176.下院のスナイパー 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
戻ると、真紀はすぐに目を上げた。
「戻ったのね」
「うん、生きて戻ったわ」私は外套の寒気を払い、机の前まで歩いて、手の資料を一気に置いた。「風紀委員会、器材室、射撃場当番台。三か所全部見てきた。結論は簡単——元の流れは薪にはなれるけど、選抜の運営には使えない」
ロイが顔を上げ、口角を少し引きつらせた。
「その言葉を会議録に書いたら、生徒会は明日、公文で謝罪することになるぞ」
「じゃあ書かないで」私は彼を一瞥した。「実質的には同じことだから」
「俺は金の計算をするだけで、あなたたちの言葉を加工する担当じゃない」ロイはペンを指の間で半回転させた。声には、予算不足の時に男性が自然に生み出す薄命感が滲んでいた。「でも元の流れが本当にお釈迦になるなら先に言っておく。校正時間の延長、人気射撃項目の分散、風紀の増員、動線の描き直し、全部お金がかかる。『学院の栄光のため』で払えるとは思わないでくれ」
「安心して」私は手袋を脱いで机の端に投げた。「学院の栄光なんて通貨、生徒会では昔から法定通貨としての効力を持たないから」
ランは笑いそうになったが堪えた。うつむいて地図を見ながら、淡々と一言添えた。
「もし流れを本当に変えるなら、場地は原案通りには動かせない。射撃、近接戦闘、模擬区の三か所を同じ時間帯のローテーションに押し込んでいたのは、『全員が時間通りに動き、器材は絶対に故障せず、上下院の学生は全員が規律正しい』という、ほとんど宗教に近い前提の上に成り立っていた。今となっては、その信仰体系は先に解体した方がいい」
「本校にそんな信仰があったの?」私は聞いた。
「昔はあったかもしれない」ランは言った。「後で現実に殴り殺されたけど」
ヘートヴィヒは整理した三枚の紙を真紀の前に静かに押した。音がしないほど軽い動作だった。
「風紀委員会は、事前に高リスク対戦名簿、観客数の上限、封鎖線、試合停止権限の提出を求めています」彼女の声は安定していた。まるで刃を一本一本机の上に整然と並べているようだった。「器材室は、貸出・受け取り・検品・損耗の帰責を全部書き固め、現場での口頭による事後サインは受け付けないと。射撃場当番台は、校正時間の延長と人気項目の分散を求めています。特に動態靶と二人同期射撃は、同じ時間帯に配置してはならないとのことです」
「それから」私が付け加えた。「三か所とも口をそろえて、教育的に非常に意義のある一点を訴えていた。元の流れが昼まで持つとは誰も思っていない、って」
真紀は何も言わなかった。
彼女はまず元の流れ表を広げ、次に三枚の条件書を脇に並べて、一枚ずつ見ていった。オフィスの中は一時、紙をめくる音と、ロイの計算板が時折発する軽い音だけになった。窓の外の空はもう夕方に向かって滑り落ちており、ガラスが室内の暖かい黄色い光を反射して、この場所を氷の海を強引に進む古い船のように見せていた。船は大きくなく、乗客も多くないが、今は気楽に談笑している時ではないと誰もがわかっていた。
私は机の前に立ち、真紀の沈黙を見ていた。
正直に言って、こういう時の方が、彼女が怒っている時よりも怖い。
九島真紀が怒れば、事はただ面倒になるだけかもしれない。だが彼女が静かに資料を見始めた時、それは何かがまだ救う価値があるかを判断している時だ。答えが「ない」なら、彼女は感情論を交わさず、直接死亡を宣告し、後始末を始める。
数秒後、彼女は赤いペンを取った。
修正のためではない。
線を引くためだ。
最初の一線が、元の流れ表の中段にあった「午前射撃共通予選——午前中に即時集計——正午前に異議処理完了——午後に近接戦闘と模擬戦を同時開始」というブロックに、斜めに走った。赤く、現場処刑のようだった。
私はその線を見て、元の流れのために三秒間黙祷したくなった。
死んで当然だった。
「このバージョンはもう救わなくていい」真紀は言った。
口調は平坦で、内容は死刑宣告だった。
ロイがすぐに顔を上げた。
「待って、会長、それって全部やり直すってことか?」
「やり直しじゃない」彼女は赤いペンを紙の上に横たえ、全員を見回した。「最初で最後の、一回だけの流れの修正よ」
その言葉が出た瞬間、オフィス全体が一拍静まった。
ランが最初に反応し、眉をひそめて彼女を見た。
「一回だけ?」
「そう、一回だけ」真紀は三枚の条件書を中央に引き寄せ、全員に見えるようにした。「今の問題は、流れの見栄えが悪いことじゃない。原案の設計論理が最初から間違っていたことよ。先に『試合をどう回すか』を決めて、後から風紀、器材、射撃場に協力を求めた。結果、各部署がそれぞれの譲れない条件を出してきて、生徒会が流れを直しに戻る。流れを直せば条件もすり合わせ直しになる。これを続ければ、あなたたちが直しているのは流れじゃなくて、輪廻よ」
私は思わず頷いた。
そうだ、まさにこれだ。
行政の最も恐ろしいところは忙しさではない。ずっと動いているはずなのに、全員が互いの前提を輪ゴムのように引っ張り合い、結果として何か動いたように見えて、実際にはただ同じ場所で床を摩擦しているだけだということだ。傍から見れば調整、実務者から見れば慢性的な発狂だ。
ヘートヴィヒは指先を静かに紙面に置いた。
「つまり、まず変えられない条件を凍結するのですね」
真紀は彼女を一瞥し、頷いた。
「そう」
それから彼女は赤いペンで、新しい空白の紙に三つの欄を引いた。
一つ目には「固定条件」。
二つ目には「試合配置」。
三つ目には「人員・異議処理」。
字は整然としており、無情だった。
「まず三方の譲れない条件をロックする」彼女は書きながら言った。「風紀の試合停止権、観客上限、封鎖線。器材の貸出と受け取りの規則。射撃場の校正時間、人気項目の分散、遅刻と故障交換の条文。これらを先に決める。決めたら、もう議論しない」
「その上で試合を組む」ランはその新しい紙を見て、目がゆっくりと輝きだした。「先に予定を詰め込んで、どこが爆発するか見るんじゃなくて」
「そう」真紀は言った。「流れを逆にするの。まず制限を認めてから、試合を配置する。先に夢を見て、後から他人の労力で床を拭かせるんじゃない」
ロイはうつむいて素早く計算を走らせた。眉間はまだ解けなかったが、声は明らかにさっきより落ち着いていた。
「それなら、こっちの予算は少なくとも固定できる。校正時間の延長、人気項目の分散、追加の封鎖器材と警戒標識、これらが第一版で書き固まれば、後で流れを直すたびに無駄金が燃えることもない」
「ようやく財務らしいことを言ったわね」私は彼を見た。
ロイは冷たく返した。「ありがとう。あなたもようやく災害源らしくないことを言った」
私が言い返そうとした時、真紀がペンの後ろで机を叩いた。
強くはなかったが、非常に効果的だった。
「よく聞いて」彼女は言った。「流れの修正はこれ一回だけ。今日のこの版が確定したら、その後どの委員会、どの教官、どの上下院代表が新しい意見を持ってきても、全部既存の枠組みの中で処理する。第一層の固定条件に戻って改訂することは許さない」
彼女はここで一拍置き、まず私を見て、次にランとロイを見て、最後にヘートヴィヒに視線を落とした。
「つまり、後から空欄を埋めることはできる。人を入れ替えることも、高リスク対戦を記録することも、備考を追加することも、保険条文を加えることもできる。でも、全体をスタート地点に引き戻してやり直すことはできない。誰かが個別の案件を持ち出して第一層の変更を求めるなら、生徒会は直接断る」
私には理解できた。
ランにも理解できた。
ロイに至っては、感謝の涙が出そうなほど理解できた——もちろん、男性財務としての尊厳のため、彼が見せるのは「ついに誰かが予算を政治と愚かさの二重の蹂躙から守ってくれた」という表情だけで、本当に泣くことはないだろう。
ヘートヴィヒは、その言葉を静かにメモしていた。
顔を上げた時、その目にはかすかな賞賛の色があった。
生徒会長への穏やかな賞賛ではなく、「この人はついに、その立場にふさわしい切断を行った」という認定に近い色だった。薄く、淡かったが、私には見えた。あるいは、真紀の隣に座る人間の視線がわずかに変わるだけで、私は無意識に気づいてしまうのかもしれない。
これは厄介なことだ。
なぜなら、気づき始めた時点で、それはもはや行政だけの話ではなくなっているからだ。
真紀は私のそんな不合理な分心など構わず、そのまま続けた。
「ラン」
「います」
「今夜中に新しい動線を描いて。二種類欲しい。通常流量用と、高リスク対戦時の分流版。風紀の封鎖線は赤、観客後退区は青、器材補給線は独立して標記して、学生の動線と重ねないこと」
「わかりました」
「ロイ」
「います」
「新しく追加した項目の費用を別に列挙して。校正延長、封鎖器材、警示板、予備感知部品、臨時人員の飲食、全部分けて。元の案と混ぜないで。これは追加じゃなくて、組み直しよ」
「了解」ロイは二行書いてから、急に顔を上げた。「もし上院の誰かが来て、なぜ射撃の人気項目を一番目立つ時間帯に入れられないのかと聞いてきたら——」
「私のところに来るように言って」真紀は言った。
ロイは半秒黙ってから、頷いた。
その頷きの中には、「ついに誰かが前に立って砲弾を受けてくれる」という感謝が八割ほど含まれていたに違いない。
「ヘートヴィヒ」
「はい」
「新しい流れを正式通知にまとめて。文面は固く書いて、解釈の余地を残さないで。特に『流れは今回の整合後に固定済み、以降の意見は個別補記として扱い、構造の変更には遡らない』という一文は、本文に入れること。注記に埋めないように」
「わかりました」彼女は早く答えた。最初からその言葉を待っていたかのように。
真紀は最後に私を見た。
すぐには口を開かず、ただあの空白の名簿——今はもう空白ではない——を資料の山から引き抜き、指先を最初の名前の上に置いた。
アカリ・フラック。
オフィスが一瞬静まった。
ヘートヴィヒの視線もそこに落ちた。
「彼女、出てくれるって?」真紀は私に聞いた。
「出る」私は言った。「でも条件がある。基準は平等に、廃物の体裁を整える化粧はしない、後から面子のために名額を動かすことも受け付けない」
私が言い終えると、ロイが先に低く息を吸い込んだ。
ランは短く「あ」と声を漏らした。この言葉が本当に上院の一部の人間の耳に届いたら、現場でどれほど教育的に歪んだ表情が生まれるか、すでに予見しているような声だった。
真紀は笑わなかった。
ただ、目尻のわずかな弧度を、私は見た。
「いいわ」彼女は言った。「じゃあ彼女の名前は先に入れておくけど、候補確認欄に。公開版には出さない」
「上院が先に手を回すのが怖いから?」
「怖いからじゃない」真紀はペンを置き、口調は平坦で、ほとんど冷酷なほどだった。「まだ試合も始まっていない人間に、先に流れが不公平だと泣きに来られるのが面倒なだけよ」
いかにも真紀らしい。
高尚でもなく、熱血でもなく、ただ面倒なのだ。
本校の多くの制度が生き延びているのは、誰もが公平を信じているからではなく、馬鹿げた茶番に最後まで付き合うのが面倒だと思う人間が常にいるからだ。
「あなたは?」彼女が突然私に聞いた。
「私?」
「上院のあの人も見てきて」彼女は私を見た。声は高くなかった。「説得するためじゃない。彼が使える面倒なのか、使えない面倒なのかを確認するため」
私は彼女を見て、思わず少し笑った。
「面倒にも等級があるのね」
「もちろん」真紀は淡々と言った。「生徒会が存在する理由は、世の中に処理できる面倒と、隔離するしかない面倒があるからよ」
「その言葉、生徒会の入り口に刻んでもいいわね」
「刻字代を出す気があるなら、反対しないわ」ロイが口を挟んだ。
「墓碑銘まで経費で落とすつもり?」
「それは、誰の流れが死んだかによるな」
ランはこの時、本当にうつむいて笑った。ヘートヴィヒの目にも薄い光が差した。暖房が室内で低く唸り、窓の外はさらに暗くなっていたが、室内はさっきより乱れていなかった。事が減ったわけではない。ようやく方向ができたからだ。
これは大きな違いだ。
生徒会が本当に人を救う時は、誰かがどれだけ仕事ができるかではなく、全員がその場で堂々巡りを始める前に、誰かが刃で円を断ち切り、無理やり前へ進む一本の線に変えるからだ。
九島真紀が今やったのは、まさにそれだ。
しかも一回だけ。
なぜなら彼女はよくわかっているから。もう一回やれば、それは流れの修正ではなく、流れに自分で子供を産ませることになる。そういうものは行政の怪物として育ち続け、最後には全員を一緒に食い尽くす。
私はアカリの名前が書かれた紙を引き取り、外套の内ポケットに仕舞った。
紙の端にはまだ外の冷気が残っていたが、胸のあたりは少し熱かった。帰り道を急ぎすぎたせいかもしれないし、真紀が今引いた一線が美しすぎたせいかもしれない。あるいは、全員を泥沼に引きずり込みそうだったこの代表隊選抜が、少なくとも今はようやく骨格を持ったと感じたせいかもしれない。
もちろん、骨格は骨格だ。
死体が立ち上がれるかどうかは、これから私たちが掘り出しに行く人間たちにかかっている。
私は真紀を見た。
彼女もちょうど私を見ていた。
「まだ立って何をしているの?」彼女が聞いた。
「『お疲れ様、副会長、今日はよくやったわ、今夜は早めに帰って休んで』って言ってくれるのを待ってるの」
「夢を見た方が早いわ」
「冷たいね」
「あなたが好きなのは、こういうのじゃないの?」
私は一瞬固まった。
ロイがその場でうつむいて忙しいふりをし、ランは物分かりよく視線を地図に移し、ヘートヴィヒは机の上の赤いペンに突然強い興味を持ったかのように静まり返った。
私は真紀のその全く変わらない顔を見て、この女はわざとやっているのではないかと合理的に疑いたくなった。
残念ながら、彼女は確認する隙を与えず、次の空白欄を私の方へ押し出した。
「行って、シモ」彼女は言った。「上院のあの人を連れてきて。今夜までに知りたいの。今回の選抜で、名簿に入れる価値がある人間と、事故報告書にしか入れられない人間が、それぞれ誰なのかを」
私はその紙を受け取り、ため息をついた。
「生徒会副会長の仕事内容、本当に日ごとに教育的になっていくね」
「今頃気づいたの?」
「前はただ人間性がないだけだと思ってたけど、こんなに層が厚いとは思わなかった」
真紀はついに、ごく淡く笑った。
とても短かった。
彼女が珍しく私にくれる報酬のようで、これから待ち受ける、確実に腹立たしいもう一つの訪問を乗り切るのに、ちょうど足りるくらいの燃料だった。
私は振り返ってドアへ歩き、手がドアノブに触れた瞬間、背後から彼女の声が追いかけてきた。
「シモ」
私は振り返った。
彼女は椅子の背もたれに寄りかかり、赤いペンはまだ手放していなかった。目は平坦だったが、その平坦さの中に、私にだけ半歩分多く踏み込ませてくれるようなものがあった。
「相手とあまり長く言い争わないで」真紀は言った。「あなたはすぐにまた戻ってこないといけないんだから」
私は彼女を一秒見てから、ドアノブを改めて握り直した。
「わかった、会長」
そして私はドアを押し開けて出た。
廊下の冷たい空気が正面から押し寄せてきた。この学校の厄介事は、一つの流れがようやく救われたからといって自動的に消えたりはしないと、思い出させるように。それらはただ、もう少し人間らしい形に変わって、前で私を待ち続けているだけだ。
いいだろう。
じゃあ、見に行こう。
上院のあの自惚れた候補が、使える面倒なのか——
それとも、直接前倒しで埋めてしまうべき、体裁のいい廃棄物なのかを。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




