13. 高負荷限定演習 4
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
射撃場の風場システムが徐々に出力を落として、金属レールの震動音も少しずつ沈んでいった。
冷白色の灯りの下、ミラは観測区外の金属壁にもたれて、新しい葉巻に火をつけた。火花が散った瞬間、廊下の向こうから重い足音が近づいてくる。
カールだ。
その足取りは相変わらず重く、隠蔽機能など必要としない戦争機械のようだ。合金の左腕が灯りの下で冷たい光を反射し、フェイスマスクの奥の電子音には、ごく低いノイズが混じっている。
「授業を横取りした」
ミラは煙を吐き出しながら、瞼を上げる気にもならない。
「あんたが最初の近接格闘の授業の後、彼女を午後まで無事に残しておけるなら、横取りなんてしない」
カールは彼女の隣に止まり、視線をすでに止まった風場に落とした。
「まだ戦える」
「当たり前だ」ミラは冷たく言う。「あの小僧は車に轢かれても振り返ってタイヤに噛みつく野良犬だ。問題は最初から、耐えられるかどうかじゃない」
彼女は横を向いて、カールを見た。
「問題は、あんたが人を砕きすぎるのが好きなことだ」
カールの左目の赤い光が、かすかに揺れた。
「砕けて初めて、どこを組み直せるか分かる」
「それがあんたの問題だ」ミラは一声笑った。温度はない。「近接派はいつも、人を分解して組み直すことを教育だと思っている」
「射撃派はいつも、少し距離を置いてトリガーを引けば、頭まで守れると思っている」
「少なくとも俺が教えた人間は、肩が壊れる前に、頭はまだ自分のものだ」
カールが振り向いた。
「今日、あいつは場で証明しようとしていた」
「知ってる」ミラは言う。
「自分を証明したくて、重心を早く沈める、早く追い込む、早く出手する」
「知ってる」
「それでも風場の速度を上げた」
ミラは指で葉巻の灰を弾いて、刻薄なほど静かな口調で言った。
「高圧の中で過熱しない限り、自分のその癖がどれだけ邪魔か、永遠に分からないから」
少し間を置いて、もう一言付け足した。
「それに見ただろう、ただ耐えるだけじゃないところも」
カールが二秒黙った。
「学びが早い」
「早すぎる」ミラは訂正した。「純粋な才能じゃない。この速度は、以前から劣悪な環境で最短時間でルールを掴む訓練をしてきた証だ」
「生存型だ」
「そう」ミラは言う。「士官学校で作られたきれいな反応じゃない。ゴミ捨て場から自力で生えてきた種類だ」
カールの合金の指が閉じて、細い金属の噛み合う音を立てた。
「近接に問題がある」
「知ってる」ミラは言う。「あいつは怒ると、拳が先に出る。体がまだ届いていないのに、感情が先に突っ込む」
「あんたのほうも」
ミラは煙を吐き出した。
「射撃でも同じ癖だ。最後の一発は綺麗だったが、冷静だったからじゃない。俺に見せてやりたかったからだ」
カールは観測窓のほうを向いた。窓の内側にはまだ熱熔ビームが焼きつけた焦げ跡が残っている。
「つまり」
「つまり潜在力はあるが、自分で自分を詰ませやすい」ミラはきっぱり言う。
カールは反論しなかった。
事実だから。
廊下が一瞬静まり返り、換気システムの低い駆動音だけが残った。
ミラは葉巻を口から外して、前を向き、さっきより少し淡い口調で言った。
「あいつで一番価値があるのは、速さじゃない」
「何だ」カールが聞く。
「記憶することだ」ミラは言う。「一発殴られてそれで終わりじゃない。一つ一つを刻んで持ち帰って、消化して、翌日また取り出して使う」
カールの左目の赤い光がかすかに揺れた。
「可塑性が高い」
「そう」ミラは頷く。「問題も大きい」
「言え」
「若すぎる」ミラは淡々と言う。「まだ厄介なものを一つ残しているくらい、若い」
カールが彼女を見た。
ミラの口元が少し動いた。冷たい笑みを帯びて。
「自尊心だ」
電子音が半拍沈んだ。
「欠点じゃない」
「適切な状況ではそうだ」ミラは言う。「でもあの子の自尊心は、きれいな種類じゃない。名誉でも、規律でも、士官学校で教え込まれたものでもない。生存型の自尊心だ。汚くて、硬くて、自分を焼くのに使いやすい」
カールは今回、より長く黙った。
最後に、一言だけ言った。
「だから打つんだ」
ミラが笑った。
今度の笑みは薄かったが、火薬の匂いがした。
「ほら、これだ」彼女は首を傾けて彼を見る。「あんたはいつも、砕けば解決すると思っている」
「多くの場合はそうだ」
「多くの場合はそうじゃない」ミラは言う。「砕いても強くならないものがある。ただ漏れていくだけのものが」
カールの視線が冷たく彼女の顔に落ちた。
「ならあんたの方法は」
ミラは葉巻を押しつけて火を消した。火花が金属の灰皿に最後の暗い赤を残した。
「圧力をかける。追い立てる。速くさせる。正確にさせる。自分がいつ制御を失い始めるか、自覚させる」彼女は言う。「でも本能だけになるまで叩かない」
「本能があってこそ生きられる」
「本能しか残っていないものは、人を率いられない」ミラはすぐに返した。
その一言が出た瞬間、空気の火薬の匂いがはっきり濃くなった。
カールの訓練理念はシンプルだ——
まず生きろ。
まず耐えろ。
まず砕けるな。
残りは後でいい。
ミラは違う。
生きるだけじゃ足りない。
高圧の中でも、判断力を手放さないことを求めている。
カールは彼女を見て、フェイスマスクの奥の声に抑揚はなかった。
「あいつが人を率いられると思うか」
「今はできない」ミラは言う。「でも、その兆しはある」
「俺には噛みつく野良犬にしか見えない」
ミラが目を上げた。
「あんたは牙から見る癖があるからだ」彼女は言う。「俺が見ているのは、噛みついた後、放すかどうかだ」
カールが黙った。
今回の沈黙は、これまでで一番長かった。
最後に、電子音がまた響いた。
「俺のところで、まず耐えることを覚えさせる」
ミラは手袋を整えて、外に向かって歩き出した。
「なら俺のところで、耐えることを勝利と混同しないことを覚えさせる」
二歩出て、また止まった。振り返らず、ただ淡々と一言投げた。
「それと、明日の午後はあいつを俺がもらう」
カールの左目の赤い光が一瞬閃いた。
「同意していない」
ミラは手を上げて振った。面白みのない煙を払うみたいに。
「現実を受け入れることを覚えろ、ブリキ野郎」
それだけ言って、彼女は行った。
廊下の奥に、一本の筋のように真っ直ぐで冷たい後ろ姿だけが残り、空気にはまだ散りきっていない煙の匂いが漂った。
カールはその場に立って、彼女が消えた方向を見ていた。数秒経ってから、ゆっくりと頭を戻して、熱熔ビームで黒く焼け焦げた射撃場の壁を見つめた。
電子瞳孔の内部で、赤い光が一度縮んだ。
あるシステムが評価を完了し、静かに新しい訓練注釈を更新したみたいに。
——サンプル、有効。
——ただし、不安定。
——磨き続ける価値あり。
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翌朝〇五〇〇、俺は自分の体の痛みで目が覚めた。
「昨日運動しすぎたかな」みたいな可愛い筋肉痛じゃない。違う。
全身の筋肉が俺に辞表を叩きつけているのに、聯邦の人事部が全部却下しているような痛みだ。
三秒間、天井を見つめて、このまま死んだふりをしようかと本気で考えた。
でもここの医療システムは優秀すぎて、死んだふりをしても蘇生されて、補講を追加されるだけだ。
だから起き上がった。
鏡の中の顔は妙に清々しかった。事故現場から拾い上げられた小動物みたいに。目の下に少し青みがあり、口元にはカールの金属の手の甲が昨日掠めていった細い傷跡が残っている。銀色の髪は爆風に一舐めされたみたいに乱れていた。二秒自分を見つめて、頭の中に一つの結論しか浮かばなかった。
十四歳。若い。可愛い。
今は高重力のろくでもない星で、六割以上改造された化け物と殴り合う準備をしている。
俺の人生設計、前途洋々すぎて泣けてくる。
近接格闘訓練場のドアが開いた瞬間、熱気と鉄の匂いが一緒に押し寄せてきた。
カールはもう場の中央に立っていた。
二メートルの体が動く合金の壁みたいで、顔の左半分には金属フェイスマスクが嵌まり、眼窩の奥で暗赤色のセンサー光がゆっくり瞬いている。人間が立っている感じじゃない。どちらかといえば、大型の工業事故が歩き方を覚えて、副業で教官をやっている感じだ。
俺を見ても、挨拶も世間話も、「昨日は大変だったね」みたいな人間的な虚礼も一切なかった。
電子音が直接ぶつかってくる。
「星野。前へ」
……上等だ。
ウォームアップも省略。聯邦は本当に効率的だ。
前に出るとき、後ろの数人の訓練生が俺を見る目は、生贄に選ばれた人間を見る目だった。
振り返って中指を立ててやりたかったが、今日もまだ手で飯を食う必要があるので、堪えた。
カールが俺に向かって手招きした。
「昨日、何を学んだ」
俺は彼の正面に立って、肩はまだじわじわ痛んでいたが、口のほうが先に動いた。
「聯邦は未成年少女の保護法に興味がないということ」
後ろの列で何人かが笑いを噛み殺した。
カールは笑わなかった。
あの金属の半顔は、そもそも笑うのに向いていない。
「違う」彼は言う。「お前は自分が遅いと学んだ」
次の瞬間、彼は動いた。
突進じゃない。
解体業者が俺という壁を邪魔だと判断したような動きだ。
反射的に横に逸れたが、足がまだ元の位置を離れた瞬間、拳風が耳のすぐ横を掠めていった。空気が引き裂かれるほど重い。硬直は禁物だ。昨日すでに証明した——自分の骨で軍用合金と道理を語ろうとするのは、非常に未熟な自殺方法だ。
身を低くして、後退して、肩を回す。
カールの足払いが来て、俺は一・五倍重力に床に縫い付けられそうになった。
「踏ん張れ」彼は冷たく言う。「悲鳴を上げる紙切れみたいになるな」
……あんたこそ紙だろ。あんたの家族全員、工業用サンドペーパーだ。
俺は歯を食いしばり、呼吸を再調整した。
昨日は嵐に巻き込まれたボロ布みたいに殴られっぱなしだった。今日は違う。
今日の俺は少なくとも知っている——カールが手を出す前に、右肩がわずかに沈むこと。左脚で踏み込む前に、骨盤がほんの少し前に送られること。あの義眼は死体安置所の電球みたいに冷たいが、本気で重い一撃を入れてくるときは、その赤い光が短く閃くこと。
理不尽なほど速い。
でも、どんなに速くても、予備動作がある以上、完全に捉えられないわけじゃない。
前提は——最初の数発を生き延びることだ。
また二発もらった。
一発目は肩にめり込み、腕全体が一瞬で痺れた。
二発目は肋骨の脇を掠め、視界が真っ暗になって、内臓が外出許可を申請しに出たかと思った。
クラス全員が公開処刑を見守るみたいに静まり返っている。
俺は息を吐き、右へ一歩切り込んだ。
後退じゃない。切り込むんだ。
カールの拳が俺の髪を掠めて空を切った瞬間、俺は初めて「怖くて縮こまる」以外の選択を取った。頭の中で百回シミュレーションした軌道通りに重心を落とし、左手で彼の前腕を弾き、装甲が完全に覆っていない胸腹の継ぎ目に向かって、右拳を真っ直ぐ叩き込んだ。
ドンッ。
硬い。
税金でできた装甲扉を素手で殴ったみたいに硬い。
でも、当たった。
その瞬間、カールの義眼の赤い光がはっきりと揺れた。
故障じゃない。
驚きだ。
残念ながら、その驚きは半秒も続かなかった。
次の瞬間、もう片方の手が俺の手首を掴み、俺の体ごと裏返していた。世界が逆さまになり、背中がマットに叩きつけられ、肺の空気が一気に絞り出された。人生で犯したすべての間違いに、その場で直接謝罪しに行きそうになった。
「遅い」カールが俺を見下ろす。声は相変わらず冷たい。「だが、今回はゼロ点ではない」
俺は床に転がったまま、胸で太鼓を叩かれているみたいな痛みに耐えながら、それでも笑いそうになった。
「わあ、どうも」かすれた声で言う。「その言葉、額縁に入れて宿舎のベッドの頭に飾ったほうがいい?」
カールは俺を無視して、クラス全員に命令を下した。
「順番に来い。こいつがどう生き残るか見て、自分たちがどう死ぬか学べ」
授業の後半は集団殴られ展示会になった。
一人ずつ前に出て、全員がカールに違う方法で解体されていく。投げ飛ばされる奴、肩を極められる奴、攻撃距離に入った瞬間に膝蹴りで崩れ落ちる奴。俺は端に座って息を切らし、まだ疼く肋骨を押さえながら、その動きを全部頭に叩き込んでいった。
角度。リズム。フェイント。重心。
カールは「どう殴るか」を教えているんじゃない。
「どうすれば肉塊にされないか」を教えているんだ。
この差は、テーブルマナーと戦場での物資漁りくらい違う。
二度目に呼ばれたとき、俺はもう開幕の、ただ耐えるだけの馬鹿じゃなかった。
まだ痛い。
まだ怖い。
まだこの授業と教官をセットで宇宙に放り出したいと思っている。
でも、分かり始めていた。
彼の力と正面からぶつからないこと。
拳ではなく、肩のラインを見ること。
一・五倍重力下では、無駄な動きを一つ減らせば、もらう拳が半分減ること。
三度目の衝突で、俺はついに一撃を「交換」した。
綺麗な一撃じゃない。
彼がステップを踏んで距離を詰めてきたとき、わざと左側に隙を見せ、彼が手を出した瞬間に内側に縮んで、拳を肩口で滑らせながら、下胸の装甲の継ぎ目に肘を思い切り叩き込んだ。
弾薬箱を小槌で叩いたような、鈍い音がした。
彼は下がらなかった。当然だ。俺の肘打ち一発で吹っ飛ぶような男なら、聯邦の国防予算は全部養鶏にでも回したほうがいい。
でも、彼は半拍止まった。
その半拍だ。
カールは俺を見下ろし、赤い光がまた一度閃いた。
「……進歩したな」
教官の口から絞り出されたその四文字は、国防部直轄の良心くらい希少なものだった。
俺は肩が裂けそうな痛みをこらえながら、彼に向けて笑ってみせた。
「お褒めいただき光栄です」俺は言う。「卒業まで生き延びて、授業アンケートに満点つけてやるよ」
カールは二秒黙った。
それから一発で、俺を再び宙に飛ばした。
今度、防護壁に激突したとき、俺の頭には結論を出す余裕があった。
うん。
いい感じだ。
俺は本当に何かを学んでいる。
ただ、授業料を体で払っているだけで。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




