165.駐車トラブル 3
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
ハーヴィーはそれを見た瞬間、眉をひそめた。
「飲料加熱器に触ったら、不機嫌になる」
私は振り向いた。
「その言葉の恐ろしいところ」私は言った。「あんたが不機嫌な版と普段の版に、どんな違いがあるか全然分からない」
「ある」ハーヴィーは言った。「普段はただ無視する。不機嫌な時は、覚えておく」
……なるほど。この手の人間も十分に怖い。
ジェスは静かに協力する気は全くなく、その二人の風紀委員の周りをうろつきながら、格安家具売り場を見て回るような口調で標識を読み上げた。
「『移動制限区域』……へえ。『追加複検付き』……へえ。『音響審査中』……もう一回へえ」ジェスは首を傾けて私を見た。「シモ、最後に『美観を損なう』って貼られると思う?」
「貼るなら、あんたの顔に貼ればいい」私は言った。
「ひどい」
「今日の私が言う中で一番優しい一言だよ」
「朝が精彩だったから気分が悪いの? それとも真紀が委員長の耳元で何か言って、それをあんたに教えてくれなかったから?」
私はジェスのすねを直接蹴った。
「黙れ」
「あ、当たった」
「本当に死にたいの?」
ジェスは横に避けながら、爆発前の手榴弾を拾ったかのように笑った。
「やっぱり気にしてたじゃん」
「気にしてるのは、あんたが今すぐ消えてくれることだよ。消えなかったら危険物のシールを貼ってあげる」
真紀の方でも気配があったらしく、ちらりとこちらを見た。
一瞥だけ。
でも私はすぐに顔が少し熱くなるのを感じた。
これは鬱陶しい。
もっと鬱陶しいのは、天気のせいではないと分かっていることだ。
「星野」真紀が呼んだ。
「……何?」
「こっちに来て」
ジェスが私の背後で「おぉー」と声を伸ばした。
振り返って睨んだ。
「もう一回やったら、収納スペースに一緒に封存してもらう」
ジェスは即座に口を閉じ、「どうぞ」というジェスチャーをした。
今すぐ駐車スペースに埋めてやりたかったが、風紀がまだいる。今日は余分な遺体を増やすのは控えておく。だからヘルメットをハンドルに掛け、しかめっ面のまま真紀の方へ歩いた。
真紀は大型バスの側前方に立っていた。検査中の風紀委員から少し距離を置いた場所、あちらの声は聞こえるが、すべては拾われない位置だ。この立ち方も、いかにも彼女らしかった。本当に退いているのではなく、ただ自分に最も有利な距離に調整しているだけだ。
「呼んだのは、私にも封条を貼るため?」立ち止まってから私は言った。
「できるなら、先にあんたの口に貼る」真紀は淡々と返した。
「それには工業規格が必要だよ」
真紀は笑わず、ただ私を見た。
その目はひどく静かだった。
静かすぎて、逆に落ち着かない。自分のさっきの乱雑な感情、隠したかった小さな動作が、全部見られていたかもしれないと、本能的に感じてしまうからだ。
「さっき校門で」真紀は言った。「何か訊きたいことがあったでしょ」
強がりたかった。
ない、と言いたかった。気にしてない、と言いたかった。どうせ連邦なんてそういうものだ、お互いの弱みで動いてる、一つ多かろうが少なかろうが別に変わらない、と言いたかった。
でも口を開いたら、出てきたのは一言だけだった。
「蚊帳の外に置かれるのが嫌いなだけ」
この一言が口から出た瞬間、私は自分の首を絞めたくなった。
正直すぎる。
馬鹿みたいに正直だ。
しかも私らしくない。
真紀はただ目を少し伏せた。答えがだいたいこういう形になるとは、最初から知っていたかのように。
「蚊帳の外じゃない」真紀は言った。「まだあんたが知るべきタイミングじゃないだけ」
「その言い方は最悪だよ」
「分かってる」
「子供をあやしてるみたいに聞こえる」
「あんたは時々、子供より扱いにくい」
私は顔を上げて睨んだ。
彼女は相変わらず落ち着いていた。
この人は本当に意地が悪い。一番腹立たしいのは何を言ったかではなく、こういう明らかに腹立たしいことを言う時、いつも中立的な事実を述べているかのような口調でそれを言えることだ。まるで私が刺されているのではなく、客観的に記録されているかのように。
「じゃあ一つだけ教えて」私は声を落とした。「委員長が今日歯を噛んで通したのは、本当に皇――」
私は止まり、その言葉を飲み込んだ。
ここは司令部の廊下ではない。壁が多く、耳も多い。多くの言葉はここで口にした瞬間、言葉ではなく事故になる。
真紀は私を見た。
ごく短く。
でもその一瞥の意味ははっきりしていた。まだ完全に馬鹿になっていないじゃない、という意味だ。
「一部は」真紀は言った。「もう一部は、彼女が開学初日に教師たちの前で事を荒立てたくなかったから」
「じゃあ、二方向から同時に押さえたってこと?」
「押さえたんじゃない」真紀は訂正した。「念押しした」
私は危うく白目を剥きそうになった。
「あんたたちみたいな人って、首を絞めることを衿を整えると言い換えるのが好きだよね」
真紀はついに笑った。
ごく軽く。
誰かに見せようとも思っていないような軽さで。
でも私はしっかり見てしまった。
そして見た後、胸のあたりがひどく情けなく、一瞬つかえた。
本当に病気だ。
この距離感が嫌いだ。彼女が話す時にいつも半歩残すのが嫌いだ。全部言わないくせに、本当に気にしていないわけでもないのが嫌いだ。そして自分が、彼女のそういう大したことのない表情の変化一つで、頭の中を余分に一周してしまうのが、もっと嫌いだ。
誰かが神経の中に粗悪な甘味料を混ぜたみたいだ。気持ち悪い。しかも抜けない。
「それと」真紀は言った。「今日はフレイヤに自分から絡みに行かないで」
「その言い方、私に失礼だよ」
「事実を予防してるだけ」
「私がそんなに暇に見える?」
真紀は私を見て、二秒沈黙した。
「見える」
「……」
「非常に見える」
私は怒りすぎて笑いそうになった。
「真紀、そういうこと言ってると友達できないよ」
「いる」
「誰?」
「今、私の前に立ってる人が、ぎりぎりそれに数えられる」
私はその場で固まった。
半秒か、一秒か。
どちらにせよ、知らないふりをするには十分すぎる長さだった。
この女は自分が何を言っているか分かっているのか。
分かっているに決まっている。だから、あんなに平然と言えるのだ。まるでマッチ棒を一本私のポケットに入れて、今日は天気がいいね、と言えるように。
私は視線を逸らし、わざわざ横のシールを貼られている大型バスを見た。
「……『ぎりぎり』って言い方、鬱陶しい」
「あんたの反応も鬱陶しい」
「じゃあなんで話しかけてくるの?」
「あんたは考えすぎる癖があるから」真紀は言った。「先に引っ張っておかないと、今日一日ずっとしかめっ面になる」
「私はよくしかめっ面してる」
「今日は特別ひどくなる」
私は黙った。
また正解だったからだ。
見透かされるこの感覚は本当に最悪だ。最悪すぎて怒鳴りたいのに、正当な怒りどころが見つからない。カップを叩き割りたいのに、相手がすでにカップの下にコースターを敷いてくれていたようなものだ。
遠くからジェスの声が聞こえた。
「ハーヴィー、この封条の色、連邦版の恥辱シールみたいじゃない?」
「違う」ハーヴィーは答えた。「恥辱シールには少なくとも教育的意義がある。これは行政のオナニーに近い」
私は思わず振り返った。
ハーヴィーはまだ平然としていた。
その瞬間、本当に怖いのは大声で騒ぐジェスでも、規則を使って人を刺す真紀でもなく、検死官の口調で下品な比喩を言える男なのかもしれないと思った。
Dは車の横に立ち、風紀委員が車体に「複検中」のシールを貼るのを見ていた。眉は深く下がっていた。
騒ぎもせず、止めもしない。
ただ、あの沈黙を長く見ていると、もしいつかこの学校が本当に崩れた時、廃墟の中で最後に鉄骨を担ぎ直す人間は、こういう人間なのだろうと思えてくる。
真紀は私の視線を追って一瞥した。
「行って」彼女は言った。「あっちにもあんたが必要だから」
「何のために? ジェスの口を封じるため?」
「それができるなら、感謝する」
「それは反人類的な要求だよ」
真紀は視線を私に戻した。
「もう一つ」
「今日あんた、なんでこんなに用件が多いの?」
「あんたがいつも重要なことを先に聞かないから」
「……直接言えばいいじゃん」
彼女はわずかに頭を傾け、ヘルメットの着け外しで少しめくれていた一房の前髪を、さっと撫でつけた。
ただそれだけ。
ごく短く。
短すぎて、自分の錯覚かと思いかけた。
でも指先が額の端をかすめた時の、あの過分に軽い感触は確かに残った。薄すぎる雪が、乱れてはいけない場所に落ちたような。
私はその場で完全に固まった。
「機車に乗ってたから、髪が乱れた」真紀の口調は憎らしいほど普通だった。「これで見た目がマシになった」
私は彼女を見て、しばらく何も言えなかった。
頭の中で準備していたすべての余計なことが、その一瞬に誰かに蹴り飛ばされて排水溝に落ちたように消え、ただ空白だけが残った。みっともないほどの空白が。
これは何だ。
先輩式の管理?
ついでのケア?
それとも、自分だけが分かる加減で、他の人間を簡単に乱せる、悪意のある優しさ?
……くそ。
真紀は半歩引き、何もなかったかのようだった。
「行って、星野」
私は喉が少し乾いていて、低くしか返せなかった。
「……ああ」
本当に恥ずかしい。
死ぬほど恥ずかしい。
私は大型バスの方へ向かい、歩調を意識的に安定させ、学姊に前髪を撫でつけられたくらいで頭が短絡したわけではないと、完全に普通を装った。二歩しか歩いていないのに、後ろから真紀の補足が飛んできた。
「それと」
振り返らなかった。
「何?」
「踏み外さないで」
「……そんなことしない」
三秒後、私は停車スペースの縁の、めくれた誘導ブロックを踏みそうになった。
即座に踏みとどまり、何もなかったふりをした。
後ろから笑い声はしなかった。
それがかえって最悪だった。
真紀は見ていたに決まっている。そして彼女という人間は、見ても必ずしも笑わない。ただ覚えておく。そして一番思い出してほしくないタイミングで、さらりと一言添える。
あの時、踏み外しそうになってたじゃない、って。
車の横に戻ると、ジェスが一番最初に寄ってきた。
「うわ」ジェスは目を細めた。「その顔、何か事情があるね」
「失せろ」
「真紀に何て言われた?」
「白痴と話すなって」
「じゃあなんで戻ってきたの?」
「ここが一番白痴が多いから」
ハーヴィーが顔を上げ、眼鏡を押し上げた。
「耳が赤い」
私は即座に振り向いた。
「赤くない」
「赤い」ハーヴィーは言った。
Dも私を見て、非常に正直に一刺しした。
「少し」
私は今、この二人を大型バスの底部にバラスト代わりに詰め込む技術的な可能性を、真剣に検討し始めた。
ジェスが爆笑した。
「完全にやられた。誰かに手懐けられた(てなづけられた)んじゃないの?」
「本当に死ぬよ」
「ただルームメイトの精神的健康を気にしてるだけだよ」
「まず自分の遺体の完全性を気にして」
風紀委員の二人はまだ車の横で記録をつけていた。封条は半分貼られ、スキャンペンが短い緑の光を放っていた。大型バスは今日入れた。でも今は、一頭の印鑑を押されて管理された大型野生動物のように見えた。
そして私たちは横に立ち、学校が文明的にそれへ見えない鎖を一本また一本と巻きつけるのを眺めていた。
私は息を吸い、実習棟の上部、朝の光に照らされたガラスを見上げた。
新学期の最初の朝。
車は管理下に置かれ、風紀は手を引き、補足あり、ジェスは腹立たしく、ハーヴィーは余計な観察をし、Dは自分の移動棺材を合法的に守る方法を考えている顔をしている。
結構だ。
すべて正常だ。
正常すぎて、この学校が「災難」を開学式の一部として組み込んでいるのではないかと疑い始めるほどに。
もしそうなら、おめでとう。
今年の式典は、大成功だ。朝のイチャイチャ
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




