114. 隠蔽 3
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
医務室を出ると、雪風はすでに氷封惑星の重力圏を離脱し、航路は再びローレンス修理工場へ向かう五日間の亜光速航路に合わせられていた。
艦内放送が物資状況を更新した。使用可能な純水備蓄が回復し、第一回の最も厳しい節水は当面加速しない。厨房は最低限の温食処理を再開できる。医務室と機関部の優先配分は維持。全艦の入浴禁止は続くが、少なくとも一人一日の清潔配分は「死神と値段交渉している」レベルから「かろうじて文明がある」レベルまで引き上げられた。
結果はすぐに士気に反映された。
食堂からまず報告が来た。今夜の口糧スープがようやく、塩気のある温かい記憶ほどひどくなくなった。損管班の誰かが第一陣の浄化水を透明なカップに入れて高く掲げ、「これが自由だ」と叫んだ。機関部のあの連中は、自分たちが半分神様だと思っているいつもの顔で、即座に冷却水の配分増加を要求した。配給表で叩いてやりたくなる顔だった。
だが変化はそれだけではなかった。
人は一時的にそれほど渇かなくなると、他のことを考える余裕が生まれる。誰が何をしたか、誰が決定権を持っているか、誰が今の席に本当は座るべきでないか、ということも含めて。
艦橋に戻ると、ロイと蘭はすでに輪番に復帰していて、アイダは氷晶の初期分析報告をメインデータベースへ送信中だった。ジェスは副席の横に寄りかかり、私を見るなり元気よく手を挙げた。
「代理艦長、今全艦に二種類の声がある」
「頭痛が少ない方から先に言って」
「第一種は『星野中尉すごい、本当に水を掘り出した』」
「もう一種は?」
ジェスは不吉な予感のある笑みを浮かべた。
「第二種は『星野中尉が本当に、用途不明の発光石を掘り出してきた』」
目を閉じ、ゆっくりと息を吸った。
上出来だ。
合理的だ。
実に雪風らしい。
アイダは報告書をメインスクリーンに投げ上げ、明日のメニューを話しているような口調で言った。
「正確には三種類だ。第三種として、代理艦長の今回の判断は果断だという意見もある。それから、代理艦長が飛田艦長に似てきたという意見もある」
この評価は少しも嬉しくない。
「それは褒め言葉じゃないでしょ」私は言った。
「誰にとってかによる」蘭が言った。
ロイは舵手席で咳払いをし、公正な立場を取ろうと努力したが、口を開いた瞬間に正体を晒した。
「個人的には、今日星野がいなければ、俺はあの亀裂の底で人生について考えていたと思う。だから……現行の代理指揮体制を支持する」
「その言い方、不信任票を入れる前に自分を守っているように聞こえるけど」私は言った。
「明日の水を飲みたいから」
艦橋で短い笑い声が上がった。
だが笑いの奥に、別のものも聞こえた。
直接「艦長」と呼び始めた者もいる。「代理」という二文字を特に強調して言う者もいる。今日の結果があるから、報告の口調がより従順になった者もいる。そして、より明らかに沈黙している者もいる。次に私が艦を生路へ導くのか、それとも全員を別の亀裂へ連れ込むのかを、待っているように。
私はメインスクリーンの前に立ち、修理工場へ向かう細い航路を見て、それからアイダがマークした氷晶サンプルのスペクトル図と残余水循環効率を見た。
艦はまだ前進している。
水は当面足りている。
人も当面は全員生きている。
だが、この艦の亀裂が、氷原の下だけに口を開けているわけではないことは明らかだ。
艦内でも、何かがゆっくりと裂け始めていた。
そして私は、その亀裂の真ん中に座っていた。
艦橋に漂うあの、あるかなきかの亀裂の感覚は、最終的に誰かの口から広がることはなかった。
それは一枚の分析報告から育ってきた。
事の発端はこうだ――私は艦橋へ戻った後、航路が安定し、輪番が整い直され、ロイの魂もようやく亀裂の縁から体に戻ってきたところで、アイダのところへ行って氷晶の初期結果を確認しようとした。あれが「少し危険な希少鉱石サンプル」なのか、それとも「艦全体を科学教育の素材にしかねない高価なゴミ」なのかを確かめるために。
分析区に入った最初の一瞥で、答えは三番目の種類に落ちると分かった。
つまり――「大変なことになった」だ。
分析区は臨時の材料実験室に転用されていた。雪風には今、爆破されてから無理やり繋ぎ合わされた空間活用の知恵が最も溢れている。
通常の水質と燃料純度の検査に使う小部屋が、今はアイダによって、何かの密輸科学拠点のように使われていた。携帯分析器三台が並んで架けられ、シールドケース二組が外部電源に接続されている。テーブルの上にはスペクトル図、熱像波形、見ていると眼球が乾いてくる材料モデルが敷き詰められていた。
天井の蛍光灯は二本だけ点いていて、そのうち一本は時々明滅している。場面全体が、誰かが突然「ここは実は非合法改造区画だ」と言い出しても全く驚かないような雰囲気だった。
そして、アイダはその半明半暗の機器の光の中に立っていた。
制服の袖口を肘まで捲り上げ、前髪が少し乱れ、目の奥に研究狂が仕事モードに入った時だけ現れる、細い光が宿っていた。その光には大抵二つの結末がある。艦全体を救うか、事後に十五枚の事故報告書を書かせるかだ。
前者であってほしかった。
「やっと来た」アイダは顔も上げず、シールドケースの出力曲線を調整しながら言った。「あと五分遅かったら、放送で代理艦長を呼んで宇宙のジョークを見せようとしていた」
「宇宙のジョークはたいていおもしろくない」私は歩み寄り、作業台の縁に手をついた。「特に主役が私の時は。結果は?」
アイダは隣の第二スクリーンを私の方へ押しやった。
「これは単純なエネルギー結晶じゃない」
「その言い方、後に『心の準備をしてください』が続くタイプだ」
「準備して」
「……あんたは本当に人を宥めるのが下手だ」
「医官じゃないから」
アイダを一瞥してから、データを見た。
正直に言えば、最初に見た時、このグラフは機嫌の悪いウニの群れのように見えた。波峰が乱れ、周波数帯が幾重にも重なり、正常な材料検査にあるべき安定した減衰曲線は存在しない。代わりにあるのは、ほぼ「応答的」とも言える反応だ。極めて低い熱エネルギーを入力すると、氷晶の表層に局所的な蓄積が起きる。少し上げると、内部のある構造層が目を覚ますように遅延共振を起こす。そして最も厄介なのは――その共振のパターンが、見れば見るほど見覚えがあった。
「授業で見たことがある」という種類の見覚えではない。
「最近この代物に、脳漿がずれそうなほど振動させられかけた」という種類の見覚えだ。
私はゆっくりと顔を上げた。
「……この波形」
アイダがついに、少しまともな満足の表情を見せた。
「そう、その波形だ」
「神風エンジン?」
「より正確には、神風エンジンが残した奇点跳躍前置場のパルス残波だ」アイダは空中に二つの図層を引き出し、私たちの跳躍事故後に記録した残留パラメータを重ね合わせた。「最初は偶然かと思った。宇宙には人を殺す種類の偶然が多いからな。だが三回の交差比較を行い、さらに雪風のまだ読み出せる旧式動力回路のバックアップパラメータを当てはめてみたら――一致率が気持ち悪いほど高かった」
「どれくらい高い?」
「今八割と言ったら、楽観的すぎる」アイダは言った。
私は二秒黙った。
「……九割?」
「九割三分だ」
心から悪態をつきたかった。
だが分析区は整備甲板ではなく、空気の中にはまだわずかに文明を装う余地があったため、最終的に手を上げて額を押さえ、頭痛が太陽穴に沿って整然と行進を始めるのを感じるだけにした。
「待って」私は言った。「整理させてくれ。あの氷原の下で掘り出した綺麗な発光ガラスの枝は、熱源に反応するだけでなく、雪風の神風エンジンの残留場とも高い相似共振を示している、ということか?」
「そうだ」
「しかも単純に似ているのではなく、雪風の設計図を誰かが昔この物質を組み込んで書いたのではと疑いたくなるほど高い、ということか?」
「そうだ」
「あんたがこんなに平静に言うのが気に入らない」
「あんたまで平静でなくなったら、サンプルを宇宙に捨てろと命令しそうだったから」
「さっき本当にその選択肢が頭をよぎったと、なぜ分かった?」
「あんたのことを知っているから」
この言葉は少し反則だった。
顔が赤くなる類の反則ではなく、「あんたが本当に私をそこまで正確に読んでいたのか」という不快な反則だ。
私は軽く咳払いをして、視線をスクリーンへ戻した。
「まだ他にある?」
「ある」アイダは言った。「悪い知らせはまだ終わっていない」
「そう思った」
アイダはシールドケースの中の氷晶のリアルタイム監視曲線を拡大した。完全に隔離された、低温、低出力の観察条件下でも、氷晶の内部のあの極めて薄い青白い微光は、非常にゆっくりと流れ続けていた。
ランダムな流れではなく、内部の規則に沿って、結晶の稜線の間を一周ずつ回っていた。非常に小さく、非常に精密な循環を維持しているように見えた。
「雪風の旧式動力コイルの外殻に近づけた時、反応がより顕著になった」アイダは言った。
私は急に顔を上げた。
「動力コイルの外殻に近づけたの?」
「退役した予備部品だ」アイダはすぐに補足した。「現役の主回路じゃない。艦を二回目の異次元旅行に送り込もうとするほど、まだ狂っていない」
「その言い方で一番不安なのは、『まだ』という部分だ」
アイダは私の抗議を選択的に無視して続けた。
「近づけた後、氷晶の蓄積スペクトルは強化されるのではなく……校正された」
「校正?」
「自分が合わせるべき拍子を知っているように」アイダは二本の徐々に同期していく波線を指差した。「受動的に励起されているのではなく、能動的に周波数を探している」
背中がわずかに冷えた。
部屋が寒いからではない。
その言葉が、物語に出てきてはいけない台詞に聞こえたからだ。
宇宙の物質は、危険でも、希少でも、盗みたくなるほど価値があってもいい。だが一番厄介なのは、常に「何かを知っているように見える」ものだ。
何かが材料そのものを超えた規則を示し始めた瞬間、その背後に設計があるのか、文明があるのか、遺留技術があるのか、あるいはもっと厄介な――秘密があるのかを、疑い始めなければならない。
そして雪風には、秘密が一番欠けていない。
あの骨董軍備のような神風エンジンから、飛田艦長が時々あまりにも多くを知っていながら人間の言葉で話そうとしない態度まで、この艦が要所で見せる理不尽なほどの粘り強さまで……もし今、誰かが「雪風には一般の乗員が知るべきでない旧時代の装置が隠されている」と言っても、私はまず白目を剥いてから、こう訊くだけだろう。「で、今回はまた誰が触る羽目になるの?」
私はスクリーンを長い間見つめた。
それからゆっくりと口を開いた。
「もう仮説がある」
疑問形ではなかった。
アイダの顔には、研究者が持つ最も危険な表情がすでに浮かんでいたからだ――「証拠はまだないが、この可能性が気に入り始めている」という顔だ。
アイダは軽く息を吸い、自分の荒唐無稽な言葉に最後の包装をするように。
「ある」
「言って」
「氷晶は単純な天然の高エネルギー鉱石ではないと思う」アイダはゆっくりと、しかし安定した口調で言った。「どちらかといえば、特定の場システムに対して選択的な結合を起こす媒介材料に近い。神風エンジンはそれを使っているのではなく、それと互換できるよう設計されていた。さらに一歩進めると――」
アイダが一拍置いた。
私は目を細めた。
「ここで焦らすな」
「一歩進めると、雪風には神風エンジン以外にも、この種の材料を待っているシステムがあるかもしれない」アイダは言った。「別の回路。あるいは……封印されていて、普段は絶対に起動しない装置」
分析区が静まり返った。
静かになったというより、機器の唸り、冷却ファンの低い回転、蛍光灯の時々の電流の跳ね、それらすべてが突然遠くなった。耳の中に残ったのは、たった今の言葉が反響するだけだった。
封印された装置。
雪風に普段は絶対に起動しない装置。
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