164.コミュニティ(クラブ)バス 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
いわゆる「冬休み」は、あっという間に終わりに近づいた。
平穏に過ぎたように聞こえるかもしれないが、そうではない。日々が早く感じたのではなく、私たちが帰ってきたタイミング自体が、余裕など残っていない時期だったからだ。
雪風がうしかい座ボイドから連邦へ強引に帰還した時、冬休みの前半――本来なら一番のんびりできる時期――はとっくに終わっていた。残っていたのは、行政機関が最も好む種類の仕事だ。
後始末、押印、書類整理、責任の切り分け、説明の書き換え、そして生き残った者たちを制度の中に再び詰め込む作業。
冬休みの後半の空気とは、そういうものだ。
表面上は休暇の終わりに見えるが、実態は巨大な機械がゆっくりと再起動しながら、まだ手足を引き抜けていない私たちを、静かに歯車に巻き込んでいくようなものだった。
この期間に、二十二番地を訪れた人間は、二組いた。
一組目は、アイダ・ローゼン学姉だ。
アイダ学姉が来たのは、ある午後のことだった。天気がよく、連邦政府がわざわざ退居手続きに適した日を選んでくれたのかと疑いたくなるほど、青春小説的な別れの雰囲気を払拭するような晴れ方だった。
アイダ学姉は相変わらずだった。服装は整い、口調は整い、玄関先で話す時の立ち位置の角度まで、事前に測ったかのように整っていた。
「本当に申し訳ないわ」アイダ学姉が賃貸契約書と数枚の添付書類をテーブルに置いた時、その声はいつも通り、標準的で、穏やかで、それでいて弱さとは無縁の上院らしい口調だった。「三年生になったら、ほぼ外での実習になってしまって。ここの契約は続けられなくなったの」
実に体裁が整っていた。
体裁が整いすぎていて、賃貸契約の解除というものにも、卒業式のような趣があり得るのだと、一瞬思ってしまったほどだ。
二十二番地は、誰かが長く住み続けられる場所ではない。ここは乗り換え駅のようなもので、臨時の港のようなものだ。多くの人がここで一時期を過ごし、コップや、スリッパや、壊れた延長コードや、あまり人に知られたくない記憶の一、二個を置いていき、それから新しい階級や、新しい任務や、新しい傷か新しい前途を持って去っていく。
アイダ学姉は、ただその事実を他の誰よりもきちんとした形でやり遂げただけだ。
ジェスはその時、階段に寄りかかりながら、大人の事情を理解しているふりをして聞いていた。だがアイダ学姉が最後の書類にサインし終わった瞬間、ジェスの第一声はこうだった。
「じゃあ、二十二番地がまた一つ空くね」
本当に場の空気を壊すのが上手い。
だが、間違ってもいない。
アイダ学姉は小さく笑った。軽い笑いだった。
「そうね。一つ空く」
その瞬間、私はなんとなく居心地が悪くなった。
悲しいわけでも、名残惜しいわけでもない。
どちらかというと――この場所が本当に空いていくのだということ、人は本当に一人ずつ前へ進んでいくのだということ、二十二番地は誰かが住んだからといって、その誰かのために時間を止めたりはしないのだということが、急に具体的に見えてしまった。
嫌だった。
でも、本当のことだった。
二組目は、九島亜紀だ。
その場面は、退居よりも何かの制度的な儀式に近かった。
九島亜紀が来た日、真紀はちょうどリビングで書類を整理していた。外の光が窓から斜めに差し込み、テーブルには私が見ただけで頭痛がしてくる大量の書式、引き継ぎリスト、正体不明の公文書が広げられていた。真紀はそこに座って、まるで今日こういう場面があることを最初から知っていたかのような、落ち着いた表情をしていた。
私はその時、横に立ちながら、九島家の人間は生まれながらに何事も継承の儀式のように見せるのが上手いのではないかと思っていた。
九島亜紀が生徒会の校章が刺繍された腕章を真紀に手渡した時、笑いながら言った。
「実はね、私はとっくに卒業していたのよ」
その口調は軽く、冗談めかしてさえいた。
だが少し分かる人間なら、その言葉の底に冗談だけがあるはずがないと気づく。
「来年一年、学校をよろしくね」
真紀が腕章を受け取る動作は、ぶれなかった。
「分かった」
短い。
無駄がない。
余分な感情もない。
九島家の人間がこういう言葉を交わす時、生徒会を引き継いでいるというより、見えない補給線か、学校の上に乗っかっている影の権力か、あるいは校則には書けない種類の統治権の一部を受け渡しているように見える。
画としては、感動的だった。
本当に。
あの場面を切り取って、柔らかいフィルターをかけて、「薪火相伝」とでもタイトルをつければ、学校の広報誌が特集を組めそうなほどだ。
ただ、その内側にどれだけの黒い話が詰まっているかは、私には深く聞く気になれなかった。
美しく見える制度の場面というのは、ほぐしてみれば全部取引だったり、表向きは責任に見えても底は権力の移譲と妥協だったりすることが多い。
生きてきた中で、少なくとも一つのことは学んだ。
きれいすぎる制度の場面には、手を突っ込まない方がいい。
それから、三つ目の出来事があった。
最も腹立たしく、最も連邦らしく、最も気持ち悪く、それでいて「ああ、やっぱりそうか」という感触を伴った、あの件だ。
私たちの処遇について、ついに結論が出た。
全員の学籍剥奪――
もちろん、そんなことはあり得ない。
誰がそんなことをできる。
軍はできない。
学校はなおさらできない。
国家の将来と自分の票を同じ短期投資商品のように扱う政治家たちは、もっとできない。
同時に二つのものと向き合う気があるなら、別だが。
一つ目は、怒った市民。
二つ目は、九島重工総裁の怒り。
前者はたいてい街頭に出る。
後者は街頭には出ない。
だが正直なところ、後者の方がずっと怖い。
だから最終的な結論は――全員、ほぼ無事だ。
無事なだけでなく、政府によって再包装まで施された。丁寧に、きれいに、官僚機構の広報部門が生み出したとしか思えないラベルを貼られた。
「国民的ヒーロー」。
その言葉を初めて見た時、端末を壁に叩きつけそうになった。
ヒーロー。
今の時代、何でもかんでもヒーローに仕立て上げられるらしい。
十分に修羅場をくぐり抜け、十分に劇的な帰還を遂げ、誰かが責任を取るべき穴をちょうどうまく塞ぐ役に立てば、連邦は親切にも新しい肩書きを用意してくれる。
苦しみは個人のもの。
包装は国家のもの。
トラウマは自分で処理して、名声は国家が管理する。
至れり尽くせりだ。
その後の数日、私が最もよく目にした光景の一つは、学生代表として制服を着た真紀が、見るだけで胃酸が逆流しそうな場所に次々と現れることだった。
要人と握手する。
写真を撮る。
式典に立つ。
公開行事に出席する。
大義名分の言葉で埋め尽くされながら、実態は国民に戦争の継続費用を出させるための国債に、名前を貸す。
その種の場面を見るたびに、私はひどく馴染みのある吐き気を感じた。
真紀に向けたものではない。
むしろ逆だ。
真紀の無念さは、よく分かっていた。
真紀がスポットライトを楽しむような人間ではないと知っているからこそ、余計に気持ち悪かった。
舞台の前に立つのが向いている人間というのがいる。真紀は違う。
ただ、真紀が安定していて、耐えられて、カメラの前で余計なことを言わなそうに見えるから、連邦は自然と真紀を前に押し出し、真紀にこの茶番劇の体裁を整えさせた。
人選が上手い。本当に腹立たしいほどに。
「褒賞」については――
正直、今でも、あれが褒賞なのか、それとも少し格の高い別の罰なのか、よく分からない。
飛田が雪風の艦橋で私たちに仮の階級を与えた時、それは本来、戦時の緊急対応に過ぎなかった。
普通であれば、連邦に戻ってから、軍部が改めて審査し、半分に削るか、半階級下げるか、あるいは全部を「戦時特例として暫定登録」とでも書いた曖昧な公文書の中に包んで終わりにするはずだった。
そうならなかった。
軍部は、そのまま黙認した。
黙認。
新しい軍人証が手元に届いた時、私は見間違えたと思った。
その証の欄は、腹立たしいほど鮮明だった。「学生」という文字はもうなく、代わりにはっきりと書いてあった。
中尉。
その二文字を、長い間見つめた。
中尉。
冗談ではない。
演習でもない。
艦橋の臨時権限板に書かれて、着岸と同時に消されるようなものでもない。
印刷されていた。
承認されていた。
プラスチックの封膜に封じられた、正式な証明書の中に刻まれていた。どう見ても、誰かが間違ったラベルを私の額に貼ったような現実として。
「つまり……」
Dは自分の新しい証を持ち、眉をひそめ、頭をかき、大量の複雑な情報を一気に流し込まれた重機のような顔をした。
「俺たちは今、下院の名義を持ちながら、上院の階級を持ってるってことか?」
「それ以外に何があるの」ジェスはソファの肘掛けに胡坐をかき、野次馬の余裕を全開にした。「連邦最新の教育改革、中学生から先に軍官証を配る、ゼロ歳から始める国家戦略?」
「下院出身の最高位は曹長止まりじゃなかったっけ」
ロイは証を表裏ひっくり返しながら、非常に健全な疑念を口にした。ロイのいいところはここだ。世界が荒唐無稽な方向に滑り始めても、まず基本的な常識で一度ぶつかってみる。たいてい止められないが。
「悪くないじゃん」ハーヴィーが机から顔を上げ、時間と手間を節約できる装備の交換案を論じるような口調で言った。「予備下士官、予備士官の試験を丸ごとスキップできるし」
……これは本当に説得力がある。
私はその場で二秒黙り、反論の糸口が見つからないことに気づいた。
そうだ。
連邦のあの試験制度は、精密に設計された行政迷路のようなものだ。今直接飛び越えられるなら、実用的な観点からは、これは完全な悪手とは言えない。
「ちょっと待って、それって」ジェスが突然目を丸くした。「私たちって、まだ学校に戻って授業を受けなきゃいけないのに、証の上では先に士官になってるってこと?」
「そう」アカリは窓際に座り、非常に冷静に結論を補足した。「つまり制度的には、私たちは学生でもあり、単純な学生でもない。校内にいながら、すでに校外の軍事系統に組み込まれている。分類学的に見れば、非常に気持ち悪いが、非常に連邦らしい」
「分類学的に見れば、その一言自体も非常に気持ち悪い」と私は言った。
アカリは頷いた。
「ありがとう」
褒めてない。
蘭は後ろで自分の証を見ながら、眉をわずかにひそめていた。ジェスのように衝撃をそのまま口に出すタイプでも、Dのように混乱を顔全体に書くタイプでもない。
蘭はどちらかというと、まず頭の中に情報を入れて、自分でリスクを計算し終えてから、口を開く価値があるかどうかを決める人間だ。
「この階級を」蘭はゆっくりと言った。「学校の中に持ち込んだら、何も起きないはずがない」
「起きるわけがない」私は椅子の背にもたれ、自分の証のあの二文字を見つめながら、それが見れば見るほど額に押された呪いの刻印のように見えてくるのを感じた。「連邦がこれを発行する気になったということは、後ろで誰かが見物しているか、利用しようとしているかのどちらかだ」
「両方だろうね」真紀は証を内ポケットにしまいながら、過剰なほど落ち着いた声で言った。「しかも、おそらく一組だけじゃない」
これが、私が九島真紀を一番嫌いな理由だ。
彼女の言うことは、いつも正しい。
正しすぎるから、聞くたびに余計に腹が立つ。
私は真紀を見た。
真紀の表情は相変わらず安定していた。ここ数日の握手も、記念写真も、国債も、声明も、引き継ぎも、書類も、そしてこの新しい証も、すべて最初から予測していて、受け止めるしかないと分かっていた、そういう顔だった。
そして、また吐き気がした。
真紀に向けたものではない。
この仕組み全体に向けたものだ。
連邦は本当に上手い。
私たちを国民の英雄として包装しながら、学校に押し返す。軍官の階級を与えながら、学生として扱い続ける。褒賞のふりをしながら、編制を完成させる。
こういうことができるのは制度だけで、しかもそれを恩着せがましくやってのける。
結構だ。
「つまり」ジェスは最後に非常に楽しそうにまとめた。「第二学期が始まる時、私たちは軍官証を持って学校に帰る。これはどう考えても何かが起きる予感しかしない」
「たまには的外れなことを言えないの」と私は言った。
「無理」ジェスはひどく腹立たしい笑顔で答えた。「これは天賦の才だから」
私はリビングにいる面々を見回し、妙な感覚を覚えた。
冬休みが本当にもう終わる。
アイダ学姉が退居した。
九島亜紀が生徒会の腕章を真紀に渡した。
政府が包装を完了した。
軍部が黙認を完了した。
学校が沈黙を完了した。
そして私たちは、中尉と印字された証を一枚ずつ持ちながら、二十二番地に住み続け、下院生として振る舞い続け、自分たちの人生がまだ「普通の新学期」という四文字で要約できるふりを続ける。
私は証を見下ろし、プラスチックの封膜の縁を指の腹で軽くなぞった。
本当に、能天気にもほどがある。
開学前夜、鉑橋街二十二番地に二人の客が来た。
いや。
もっと正確に言えば、一人の客と、ずっと背景板に徹していたのについに台詞が付いた一人だ。
ヘートヴィヒが玄関に立っているという事実には、もうだいぶ慣れてきていた。
受け入れられているわけではない。ただ、「帝国第三皇女を統合作戦司令部の裏口からバイクで鉑橋街まで送り届ける」「その相手が自宅の向かいに住んでいると判明する」「二十二番地全員で、終末会議のように短くて精神汚染のように長い事後検討会を開く」という一連の体験を経た後では、理不尽な場面に対する許容度が異常に上昇していた。
だが、ヘートヴィヒの隣に立っているその人物は、別の話だ。
ヘートヴィヒの傍らに女官がいることは、ずっと知っていた。
そういう「知っている」ではない。
ヘートヴィヒを見るたびに、視野の端に、もっと静かで、もっと直立していて、何か高度に危険な物体のような人影が立っているという「知っている」だ。装飾品のように静かなのに、大声を出す多くの人間よりずっと重い存在感を持っていた。
今夜、その装飾品がついに口を開いた。
「夜分に失礼いたします」
声は高くなく、礼儀正しく、ひどく平坦だった。
「礼儀」という行為を正確に遂行し終えた後、世界に余分な感情を一ミリたりとも渡す気がない、そういう平坦さだった。
「わたくしは、ヘートヴィヒ殿下にお仕えする近衛隊長、ヒルダ(Hilda)と申します。一つ、皆様にお願いがございます」
私は即座に心の中で身構えた。
お願い?
この種の人間がこの口調で「お願いがございます」と言う時、それは「安全ピンを抜いた手榴弾を少しの間見ていてもらえますか」とほぼ同義に聞こえる。
正直に言えば、その瞬間頭に浮かんだ第一の考えは――
この人、遺言でも聞かされに来たのか?
考えすぎではない。
この種の人物が自ら口を開く時、醤油を借りに来たわけでは、まずない。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




