173.稼働 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
生徒会室に漂っていたコーヒーの香りは、結局この場所を文明社会の朝の拠点に偽装することができなかった。
理由は単純だ。
ここには九島真紀がいて、良心よりも高く積まれた公文があって、一早朝から会議に引きずり込まれた人間たちがいる。
この構成において、コーヒーの機能は通常一つしかない——自分がいかに惨めかを、清醒な頭で認識させることだ。
私は半分ほど残った弁当箱を抱えたまま机の端に寄りかかり、九島真紀が席から立ち上がるのを見ていた。
彼女は封筒の中から引き抜いた資料を机の上に広げた。その動作は処刑名簿でも広げるかのように手際よかった。朝の光が窓から斜めに差し込み、紙の上の過剰に鮮やかな文字を照らし出す——
連邦中央星際連合軍事学院 首都圏代表隊選抜
真紀は指の関節で机を叩いた。
「会議を始めます」
たった一言。それで十分だった。
さっきまで野次馬根性全開だったジェスが即座に縮み上がった。ロイは手の書類を胸の前に引き寄せ、ランは空気を読んで姿勢を正した。ヘートヴィヒは机の脇に立ち、最初から静かに傍聴するつもりだったかのようにしている。私は弁当箱を置き、心の中で自動的に「さあ、厄介事が正式に始まった」という警戒モードに入った。
真紀は全員を見回し、口調は平坦だった。
「今日が最初の正式な会議です。本来なら手続き上、まず自己紹介をするべきですが」
彼女は一拍置き、もう一度全員を見た。
「知らない人はいないわよね?」
「います」
私はすぐに手を上げ、ジェスを指差した。
「ここに正体不明の生物が一匹」
ジェスが即座に私を睨んだ。
「ちょっと、私は無害だよ」
「いや、あなたの存在そのものが害です」
「あんた——」
ジェスの反撃がまだ形になりきらないうちに、真紀は無表情のまま横から空白の記録冊を一冊引き抜き、ぱしりとジェスの前に投げた。
「ちょうどいい、仕事ができたわ」
ジェスは冊子を見下ろし、それから顔を上げた。
「……どういう意味?」
「会議録よ」真紀は言った。「あなたが担当して」
「え、なんで私?」
「一番元気だから」彼女の口調は残酷なほど淡々としていた。「嫌なら、ドアはそこよ」
私は笑いそうになるのをこらえた。
ジェスは私を見て、真紀を見て、最後にまたその天から降ってきた労役通知のような冊子を見下ろし、二秒間沈黙した。その表情は非常に見事で、「野次馬として来たはずなのに、いつの間にか野次馬の一部にされていた」という悲しみに満ちていた。
それでも彼女は、黙ってペンを手に取った。
……笑える。
この世界に本当の天敵などいない。あるのは、より高度な行政的制圧だけだ。
私は心の中で三秒間、彼女に拍手を贈った。
ジェスの天敵は校則でも風紀でもない。会長だ。
真紀はオフィスが表面上は制御可能な状態に入ったことを確認してから、視線を机の上の資料に戻した。
「今年もそろそろ終わりですから、今日話すのは来年の案件です」
彼女は一番上のカラーのビラを表に返した。
「第一件。連邦中央星際連合軍事学院首都圏代表隊選抜について」
一拍置く。公式名称が長すぎて、読み終わる前に十歳老けそうな公文タイトルだと判断したのか、彼女はそのまま人間の言葉に翻訳した。
「平たく言えば、上下院対抗戦です」
オフィスの中が一瞬静まった。
最初に口を開いたのはロイだった。眉をひそめ、資料を見ながら、実際的な口調で言った。
「上院と下院じゃ、学んでいることがそもそも全然違うじゃないか。どうやって戦うんだ?」
これは的を射た質問だ。
上院と下院は同じ軍校の看板を掲げているが、教え方も重点も訓練の方向性も、学校自体が「公平」という言葉の存在を信じていないかのように異なっている。
真紀は明らかに最初から聞かれることを予測していたのか、間すら置かなかった。
「共通科目で戦います」
彼女はそう言いながら、資料に挟まれていた概要表を引き抜き、中央に広げた。
「格闘、射撃、白兵、指揮、電子戦、小隊協力、チーム連携、艦隊指揮、地上作戦」
彼女が一項目読み上げるたびに、私は自分の平和な人生のために心の中で小さな灯明を一本ずつ点した。
これのどこが選抜大会なのか。
これは学校が「お前はどこまで生き残れるか」という評価表を丸ごと取り出して、青春熱血の校内活動として再包装したものだ。
ランがわずかに前傾みになり、その表を見た。
「勝敗はどう決まるんですか?」
「積分制よ」真紀の返答は早かった。「各項目十点。一が最低、十が最高で、最後に合計点数を集計する」
「つまり」ロイは書類を押しながら、口調が少し不穏になってきた。「単項目淘汰じゃなくて、総合評価なんだな」
「そう」
「言い換えれば」私はこの場の核心的な悪報を代わりに言語化した。「この種の試合は学生会を最も効率よく痛めつけるのに向いている。なぜなら項目が多く、試合数が多く、人手の需要が多い上に、自分が正当だという顔をしているからだ」
真紀が私を見た。
その一瞥には、「ようやく要点を掴んだわね」という非常に薄い意味が含まれていた。
そして彼女は平然と追撃した。
「その通り」
彼女は筆先で資料を叩いた。
「今回、生徒会は自分たちが試合に出る以外、ほぼすべてに関わることになります」
ちょうど最初の一行を書き終えたばかりのジェスが、それを聞いて顔を上げた。
「その他って——」
「全部よ」
真紀のその二文字は清潔で、無駄がなく、まるで棺桶の蓋を閉めるようだった。
「前期の統括、スケジュール、会場管理、動線整理、グループ調整、記録のまとめ、試合当日の人員配合、生徒会がすべてやります」
言い終わってから、彼女は客観的な補足を一言添えた。
「簡単に言えば、学校が自分でやるのが面倒な部分を、全部こちらに投げてくるということです」
私はその場で目を閉じた。
やっぱりそうか。
昨夜眠れなかったのは理由がなかったわけではない。人類が災難を予感する能力は時として非常に正確で、ただ、正確であっても大抵どうにもならないのだが。
「そんな今にも往生しそうな顔をしないで」真紀は私を見て、口角をわずかに上げた。「これはまだ始まりに過ぎないわ」
「重症患者を慰める時みたいな口調で話さないでよ」
「十一校決戦が始まったら」彼女は私の遺言など聞こえなかったかのように、平然と判決を続けた。「生徒会は行政支援に加えて、補欠と現場協力も兼任します」
「もう聞きたくない!」
私は思わず声を上げ、机に突っ伏しそうになった。
「楽しく学ぼうってどこへ行ったの? 連邦軍校のパンフレットはいつも青年の成長、バランスある発展、名誉と友情って書いてるじゃない。翻訳したら全部残業になるの?」
「今頃気づいたのなら、少し遅かったわね」ロイが冷静に言った。
「あなたは人生を見透かした顔で他人事みたいに言わないで」私は振り返って彼を睨み、「あなた……じゃなくて、ラン、あなたが公平に判断して。これ、合理的?」
ランは眉一つ動かさず、ただ手元の資料を二ページ目に捲った。
「合理的かどうかは関係ありません」彼女の口調は淡々としていた。「問題は、生徒会が受け取らなくても、最終的にはこちらに回ってくるということです。受動的に爆弾を受け取るより、今のうちに爆弾の重さを知っておく方がいい」
……くそ。
この女の言うことが正しすぎて、私の愚痴が単なる現実逃避に見えてしまう。
ヘートヴィヒはずっと口を挟まずに立っていた。彼女の視線は試合の概要表に落ちており、表情は静かで、ただ傍聴しているのか、すでに心の中で制度全体の値踏みをしているのか、一見しては判断がつかなかった。
今この時に彼女を特別に意識するつもりはなかった。
だが、どうにもならなかった。
理由は二つある。
一つ目は、彼女が持ってきた弁当が本当においしかったこと。人類は料理のできる人間に対して完全に冷酷になることが難しい。
二つ目は、彼女は生徒会の書記であって、脇に置かれた観賞植物ではないということだ。この規模の厄介事に、彼女が本当に関係ないでいられるはずがない。
案の定、真紀の次の一言が彼女を机の上に引き込んだ。
「記録と資料整理の方は、後で書記に一部引き受けてもらいます」
ヘートヴィヒは目を上げ、頷いた。
「わかりました」
彼女の返答は平坦で、余計な質問もなく、「生徒会に入ったからには楽に生きられると思うな」という事実をすでに受け入れているかのようだった。
ただ、彼女の視線が机の上の選抜資料に一秒止まり、それからごく軽く私の方を掠めた。
その一瞥は短かった。
他の人なら、視線が自然に通り過ぎただけだと思うだろうほど短かった。
だが、今日は朝から早起きと弁当と公文に神経を刺激され続けているせいか、私にはその一瞥の中に何か微妙なものが含まれているように感じられた。
まるで、将来試合に投げ込まれるかもしれない人間を見るような目。
あるいは、すでに半分書き終えていて、本人だけがまだ認めていない厄介事を見るような目。
私は即座に見なかったことにした。
学生会における最重要の生存技術の一つは、意味深に見える視線をすべて真剣に受け取ろうとしないことだ。そんなことをしていたら、書類よりも先に死ぬことになる。
ジェスは会議録を書きながら、それでも口を挟まずにはいられなかった。
「ちょっと待って。これって試合じゃなくて、全校合同の強制労働活動じゃないの?」
「それ、会議録に書いていいよ」私は言った。
「本当に書いていい?」
「ダメ」真紀は顔も上げなかった。「でも、心の中でそう思うのは止めないわ」
この一言で、ランまでうつむいて少し笑った。
私は机の上の書類の束を見つめ、突然ひどく鮮明な感覚を覚えた。
これが私たちの学校が最も得意とすることだ。
本来は暴力的で、面倒で、人情のかけらもないものを、少し綺麗な名前に変えて、体裁のいいビラを一枚発行する。するとそれはもう拷問とは呼ばれず、名誉と呼ばれる。
搾取とは呼ばれず、育成と呼ばれる。
学生に社会の悪意を早期体験させることとは呼ばれず、代表隊選抜と呼ばれる。
連邦の制度感というのは、時として非常に精巧に包装された精神的加害だ。
真紀は全員が第一波の悪報をある程度消化したのを確認してから、次の書類を少し前に押した。
「それから、先に言っておかなければならないことがあります」
口調は変わらない。だが私は本能的に少し背筋を伸ばした。
彼女がこういう平坦な声で「それから」と言う時、後に続くのは大抵、心が穏やかになるような補足ではないと知っているからだ。
「代表隊選抜が終わった直後に、二年次の修学旅行があります」
私の指が机の端で止まった。
この言葉が出た瞬間、オフィスの中の数人の反応がそれぞれ違った。
ジェスの目が一瞬輝いた。脳内で「ついに校外に出られる」という観光的な幻想が自動生成されているようだった。
ロイは眉をひそめた。生徒会の労働時間がもう一度死ぬことになるのを試算しているようだ。
ランは静かに二つの案件を同じ時間軸の上に並べ、後方支援担当者を泣かせるのに十分なスケジュール表をすでに心の中に書き始めているようだった。
ヘートヴィヒは何も言わず、ただ真紀に視線を落とし、彼女が今どこまで話すつもりなのかを待っているようだった。
そして私は——
昨夜、ベッドに横たわりながら、あのチップが感情も持たない声で、月面都市コペルニクスを歴史の中から掘り起こして私の脳に詰め込んでいくのを聞いていた。
だから「修学旅行」という四文字が口にされた瞬間、私の頭に最初に浮かんだのは遠足でも校外学習でも青春溢れる集団活動でもなかった。
月面だ。
中立という外皮だ。
帝国が設立した体裁のいい緩衝地帯だ。
綺麗な言葉の下に潜む、どう見ても無事に帰ってこられる雰囲気ではない空気だ。
真紀が少し首を傾け、私を一瞥した。
その一瞥は長くなかったが、意味は非常に明確だった。
——あなたは私が何を言っているかわかっている。
——そして今ここで全部話すつもりはない。
彼女は口を開き、口調は相変わらず平坦だった。
「詳しい内容は、代表隊選抜が終わってからお知らせします」
一拍置き、もう一言付け加えた。
「エントリーの締め切りは新年前なので、しばらく忙しくなります」
「ちょっと待って」ジェスが案の定最初に食いついた。「修学旅行ってどこ行くの? まさかまた生存演習を教育活動に偽装したものじゃないよね?」
「その言い方は本校に対して失礼すぎる」私は言った。
「どこが失礼なの? 過去の経験に基づいた合理的な推測をしてるだけだよ」
「合理的すぎて反論できないところが問題だよ」
真紀はジェスの質問にすぐには答えず、ただ修学旅行に関連する資料を手元に押さえた。まるで、まだ開けるつもりのない札を牌山に戻すように。
「今は目の前のことを先に片付けましょう」
彼女は全員を見回し、口調は非常に標準的な生徒会長モードに戻った。
「とにかく今日から、代表隊選抜が生徒会の最優先事項です。各自の担当は後で分けます」
ジェスはため息をつき、記録冊に向かって素早く文字を補い始めた。
「今になって、なんであなたたち二人が今日こんなに早く来たかわかった気がした」
「学校生活が好きだからだと思った?」私は背もたれに寄りかかり、心の底から悲しい誠実さで言った。「違う。自分の労働時間の死亡証明書を、少し早めに目撃しに来ただけよ」
「副会長、言葉に気をつけなさい」真紀は淡々と言った。
「はい、会長」私はすぐに言い直した。「では、死亡証明書ではなく、光栄なる服役通知と申し上げます」
ロイは資料を閉じ、きっぱりと結論を出した。
「翻訳すると、来年は全員まともに生きられないってことだな」
「それ、書いていいよ」私はジェスに顎をしゃくった。
「もう書いた」彼女は得意げだった。
「正式版には絶対に書かないように」ランが注意した。
「わかってる。馬鹿じゃないんだから」
私は彼女を見て、二秒こらえたが、やはり堪えきれなかった。
「その台詞があなたの口から出てくると、信憑性がかなり微妙になる」
「星野、今日やたら死にたがってない?」
「全然。ただ今日は特別に正直なだけよ」
オフィスの中が一時的に騒がしくなった。笑い声、ツッコミ、ページをめくる音が混ざり合う。
だが机の上の書類は軽くならなかった。
代表隊選抜も、私たちが少し多く笑ったからといって、純粋に熱血な青春活動に変わったりはしなかった。
わかっていた。真紀もわかっていた。この部屋にいる頭のある人間は全員わかっていた。
今日のこの会議は、表面上は校内の対抗戦の話をしているように見える。
だが今この瞬間から、生徒会という線と、代表隊という線と、遠くでゆっくりと頭を出し始めている修学旅行という線が、正式に絡み合い始めた。
私は机の上の資料を見下ろし、それから真紀を見た。
彼女はすでに主席に戻り、空白のページに分担の草案を素早く書き始めていた。陽光が彼女の横顔に当たり、昨夜の睡眠不足の痕跡を薄めながら、「事が多くなればなるほど、彼女はより彼女らしくなる」という感覚をより鮮明に照らし出していた。
正直に言うと。
時々、彼女は生徒会長ではないと思う。
彼女はむしろ、学校が崩れ始めた時に、誰よりも早く崩れた部分を縛り直しにいく人間のようだ。
問題は——
私はたいてい、一緒に縛り込まれてしまうのだ。
そう思うと、思わずため息が出た。
真紀は顔も上げなかった。
「不満でも?」
「ない」
私は手を伸ばし、一番近くにある書類の束を引き寄せた。
「ただ、連邦中央星際連合軍事学院というところが、軍官を育てているのか、それとも高級な苦役人を育てているのか考えていただけ」
今度は彼女が本当に顔を上げ、口角をごく淡く動かした。
「両方じゃないかしら」
……終わった。
認めた。
ということは、この件は本当に救いようがないらしい。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




