174.奔走 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
ヘートヴィヒを連れて生徒会室を出た時、廊下の人の流れはすでに増え始めていた。
昼休み後の短い弛緩感は、学校に回収されて再利用されたようで、「午後も通常通り稼働」という形に圧し直されていた。窓の外の雪はまだ降っており、光は白く冷たく、校舎の長い廊下に差し込んで、まるで誰かが学校全体を消毒液に浸してから引き上げて乾かしたかのようだった。
私はファイルを抱えていた。中には学生会員の寿命を集団で縮めるに足る連絡リストが挟まっている。ヘートヴィヒは私の隣を歩いていた。足取りは急かず、まるで最初からここにいて当然のような静けさだった。その静けさが厄介だ。なぜなら彼女が静かにしていると、隣の人間がついよけいなことを考え始めてしまうから。
「最初は風紀委員会よ」私は階段を下りながら言った。「先に言っておくけど、これは私が特別に死にたいからじゃなくて、こういう話は早いほどいいから。後回しにすると、学生会が奇襲をかけてきたと思われる」
ヘートヴィヒが私を横目で見た。
「経験がありそうね」
「あるよ」私は無表情に答えた。「捕まりすぎて、捕食者の習性についてはある程度の知識がある」
彼女は笑いそうになったが堪えて、軽く相槌を打った。
「なるほど」
「その『なるほど』、野生動物を観察している人みたいだよ」
「そういうつもりじゃないです」
「ならいい」
中庭の連絡廊下を通る時、半開きのガラスの隙間から冷たい風が吹き込んで、私は思わず肩を縮めた。ファイルを胸に押しつけながら、ふと隣の人間に目を向けた。今朝まだ九マス弁当を持ってきて、上品な口調で人を行政の深みに押し込んでいた女だということを思い出し、つい斜めに見た。
「そういえば」
「何?」
「今朝の弁当、本当にあなたが作ったの?」
ヘートヴィヒが私を一瞥した。
「もう食べ終わったでしょう」
「それとこれとは別の話よ」私は言った。「食べ終わったからって、疑わなくていいわけじゃない」
「じゃあ今の結論は?」
「結論は、もし人心を掴む手段だったとしたら、効果は抜群だったということ」
今度こそ彼女に少し笑みが浮かんだ。いつもより冷静すぎる目の奥の光が、わずかに緩んだ。
「覚えておきます」
「何のために覚えるの?」
「参考に」
「……『参考に』って言葉をそんなに危険な響きにしないで」
彼女は答えず、ただ静かに私と並んで歩き続けた。
正直に言うと、この静けさは少し厄介だ。
気まずくもなく、よそよそしくもなく、話題を無理に作らなければならない沈黙でもない。むしろ自然すぎる。自然すぎて、真紀が彼女を私に押しつけたのは本当に書記が校内を知っておくべきだからなのか、それとも何かもっと扱いにくいものも一緒に押しつけてきたのか、わけもなく考え始めてしまう。
深く考えるのはやめにした。
深く考えても人生の役に立たない。特に生徒会副会長という消耗の激しい職にある者には。
風紀委員会の執行室は、北棟一階の奥、校門と校庭を結ぶ通路に近い場所にあった。要するに、誰かを捕まえようとした時に最短で退路を塞げる場所だ。この立地は風紀委員会の美学によく合っている。ロマンチックさは求めない、効率を求める、できれば学生の逃走本能も動線に計算済みにしたい、そういう美学だ。
扉の前に来る前に、私はすでに表札を確認した。
風紀委員会執行室
文字は整然とし、金属の縁取りは磨かれて光っており、この場所が人間性を信じず、記録と規則だけを信じているということが一目でわかった。
私は扉の前に立ち、二度ノックした。
中から、冷たく淡々とした声が返ってきた。
「どうぞ」
私はドアを押した。
扉が開いた瞬間、最初に飛び込んできたのは人ではなく、清潔で冷たい、この学校が規律違反をした学生を全員規則で漬け込もうとしているような空気だった。
室内は整然としていた。整然としすぎていて、自分の靴底に現実の埃がついていたらこの聖域を汚してしまうのではないかという錯覚を一瞬覚えるほどだった。壁には当番表、巡査ルート、違反統計、さらには「今週の校内服装・規律違反ホットスポット分布図」まで貼られていた。
……本当に病気だ。
しかもグラフを作れる類の病気だ。
窓際に二階堂・フレイヤが立っていた。
今日もまた、人間の規律そのものの具現化のようだった。制服は苛酷なまでに整い、銀白色の髪は一筋も乱れず、立ち姿は骨格まで角度を測ってから組み立てたかのように真っ直ぐだった。手に巡査記録表を持ち、こちらを見た時の冷たさは、外の雪と親戚関係にあるのではないかという気がした。
「星野シモ」彼女はまず私の名前を呼び、それから視線を隣へ移した。「それから……ヘートヴィヒ・フォン・ヴィッテルスバッハ」
後ろの名前を、彼女は非常に完全に、非常に正確に、まるで正式な確認作業をするように読み上げた。
それから淡々と一言付け加えた。
「珍しいわね」
「何が珍しいの?」
「あなたが違反でここに連れてこられたんじゃないのが」
「その開幕の挨拶、とても親切ね」私は言った。「さすが親切な風紀委員長」
二階堂は私を見た。顔に一切の波紋がない。
「希望があれば、今から服装検査を始めてもいいわよ」
「結構よ、今日は正式な用件があって来たから」私はすぐにファイルを前に出した。お守りでも出すように。「生徒会から代表隊選抜の事前連絡よ」
私はリストを引き抜いて彼女に渡した。
二階堂はそれを受け取り、ざっと目を通した。目線がさっきより少し冷たくなった。私に向けているのではなく、「大型活動」「上下院対抗」「人流集中」「臨時管制線」というキーワードを見た風紀委員長が、来たるべき人間の地獄に対して本能的に反応しているのだ。
「今年、本当に復活させるのね」彼女は低く言った。
「学生会だけが確認したかったわけじゃないみたいね」私は言った。
「風紀委員会は去年も試行草案を受け取っていたけど、その後棚上げになった」二階堂は紙を机の上に置いた。「今年正式に動くなら、校門の出入管理、観覧区の分流、上下院の動線切り分け、突発的な衝突への対処、全部やり直しになる」
「こういう人と話すのが好きなのよ」私は本心から言った。「少なくとも、これが青春熱血活動のふりをするような話し方はしないから」
「青春熱血活動?」二階堂はその言葉を冷たく繰り返した。その数文字に軽い毒性でも含まれているかのように。「上下院が一緒に出て、予選の観覧まで開放するのよ。どこが穏やかでいられると思うの?」
「その言葉で、理解されている気分になれた」
「感動しなくていい」彼女は私を見た。「校内の集団的愚行について、基本的な認識があるだけよ」
いかにも風紀委員長らしい。
親切さが規則で人を叩くような形をしている。
ヘートヴィヒは入室してからずっと口を挟まず、ただ静かに机の上の巡査表とあの週別分布図を見ていた。彼女の視線が「衝突発生しやすい区域」の欄で止まった時、眉の端がほとんど気づかないほどわずかに動いた。
二階堂がそれに気づいた。
「何か疑問でも、書記」
ヘートヴィヒは目を上げ、口調は平坦だった。
「これほど細かく区域統計を取っているとは思っていなかったので」
「基本的な仕事よ」
「風紀委員会はいつもこの水準でやっているの?」
「必要な時は」二階堂の口調は淡々としていた。「規則は見栄えのために書くものじゃない。データの裏付けがない規律は、ただの自己満足よ」
これは鋭い言葉だ。
ヘートヴィヒは不快な様子を見せず、むしろごく軽く頷いた。
「わかりました」
気のせいかもしれないが、その瞬間、二階堂が彼女を見る目から、純粋な氷の成分が少し減った。友好的になったわけではない。ただ、この新任の生徒会書記が弁当を持ってきて綺麗な服を着ているだけの飾りではないことを確認した、という目だった。
私はこの空気が零下に戻る前に、本題を押し進めた。
「とにかく、生徒会としてはまず風紀委員会が提供できる支援の範囲を確認したい。校門の出入管理、観覧区の分流、上下院の動線切り分け、突発的な衝突への対処、それから——」
私はリストを一瞥した。
「大型項目開始前の秩序維持と臨時封鎖線への協力」
二階堂はすでに引き出しを開け、空白の書式を取り出していた。
「できるわ」彼女は言った。「ただし条件がある」
私の眉が少し上がった。
「そんなにすんなりいくわけないと思ってたよ」
「風紀委員会の人手には限りがある」彼女はペンで書式を叩いた。「生徒会がすべての試合日程に合わせてほしいなら、日程、観覧制限、各グループの予想人数、高リスクの対戦組み合わせを先に送ってきて。それがなければ人を出せない」
「それは合理的ね」ヘートヴィヒが先に口を開いた。「規模の見込みがなければ、風紀側も当番を組めない」
私は振り返った。
この女、本当に早く状況に入る。
二階堂は彼女を見て、短く「ええ」と言い、それから視線を私に戻した。
「それから」
来た。
こんなところで終わるわけないと思っていた。
「上下院が共通科目で対抗するなら、射撃場と白兵訓練場については、風紀委員会に現場通報権の追加を求める」
私は眉をひそめた。
「どの程度まで?」
「現場で故意の挑発、危険な動作、規則外の接触があった場合、風紀がそのグループの進行を直接停止できること」
「それはかなり重い権限ね」
「事が大きくなった時、最終的に報告書を書くのは私たちだから」二階堂は無表情のまま言った。「生徒会は試合を円滑に進めたい、風紀委員会は人が怪我をしてほしくない。これは矛盾しない」
私はすぐには返せなかった。
彼女の言葉は冷たくて直接的だったが、間違っていなかった。
こういう大型活動の一番厄介なところはそこだ。誰もが「活動を円滑に進めるため」と言うが、何か問題が起きた瞬間、「円滑」は互いに責任を押しつけ合う別の言い方に早変わりする。二階堂が今のうちに権限を明確にしておくことは、ある意味で後のために命を省いてくれることになる。
ヘートヴィヒはこの時、私の手の資料を一瞥してから二階堂を見た。
「生徒会が後で正式な対外版を出す時、風紀委員会の要件も制限条件の中にまとめて整理できます」
「いいわ」二階堂は言った。「私が求めるのは明確さよ。体裁のよさじゃない」
「その点については立場が一致しています」ヘートヴィヒは静かに答えた。
私は隣に立ちながら、妙な感覚を覚えた。
目の前の二人は、気質が全く異なる。一人は刃のようで、もう一人は天鵝絨に包まれた細針のようだ。なのに、規則、境界、権限、秩序の話になると、二人の話し方が意外なほど合っている。
……これは少し困る。
便当を作れる書記だけでも十分防ぎにくい。
彼女がさらに風紀委員長と仕事上で阿吽の呼吸を合わせ始めるなら、生徒会副会長としての生存難度は確実に上がり続ける。
私は咳払いをして、話を本筋に引き戻した。
「わかった、帰ったら今言われた項目を先に会長に整理して、総務と場地動線を合わせる」
二階堂は頷き、ペンを収めようとして、何かを思い出したように私を見た。
「もう一つ」
「今日は『もう一つ』が多すぎない?」
「あなたたち生徒会が最後の最後まで情報を出し惜しみする習慣があるから」彼女は冷たく言った。「先に言っておくけど、情報が一旦出回ったら、下院はまだいいとして、上院の方は必ず誰かが『資格』と『体面』を持ち出す。風紀委員会はあなたたちの内輪揉めには関わらないけど、エントリー段階から誰かが名簿を操作しようとするなら、私が口を出す」
私は少し固まった。
彼女がこういうことを言うのが意外だったのではなく、あまりにも直接的すぎたからだ。
ヘートヴィヒも微かに彼女を見た。
二階堂は書式を閉じ、口調は相変わらず起伏がなかった。
「規則は決まった以上、誰にでも同じように適用される。こういう活動はただでさえ制御を失いやすい。誰かが身分を使ってそれをさらに汚くするのを見たくない」
その言葉が終わると、室内が半秒間静まった。
私は思わず笑いたくなった。
「その言葉が広まったら、風紀委員長が公平と正義の代弁者みたいに見られるよ」
「黙りなさい」
「はい、親切な風紀委員長」
「星野シモ」
「はい」
「その形容詞をもう一回使ったら、今すぐあなたから検査を始める」
「……了解しました」
ヘートヴィヒは隣でごく軽く目を伏せた。笑いを堪えているのかと思ったが、次の瞬間、彼女は二階堂に向かってとても礼儀正しく言った。
「今日はありがとうございました」
二階堂は彼女を一瞥した。
「すべきことをしただけよ」
この返し方はいかにも二階堂らしかった。
砂糖を入れていないブラックコーヒーのように冷たいが、少なくとも熱い。
私は資料をファイルに収め直し、ドアの方に顎を向けた。
「じゃあ先に失礼します。学生会が正式な要件をまとめたら、また送ります」
「最終日まで引っ張らないように」
「私のことを常習犯みたいに言わないで」
「違うの?」
……くそ。
完全には否定できない。
風紀委員会執行室を出ると、廊下の空気が一気に半寸ほど緩んだような気がした。私はファイルに増えた要件メモを見下ろし、長く息を吐いた。
「どう?」私はヘートヴィヒに横を向いた。「連邦軍校行政地獄の第一站。観光価値があったでしょ?」
彼女は私を見た。目の奥にはさっきのあの細かい光がまだ残っていた。
「思っていたより面白かったわ」
「本当に面白いと思うなら、あなたの精神構造を疑いたくなる」
「あなたが隣で解説してくれたから、少し面白くなった」
私は足を止めた。
……この一言は少し反則だ。
大したことでも、わざとらしくもない。ただ、彼女がごく普通に感想を言っているだけかもしれないのに、耳に入ると普通より半拍だけ余分に止まってしまう、そういう反則さだ。
私はすぐに視線を逸らし、リストを見るふりをした。
「ありがとう」私は言った。「その評価で、あと二つくらいの委員会は乗り越えられそう」
「二つだけ?」
「欲張らない方がいい」私は正直に言った。「今日はまだたくさんの地獄が残ってるから」
彼女は軽く頷き、私と一緒に次の目的地へ歩き出した。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




