だとでも言わんばかりだったわ。
私は最初、ガラス越しに数分間観察し、この人間がいつ人間の本能によって少しでも動くのかを見極めようとした。
結果は、動かなかった。
彼女はまるで、学校が「冬季の勤務は怠ってはならない」と啓発するために特注した人型看板のように立っていたわ。
二つ目の動作は、当直室に入り、熱いお茶を一口飲むこと。
本当に、一口だけ。
最大でも十分を超えない。
彼女はあるタイミングでドアを押し開け、室外の冷気を少し引き連れて入ってくると、片方の手袋を外し、机の上の湯飲みを手に取り、静かに一口飲む。豪快に飲むわけでもなく、暖を取るわけでもなく、「ようやく助かった」というような気の抜けた飲み方でもない。それはどちらかといえば――何というか――機体の基本稼働を維持するための必須の補液プログラムを完了させているかのようだったわ。
飲み終えると、彼女は湯飲みを戻す。底が机に触れる音すら大きくない。そして再び手袋をはめ、向き直り、また外へ立ちに行くのよ。
終始一貫して平静で、節制されており、腹立たしいほど正確だったわ。
私は椅子の背もたれに寄りかかり、その背中を見つめながら、一つのことだけを考えていた。
もしこの人がいつか極地勤務に送られたら、まずは氷原に風向記録を記入するよう要求するかもしれない、と。
三つ目の動作は、たまにトイレに行くこと。
しかも、必ず五分以内に戻ってくる。
私はわざと彼女のトイレの時間を計っていたわけではないわ。本当に違う。
問題は、ある人間の行動パターンが一晩中、病的なまでに規則正しいと、どんな微細な逸脱も事件のように見えてしまうことね。二階堂は当直室を出るたびに、まずバインダーを机の定位置に置き、ペンを右上に載せる。自分がトイレに行くことすら勤務の秩序を乱すのではないかと恐れているかのようだわ。 green――じゃなくて、戻ってきた時、マフラーの垂れ下がる角度すら変わっていないように見えた。
私は二回見て、三回目はもう見なかった。
なぜなら、こんなことまでこれほど詳細に観察している私自身も、すでにおかしくなっているのではないかと突然思ったから。
正直なところ、二階堂の人生はとても疲れるだろうと思うわ。
忙しいという疲れではない。
生きているだけで、自動的にすべての物事を条令の付属文書にしてしまうような疲れ。他の人が校門に立っている時は、当直をしている。彼女が校門に立っている時は、「気を抜いてはならない」という四文字と終身契約を結んでいるかのようだわ。他の人が熱いお茶を飲む時は、暖を取っている。彼女が熱いお茶を飲む時は、人体の最低限の維持原理に基づき、十ミリリットルの文明を摂取することに同意しているかのよう。他の人がトイレに行く時は、生理的欲求。彼女がトイレに行く時は、ついでに心の中で巡回ルートを再構築しているのではないかと疑わせる。
一瞬、私は非常に短く、非常に不必要な同情すら抱いたわ。
ほんの少しだけ。
それ以上は、今日彼女に雪の中で立たされたヘートヴィヒと山田君に申し訳ない。
最終的に、ようやく校門を閉める時間まで耐え抜いた。
私はてっきり、正門が閉まれば、今夜少なくとも一つの事柄は人類に優しい方向へ進むと思っていたわ。ところが、二階堂は門を閉める動作すら、他の誰よりも公務らしくやってのけたのよ。彼女は錠を確認し、鉄の門を引き、ラッチを点検し、最後にバインダーにペンで一行書き込む。その一連の動作は、低予算の軍事演習のように無駄がなかった。制服に肩章がついていれば、私が一つ付けてやりたいくらいだったわ。
施錠が終わると、彼女は向き直って当直室に入り、一枚のカードを私の前に置いた。
「星野シモ」
彼女は言った。
「引き出しにしまえ。今日は外周の巡回は不要だ」
私はただ気怠げに目を上げていたけれど、後半の言葉を聞いて、即座に半分目が覚めたわ。
「なんで?」
私の直感が告げていた。絶対に、二階堂が突然良心に目覚め、民情を思いやることにしたわけではない、と。この人はたとえ本当に思いやったとしても、その思いやりを正式な通知書にし、三つの補足説明と受領書を添付するような人間なのだから。
「さっき門の前に立っていた時、巡回中の憲兵隊に会った」
彼女の口調は非常に平坦で、すでに押印された公文書を読み上げているかのようだった。
「憲兵大隊が今夜この付近を外回りしている。だから学校側の当直職員は、同じ範囲の外周確認を重複して行う必要はない」
私は眉を上げた。
「そんなに都合よく?」
「すでに教務課に状況を報告済みだ」
「そりゃあ素――」
私の「素晴らしい」が半分出かかったところで、二階堂は無表情に次の一刀を補足した。
「したがって、〇時からの巡回は、校内巡回に変更する」
私は二秒黙った。
それから顔を上げて彼女を見たわ。
「二階堂」
私は目を細めた。
「あんた、もしかして私に嫌がらせをしてるの?」
彼女は両腕を胸の前で組んだ。
この動作は、他の人がやればただの警戒かもしれない。だけど彼女がやると、「私は今、正式に規律そのものを代表して発言している」という雰囲気を帯びるのよ。
「星野シモ」
彼女は私を見た。
「お前が正しく振る舞っているなら、私が嫌がらせをしているとは感じないはずだ」
……この人は本当に嫌な奴ね。
その場でちゃぶ台をひっくり返したくなるような嫌さではない。それは低レベルすぎるわ。
二階堂の嫌なところは、明らかに挑発のように聞こえる言葉を、何らかの客観的な陳述のように言えること。まるで、私が不愉快になったとしたら、それは彼女に問題があるからではなく、私にやましいところがあるからだと言わんばかりだわ。
この言い方が一番腹立たしい。なぜなら、見事な反撃の角度すら残してくれず、ただ沈黙の中で考えれば考えるほど腹が立ち、腹が立てば立つほど、何か未熟なことをしたくなるから。
私はうつむいてマニュアルをめくり、冷たい文字の羅列に無理やり視線を戻したわ。
落ち着きなさい、星野シモ。
まだ嫌がらせをする時じゃない。
少なくとも表面上は。
「……とにかく」
私は咳払いをした。
「〇時まであとどれくらいあるの?」
「三十七分」
彼女は、私が聞くのを最初から待っていたかのように速く答えた。
「それまでは、まず何をするの?」
「第一回巡回ルートの再確認、装備の点検、当直室内部の記録の完了。二十三時五十分に出発し、最初の地点へ向かう」
「二十三時五十分?」
私は顔を上げた。
「〇時ちょうどから第一回の巡回じゃないの?」
「事前に配置につく。〇時に第一地点から開始する」
私は黙ったわ。
この人はもはや、時間を守るというレベルではない。
時間を守るためにさらに十分前借りして、規定より早ければ早いほど道徳的に他人より半階上に立てるかのように振る舞っているのよ。
しかも、彼女はパフォーマンスでやっているわけではない。
本気なのだわ。
私は突然、朝のヘートヴィヒがなぜあんな降伏めいた苦笑を浮かべていたのか、山田君がなぜ魂を吐き出しそうな顔をしていたのか理解した。こういう人間と一緒に仕事をする最大のプレッシャーは、怒られることではない。物事はここまで完璧に、規則正しく、言い訳の余地なくできるものだという事実を、常に見せつけられ続けることね。
そして私は、事実で口を塞がれるのが一番嫌いなの。
「わかったわよ」
私は机の脇から立ち上がり、ついでに懐中電灯とバインダーを手に取った。
二階堂の視線が即座に飛んでくる。
「お前のマフラー」
私はうつむいて見て、自分がさっき面倒くさがって適当に一巻きしただけで、端が机の角に届きそうになっていることに気づいたわ。
「これでも駄目なわけ?」
「巡回時、ドアノブや手すりに引っかかりやすい」
「マフラーまで管理するの?」
「勤務に影響する部分だけを管理している」
私は危うく笑いそうになった。
「じゃあ、あんたの仕事量は膨大ね。私という人間そのものが、勤務に大いに影響するんだから」
彼女は私を一瞥した。
その一瞥はとても短かったわ。
錯覚として片付けられるほど短かったけれど、それでも私はその中に、ごく淡い、苛立ちと呼べるかどうかわからない感情を見た気がした。
「わかっている」
私は一瞬、言葉を返せなかった。
その答えがあまりにもあっさりしていて、逆に私が用意していた次の言葉を塞いでしまったのよ。
当直室の中は数秒間静まり返り、暖房の稼働音と、窓の外を時折擦る風の音だけが残った。雪がガラスに当たる音はとても軽く、遠くで誰かが薄い紙の束をめくっているかのようだったわ。こういう夜の校舎は、ひどく広く空虚で、撤退――じゃなくて、ひどく静か。どんな些細な音も、普段よりずっと大きく聞こえるのよ。
私はマフラーを巻き直した。
指が首の後ろに触れた時、少し冷たく、その冷たさで私はさらに少し頭が冴えたわ。二階堂は向かいに立ち、うつむいてバインダーの表をチェックしている。まつ毛の落とす影はとても淡く、だけど鼻先のあの赤みはまだ残っていた。彼女の指は長く、黒い手袋をはめており、ページをめくる動作は軽いが、名状しがたい手際の良さがあったわ。
正直なところ、風紀委員長という役職が彼女に落ちたのは、まるで制服がついに自分のために復讐してくれる人間を見つけたかのようだわね。
「副会長」
彼女が突然、私を呼んだ。
「何?」
「お前はさっき地図を見た時、赤い丸の横の備考を最後まで読まなかったな」
私は呆気にとられ、即座にそのページを開き直したわ。
赤い丸の横には 【主要校舎エリア】という字の他に、その下にもう一行、さらに小さな字があったのよ。
《東側連絡通路は夜間、反射が激しいため、二人同行で確認すること》
私はそれを読み終え、顔を上げて彼女を見たわ。
「私が読まなかったって、どうしてわかったの?」
「お前の表情に、安堵しかなかったからだ。その後の苛立ちがなかった」
……私は今、本気でこの人を思想監察局へ尋問官として送り出してやりたい気分よ。
他人が書類を読んだ時の表情から、どの層の感情が欠けているかまで掴み取れるなんて、これはもはや規律感ではないわ。ある種の不快な観察力ね。
私はマニュアルを閉じたわ。
「わかったわよ。二人同行。他には?」
「ある」
「……本当に多いわね」
「第一回巡回を開始する前、先入観でいかなる異常も風の音や設備の老朽化だと決めつけないこと。冬の校舎は音が反響しやすいが、だからといって毎回直接無視していいわけではない」
彼女は私の愚痴を無視し、平静に言ったわ。ただの周到な補足説明をしているかのように。
だけどなぜか、それを聞いた後、私の心はごく軽く動いたのよ。
恐怖でも、後ろめたさでもない。
どちらかといえば、とても細い針が、脳の中で静かに半周回ったような感じね。
冬の校舎は音が反響しやすい。
だからといって、毎回直接無視していいわけではない――。
私はその言葉を脳に収めながら、無表情に考えたわ。
なるほどね。
どうりでこの場所が、こんなにも幽霊が出そうに見えるわけだわ。
私はその考えを押し殺し、何も考えていないフリをしたわ。
窓の外の雪はまだ降り続き、時計の長針はゆっくりと上へ向かっていた。当直室の中では、暖房が依然として一生懸命に吹き出していたけれど、今夜の空気の中にある、二階堂の規律によって一寸一寸締め付けられていくような感覚を変えることはできなかったわ。
彼女がプロセスを主導し、時間を主導し、沈黙でさえ用途を持たなければならないというリズムを主導している。彼女と同じ部屋にいると、自分のどんな些細な散漫さも、白黒はっきりと引き伸ばされて壁に掛けられているかのように、はっきりと意識させられるのよ。
そして私は、この感覚が一番嫌い。
そして一番得意なのは、嫌悪がある程度に達した後、非常に高尚とは言えない悪知恵を働かせ始めることだわ。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




