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臨界の星穹  作者: Mr.佐藤焫焵
士官学校編
45/63

12. 射撃訓練 3

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

宿舎へ戻る道すがら、自分は戦場から回収されたばかりで、まだ完全な修理を受けていない半廃棄寸前の装備品みたいだと感じた。


一歩歩くごとに、骨が意見を述べてくる。


肩:異議あり。


背中:異議あり。


側腹:強烈な異議あり。


肘:ストライキを検討中。


宿舎のドアをカードで開けるとき、普通のシングルベッド、普通の机、普通のシャワールームを目にして、社畜のように一人黙々と薬を塗る心の準備はできていた。


ドアが開いて、私は固まった。


……ちょっと待て。


これは個室宿舎じゃない。


軍が予算を注ぎ込んで建てた、趣味のいい軟禁アパートといった方が近い。


部屋は統合作戦司令部のあの部屋よりも広い。


いや、ただ広いだけじゃない。無駄に豪華だ。


床は軍用の耐久素材を敷き詰めただけのものではなく、深みのある木目調の合成木材だ。リビングエリアには本当に身体が沈み込みそうな長いソファがあり、その横にはローテーブル、壁面収納、さらには壁一面の埋め込み式インフォメーションウォールまである。寝室のベッドは、私が一人で寝転がっても、自分の人生の恥を思い返して転げ回るスペースが十分にあるほど大きい。バスルームのドアは半開きで、中にはなんと独立したバスタブまである。


ドア口に立ち尽くし、丸三秒沈黙した。


「……連邦は、高価な消耗品が寝不足になるのをどれだけ恐れてるんだ」


これは宿泊じゃない。


飼育だ。


しかも高規格の飼育だ。


バラバラになりそうな骨を引きずって中へ入り、荷物をソファに投げ出そうとしたとき、視線が逸れた。バーカウンターの横に、控えめに光っているが、中身はまったく控えめではない小さなキャビネットがあるのが見えた。


足を止める。


キャビネットの扉は透明だ。


中にはボトルが一列に並んでいる。


栄養剤じゃない。


電解質補充液じゃない。


博士が合法的な拷問に使うような薬でもない。


酒だ。


ミニバー。


こぢんまりとして、整然としていて、高級で、蒸留酒、カクテルベース、保冷エリアと趣味良く分けられている。下段にはロックグラスが二つ、非常に不健康だが非常に魅力的なライフスタイルを暗示するように置かれていた。


その場に立ち尽くし、生唾を飲み込んだ。


……だめだ。


これは危険だ。


今すぐ飲みたいわけじゃない。


全身が痛み、気分は最悪で、身長二メートルの機械の悪鬼に半殺しにされたばかりの今の状態だと、こういうものを見ると本能的に「わあ、これで人生と和解できそう」と思ってしまうからだ。


そして、私はよくわかっている。連邦が理由もなくこんなものをここに置くはずがない。


これを置いたのは、ロマンチックだからじゃない。


人間がこっぴどく修理された後は、どこかで腐りたくなるものだと知っているからだ。


牢屋の中にとても柔らかい椅子を置くのと同じことだ。


優しさじゃない。


そこに居続けさせるための罠だ。


そのミニバーを三秒見つめた。


そして、実に骨のある態度で視線を外し、見なかったことにした。


「何も見てない」空気に向かって言う。


よし。


私が認めない限り、それは存在しない。


これが、体制の誘惑に対抗する私の現時点で最も成熟した手段だ。


バスルームに行って上着を脱ぎ、鏡の前に立ったとき、自分の今の姿に思わず笑いそうになった。


肩には青痣。


側腹は車のドアに挟まれたばかりのように赤い。


背中が一番ひどい。壁に叩きつけられた部分は、「やばい」から「非常に教育的」なレベルへと進化している。


医療用スプレーを手に取り、肩に向けてボタンを押した。


シューッ——


「くそっ」


冷たい薬の霧が痣に触れた瞬間、痛みに肩がびくっと縮み上がった。


薬を塗りながら、悪魔祓いに行けそうなほど不機嫌な顔をしている鏡の中の自分を見つめ、思わず罵り始めた。


「鉄くず野郎……」


一吹き。


「合金のクソ野郎……」


もう一吹き。


「若くて可愛い女の子をデモンストレーション教材にしやがって……いつか風呂に入ったとき、バスタブに詰まって出られなくなればいい……」


罵りながら、薬の霧を側腹と腕に沿って補っていく。背中に吹きかけるときが一番厄介だった。角度が悪く、痛みもはっきりしていて、自分の肩甲骨と格闘しているような気分になる。


だが、口では罵りながらも、頭の中ではあの授業の光景が回り続けていた。


カールの肩のライン。


カールの重心。


あのフェイントの後の、本当の踏み込み。


そして、私の肘が入り、彼が本当に半拍止まったあの感触。


……面倒くさい。


一番嫌なのは殴られることじゃない。


殴られた後で、相手が正しかったと認めざるを得ないことだ。


薬を塗り終えて洗面台に寄りかかり、鏡の中の自分をじっと見つめた。


「本当に何か学んじゃったのね」小さくつぶやく。


鏡の中の人間は髪が乱れ、目つきが鋭く、肩には青痣が広がっている。青春学園系ヒロインの状態では到底ない。それなのに——腹立たしいことに——昨日よりもずっと「戦えそうな顔」をしていた。


綺麗になったわけじゃない。


大人になったわけでもない。


刃物に近づいた。


少し黙ってから、非常に不満げに結論を出した。


「……この事実の方が、殴られること自体よりよっぽど腹立つ」


着替えを済ませてリビングに戻り、過剰に座り心地のいいソファに身を投げ出した。背中がクッションに触れた瞬間、筋肉全体が悲鳴を上げる。でもその悲鳴に、なぜか理不尽な解放感が少し混じっていた。


テーブルには補給用の水。


冷蔵庫にはまだコーラがあるかもしれない。


バーカウンターのミニバーは、相変わらず高級な沈黙で私を誘惑し続けている。


無表情で顔を背ける。


見ない。


見たら負けだ。


立ち上がって水を取りに行こうとした瞬間、視界の端にまたあの瓶の列が映り込んだ。


足が止まる。


生唾を飲み込む。


そして、非常に真面目な声で自分に言い聞かせた。


「連邦が高価な消耗品の飼育にどれだけ予算を浪費しているか、確認するだけだ」


言い終えて、二秒黙った。


……だめだ。


どう聞いても言い訳だ。


すぐに踵を返して冷蔵庫へ向かい、冷水を一本掴んで戻る。最も安上がりで最も意地っ張りな方法で、自分の人格的完全性の最後の一片を守り抜いた。


冷たい水を一口飲んでソファに深く沈み込む。背中は痛い。手は痺れている。側腹は熱い。それでも頭の中は、もう明日のことを考えていた。


明日は一番に出ろ。


なるほど。


カールの外道は、明らかに私を「もう少し多く叩く価値のある素材」として再分類したらしい。


さらに最悪なのは——


私自身も、おそらくその期待を裏切るつもりがないことだ。


……くそ。


この考え方、かなり不健全だ。


冷たいボトルを額に押し当て、目を閉じて長く息を吐いた。


この場所は本当に最低だ。


重力は最低。


空気は最低。


教官は最低。


連邦全体は相変わらず絞首台に引きずり上げられるべきだ。


でも少なくとも今日は、一方的に殴られるだけの奴ではなくなった。


それがおそらく進歩というものだ。


そして今のところ、この地獄から掘り出せた一番まともな慰めでもある。

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