150.私たちは生きている 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
七秒が過ぎた後、世界は突然、ひどく静かになった。
本当に音が消えたわけではない。雪風号の艦橋では相変わらず計器が低く唸り、蘭の指は借金取りから逃げるみたいにコンソールを駆け回っている。エヴリンは「誰かがミスをしたら、その十八代前の先祖ごとフォーマットする」という顔のままで、ハーヴィーの区画からはバックアップモジュールの一つが断末魔の叫びを上げている声まで聞こえてくる。古い冷蔵庫が、臨終の間際に最後の尊厳を証明しようとしているみたいな音だ。
それでも、静かに感じた。
連邦の首都圏全体が息を吸い込んで、まだ吐き出せていない、そういう静けさだった。
主スクリーンのデュナン近傍軌道防衛網はすでに後方へ流れ、十二基の天幕要塞が、噛みつくタイミングを逃した十二本の牙のように、星の海に遠く懸かっていた。
雪風号の艦首は首都圏の内層へと向かい、その姿勢はあまりにも落ち着いていた。まるで追悼式をハイジャックしに行くのではなく、私たちのような貧乏学生を到底歓迎していない、極めて格式高い社交晩餐会に向かっているみたいだ。
しかも、死者の身分証を持って入場する、というおまけつきで。
「外周の公開チャンネル、接続完了」蘭が言った。 「会場のメイン中継、地方の連合放送、軍メディアのバックアップ回線、すべて繋がった」エヴリンは顔も上げない。「今や連邦中でこの騒ぎを見る資格のある人間は、ほぼ全員見ている」
「本当に心が落ち着く言い方ね」私は思わず言った。 「どういたしまして」エヴリンの返しは速い。「あなたが後で着陸時に転んだとしても、最高画質で全連邦に配信することは保証できるから」
私は彼女の後頭部を睨んだ。
この人は連邦の人材教育における反面教材として最適だ。専門能力は恐ろしいほど高いし、口から出る内容も恐ろしいが、恐ろしさの方向が普通の人間とは少し違う。
真紀が私の横に立ち、笑いもせず、私の胸元にある固定ベルトをもう一度押し直した。
その動作はきびきびして、武器の点検をしているみたいだった。あるいはもっと悪く言えば、もうすぐ全連邦の生中継画面に放り込まれるトラブルメーカーが、ちゃんと自分を固定できているか確認しているみたいに。
「背筋を伸ばして」真紀が言った。 「伸びてる」 「姿勢の話をしているんじゃない」 「じゃあその言い方、かなり危ないわよ、九島大尉」
真紀はようやく横を向いて、私を一瞥した。その一瞥の中には、少しの疲れと、少しの呆れと、「今は付き合っている暇はないけれど、あなたがこのまま喋り続けるなら、私には対処する手段がある」という冷静さが混在していた。
正直に言うと、あの一瞥は、デュナン近傍軌道の十二基の要塞よりも圧迫感があった。
アッシュは艦長代理の席に座り、相変わらず余分な表情は一切ない。雪風号が迷航してから、逃げて、戦って、皇女を拾って、連邦首都圏まで全力で飛んで帰るまで、もし感情の起伏が豊かな人間がその席に座っていたら、今頃は胃に穴が開くか、脳血管が先に国家に忠誠を誓っているかのどちらかだろう。
だがアッシュは違う。
彼女は、すべての混乱を一時的に押さえ込む鉄の塊みたいな人間だ。
「全艦、進入姿勢を維持」彼女が口を開いたとき、声は高くなかったが、艦橋全員が無意識に背筋をもう一段伸ばすような声だった。「加速しない、回避しない、余分な修正をしない。今日の私たちは潜入でも突破でもない」
彼女は一拍置いた。
「帰投だ」
私の思い過ごしかもしれないが、艦橋が半秒間、誰かが呼吸を忘れたように静まった。
ロイが低く口笛を吹いた。
ジェスは後方の分離艇制御席に座り、答案を盗み見て、まだ見つかっていない優等生みたいな笑顔だった。分離手順を確認しながら、通信に割り込んでくる。
「だから言ったじゃない、その一言、かっこよかったわよ。アッシュ、あなたが普段あんまり喋らないのは、必殺技を温存してたからね」 「黙って、自分のところを見なさい」アイダが淡々と言った。 ジェスはまったく黙らない。 「アイダ、それ風情がないわよ。私はね、一晩じゃなくて、一年間、この大場面を待ってたの」 「本当に一年間待っていたなら、ふざけていたわけじゃないということが証明できるわね」アイダが言う。 「両立できるじゃない」
私は笑いそうになった。
これが雪風号で一番恐ろしいところだ。辺境で一年生き延びたことでも、迷航から生還したことでも、艦内に銀河帝国第三皇女を匿っていることでもない。
一番恐ろしいのは、もうあと数分で首都圏全体を心停止寸前まで驚かせようとしているのに、この面々が夜間自習の五分前みたいにお互いを突っついていられることだ。
ある意味では、精神状態がすでに壊れている証拠かもしれない。
主スクリーンが会場の映像に切り替わった。
普通の追悼式ではなかった。
「国家規模の哀悼」という四文字を、本当に予算で積み上げた大型儀式だった。
デュナン首都圏の地上にある中央記念広場は、磨きすぎた黒曜石のように見えた。その中央には雪風号の全像投影が立っている。今この瞬間の、傷だらけで命からがら帰ってきた本物ではなく、出荷時の、招生パンフレットの表紙みたいに美しい制式の姿だ。
艦体の両脇には行方不明者名簿が投影され、フォントは荘厳で、配色は粛々として、横には白い花束が一列に並んでいる。全員の最後を見送るような白さだ。
正直に言うと、自分の名前があそこに掲げられているのを見て、妙な気持ちになった。
恐怖ではない。
コンビニに飲み物を買いに行ったら、レジの上に自分の白黒の遺影が貼られていて、「彼女は努力する子でした」という注釈まで添えられていた、そういう感覚に近い。
まず聞きたいのは一つだけだ。すみません、この写真、選び方が最悪なんですけど、変えられますか?
司会者は舞台に立ち、黒い服を着て、声は安定していて、標準的で、感情の制御が絶妙だった。明らかに国家規模の場で、最も高価な方法で皆の代わりに悲しむことを専門としている人種だ。
「……本日、私たちはここに、一年前の辺境任務中に消息を絶った雪風号と、帰還が叶わなかったすべての乗員を追悼するために集いました……」
カメラが前列の遺族席を映した。
ハンカチを強く握りしめる母親。姿勢を崩さずに座っている父親。姿勢が崩れなければ、何かがまだ崩れていないと言い聞かせているみたいに。年の若い弟や妹は、体に合わない喪服を着て、精一杯大人のふりをしていた。
その後ろには軍の幹部が並び、胸の勲章が一列に光っていた。誰の胸が一番重いか競っているみたいだ。最外周はメディアエリアで、カメラが金属の花畑のように密集して、どれも貪欲に開き、首都圏全体に流せる一枚を待っている。
残念ながら、私たちはその一枚を提供しに来たのだ。
「会場のレーダーが本艦の映像を捉え始めました」蘭が言う。 「捉えさせろ」アッシュが言う。 「軍の内部回線に動きがあります」アイダが補足した。「すでに、どの艦隊が申請なしで記念空域に侵入したのか問い合わせが来ています」 「回答は?」ロイが聞く。 アイダは情報ウィンドウを見つめながら、口の端をわずかに動かした。 「現時点で最も多い判断は、システムの誤報です」
私は思わず「へえ」と声を漏らした。 「人間って、責任を取らなくて済む答えを信じたがるのよね」ジェスが感慨深そうに言う。 「公務体系の自己防衛機制よ」アイダが言う。 「公式語で言う『とりあえず死んだふり』ね」私が翻訳した。 アイダは私を一瞥したが、否定しなかった。
雪風号は前進し続ける。
すると、会場の生中継映像の中で、いくつかのカメラが不自然に揺れ始めた。次に、司会者に向いていた長焦点カメラの一台が、ゆっくりと上を向き始めた。
もう一台も上を向いた。三台目が一番派手で、まるで撮影者本人が先に固まり、カメラが勢いよく上に振られて、危うく天幕を抽象画に撮るところだった。
司会者の声が、一拍止まった。
その一拍が、本当に美しかった。
どれだけ時間をかけて練り上げた国家儀式でも、誰かが真ん中に極めて不躾な鉄の棒を突き刺せば、こうなるのだ。
それから、会場の上空の雲の縁が、割れた。
雪風号が、完全に姿を現した。
投影ではない。記録映像でもない。戦史教材の最後に重苦しいナレーションを添えた想像図でもない。本物の、生きた、傷跡と熱痕と応急修理の跡だらけの、辺境から全力で帰ってきた狼藉の戦艦が、堂々と追悼式の空へと切り込んできたのだ。
私は初めて、上から大規模な集団の混乱を見下ろした。
司会者が止まった。
台下では最初に一人が立ち上がり、それが伝染するように、一列また一列と立ち上がっていく。遺族席では口を押さえる者、二歩前へ踏み出す者がいた。もう少し遅れたら、目の前のものが消えてしまうとでも思っているみたいに。
軍幹部の列も乱れた。端末を見下ろす者、空を見上げる者、表情が凍りついて、たった今、手続きマニュアルを一冊丸ごと飲み込んだみたいな顔をしている者。メディアのカメラは完全に狂乱状態に入り、向きを変え、ズームし、チャンネルを切り替え、追跡する。まるで血の匂いを嗅ぎつけた機械の鮫の群れだ。
そして私たちは、自分から魚の池の真ん中に飛び込んだ肉だ。
「識別コード、公開」蘭が言った。
次の瞬間、会場の軍民の表示システムがほぼ一斉に標示を跳ね上げた。
連邦軍陽炎型駆逐艦八番艦――雪風。
私は誓ってもいいが、地上の高官たちの心電図を一度見てみたかった。
「第一波の通信が詰まっています」エヴリンの口調は腹立たしいほど平坦だ。「三分の一が真偽の確認中、三分の一が怒鳴り散らしている、残りの三分の一が互いに責任を押しつけ合っています。いい知らせは、全員が忙しくて、今のところあなたが格好をつけるのを止める暇がある人間はいないということ」
「私の人生の晴れ舞台を社会治安事件みたいに言ってくれてありがとう」 「どういたしまして」
ジェスが後方で笑い声を上げた。
「シモ、準備できた? 今から脅かしに行かせるわよ」 「その言い方、希少だけど不安定な猛獣を放すみたいじゃない」 「違うの?」
これには一瞬、言い返せなかった。
艦体下部の第一陣小艇分離プロセスが始まった。
軽い振動が床を伝わってくる。大型生物が筋肉を収縮させ、爪を一本ずつ出す準備をしているみたいだ。艦橋側面の分離監視窓が一マスずつ点灯し、第一陣の小艇が母艦から離れ、予定の降下軸線に沿って首都圏の低空へと切り込んでいく。
私は、その一艘の中にいた。
真紀が小艇のハッチまで付き添ってくれた。
「付き添い」とは言っても、実際には護送に近かった。彼女はずっと「最後の三分間で台詞を変えようとするなら、それはお見通しだ」という目で私を見ていたからだ。
小艇の内部は艦橋より明るく、理不尽なほど明るかった。こんな状況でも照明の暗さに頼って緊張を誤魔化せないように、わざとそうしているみたいだ。私はハッチの前に立った。背後は金属の艙壁、前方はまだ開いていないハッチ、その外には、一年生の女子学生が軽率なことを口走るには全連邦で最も不適切な場所がある。
急に、昨晩あの案を出した自分の首を絞めたくなった。
真紀が私の前に来て、手を伸ばし、衿元の最後の一か所、わずかにずれていた部分を直してくれた。
その動作はとても軽かった。
誰かに見られることを恐れているようでもあり、誰かに見られることなど全く気にしていないようでもあった。
「今さら後戻りはできない」彼女は言った。 「分かってる」 「怖い?」 「当たり前でしょ」 「よし」 私は彼女を見上げた。 「よし、ってどういう意味?」 「まだ正常だということよ」真紀は私を見て、声を低く落とした。「今のあなたが全然怖くなさそうな顔をしていたら、私はあなたが取り返しのつかないところまで壊れていないか疑うわ」
「あなたは?」 「私は、もともとあなたより安定しているから」 「いかにもあなたらしい答えね」
真紀の口の端が動いた。笑いそうになって、最後に堪えたみたいだった。本当に顔を無駄遣いしている人だと思う。笑えば人が際限なく調子に乗りたくなるのに、彼女は一年中、限定版しか配らない。
通信からジェスの声が聞こえてきた。尻尾を振り回しているのが声だけで分かるほど興奮している。
「シモ、聞こえる? もう一回言うわよ――私、一日中、いや一年間、この大場面を待ってたんだから。下に降りて最初の一言が『すみません、ちょっと通してください』だったら、一生笑い続けるからね」 「黙って」 「いいね、精神状態は良好ね」
ロイも割り込んできた。口調はいつもより少しだけ真剣だが、野次馬根性は隠しきれていない。
「着陸時の風の乱れは正常、姿勢安定。降りたら顔を上げること、地面を見るな。人が多くなると下を向くのは、新兵と罪人に共通する悪い癖だ」 「そんな励まし方をする人、初めて見たわ」 「どういたしまして」
それからアイダだった。
「星野」
名前を一つ呼んだだけだった。 私は無意識に、少し背筋を伸ばした。
「あなたは一人で行くわけじゃない」アイダは言った。「あなたは最初に降りる人間よ。あなたが口を開いた瞬間、下にいる人たちが今日、雪風号をどう受け取るかの半分が、あなたによって決まる」 「それ、十分前に言ってもらえなかった?」 「言えなかった。今この瞬間に知っておいてほしかったから」
……よし。ローゼン家の教育方針は、やはり人格に傷跡を残すのに最適化されているらしい。
最後に聞こえてきたのは、アッシュの声だった。
「小艇一番、三十秒」
頑張れとは言わない。緊張するなとも言わない。 彼女はただ、静かに言った。
「生きて降りろ。生きて立て。後は自分でやれ」
私は息を吐いた。
この一言は、どんな華やかな台詞よりも効いた。
真紀が半歩下がったが、すぐには離れなかった。彼女は手を上げ、指の関節で私の額を軽くこつんと叩いた。
「演じすぎるな」 「演じてない」 「あなたは私と出会ってからずっと演じてる」 「九島大尉、それは名誉毀損よ」 「生きて帰ってきてから申し立てなさい」
艙外の減速振動が少し強くなった。 小艇が降下を始めている。
地面が近づいているのを感じた。会場の喧騒が外部集音と艙体の振動を通じて、層を重ねて伝わってくる。単純な騒がしさではない。数万人が同時に現実に頬を張られ、まず叫ぶか、泣くか、罵るか、まだ決めきれていない、そういう巨大な音だ。
昨晩、小さな観測窓の前で真紀が言った言葉を、ふと思い出した。
あなたは司会者でもないし、報道官でもない。あなたはただそこに立って、生きていると彼らに知らせれば、それで十分よ。
……よし。
なら、立っていよう。
ハッチ外の表示灯が、一つずつ緑に変わっていく。 着陸完了。 ハッチが開く。
眩しい白い光と会場の音の波が一緒に流れ込んできた。連邦中の注目が一本の奔流に絞り込まれ、正面から私に叩きつけられるみたいだった。本能的に目を細めそうになったが、顎は上げたままにした。
ハッチの外は、中央記念広場の降下区画だった。
その先には、整列した武装警備員、顔色が見事なことになっている現場官員、私の先祖まで一緒に撮り込もうとしているメディアのカメラ、そして遠くには、追悼式に来るはずだったのに、今は棺桶が地面から自力で這い出してくるのを目の当たりにしているような遺族と市民の群れがある。
司会者は台の上に立ったまま、原稿をまだ手に持ち、人生の第三章を誰かに勝手に書き換えられたような顔をしていた。
さらに遠くの大型スクリーンには、まだ雪風号の行方不明者名簿が掲げられている。
私の名前が、そこにある。
私はハッチから一歩、踏み出した。
風が制服の裾を脚に押しつける。数え切れないカメラが私に向いている。その瞬間、この光景がひどく滑稽に思えた。連邦がこれだけ大掛かりに私たちの追悼式を開いておいて、最初に到着した死者本人が、自分で小艇を降りてこなければならないとは。
この世界は、時に筋が通らない。ただ、見栄えだけは気にする。
だから私は降下区画の前に立ち、姿勢を正し、顎を上げ、一年間私たちのために哀悼してくれた空を見上げ、そしてようやく帰ってきた私たちを待っていた人たちを見た。
そして、最初の一言を口にした。
「お待たせして、申し訳ありません」
会場が、水を抜かれたように一瞬静まった。
だから続けた。
「雪風号、星野 シモ――」
私はまだ撤去されていない追悼の名簿を見て、口の端を引いた。
「自身の追悼式を、自ら取り消しに参りました」
その一秒後、会場が爆発した。
比喩ではない。 本当に爆発した。
泣き声、叫び声、息を呑む音、シャッターの音、通信端末の通知音、現場警備が慌てて隊形を立て直す怒鳴り声、司会者がついにプロの平静を失った沈黙、どこかの記者が思わず大声を上げた声、それら全部が一度に炸裂した。
前列では立っていられなくなるほど泣く者、口を押さえてひたすら首を横に振る者、前に半歩踏み出してから止まった軍官がいた。大脳がまだ、この光景を奇跡として記録すべきか、事故として記録すべきか、キャリアの災難として記録すべきか、判断を下せていないみたいだった。
高空では、雪風号がそのまま静かに停まっていた。
もう誰も取り消せない証言のように。
私はその場に立ち、心臓がひどく速く打っているのを感じた。でも、さっきほど重くはない。
なぜなら、一番難しい一歩は、もう踏み出したからだ。
死者本人が到着した。
あとは、連邦全体が生者と向き合うことを学ぶ番だ。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




