173.稼働 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
味噌汁はまだ湯気を立てていた。
コーヒーもまだ香っていた。
弁当箱の中には卵焼きが半切れ残っていた。
だが残念ながら、「上下院対抗戦」「代表隊選抜」「生徒会全員支援」という言葉が同じ机の上に並んだ瞬間、幸福感を持つものは何でも自動的に無効化される。米飯すら、残業前の最後の食事のように見えてくる。
真紀は主席に戻り、書類の束を整理し直した。
彼女がこの動作をする時は怖い。
凄みがあるからではない。
彼女が紙を揃え、付録を層に分け、空白の紙を引き抜いて書く準備を始めた瞬間、彼女の頭の中はもはや「やるかやらないか」ではなく、「この災害をどう分解して、誰もが逃げられない具体的な仕事にするか」という段階に入っているからだ。
言い換えれば——
地獄のエリア別開放が始まろうとしている。
「分担を決めます」
彼女は筆先で机を一度叩いた。
私は彼女から最も近い席に座り、この三文字を聞いた時、心の中は非常に穏やかだった。
穏やかというより、安らかと言った方が近いかもしれない。
なぜなら、抵抗に意味がないとわかっているからだ。
生徒会において会長が「分担を決めます」と言うのは、戦場で誰かが「接敵準備」と言うのとほぼ同義だ。好きじゃなくてもいい。ただ聞こえないふりはできない。
真紀はまず一番上の総括表を広げた。
「今回の選抜大会は単日の活動ではなく、前期統括、項目編成、会場調整、エントリー確認、試合記録、裁定まとめ、後方支援の七つに分かれています。学校側の言い方では『学生自治部門による協力』となっています」
一拍置き、目線すら変えずに言った。
「翻訳すると、試合に出る以外のことは全部こちらに任せるということです」
ロイは背もたれに寄りかかり、受け取ったばかりの資料をめくり、最初に眉をひそめた。
「予算表が枠組みしかない」
「当然よ」真紀は言った。「完全版はまだできていないから。生徒会が必要なものを先に出してから、教務と総務がようやく死んだふり以外の動きを始める」
「つまり」私は人間の言葉に翻訳した。「学校は今、池に石を一個投げ込んで、こっちが自分で橋を泳ぎながら作れるかどうか見ているわけだ」
「その比喩は変だけど、意味は大体合ってるわ」彼女は私を見ることすらなく、そのまま続けた。「ロイ」
「うん」
「財務と物資申請を先に任せるわ」
ロイは顔を上げた。
真紀は書類の一束を彼の前に押した。
「各共通科目の会場需要、消耗品需要、代替器材、緊急備品を全部先にリストアップして。射撃、白兵、電子戦、地上作戦の項目は、教官が思いついた時に補充するのでは遅すぎる」
「わかった」
彼は数ページめくり、また顔を上げた。
「予算の上限は?」
「今はない」
「じゃあ後で必ず削られる」
「そう」
「どのくらい削られる?」
「わからない」
ロイは二秒間沈黙し、財務担当者にしか出せない、人格を侮辱されたに近い平静な顔を浮かべた。
「なぜ若くして体制への信頼を失う人間がいるのか、今になってわかった気がする」
「おめでとう」私は言った。「成熟した社会へようこそ」
彼は私を一瞥した。
「もし後でお前の仕事が俺より軽かったら、お前の分も予算災害に計上するからな」
「私怨で仕事するのはやめて」
「じゃあ祈っとけ」
この男、少し生徒会の財務担当らしくなってきた。
真紀は私たちの子供じみた言い合いを無視し、別の方を向いた。
「ラン」
「はい」
ランは姿勢よく座っており、すでに自動的に空白ページを新しい面に開いていた。私のように会議の中で口で無駄な抵抗を繰り返すより、明らかにずっと成熟している。
「会場と流れの動線はあなたに任せます」
「校内各エリアの使用権、時間の切り分け、器材の搬入出、待機と集合場所ですか?」
「それから臨時の管制線も」真紀が付け加えた。「上院と下院が一緒に試合をするから、共有の場所では必ず摩擦が起きる。観覧区、選手区、後方区をきっちり分けないと、口論だけで事故報告書が三十ページになる」
ランは頷き、表情は安定していた。
「先にルート図の一版を引きます。風紀や警備との連携が必要な箇所は別途色分けします」
私はここまで聞いて、自分の未来のために半秒間黙祷した。
なぜなら、ランが図を描き始めるということは、物事が苦しみを量産できる段階に入ったということだからだ。
この女の怖いところは不満を言うことではなく、不満を言う前に仕事を終わらせてしまうことで、だから彼女を援護する機会すら与えてもらえないのだ。
真紀も明らかに彼女を信頼しており、直接いくつかの会場配置図を押した。
「じゃあこれを先に」
それから、彼女はヘートヴィヒを見た。
オフィスの中がほんの少しだけ静まった。
気まずいからではない。ヘートヴィヒはこの場においてもともと他の人間とは少し異なる存在感を持っているからだ。彼女が生徒会の書記であることは確かだが、同時に彼女はヘートヴィヒでもある。その名前がどんな行政の流れに置かれても、必要ではないのに無視もできない重さを自動的に帯びてしまう。
彼女は机の脇に立ち、表情は静かで、最初から自分が除外されないことをわかっていたかのようだった。
真紀が口を開いた。
「ヘートヴィヒ」
「はい」
「書記の通常業務はそのままで、今回は二つ追加してもらいます。一つ目は試合記録と資料まとめ。二つ目は対外文書です」
私は少し眉を上げた。
対外文書。この分け方はいかにも彼女らしい。
ヘートヴィヒは驚いた様子もなく、ただ聞いた。
「範囲はどこまでですか?」
「告知文、エントリー通知、項目説明、各院向けの連絡文書、試合日程の対外版」真紀は言った。「内部備忘録と事故予備稿は私がもう一度確認します」
「わかりました」
彼女の返答は淡々としており、最初からそれを待っていたかのようだった。それから手元の選抜資料を一瞥し、こう付け加えた。
「もし言葉遣いを、学校が本当に学生の名誉を気にかけているように見せる必要があれば、それも手伝えます」
私は笑いそうになった。
「あなた、そういう皮肉も言えるようになったの?」
彼女は目を上げた。表情は相変わらず端正だった。
「事実を述べているだけです」
「その言葉があなたの口から出ると、殺傷力がかなり高い」
真紀はその言葉に全く驚いた様子もなく、ただごく普通に受けた。
「じゃあ、お願いします」
気のせいかもしれないが、ヘートヴィヒがその時頷いた動作は、いつもより少し速かった。
受け取ったのが仕事だけではなく、このテーブルの前に座る、より正式で正当な立場だったかのように。
……まあいい。
弁当は食べてしまったし、人員も詰め込んだ。今さら「なんでこんなに自然に会議の核心になっているの」と言っても遅い。
次は私の番だ。
名前を呼ばれる前に、私は自分から背筋を伸ばした。
なぜなら、このパターンを熟知しているからだ。
前の数人が比較的まともな文明社会に存在しそうな役職を割り当てられるほど、最後に私が受け取るものが人間のやる仕事に見えなくなる確率は上がる。
真紀は案の定私を見た。
「シモ」
「います」
彼女は書類の一束をそのまま私の前に押してきた。
その量は非常に誠意があった。
誠意がありすぎて、昨夜から今朝の校門前での一連の余計な言動に対する報復を、すでに昨夜のうちに計画していたのではないかと疑うほどだった。
「あなたは横断調整を担当して」
私は目を細めた。
「……翻訳すると?」
「翻訳すると」彼女は顔色一つ変えずに言った。「一番面倒で、一番揉めやすく、一番自分で上手くやれない可能性が高い部分を、あなたに任せるということです」
「その翻訳、正直すぎない?」
真紀は私の抗議など聞こえなかったかのように、そのまま項目を列挙し始めた。
「上院と下院の代表予備名簿の確認、各項目参加者の回答、時間の衝突調整、欠席の追加登録、緊急連絡、臨時の再編成、それから……」
彼女の指先がある空白の表を叩いた。
「各グループからの苦情と意見の収集」
私はその場で背もたれに倒れかかった。
「なんで最後のも私の担当なの?」
「あなたが一番忍耐強いから」
「私に対して根本的な誤解があるんじゃない?」私は自分を指差した。「私のどの骨一本を取っても、忍耐強そうに見える部分なんてないでしょ」
「忍耐強くなくてもいい」彼女は淡々と言った。「あなたは人の言葉がわかる。どの愚痴がただの戯言で、どの愚痴が本当に爆発するかを聞き分けられる」
……くそ。
核心を突かれた。
生徒会で最も面倒なのは書類そのものではなく、しゃべる書類、つまり人間だ。
特に上下院対抗、代表資格、共通科目の順位、誰が出られて誰が出られないかが絡んでくると、戯言、嫌味、委屈、言いがかり、裏口を狙う人間の言葉が全部混ざって押し寄せてくる。そういう場面では、ロイが人と値段交渉するよりも、ランが流れ図で人を黙らせるよりも、私が行く方が確かに合理的だ。
だから私は最終的に、非常に不本意ながら諦めた。
「……わかった、やる」
「もう一つあります」
私は顔を上げた。
真紀は私を見て、口調は平穏だった。まるでもう一本刃を渡すかのように。
「試合当日の臨時対応もあなたの担当です」
「臨時対応って何?」
「字義通り」彼女は言った。「当日、どちらかの側が急に人が足りなくなった場合、あるグループの衝突が激化した場合、記録と現場が一致しない場合、裁定に誰かが即座に走って対応する必要がある場合、あなたが行く」
私は二秒間黙った。
それから非常に誠実に結論を出した。
「あなた、私のことを生徒会の万能スパナとして使ってるでしょ」
今度こそ真紀は本当に笑った。
その笑いは小さく、少し意地が悪かった。
「今頃気づいたの?」
私はその「これが当然じゃないの」という顔を見て、机の上の空の弁当箱を頭に被せてやりたくなった。
でも、できなかった。
一方ではここに人が多すぎるから。もう一方は——そしてこちらの方がより致命的なのだが——彼女がそれを言う時の口調があまりにも自然だったからだ。「私が一番面倒な仕事を引き受ける」ということを、議論の必要もない前提として当然のように扱っているかのように。
こういう阿吽の呼吸は時として煩わしい。
だが更に煩わしいのは、見透かされているとわかっていても、すぐには否定できないことだ。
私にできることはため息をつくだけだった。
「私はあなたに使い潰される」
「安心して」彼女はペンを回した。「生徒会の副会長は消耗品ではなく、高耐久品です」
「この言葉、全然慰めにならない」
隣のジェスはすでに笑い転げそうになっていた。
彼女は会議録を書きながらも机に伏せかけており、肩がひくひくと震えている。
「会長の言い方、かなり筋が通ってると思う」
「黙って」私は振り返って彼女を睨んだ。「外から来た正体不明の生物が、私の職業上の傷害について意見する資格はない」
「え? 私もう外来じゃないでしょ?」彼女は記録冊を振った。「強制的に体制に組み込まれたんだから」
真紀はちょうど彼女が自分でその言葉に飛び込んでくるのを待っていたかのようだった。
「自覚があるなら、ちょうどいい」
ジェスの笑顔が半秒で固まった。
「……ちょっと待って、嫌な予感がする」
「会議録の担当に加えて、臨時連絡員を兼任して」
「なんで!」
「あなたは走るのが速くて、話が多くて、気まずさを恐れないから」真紀は言った。「この三つの条件が、伝言役にぴったりよ」
私はすぐに頷いた。
「その点は賛成」
ランも追撃した。
「両方が喧嘩寸前の時に割り込んで、空気をさらにかき乱すのに向いてる」
「それ、褒めてないよね!」
「褒めてない」ロイが素早く答えた。
ジェスは胸を押さえ、組織に裏切られた者の苦しみを全身で表現した。
「生徒会の人たち、本当に怖い」
「違う」私は訂正した。「生徒会の人たちは可哀想なだけよ。怖いのは、こういう仕事を生徒会に投げてくる人たちだ」
「今から抜けられる?」
真紀は目を上げ、いつもの一言を返した。
「ドアはそこよ」
ジェスは即座に口を閉じ、諦めてページをめくった。
よかった。
世界が秩序を取り戻す方法は、やはり明確な脅しに頼るしかないらしい。
分担がおおよそ決まると、机の上の空気は「一緒に朝食を食べる怪しい平和」から「全員が自分の死に方を割り当てられた」状態に正式に切り替わった。
ロイは予算と器材の需要表を手に、眉を来年最初の財政戦争の予行演習のように固く結んでいた。
ランはすでに会場図を広げ、自動的に動線の衝突ポイントを脳内でマーキングし始めていた。
ヘートヴィヒは静かに自分の担当する書類を引き抜き、「対外版」の欄に指が止まった時、目線がさっきより少し鋭くなった。
ジェスは記録冊を手に、「野次馬として入ってきたはずなのに、いつの間にか売り渡し契約にサインしていた」という顔をしていた。
そして真紀は……
主席に座り、空白のページに次の三日間の段取りを素早く書き込んでいた。この一切が、朝起きる前から予定に入れていたことに過ぎないかのように、冷静に。
私はその姿を見て、不意に笑いたくなった。
「会長」
「何?」
「あなたって、全員を一緒に引きずり込むこの瞬間を、実は楽しんでるんじゃない?」
彼女の手のペンが一拍止まり、それから目を上げた。
その目は平坦で、静かで、「またそんなことを言って」という薄い呆れすら含んでいた。
だが私には見えていた。
彼女は素早くは否定しなかった。
最後に彼女はただ言った。
「事態が制御不能になるのが嫌いなだけよ」
「ほう」私は声を引き伸ばした。「つまり、全員から自由を奪うことで、それを自分でコントロールしているというわけね」
「やりたくないなら、今から副会長の席を空けてもいいわよ」
「ダメ」私は自分の想像より速く答えた。
今度は彼女が私を見た。
私も彼女を見て、それから正直に後半を付け足した。
「一番面倒な部分を適当な人に任せるのが心配だから」
空気が短く静まった。
ロイはページをめくっている。
ランは図を描いている。
ジェスは忙しいふりをしている。
ヘートヴィヒは何も言わなかったが、さっきの一瞬、彼女の視線が少し長く止まったような気がした。
真紀はただごく軽く鼻を鳴らし、うつむいて新しい仕事表を私に押した。
「じゃあ黙って仕事して、副会長」
……まあいい。
これが彼女のやり方だ。
褒めない、感動しない、自己陶酔する余地を与えない。せいぜい、あなたがもっと馬鹿なことを言い出す前に、次の書類の束を腕の中に押し込んでくる。
私は下を向いて見た。
予備名簿。
連絡順序。
エントリー締め切りの草稿。
上下院共通科目の対照表。
見事だ。
本当に見事だ。
まるで系統立てて設計された悪意のように、見事だ。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




