170.生徒会補欠 3
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
私が後を追う時、背後からジェスの極めて低い声が聞こえた。
「生きて帰ってきてね」
私は無視した。
午後の光が窓から差し込み、床をブロック状に切り取っている。廊下を誰かが通り過ぎ、ガラスと壁越しに聞こえる笑い声が少し遠く感じられる。ヘートヴィヒは窓際で立ち止まり、振り返った時の表情は相変わらず安定していた。
安定しすぎていて、少し不愉快になるほどだ。
なぜなら、それは通常、ペースを乱されるのは相手の方だけだということを意味するからだ。
「先に言っておくけど」私は窓枠に寄りかかり、先手を打った。「朝の視線の交錯とか、座席の動線とか、連邦の学生の見栄えが悪いことについて謝罪を求めてるなら、私にはそんな高尚な道徳心はないからね」
ヘートヴィヒは私を二秒ほど見た。
そして、ほんのわずかに口角を動かした。
「違います」
この反応は、直接冷たい顔をされるよりも厄介だ。彼女がこのような、無に等しい笑みを浮かべた場合、言葉全体が「あなたの今の戯言、それなりに面白いですね」と言っているように見えてしまうからだ。
私はこの感覚が好きではない。
それは、彼女が私のペースに巻き込まれなかったことを意味するからだ。
「じゃあ何?」
ヘートヴィヒはすぐには答えず、まず教室の中を一瞥した。あからさまな視線ではなかったが、それが適当な確認ではないことはわかった。彼女は周囲の状況を確かめてから、視線を戻した。
「星野さん、先ほどからずっと、こちらを見ていましたね」
「ただぼーっとしてただけかもしれないけど」
「ただぼーっとしていただけで、ジェスさんがあんな風に笑うはずがありません」
……素晴らしい。
どうやら、あいつのさっきの幸災楽禍な顔は、この殿下の目すら逃れられなかったらしい。
私は舌打ちをした。
「で? もう見透かしてるなら、手っ取り早くお願い」
ヘートヴィヒは一つ頷き、本当に手っ取り早く切り出した。
「生徒会、人が足りないのですか?」
私は危うく空気にむせそうになった。
この言葉はあまりにも的確すぎた。一瞬、生徒会室の音が漏れていたのではないか、あるいは真紀が先回りして私を売り飛ばしたのではないかと疑ったほどだ。
私は彼女を睨みつけた。
「なんで知ってるの?」
「こういう時に、星野さんが自ら私に接触してくる理由は多くありませんから」彼女は言った。「コペルニクスの件でなければ、生徒会の件。そして、昼休みにあの会長に呼び出されていたことを考慮すれば、おそらく両者は同じ件でしょう」
この女、本当に厄介だ。
ジェスのような厄介さではない。
ジェスは、そこら中を跳ね回りながら笑い、こちらの膝を蹴ってくるような厄介さだ。
ヘートヴィヒは違う。彼女はそこに立ち、とても清潔で、とても静かで、そしてたった数言で、こちらが用意していた下書きを丸ごと抜き取っていくのだ。
「わかった」私は認めた。「書記が足りない」
「なるほど」
「外交ブリーフィングを聞いてるみたいな口調はやめて」
「では、星野さんは私にどんな口調を望んでいるのですか?」と彼女は聞いた。
「せめて、この状況を馬鹿げてると思う人間らしい口調」
「この件は、元々馬鹿げていますよ」ヘートヴィヒは私を見て、極めて平然と言った。「連邦の生徒会が、帝国から来た学生を書記に据えようとする。しかも、コペルニクスでの交流を目前に控えたこの時期に。他の人が聞きに来たなら、私はおそらく即座に断っていたでしょう」
「じゃあ、私なら?」
この言葉が口から出た後、私自身も少し驚いた。
あまりにもスムーズに聞きすぎてしまった。
自分が思っている以上に、答えを気にしているかのように。
ヘートヴィヒはすぐには答えなかった。
彼女はただ静かに私を見つめていた。その目はとても浅く、そして冷たかったが、なぜかそうやって見つめられていると、自分が言葉を急ぎすぎた、本心を露呈しすぎたという錯覚に陥ってしまうのだ。
半秒後、彼女はようやく口を開いた。
「星野さんは少なくとも、自分が非常に馬鹿げたことを聞いているという自覚がありますから」
私は鼻を鳴らした。
「それ、褒め言葉?」
「誠実さの評価、とでも」
「それはどうも光栄で」
ヘートヴィヒの視線が教室の中をかすめ、最後に私の背後のどこかに留まった。
振り返らなくても、そこに誰が座っているかはわかる。
真紀は今、こちらを見ていないだろう。
少なくとも、堂々と見るようなことはしない。
だが、彼女がそこにいるということ、昼のコペルニクスの草案、そして彼女が抜き取った付録の欄を思うと、この件を単なる部活の勧誘として扱うことはどうしてもできなかった。
ヘートヴィヒは私のそのわずかな思考の逸れを見透かしたかのように、相変わらず高からず低からずのトーンで言った。
「彼女の意向ですか?」
この「彼女」に説明は不要だ。
私は窓枠に寄りかかり、少し考えた。
「半分はね」
「残りの半分は?」
「残りの半分は、彼女が書類の山に生き埋めにされるのを見たくないから」
ヘートヴィヒは黙った。
その沈黙は長くなかったが、私は先ほどの言葉が少し直截すぎたのではないかと不意に後悔した。こういう言い方は、私と真紀の距離感をあまりにも明確に暴露してしまう危険性がある。理論上、彼女がすべてを知っているわけではないだろうが、世の中には、すべてを知らなくても嗅ぎ取れるものがある。
結果として、彼女はただ非常に軽く相槌を打っただけだった。
「そうですか」
追及はしない。
探りも入れない。
意図的な表情すら見せない。
それがかえって、居心地の悪さを増長させた。
「で?」私は強引に話題を戻した。「引き受けるの?」
ヘートヴィヒはすぐには承諾もせず、きっぱりと断ることもなかった。彼女はただ、手に持っていたプリントを反対側の腕に持ち替え、思考を整理するかのようにゆっくりと動いた。
「書記は何をすればいいのですか?」
「名目上は色々」私は言った。「実際は状況次第。一番重要なのは、そこに座って、それらしく見えること」
「なるほど」彼女はなんと、一つ頷いた。「つまり、仕事内容の一つは装飾的な存在であること、ですね」
「言い方は悪いけど、正確だね」
「では、なぜ星野さんは、私が装飾として扱われることを受け入れると思ったのですか?」
この質問はひどく平坦だったが、決して柔らかくはなかった。
彼女を見て、私は不意に一つの事実を悟った。
この相手は、適当な戯言で誤魔化せる相手ではない。口が悪いことは容認してくれても、本当に綺麗な言葉だけで取り繕おうとすれば、彼女はおそらく適当に相槌を打つことすら面倒くさがるだろう。
だから私は、先ほどまでの散漫な態度を収め、正直に口を開いた。
「装飾だけじゃないから」
ヘートヴィヒは何も言わなかった。
私は言葉を続けた。
「コペルニクスの件、ただ学生たちを連れて月を見に行き、演説を聞いて、集合写真を撮るだけの単純なものじゃない。クラスの誰よりも、あんたが一番よくわかってるでしょ?」
彼女のまつ毛が、ごくわずかに動いた。
ほんの一瞬。
だが今度は、私にも見えた。
「生徒会が今、人手不足なのは本当」私は言った。「でも、人手不足以外の理由もある。あんな場所へ行く前に、あんたを早めに生徒会のテーブルに着かせておくことは、決して悪い手じゃない」
「誰にとって良い手なのですか?」と彼女は聞いた。
「少なくとも、連邦だけが得をするわけじゃない」
この言葉が口から出た瞬間、私は自分が一線を越えたことを自覚した。
致命的ではない。
だが、絶対に冗談でもない。
なぜなら、私たちにはわかっているからだ。コペルニクス、交流、皇女の演説、連邦と帝国の友好的なポーズ——これらの要素が積み重なった時、それが単なる青春の校外学習だと本気で信じる人間など、一人もいないということを。
ヘートヴィヒは私を見た。その目は、先ほどよりも少し深みを増していた。
「星野さんは私を招待しているのですか? それとも、警告しているのですか?」
「両方」
「欲張りですね」
「仕方ない」私は両手を広げた。「生徒会は今人手不足だし、私の忍耐も不足してるから」
今度は、彼女は本当に笑った。
礼儀としての弧を描いたものではなく、淡いが、確かに存在する笑みだった。氷の表面に細い亀裂が入ったような。小さくても、それが完全に温度のないものではないことを証明するには十分な笑み。
「もし私が承諾したら、会長はどう言いますか?」
「『試しにやらせてみてもいい』って言うはず」
「なるほど、すでに話は通してあるのですね」
「ちょっと口に出しただけ」私は間を置き、やはり一言付け加えた。「あんたの代わりに返事したりはしてないよ」
「その点については、少なくとも筋が通っていますね」
私は思わず安堵の息を吐いた。
この種の人種と話すのは疲れる。彼女が難癖をつけてくるからではなく、こちらが少しでも不誠実な態度をとれば、すぐに見透かされてしまうからだ。あいにく、私は今日の昼から今まで、すでにあまりにも多くの人間の前で平気なふりをしてきたため、これ以上演技をするのは心底面倒だった。
ヘートヴィヒは伏し目がちに手元のプリントを見つめ、ついに結論を出したようだった。
「名前を貸すことは可能です」
私は眉を上げた。
想像よりも早い承諾だった。
だが次の瞬間、彼女は後半の条件を付け加えた。
「ただし、条件があります」
……やっぱり。
「言って」
「生徒会にあるコペルニクス関連の書類で、私の身分で知ることができるものは、すべて第一時間に見せていただきます」
私は彼女を睨みつけた。
「随分と前から考えていたような条件だね」
「最初から、書記という役職は重要ではありませんから」彼女は視線を上げ、ひどく平然と言い放った。「重要なのは、連邦が今、何を交流として包装しようとしているかです」
私は二秒間沈黙した。
この女は、私が思っていたよりもずっと直接的だ。
そして、私が思っていたよりもずっと危険だ。
だが一番苛立たしいのは、彼女の言うことが正しいということだ。
「全部見せられる保証はできない」私は言った。
「わかっています」彼女の返答は早かった。「それは星野さんが決められることではありませんから」
この言葉は決して不快なものではなく、むしろ正確だった。だがなぜか、彼女の口からそれを言われると、少し言い返したくなった。
「じゃあ、なんで私に条件を提示するわけ?」
「今ここに立っているのは彼女ではなく、星野さんですから」
……なるほど。
この言い分には、反論の余地がない。
私は息を吐き出した。
「戻って会長に伝えるよ」
ヘートヴィヒは頷いた。
「では、この件は半分成立したと考えておきます」
「結果を先取りするのが上手いね」
「星野さんも悪くありませんよ」
私たちは短く視線を交わした。
その瞬間、私ははっきりと自覚した。この事態は、今この時から、単なる書記の欠員補充ではなくなったのだと。それはむしろ、まだ完全には開かれていないテーブルの上に、小さからぬチェスの駒を前倒しで置いたようなものだ。
そして私は先ほど、自らの手でその駒を招き入れたのだ。
教室の中の話し声がふいに大きくなった。後列の誰かが、うっかり何かを落としたらしい。ヘートヴィヒは音のした方へ少し首を傾げ、それからプリントを腕に抱え直した。
「もうすぐ授業が始まります」
「わかってる」
「では、とりあえずこれで」
彼女は振り返る前に、何かを思い出したかのように立ち止まった。
「そういえば」
私は彼女を見た。
「もし今後、本当にコペルニクスへ行くことになったら——」彼女は言葉を濁さず、ごく平然と続けた。「今から月面の歴史を少し多めに学んでおいても、損はないはずですよ」
私の口角が引きつった。
素晴らしい。
どうやら、昼に生徒会室でかいた恥は、何らかの形で一周回って戻ってきたらしい。
「会長、そんなことまで言ったの?」
「聞くまでもありません」ヘートヴィヒの口調には、珍しく淡い、からかいのようなものが混じっていた。「見ればわかります」
そう言い残し、彼女は本当に去っていった。
私一人が窓際に残され、午後の光と、予習のふりをしている教室全体を前にして、真剣に考え始めた。
連邦、帝国、生徒会、コペルニクス、そしてヘートヴィヒのような、一目見ただけで人間の七割を解体してしまう女。一体どれが一番厄介なのだろうか。
三秒考えた。
結論:全部厄介だ。
そして私は、すでに片足を突っ込んでいる。
後列のジェスは、明らかにずっと盗み見ていた。ヘートヴィヒが席に戻るや否や、あいつは身を乗り出し、顔中に「早く吐け」と書いて私を見た。
「で?」
私は椅子に座り直し、無表情でプリントを広げた。
「あんたの今の顔、人身売買の契約書にサインした直後みたいだよ」
「大体合ってる」
「うわ、マジで?」
私はペンをプリントの上に放り投げ、背もたれに寄りかかり、ゆっくりと口を開いた。
「書記、見つかったよ」
ジェスは一秒間沈黙した。
そして、その目は次の瞬間にでも爆発しそうなくらい輝いた。
「マジで?」
「マジ」
「引き受けたの?」
「名前だけなら」私は言った。「あと、条件付き」
ジェスは私を二秒ほど見つめ、突然ジェスらしい笑みを浮かべた。
「なんか、今学期はすごく面白くなりそうな気がしてきた」
私は横目で彼女を一瞥した。
「あんたの『面白い』の定義は、大抵事故に限りなく近いんだけど」
「それは、事故に生命力が溢れてるってことだよ」
「それは、あんたが当番表に一歩近づいたってことでもある」
彼女は即座に縮こまった。
私が再び机の上のプリントに視線を落とした時、頭の中に残っていたのは、非常に明確な一つの考えだけだった。
今日の午後から、あのコペルニクスの草案は、もはや生徒会の机の隅に置かれたただの書類ではなくなった。
それは人を巻き込み始めた。
そして、私以外に最初に巻き込まれたのは、やはりヘートヴィヒだった。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




