179.身元引受人 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
生徒会のオフィスに足を踏み入れた途端、私を迎えたのは思いがけない拍手だった。
しかも、二、三回適当に手を叩くような、組織が生還者の帰還に対する最低限の祝意を示すようなものではない。ジェスが一人で全力で叩き出す拍手だった。
パン、パン、パン、パン、パン――
私が前線から凱旋帰国した連邦の英雄で、次の瞬間には誰かが私に勲章を授与し、追悼の辞を読み上げ、ついでに昨夜の七人のクズどもの医療費の請求書を私の手に握らせて、「これからは少し自重しろ」とでも言われそうなほどの力強さだ。
「ストップ」
私はドアを閉めた。額の傷がまだ微かに痛み、昨夜警察署で調書を取られた時よりも虚無感に満ちた声が出た。
「馬鹿騒ぎはよせ。今日はやることが山積みなんだ」 「でも超かっこいいじゃん!」
ジェスはソファの肘掛けに座り、手を叩きながら笑った。昨夜警察署に放り込まれたのが私ではなく彼女自身であるかのような興奮ぶりだ。
「一対七だよ、副会長。今のあんた、マジでうちの二十二番地の都市伝説のアップグレード版だよ」 「私は都市伝説じゃなくて、合法的な居住者でありたいんだがな」 「遅いな」
Dがソファに寄りかかり、腕を組んで私を見た。野次馬根性丸出しの堂々とした口調だ。
「星野、昨日は本当に私を連れて行くべきだったな」
私はDの隠しきれない逞しい体格を見て、そして「もし昨夜私がその場にいたら、事態は今の校務報告書に書けないレベルになっていた」と顔に書いてあるのを見て、その場ですごく正直な判断を下した。
「お前が行ったら、乱闘じゃ済まない」私は鞄を机の上に置いた。「刑事事件だ」
Dは眉をひそめた。
「随分と見くびられたもんだな?」 「見くびってるんじゃない。現実がよく見えてるだけだ」私は言った。「私が昨夜七人殴ったのは、せいぜい過剰防衛だ。お前が行ってたら、ジェスは裁判所の外でお前のために花輪を買う羽目になってたぞ」
ジェスがすかさず言葉を継いだ。
「Dなら直接ドア板を外して、あいつらを一人ずつ墓穴に叩き込んでたかもね」
Dは意外にも真面目に考え込んだ。
「ドア板は持ちにくい」彼女は言った。「バス停の標識の方がしっくりくる」
私は二秒沈黙した。
「……お前ら、自分がなんで風紀委員会から特別に目をつけられてるのか、本当に反省したことあるか?」
ハーヴィーは反対側に座っていた。私が部屋に入ってから今まで口数は少なかったが、視線だけは私の顔のガーゼにしっかりと留まり、それから淡々と口を開いた。
「傷は深くない。運が良かったな」
「ありがとう、本当に慰め上手だな」
「慰めているわけじゃない」ハーヴィーは言った。「お前が昨夜、まだ十分に不運ではなかったという事実を述べているだけだ」
「今の言い方、さらに最悪になったぞ」
ロイは机の横に座って請求書の整理をしていたが、ここに至ってようやく顔を上げ、私を一瞥した。彼の表情は平坦だった。
生徒会のメンバーが遅かれ早かれ何らかの形で一度は警察の世話になることを、すでに受け入れている男性財務担当者の平坦さだ。
「少なくとも顔は無事だ」ロイは言った。
「おめでとう。もし本当に顔に傷が残っていたら、その後の医療費や心理的損失の見積もりが非常に面倒なことになっていた」
「なんで私が顔に傷を負う寸前だったことが、予算の問題に変換されてるんだ?」
「俺が財務担当だからだ。他に理由があるか?」ロイはペンをくるりと回し、顔色一つ変えずに言った。
「それに、これは医療費だけの問題じゃない。お前が普段その顔を盾にして虎の威を借る狐をやっている無形資産も、計算に入れないといけない」
私は机の上のファイルを投げつけそうになった。
「誰が顔を盾にして虎の威を借る狐をやってるって?」
蘭がちょうど横から温かい飲み物を私の手元に置き、ついでに私の顔のガーゼを一瞥した。
「まずは飲みな」彼女は言った。「それと、ロイの言い方はきついが、方向性は間違ってない。傷跡が残ったら、その後の処理が確実に面倒になる」
「ほら見ろ、総務の方がお前よりよっぽど人間ができてる」
「蘭は帳簿をつける担当じゃないからな」ロイが言った。 「お前は今日、自分の人間関係を全部減価償却するつもりか?」
「俺の償却はとっくに終わってる」
私が言い返そうとした時、ジェスがソファから飛び降りて私のそばに寄ってきた。彼女は顔のガーゼを二秒ほど見つめ、とても真剣に眉をひそめた。
「でも、真面目な話」彼女は言った。「本当に傷跡が残ったらどうするの?」
オフィスが一瞬、静まり返った。
その言葉自体は、どうということもない。普通の人間なら、傷口を見て最初に思うのは大抵そういうことだ。
だが問題は―― ドアの向こう側から、ちょうどその時、極めて軽い足音が止まる気配がしたことだ。
ノックではない。 声でもない。
ただ本当に軽く、中に入ろうとしていた誰かが、ある言葉を聞いて無理やり足を止めたような、そんな気配だった。
私はほとんど本能的に振り返った。
ドアは完全に閉まっておらず、一筋の隙間が空いていた。そしてその隙間の向こうに、まず見えたのは銀白色の髪だった。
ヘートヴィヒ。
彼女はドアの外に立ち、手には何か書類のようなものを持っていた。本来なら中に入ってくるつもりだったのだろう。だが今の彼女はただそこに立ち尽くし、ほとんど硬直しているかのように静かだった。
いつも完璧に整っているその顔が、今は珍しく一瞬だけ空白になっていた。まるで「傷跡」や「顔の傷」という言葉が、昨夜のあのナイフと彼女の脳内で結びつき、彼女がずっと直視すまいと耐えてきた何かを一気に暴き出してしまったかのように。
まずい。
私が心の中でそう思った瞬間、ヘートヴィヒは素早く視線を逸らし、背を向けて立ち去ろうとした。
いつもの弁えた去り方ではない。 あれは、逃亡だ。
私は考えるよりも先に、手にしたばかりの温かい飲み物を机に押し戻した。
「くそっ」
ジェスが瞬きをした。
「え? どうしたの?」 「お前ら、今の口、今日はとりあえず塞いでおけ」
私はその言葉を投げ捨て、すでに廊下へ飛び出していた。
後ろからジェスの「私、また何か不味いこと言った?」という小さな声と、ロイのいかにもロイらしい「『何か不味いこと』じゃない。お前は今、見事に急所を撃ち抜いたんだ」という返答が聞こえた。
残念ながら、今の私には振り返って彼女たちを怒鳴りつけている暇はない。
ヘートヴィヒの歩く速度はそれほど速くはないが、遅くもない。彼女のような人間は、内心どれほど混乱していても、表面上はペースを保っているように見える。それが厄介なのだ。彼女がただ冷静になるために場所を変えたいだけなのか、それとも本当に目の前の全員から自分を切り離そうとしているのか、一瞬区別がつかなくなるからだ。
私は廊下を追いかけ、角を曲がる手前でようやく追いついた。
「ヘートヴィヒ!」
彼女は足を止めたが、振り返らなかった。
私の中で怒りと苛立ちが同時に込み上げ、数歩で距離を詰めると、ほとんど本能的に手を伸ばして―― 本当は彼女の手首を掴むつもりだった。
だが指先が触れる寸前、私の脳裏に昨夜彼女の手首につけられていた赤い痣が猛烈な勢いでフラッシュバックした。
私は無理やり軌道を逸らし、最終的に彼女のコートの袖口の少し上、肘に近いあたりを掴んだ。
ごく軽く。 それでも、初めてだった。
彼女に本当に触れたのは、これが初めてだ。
ヘートヴィヒはその感触に縫い止められたように立ち尽くし、やがてゆっくりと振り返った。彼女は私が掴んでいる袖口を見て、それから私を見た。その目はとても静かだったが、あまりにも静かすぎて、逆にイラついた。
「何逃げてんだよ」私は先に口を開いた。口調はまだ少し荒かった。「あんたのことは言ってないだろ」
ヘートヴィヒは二秒沈黙し、それから低い声で言った。
「でも、それは私のせいだから」
上等だ。 やっぱりな。
私は彼女の袖口から手を離し、彼女の正面に立つ形に変えた。彼女が「たまたま通りかかって、聞くべきでないことを聞いてしまっただけ」などという言い訳で逃げるのを防ぐためだ。
今の廊下はとても静かで、遠くの方から微かに生徒たちの話し声が聞こえるだけだった。冬の朝の光が高窓から斜めに差し込み、彼女の銀髪を少し冷たく照らし、そして私の顔の忌々しいガーゼを普段より目立たせていた。
ヘートヴィヒの視線はそこに落ち、釘付けになったように動かなかった。
「もし、傷跡が残ったら――」 「残ればいいだろ」私は彼女の言葉を遮った。
彼女は呆然とした。
私自身も半秒ほど呆けた。あまりにも口をついて出るのが早すぎたからだ。まるで他の答えなど最初から考えていなかったかのように。だが言ってしまった以上、引っ込めるつもりもなかった。
「傷の一つや二つ、今更だ」私は眉をひそめて彼女を見た。「それに、昨日のナイフを持っていたのはあんたじゃない。あの七人のクズどもが本当に私の顔に傷をつける腕を持っていたとしたら、後悔すべきなのはあいつらであって、あんたがここで先に罪悪感を感じる筋合いはない」
ヘートヴィヒは私を見つめ、唇を動かしたが、すぐには声を出さなかった。
珍しい姿だった。普段の彼女は常に言葉を持ち、分を弁え、表情も口調も完璧な枠の中に収めることができる。だが今は、それらがすべて乱れてしまったかのようだった。彼女はただ私の前に立ち、その目には珍しく、ほんのわずかな戸惑いが浮かんでいた。
昨夜、彼女が連れ去られそうになった時よりも厄介だ。
昨日は少なくとも、誰を殴ればいいかわかっていた。今は違う。今私の前に立っているのは敵ではなく、他人の傷を自分のせいだと抱え込もうとしている、面倒な皇女様だ。
私はため息をついた。
「それに、あんた、反応が遅すぎだろ」 「……え?」 「今頃になって私の顔に傷が残るかどうか気にするなんてな」私は腕を組み、わざと意地悪な口調を作った。「昨日の夜、私はもうパトカーに乗せられてたんだぞ。今日になってこの芝居を始めるなんて、スケジュールの遅延じゃないか?」
ヘートヴィヒは瞬きをした。
その動作はとても軽く、私の言葉に一瞬言葉を失い、半拍遅れて――私がわざと空気を引き戻そうとしていることに気づいたようだった。
彼女はようやく、淡く息を吸い込んだ。
「芝居じゃないわ」 「わかってる」 「私は本当に――」
彼女は言いかけて、言葉を切った。
私は彼女を見た。 彼女も私を見た。
廊下は異常なほど静かで、自分の心音さえ少しうるさく感じられた。
そして、ヘートヴィヒが手を上げた。
私が避けるかどうかを確認するかのように、とてもゆっくりとした動作だった。そして私は、本当に避けなかった。
彼女の指先は傷口に直接触れることはなく、ガーゼの縁のところで、空気の層越しにその場所を撫でるように、本当に軽く、軽く止まった。それは本当に触れたとすら言えないものだったが、昨夜の七人のクズどもの拳やナイフよりも、私をずっと居心地悪くさせた。
「痛い?」彼女は低い声で尋ねた。
急に喉が渇いた気がした。
「……別に」 「嘘」 「おい」 「今、眉をひそめたわ」
その場で反論しようとしたが、彼女の言う通りだと気づいた。おそらく私は本当に少し眉をひそめていた。彼女の指がその近くで止まった時、私の脳裏に最初に浮かんだ反応は痛みではなく――これはいったいどういう状況だ? というものだったからだ。
軍事学院の生徒会副会長が、昨夜一対七の乱闘の末に警察署に放り込まれ、今朝は廊下で帝国の第三皇女にこんな距離で見つめられ、傷口が痛むかと聞かれている。
もはや不合理というレベルではない。 これは私が予定していた人生のロードマップに対する、公開処刑だ。
私は咳払いをして、無理やり彼女の手から視線を外した。
「私が痛いのは、あんたがさっき逃げ出そうとしたその態度の方だ」
ヘートヴィヒの手が微かに止まった。
「……ごめんなさい」
またか。 この女は今日、普段の半年分の謝罪ノルマを一度に使い切るつもりか?
私は思わず手を上げ、中空で止まっていた彼女の手を軽く押し下げた。
今度は、本当に触れた。
彼女の手は冷たかった。昨夜、あのバス停の下で吹き荒れていた風のように冷たかった。
私が握った瞬間、ヘートヴィヒは極めて軽く体を強張らせた。拒絶ではなく、むしろ――私がこんな行動に出るとは思っていなかった、というような反応だった。
上等だ。 少なくとも、情けない思いをしているのは私一人じゃないらしい。
「すぐに謝るな」私は低い声で言った。「本当に申し訳ないと思うなら、夜中にふらふら出歩いて、ついでに厄介事の山に突っ込んでいくようなサプライズは、二度と起こさないでくれ」
ヘートヴィヒは重なり合った私たちの手を見つめ、二秒ほど経ってから、とても軽い声で返した。
「なら、あなたも二度と私のために警察の世話にならないで」
私は言葉に詰まった。
この言葉は、本当に卑怯だ。懇願のようにも、心配のようにも聞こえ、しかも昨夜の出来事すべてを、私たち二人にしかわからない理不尽な言葉に変換してしまっているからだ。
私は不機嫌に言い返すしかなかった。
「それはあんたが大人しくしてるかどうか次第だな」
ヘートヴィヒが目を上げた。
「私をなんだと思っているの?」 「厄介な皇女様」
彼女は反論せず、ただ口角を微かに動かした。その笑みは、氷の上を滑る朝の光のように淡く、短い瞬間だったが、とてもはっきりと見えた。
くそっ。 こんな風に笑われると、昨夜のクズどもがナイフを抜いた時よりもタチが悪い。
ヘートヴィヒは手を引っ込め、袖口を直した。一瞬の無秩序が、彼女の中でゆっくりと元の位置に収まっていくかのようだった。だが今回は少し違う。私は知ってしまったからだ。
その表面的な平穏の下にある何かに、私は確かに触れたのだと。
文字通りの意味だけでなく。 本当に、触れたのだ。
私は咳払いをして、視線を逸らした。
「とにかく、中に入るなら入れ。ドアの外で立ち聞きなんてするな」 「わざと立ち聞きしたわけじゃないわ」 「なら次は、もっと足音を大きく立ててくれ」 「私にわざと存在感をアピールしろと?」 「少なくとも、また一人で消えようとしてるなんて誤解させないでくれ」
ヘートヴィヒは半秒沈黙し、それから軽く頷いた。
「わかった」
その言葉はとても軽かった。だがなぜか、私の耳には、普段の彼女の行儀の良い返答よりも、ずっと真実に近く聞こえた。
私は先に背を向けた。
「行くぞ」私は言った。「早く戻らないと、生徒会に昼まで家畜扱いされる」 「あなたは元々そういう扱いじゃないの?」
私は猛然と振り返った。
ヘートヴィヒはその場に立って私を見ていた。表情は穏やかだったが、その目の奥には明らかに……悪知恵をつけたような兆しがあった。
私は目を細めた。
「あんた、最近ジェスと一緒にいすぎじゃないか?」
彼女は極めて無邪気に答えた。
「環境から学んでいるだけよ」 「その環境は毒だ」 「でも、とても面白いわ」
私は彼女を二秒ほど睨みつけたが、最後は目の前に積まれた書類の山と、睡眠不足の自分の頭に降参するしかなかった。
「……もういい」私は背を向けて歩き出した。「先に入ってろ。それと、私の顔の傷のことは二度と言うな」
ヘートヴィヒがついてきた。足音はさっきよりも少し軽く、そして安定していた。
「どうして?」 「鬱陶しいからだ」 「気にしてないと思っていたけれど」 「傷跡のことは気にしてない」 「じゃあ、何を気にしているの?」
私は半歩立ち止まり、振り返って彼女を睨んだ。
「さっきのあんたの表情だ」
彼女はハッとした。
私はそれ以上説明するのも面倒になり、一言だけ言い捨てた。
「ひどい顔だったぞ。二度とあんな顔は見せるな」
そう言って、私は彼女より先に生徒会のドアを押し開けた。
後ろが一瞬、静まり返った。それから、ヘートヴィヒがとても軽く笑う声が聞こえた。
……終わった。 私はどうやら、本当に何か奇妙なものを連れ帰ってきてしまったらしい。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




