165.駐車トラブル 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
バイクを校区専用道路に乗り入れた途端、Dの大型バスが校門の前に止まっているのが見えた。
その光景は、ひどく常軌を逸していた。
朝のイチャイチャ
普通の異常ではない。今日が開学日ではなく、どこかの平凡な私立校が春の遠足に出かける日で、教師が出席簿を持って横で人数を数えているのではないかと疑いたくなる、そういう類の異常さだった。
巨大な車体が朝の光の中に横たわり、フロントガラスが白く反射している。校門の自動バリアは公共施設としての尊厳を突然失ったかのように、あの代物を「学生の通学手段」と認めるべきかどうかも分からないまま、ただそこに止まっていた。
私の最初の反応は――
くそ、本当に持ってきたのか。
二番目の反応は。
くそ、本当に校門前に停める度胸があったのか。
そして三番目の反応は、前の二つよりずっと厄介だった。
ジェスがすでに路肩で二階堂・フレイヤと正面衝突していた。
「もう一回言うけど」ジェスは路肩に立ち、片手を腰に当て、もう片手であの大型車を指しながら、コンビニの見切り品コーナーに残った賞味期限ギリギリのプリンのような笑みを浮かべていた。安くて、危なくて、明らかに誰かを陥れるつもりの笑顔だ。「これは送迎であって、違法改造じゃない。分からないなら、前に『車』って大きく貼り出してあげようか」
二階堂・フレイヤは校門の脇に立っていた。銀白色の長い髪は朝風の中でほとんど揺れず、左腕の風紀腕章は太陽より早く目覚めていた。その顔は連邦の冬季配給の鉄製ベッドフレームのように冷たく、口を開くたびに周囲の空気まで切り揃えられるようだった。
「私もまた言う」二階堂・フレイヤの声は恐ろしいほど平坦だった。「校内通行車両は登録規格に適合する必要がある。車高、車幅、外付け部品、ガラスの反射率、仮溶接の痕跡、そして車内に残存する不要な娯楽設備は、すべて風紀査験の対象だ」
ジェスは瞬きをした。
「へえ、『不要な娯楽設備』ね」ジェスは振り返って車のドアを叩いた。自尊心のある巨大な動物を慰めるように。「聞こえた? 娯楽設備って言われたよ。罵倒より傷つくじゃん」
車の窓が少し開き、ハーヴィーが半分だけ顔を覗かせた。目は、起き抜けの検死官のような眼差しだった。
「厳密に言えば、中の飲料加熱器は必要設備です」ハーヴィーは言った。「もし今日の午前中に誰かが低血糖で倒れたら、風紀委員長が担架を担ぐんですか?」
「ハーヴィー」二階堂・フレイヤは車窓を見向きもしなかった。「意見を述べたいなら、先に降車して、正式な形式で発言しなさい」
「じゃあいいです」ハーヴィーは窓を引き戻した。「沈黙の方が健康的だと気づきました」
D本人は車の横に立ち、手を運転席のドアに置いたまま、校門に一本余分に立てられた防爆掩体のように高くそびえていた。Dは口を挟まず、ただ二階堂・フレイヤを見下ろし、車を見て、それから空を見上げた。
そのまなざしは、人間と校則ごと持ち上げて端に寄せる方が、道理で説得するより早いかどうかを計算しているように見えた。
私はスロットルをわずかに絞った。
真紀が後ろに乗り、急かすこともなく、ただ指先で私の肩をこつんと一度叩いた。
その一打はごく軽かった。
でも私はすぐに意味を読んだ。
読みたかったからではない。九島真紀という人間は、普段すべての感情を引き出しに整理して収納しているように見えるが、一度こちらを叩いてくる時は、たいてい前に何かあって、しかもたいてい私が知らないふりをする余地はない。
「そのまま停めて」真紀が耳元で言った。
私は少し首を傾けた。「どこに? 風紀委員長の足元に? 制度への敬意を示すために?」
「横に」真紀の口調は平坦だった。「ここは校区専用道路で、臨時停車は三分以内なら許可されてる。もう少し遅れたら巡回記録が走り出して、説明書類を書くのも私が面倒になる」
校区専用道路でよかった。
連邦士官学校の交通と秩序への病的な熱意を考えれば、今日はまだ校門もくぐっていないうちに「通行妨害」で学期の素行点を引かれていたかもしれない。ここでは戦闘前に報告書を提出し、戦死前に書類を埋め、駐車違反の方が実弾の誤射より早く処理される場合もある。
私はゆっくりと横に停め、ブーツを地面についてヘルメットを外した。その瞬間、現場の空気がまた少し公開処刑に近づいた。
ジェスは私を見つけるなり、新しい燃料を見つけたように目を輝かせた。
「あ、シモが来た」ジェスは顎を上げ、非常に腹立たしい笑顔で言った。「ちょうどいい、公平に判定してよ。この車、違反に見える? それとも学校がようやく学生も人間だって認めて集団移動手段を用意したように見える?」
「次の瞬間に低音過剰の曲が爆発しそうに見える」私はヘルメットをハンドルに掛けた。「それと、あんたが風紀委員長と朝のイチャイチャしてるのに私を引き込もうとするな」
「その言い方、失礼じゃない?」ジェスが言った。
「今日私が言う中で、一番礼儀正しい一言だよ」
二階堂・フレイヤの視線が私に落ちた。
普通の見方ではなかった。「星野シモ」を見ているのではなく、「面倒が増えた」を見ていた。私が校内に乗り込んできたのではなく、制度の亀裂から余分な業務量が流れ込んできたかのような目だった。
「星野中尉」二階堂・フレイヤが口を開いた。「この車両と直接の関係がありますか?」
「残念ながら、あります」私は言った。
「結構」二階堂・フレイヤは頷いた。「では分かっているはずですが――」
「二階堂委員長」
真紀が口を開いた。
九島真紀が二歩前に出た。動作は急がなかったが、ちょうど私と二階堂・フレイヤの間に割り込む位置に収まった。その感覚は奇妙だった。触れてもいないのに、私は本能的に呼吸を一度収めた。
真紀は今日、制服を着ていた。肩のラインは清潔で、軍帽は端正に被られ、胸の識別章が朝の光の中で、口令より効果的な命令のように輝いていた。正直に言えば、連邦が美貌も戦術資源として認めるつもりがあれば、九島真紀がここに立つだけで学校の広報費の半分が省けるだろう。
残念ながら連邦はその種の資源を、人を苦しめるために使う方が得意だ。
「《校区輸送及び学員編制勤務暫行細則》第九条第三項により」真紀の口調は平坦で、まるで答えを最初から骨の中に刻み込んでいたかのようだった。「編制登録済みの学員集団輸送車は、学期開始日において、代表軍官の帯同のもと入校できる。ただし停車区域が主線通行を遮断せず、かつ車内載具の安全点検が完了していること。この車は第一項と第二項を満たしている」
ジェスがすかさず補足した。「ね、『載具』っていう難しい言葉まで訳してくれた」
二階堂・フレイヤはジェスに視線の欠片も向けなかった。
「《暫行細則》は《校門交通及び風紀査験弁法》に優越しない」二階堂・フレイヤは言った。「第七条に明記されている。外観が校門秩序の混乱、識別の誤導を招く恐れがあり、または申告されていない改造の痕跡が明確な車両については、風紀は入校停止を要求し、再検査後に通行を認めることができる」
「識別の誤導?」私は思わず口を出した。「どう誤導しても、あれを救急車と間違える人はいないでしょ」
「星野中尉」二階堂・フレイヤが冷たく私を一瞥した。「話を遮らないで」
「失礼しました」私は無表情で言った。「校門に『見た目が恥ずかしすぎるから入れない』という条文があるとは、今日初めて知りました」
Dが横で低く言った。「それはいい一言だ」
私はDを見上げた。「ありがとう。でも褒め言葉じゃない」
真紀は私たちを無視した。二階堂・フレイヤが別の条文を持ち出してくることを最初から予測していたように、外套の内ポケットに手を入れ、きれいに折り畳まれた一枚の書類を抜き出した。
「《校門交通及び風紀査験弁法》第七条は読んでいます」真紀は言った。「ただし同条第二項に注釈があります。当該車両が特定の学員生活支援、装備搬送、または臨時居住ユニット補給に編入されている場合、帯隊軍官が保証人となることで、外観に関する事前処分を免除できる」
ジェスが横で大げさに息を呑んだ。
「うわ、『外観に関する事前処分』。D、聞こえた? 公式に外観が問題あるって認定されたよ」
Dは二秒沈黙し、頷いた。
「娯楽設備よりはマシだ」
私は笑いそうになって、必死に堪えた。笑い声を出してしまえば、二階堂・フレイヤに「査験現場の秩序への不敬」として記録される可能性がある。
連邦士官学校の学生には、二種類の死に方がある。
一つは本当に死ぬこと。
もう一つは生きたまま、風紀記録に書き込まれて社会的に火葬された(社会的に火葬された)ように扱われることだ。
二階堂・フレイヤの眉間が、ついにわずかに動いた。
ごくわずかに。
でもその一動きで、これがジェス式の路上口喧嘩では解決できない種類の争いだと分かった。これは別の何かだ。制度を刃として使う二人の人間が、異なる条文でそれぞれ相手の肋骨に突き立て合っている。
「保証?」二階堂・フレイヤは真紀を見た。「九島上尉は、この車両の全責任に署名するということですか?」
「もう署名しました」真紀は書類を少し前に差し出した。
横に立っている校門の警備員は、自分の存在を消したがっているのが明らかだったが、目は抑えきれずその書類に引き寄せられていた。その表情は私には見慣れたものだ。上官同士が校則を投げ合っている時、最も賢い行動は自分を校門脇の景観植物に格下げすることだ。
二階堂・フレイヤは受け取らなかった。
「それでも」二階堂・フレイヤは言った。「私は風紀安全上の要求に基づき――」
「もちろん」真紀は頷いた。「二階堂委員長は安全点検を要求できます。だから委員長が確認する必要のあるページも一緒に印刷しました。ブレーキ、灯火、乗員座席の固定、緊急開扉装置、車内危険物の排除確認、昨夜すべて完了しています。署名は後のページに」
ジェスが横で口笛を吹いた。
ハーヴィーが再び窓を少し開けた。
「委員長がご関心あれば」ハーヴィーは言った。「飲料加熱器の圧力値報告も追加で出せますよ」
「黙って、ハーヴィー」私は言った。
「了解」ハーヴィーはすぐに引っ込んだ。
二階堂・フレイヤはついに手を伸ばし、書類を受け取った。
ページをめくる音が聞こえた。
刃が砥石の上を滑るように、はっきりと。
私は機車の横に立ち、真紀と二階堂・フレイヤの間の、短くも長くもない距離を見つめながら、思わず悪態をつきたくなった。
この二人は、実は似ている。
どちらも冷静で、安定していて、無価値な動作に力を使うのを嫌う。違いは、二階堂・フレイヤが校則そのものが人型になったような存在であるのに対し、九島真紀は規則の仕組みを熟知した上で、その規則を使って規則を絞め殺せる人間だということだ。
前者は刃だ。
後者は刃を持つ人間だ。
そして私は不運にも、いつも刃の届く場所に立っている。
二階堂・フレイヤが最後のページに目を落とし、指先が止まった。
「……統合作戦司令部の附記?」二階堂・フレイヤが顔を上げた。
真紀は小さく笑った。
はっきりとした笑みではない。
だがその一瞬は、拳銃を抜くよりずっとたちが悪かった。
「はい」真紀は言った。「昨日追加したものです」
私の心の中で「ああ」という声がした。
そういうことか。
だから真紀は今朝からあんなに落ち着いていたのだ。私がうっかり余計なことを言うかどうかまで計算に入れたうえで。
二階堂・フレイヤが書類を閉じた。まだ口を開く前に、真紀はもう一歩前に出た。
本当に一歩だけ。
でも距離は一気に縮まった。
横に立っていた私でさえ、本能的に視線を半秒逸らし、そしてまたひどく意気地なく戻した。
あまりにも奇妙だったから。
そして――認める、少し、異様なほど目を引いたから。
真紀はわずかに首を傾け、二階堂・フレイヤの耳元に近づき、声を低く落とした。
低すぎて、周囲の人間にはまったく聞こえなかった。
私に見えたのは、それまで氷の表面のように冷たかった二階堂・フレイヤの表情が、まず凝固し、次に口角が硬くなり、最後に顎のラインまで張り詰めていく様子だけだった。
内容は聞こえなかった。
だが、方向はだいたい読めた。
おそらく――
今日この車を完全に通せんぼすれば、あの帝国第三皇女の入校手続きと接触者リストが一緒に表に出てくる。
そして風紀委員会が校門前でこの件を公開処理しようとすれば、その後の外交責任と機密管理の署名を誰が担うのかを、先に考えておく必要がある、と。
連邦のロマンスは月光でも花でも口づけでもない。
連邦のロマンスとは、相手が触れたくない面倒事を知っていて、それをそっと耳元に置くことだ。
真紀は言い終えると、元の位置に戻った。
きれいに、何もなかったかのように。
二階堂・フレイヤは二秒沈黙した。
その二秒の間、校門前では風まで止まったようだった。ジェスは余計なことを言わず、Dは動かず、車内も静まり、さっきまで植物になろうとしていた警備員は欄杆よりも真っ直ぐに立っていた。
最後に、二階堂・フレイヤは歯を噛んだ。
ごく軽く。
でも、私には見えた。
「……放行」二階堂・フレイヤは言った。
ジェスは即座に、路地で煙草半箱を勝ち取ったチンピラのような得意顔をした。「委員長、英断です」
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




