134.燃料 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
言い終えた瞬間、鉱区全体が、私のその一言を正式に報復の引き金として受け取ったかのように動き出した。
まず、風が変わった。
「あ、少し強くなったかな」という程度の話ではない。それまで四方八方で勝手に暴れていた乱流が、突然何か大きな意志に握り潰されて一本に束ねられたように、鉱区上空の青白い重力ダスト幕が一斉に内側へ収縮した。
半空に漂っていた瓦礫、フェライトの破片、切断時に吹き飛んだ活性インジウムの結晶粉が、一瞬にして全部空中で静止した。
時間を誰かが押さえたみたいに、止まった。
背骨が一気に粟立った。こういう静けさは大抵、宇宙が先に礼儀を見せてから平手打ちを食らわせる前触れだからだ。
「おかしい」アカリの声が低くなった。「局所的な風暴反転じゃない。鉱区全体の重力場が再配列されてる」
目の前のモデルが、誰かに真ん中から引き裂かれたみたいに崩れた。
辛うじて読めていた流線が、コンマ数秒で全部変形する。
低Gポケットが消えた。
裂帯の溢れ出しが拡大した。
西側の、さっきまで狂犬みたいに噛みついていた波峰が、今度は噛まなかった。
口を開けたのだ。
「第一梯隊、撤収!」私は通話キーを平手で叩いた。「活性インジウムの二塊目を掴んだらすぐ動く。晶体の半分は引っ張れるなら引っ張れ、無理なら捨てろ。今は感情論を語っている場合じゃない!」
「了解」アッシュの返答は極めて速かった。
地表カメラの映像で、Dの車両が車尾を一気に沈め、多機能採取アームが主鉱脈から二塊目の活性インジウムを強引に掘り出した。まだ冷え切っていない青い心臓の半分みたいに輝くそれが回収槽に押し込まれた瞬間、車両全体が、不安定な神性を一層余分に背負ったようだった。
真紀の方も動いていた。
四Gオーバーに一度思い切り叩きのめされたせいで、まだ完全には回復していないのが分かった。左脚の外骨格サポートフレームの数値が一部乱れており、呼吸もいつもより重い。それでも肩のラインは、この惑星全体と根性比べをする気満々みたいに硬く張っていた。
こんな状況でそれを格好いいと思ってしまう私は、たぶんどこかが壊れている。
彼女は二本目の嵐晶体には手を出さなかった。
よかった。少なくとも、私が艦橋に飾りとして置かれているわけではないと理解してくれている。
彼女はただ、さっき折れた嵐晶体の半分を引きずって車両へ向かった。見た目より重く、縁から近乎過曝の青い光が滲み出していて、表面を稲妻のような細い亀裂流が走り回っていた。
彼女が掴んだ瞬間、晶体全体が不満そうに一段輝きを増し、彼女の輪郭を不必要なほど鮮明に浮かび上がらせた。
腹立たしい。
こういう映像を宣伝ポスターにしたら、連邦軍が美学を持った組織だと誤解する人間が続出する。実際の連邦軍は、あなたを飛ぶ山のある場所に放り込んで、ついでに発光する鉱石を持ち帰れと要求するだけの組織だ。
「ジェス」私は顔を上げずに言った。
「はい、星野中尉」今日の彼女の異常に従順な口調は、聞き続けると新型の精神攻撃みたいに感じてくる。
「車体の返送データ、裂帯の移動速度、近軌道の乱流を重ねて」
「左二番ウィンドウにもう入れてある」
私は半拍固まり、目を走らせると、確かにデータが出来上がっていた。私の習慣的な並び順ではなく、彼女自身の整理の仕方——荒削りで、直感的で、美観など一切考えていないが、使い勝手は恐ろしく高い。
……まあいい。
この女、今日は本当に仕事している。
「ありがと」
「感動するのはまだ早い」ジェスは淡々と言った。「右後方のあれ、普通の風じゃない。回り込んでくる流れ」
胸が一瞬跳ねた。すぐに彼女が標示した区域を拡大した。
そして、罵倒したくなった。
普通の嵐の逆流ではない。西側の主裂帯に吸い込まれた重力乱流が鉱区の縁で跳ね返り、逆向きの切流を生み出していた。壁のようなものではなく、ゆっくり閉じていく刃に近い。正規ルートで撤退すれば、それに当たる。低空上昇でも当たる。あと二秒遅れたら、第一梯隊には自分の死に方を選ぶ権利すら残らないかもしれない。
「D」私は言った。
「言え」
「元の進路で車頭に戻るな、右側から切れ。晶体は後方に引かずに、車体上部の固定架に乗せろ。お前の後ろのルートが閉じる」
地表映像の中で、Dは「了解」の一言すら省いて、直接実行した。
全地形車両が機嫌の悪い鋼鉄の犀牛みたいに車体を急転換させ、側面護板が浮遊する瓦礫を弾き飛ばし、後部固定架がバシャンと展開した。
真紀が嵐晶体の半分を車体の上に力任せに放り投げると、縁が車体に当たった瞬間に細かい青い光が炸裂し、まるで晶体が車両に一口噛みついたみたいだった。
アッシュが横から磁気固定フックを一発打ち込み、その半截の晶体を完全に固定した。
「固定完了」アッシュは言った。「今日は二次落下物は受け付けない」
「まるで私たちがいつもこういうものを落としているみたいな言い方ね」私は言った。
「その悪い習慣を身につけたいなら、まず報告書の書き方から始めろ」
「……いい。やめておく」
その時、輪機室チャンネルが再び炸裂した。
「活性インジウムの二塊目、入ったか?!」ハーヴィーの声は、本人が既にエンジン管路を一周這い回って転げ出てきたかのような大きさだった。「星野!数を返せ!こっちは『神風』の調合比率を計算し始めなきゃいけない!」
「入った!」私はぶっきらぼうに返した。「ついでに嵐晶体の半截も拾ってきた。満足した?」
「大満足!」ハーヴィーはほとんど叫ぶような勢いだった。「非常に満足!主任機関長、聞こえましたよね?俺たちは帰れるだけじゃない、帰り方に格があるんです!」
ヴィクトルが後ろから冷たく一言放った。
「新炉の接合部を封じてから格を語れ。今は鉱石二塊だ。救世主じゃない」
「親父さん、本当に会話が下手ですね」
「炉を修れれば十分だ」
この輪機室流のロマンには、確かな力があった。なぜなら、これが何のために戦っているかを思い出させてくれるからだ。
あの二塊の活性インジウムは、もはや鉱石ではない。雪風の新しい肺であり、新しい心臓であり、新しい気性だ。この老いた艦が、「命の強さだけを推進力にする」やり方を少しでも卒業できる証明だ。
だからこそ、第一梯隊にあと一秒でも余分に賭けさせるつもりはなかった。
「ウィンドウはどれだけ残ってる?」アッシュが聞いた。
アカリの指が空中でほとんど残像を描いた。
「元の離脱ウィンドウはなくなった。正面の切流が塞がれてる。もう一本——待って、細すぎる——」
「細い方をくれ」私は言った。「今は幅のあるものが全部嘘だから」
アカリが一瞬、私を見た。この惑星にようやく絞り出されたのかどうかを確認するような目だった。それからすぐに、針の縫い目ほどの紫色の線を一本、メインウィンドウに打ち込んだ。
「車体の左前方、三十七度で切り上がる。一・五Gから〇・三Gへの段階的な反発を踏む。六秒だけ。一格でもずれれば高空の回り込み流に叩かれる」
よし。ついに来た。この惑星が用意した「生きて出ても正面玄関は使わせない」バージョンだ。
私はそのルートを二秒見て、すぐに口を開いた。
「第一梯隊、新ルートを聞け。車頭を無理に上げるな。まず左前に沈んで、地表の反発を使って跳ね上がれ。飛ぶんじゃない、弾かれるんだ。D、その車を水上スキーができる鉄の棺桶として操れ」
「例えが最悪だ」Dが言った。
「でも分かったでしょ」
「分かった」
「真紀、もう乗ったか?」
チャンネルが半拍、静かになった。
今の私にとって、こういう半拍は悲鳴より嫌だ。
「……乗ってる途中」
私はすぐに地表カメラを引き寄せた。
そして、椅子から跳び上がりそうになった。
「乗ってる途中」ではなかった。彼女は今まさに車体の側面ステップに足をかけたところで、鉱区の第二輪重力反転がまた来たのだ。彼女の体が明らかに一度揺れ、右肩がようやく把手を掴んだと思ったら、左脚フレームの校正ランプが狂ったように赤く点滅した。次の瞬間、地表全体がまた浮き始めた。
彼女が浮いているのではない。
彼女の足元の地面が、半截のフェライト岩層ごと、ゆっくりと地面を離れていた。
頭皮が一気に爆発した。
「真紀、跳べ!」
彼女はすぐには跳ばなかった。
躊躇しているのではない。
角度を見ていた。
この女は本当に、私を生きながら怒り死にさせる気だ。
浮遊岩層はすでに高空の引力に引っ張られ始めており、縁の砕石が青い雪のように上へ舞い散っていた。彼女がそのまま車両の方へ飛び込めば、次の横風に正面から叩かれる可能性が高い。
でも、もし待っていれば——あと半秒待てば、岩層全体が回り込み流に入り、何の記念価値もない美しい瓦礫になって砕け散る。
喉が締め付けられた。
「真紀!」
今度こそ、彼女は動いた。
車両へ向かって跳んだのではない。
まず重力アンカーを、まだ完全に地面を離れていないフェライトの柱に向けて打ち込み、その反動で自分を引っ張り出した。まるで張り詰めた鋼索に思い切り弾き飛ばされたように、体が半空で一回転して、車体の上方へと叩きつけられていった。
よかった。
見事だった。
心臓が止まりそうなほど、見事だった。
Dはほぼ同時に車体を左へ振り、車頂の固定架が彼女の落下点の真下に滑り込むようにした。アッシュが手を伸ばして彼女の腕を掴み、車体の脇に引き込んだ。次の瞬間、彼女が立っていた浮遊岩層全体が高空の回り込み流に巻き込まれて砕け散り、青白い結晶の破片が四方に炸裂した。
目の前が一瞬暗くなり、私は指先が掌に食い込むほど握り込んでいた。
……帰ったら、九島真紀に対して正式に抗議書を提出しなければならない。
内容はだいたいこうだ。「同室者の平均心拍数を、これほど高難度の方法で虐待するような行為は、今後控えられたい」。
「全員乗った」アッシュの声が入ってきた。
私は深く息を吐いた。
「よし。D、行け!」
「観光してるみたいな言い方だな」Dが返した。
車両が全体を低く沈め、それから左前方へと猛然と切り込んだ。
走るというより、物理の教師がとうとう我慢の限界を超えて公式の後ろから一蹴りしたような動き方だった。
メイン画面の中で、車両はまず重さが忽ち変わる地表を滑り出し、次に車体の底が見えない弾力のある層を踏んだかのように、固定した嵐晶体の半截ごと反発力で持ち上げられた。外殻が眩しく輝き、砕けた岩片と重力微粒子が磁石に引き寄せられたように外へ飛び散り、視野全体が激しく揺れた。
「第一段反発、突入!」アカリが叫んだ。
「第二段まだある!」ジェスも同時に報告した。「早く上げるな、早すぎると回り込み流に入る!」
この一言が、ちょうどよかった。
なぜなら私は今まさに、Dに車頭を上げるよう指示しようとしていたからだ。
私は視線を無理やりモデルに戻した。反発の段差のすぐ脇に、暗い色の干渉帯が張り付いているのが見えた。風でも重力でもない。重力微粒の密度が高すぎて、その空域全体が一時的に歪んでいる。見た目は安全な出口のようでいて、実際には鉄板に潰されに行く扉だ。
背中にまた冷や汗が滲んだ。
ジェスがあの一言を挟まなかったら、私は今頃、自分の手で第一梯隊を宇宙の笑い話に送り込んでいた。
「D、上げるな!」私はすぐに指示を変えた。「あと半秒だけ待て!半秒後に第二段の反発が自然に送り出してくれる!」
「分かった」
ジェスが横を向いて、私をちらりと見た。
その目には、得意げなところは何もなかった。どちらかというと、「ほら、今日ちゃんと仕事してるでしょ」と言っている目だった。
私は歯を食いしばり、小声で絞り出した。
「……助かった、あんたがいて」
彼女が片眉を上げた。
「これ、保存する」
「やめて」
「やる」
よし。
少しだけ、ジェスが戻ってきた。
それがかえって、安心した。
地表では、第二段の反発が予定通りに来た。
車両が見えない巨大な手に下から持ち上げられたように、斜めに弾き飛ばされ、ほとんど閉じかけていた高空の切流の隙間をくぐり抜けた。
後方の鉱区はその同じ瞬間に完全に牙を剥き、青白い裂帯が一面に落ちてきた。嵐晶体の群れが一本ずつ重力乱流の中で炸裂し、活性インジウムの光柱も横向きに引き裂かれ、地表全体が、神明クラスの乱闘が始まったかのような様相を呈した。
あと一秒遅れていたら。
半秒でも四分の一秒でもない。
一秒だ。
第一梯隊はあの鉱区ごと、非常に教育的な作戦記録映像の素材になっていただろう。
「抜けた!」ロイが先に叫んだ。
私はその時になって初めて、ずっと息をしていなかったことに気づいた。胸の中に、分解できない鈍い鉄の塊が詰まっているみたいだった。
メイン画面の中で、車両は上へと向かっていた。
滑らかな上昇ではない。低Gに弾かれ、高Gに引かれ、乱流に押されながら、あの発光する狂った惑星の手から自分を引き剥がすように、もがきながら外へ出ていく。
アッシュの声が、その時ようやく落ち着いて入ってきた。
「第一梯隊、任務目標を確認する」
Dが報告した。
「活性インジウム、二塊」
真紀が続いた。声はまだ少しかすれていたが、安定していた。
「嵐晶体、半截、一」
彼女の声を聞いて、胸の中の鉄の塊がほんの少し緩んだ。
アッシュが最後に締めた。
「全員生還」
艦橋が半拍、静かになった。
それから誰かが先に息を吐き出し、橋面の空気がようやく動き始めた。
私は椅子の背にもたれ、肩が修理台から下ろされたばかりの装甲板みたいに強張っていたことにようやく気づいた。
ジェスが、私が危うく倒しかけたカップをまた押し戻してきた。
「一口飲んで」彼女は言った。「今のあんた、自分で四・五Gに踏まれてきたみたいな顔してる」
「そんな画像的な言い方で私を形容してくれてありがとう」
「どういたしまして。今日は親切だから」
カップを受け取り、人間が口腹の欲を捨てるよう説得するために存在しているような温かい飲み物を一口飲んだ。ようやく喉が金属粉を飲み込んだ感覚から解放された。
輪機室チャンネルでは、ハーヴィーがすでに稀少材料を手に入れたエンジニアの幸福感で艦全体を汚染し始めていた。
「二塊!活性インジウム二塊!それに嵐晶体まで!主任機関長、聞こえましたか!本当に『神風』の調合が始められます!」
ヴィクトルが後ろから冷たく一言。
「耳は聞こえてる。口を閉じて、第三接合部の校正に来い」
「あなたって本当に全然お祝いができない——」
「新炉が点いてからお祝いしろ。今はまだ食材を見てるだけで、食事じゃない」
私は笑いそうになった。
この言葉は正しかった。そして非常に雪風らしかった。
私たちは確かに、まだ食材を持ち帰ったところだ。あの発光する狂惑星はまだ後ろで暴れていて、いつ反撃してくるか分からない。新炉はまだ完成していないし、点対点ジャンプは前方に見える光であって、まだ手の中のドアノブではない。
でも少なくとも——
少なくとも、本当に一格分、前へ進んだ。
しかも生きた人間が進めた。弔辞で補ったのではなく。
私は杯を置き、一次回収データを二次簡報用に統合しようとしたところで、個人チャンネルがまた静かに光った。
公共チャンネルでも、艦橋メインコンソールでもない。
私的なものだ。
胸が一度跳ねた。接続した。
真紀の声は低く、背景には帰還中の車両の金属振動のノイズが混じっていた。
「シモ」
たった一言。
彼女がなぜ毎回、神経がようやく半センチ緩んだところを正確に踏み込んでくるのか、吐き出す間も与えてくれなかった。
「……なに」
声を低く抑えた。自分が何かのスイッチを押されたみたいに見えないように。
チャンネルの向こうが半拍静かになった。
それから彼女は言った。
「見えた」
「何が?」
「『神風』が反応した」
私は一瞬止まった。
「……うん」
「さっきの判断、報われた」
この一言は、さっきの「見事だった」より軽くなかった。
もっと重かった。
もっと真紀らしかった。
単純に指揮を褒めているのではない。彼女は私に伝えていた。あなたが今抱えていたものが何だったか、私には分かっている。そしてその重さは、無駄じゃなかった。
本当に腹立たしい。
こういう言葉は、どんな曖昧な綺麗事よりもずっと、今の私には致命的だ。
私は二秒黙って、最後に画面の隅で上昇中の炉心曲線に視線を釘付けにしながら、低く返した。
「先にアイダの検査を受けてから話して」私は言った。「あの惑星にあんな目に遭わされて、まだ私が怒り収めてないから」
向こうが少し間を置いた。
それから、彼女がごく薄く笑う気配がした。
声を出した笑いではない。呼吸の縁がほんの少し緩んだような、そういう笑いだ。
「分かった」彼女は言った。
「それと、後で逃げないで」
私の全身が固まった。
……この人は本当に何なんだ。
艦橋の上に、星野 シモ専用の心拍攻撃兵器でも隠してあるのか。
「今、忙しい」私は無理やり言った。
「知ってる」彼女は特別に平坦に返した。「だから、後で、と言った」
通信が切れた。
私は暗くなった私的チャンネルの欄を見つめ、頭の中でしばらく、連邦に正式な新兵科の設立を申請することを考えた。九島真紀と対面しながら正常な判断力を維持できる、高耐圧艦橋要員。全宇宙での合格率は三パーセントを超えないと思う。
「顔、赤いね」
ジェスが隣で言った。
私は顔を上げずに、ペンを一本投げた。
「もう一言言ったら、次の通信当直表で主任機関長とロマンについて語り合う枠に入れる」
ジェスはそのペンを受け取り、笑った。
「それもいいかも。あの人、一途だし」
「二人とも黙って」
「私は何も言ってない」アカリが無実を訴えた。
「心の中で言ってた」
「それはあなたの被害妄想」
よし。
雪風号が、ようやく見慣れた姿に戻ってきた。
輪機室はまだ騒がしい。
『神風』はゆっくりと目を覚ましつつある。
艦橋は再び忙しくなった。
第一梯隊は生きて帰ってきた。
そして私にはまだ、二次簡報一式、後続の資源評価、第二輪の実行可能性判定、それから検査が終わった後に私を見つけに来るかもしれない——あるいは私が見つけに行くかもしれない——九島真紀の件が残っている。
人生は本当に、理不尽なほど充実している。
でも今回は、不思議と特別に文句を言いたい気分にはならなかった。
文句を言ったとしても、どこかに妙な踏み台感があった。
全員がまだここにいる。
雪風号が本当に、ただ踏ん張るだけの艦から、再び走れる艦へと変わり始めている。
この一連の、荒唐無稽で、危険で、心臓と理性を一緒に限界まで往復させた日々が、ただ「生き延びた」だけじゃなくなりつつある。
それは、前へ進むという言葉に、少しずつ似てきている。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




